人修羅×まどマギ まどマギにメガテン足して世界再構築   作:チャーシュー麺愉悦部

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388話 世界の真実

CHAOS勢力最終決戦の火蓋が切って落とされた事によりスイスは地獄の戦場と化す。

 

手加減抜きの魔王と神々の殺し合いによってスイスの国土は瞬く間に焼き尽くされる。

 

しかし犯罪者共の富を収めた大金庫は堅牢な守りに包まれており、戦火を生き残っている。

 

地下大金庫であれば地表で戦争が起ころうと略奪品を守ってくれるバンカーとなるだろう。

 

そう考えている反乱軍の者達はスイス国民に大量の犠牲者を敷きながらも戦い抜くのだ。

 

「正義の味方を気取るなよ…反乱軍共!貴様らのやっている事は我々と同じなのだからな!」

 

マンモンの背後を守るダンタリアンはスカディ化したリズに対して魔法攻撃を連発する。

 

「勝った者が正義を名乗れるけどやってる行為は悪行そのもの…それぐらい認めているわ!!」

 

炎魔法や氷結魔法を避けながら高速で飛ぶリズはオリジナルのリズと同じく罪を自覚する。

 

たとえ何も知らない善良な人々に犠牲を敷こうとも、勝ち取りたい希望があるのだと叫ぶ。

 

「本来なら民衆こそがディープステートと戦うべきだった…だけど皆…知る努力をしないの!」

 

「それが権力の支配力である愚民の堕落心理!奴らはローマ時代から何も変わらないからな!」

 

「政治は御上が上手くやると勝手に思い込むから…全員が政治の現実を知る努力をしない!!」

 

「火事場の野次馬と同じ心理だ!誰かが通報すると全員が考えるから誰も通報しないのさ!!」

 

「呪いのような集団心理を誰も疑わず流されるばかりだったから…私達が戦うしかなかった!」

 

「ハハハ!テロリストになるしかなかったのは愚民の無関心のせいだ!存分に死なせていけ!」

 

「私達もカナン族と同じ大量虐殺者になるでしょう…だけどね…私達の心は泣き叫んでるの!」

 

反乱軍という悪にならなければ世直しすら出来ない現実の苦しみこそかつての将門公の苦しみ。

 

国賊になってでも朝廷政府に逆らわなければ人々を守ることすら出来ずに見捨てるしかない。

 

朝廷や政府に逆らう道など誰もが絶対に嫌なのに、それでもやるしかない時は選ぶ覚悟を示す。

 

それこそが革命精神であり、自分の人生を台無しにしてでも人々を救いたい自己犠牲精神。

 

しかし気高い精神があろうと酷い矛盾を抱えているのをダンタリアンは見抜いているのだ。

 

「貴様らも我々も同じ穴の狢共だ!どうせ戦争に勝ったら()()()()()()()()()()()()()()!?」

 

「そ…それは……」

 

「我々の秘密主義を否定しておいて、自分達の罪は隠蔽する?腐り切ったダブスタ共めぇ!!」

 

自分は良くて、お前はダメ。

 

これこそが正義の正体であり、その中身は卑劣極まりない恥知らずなダブルスタンダード。

 

自分の悪行を正当化しようとすればする程、カナン族と変わらない秘密主義に逃げてしまう。

 

バレなければ犯罪にはならないというユダヤの価値観を振りかざすミイラに成り果てるのだ。

 

「矛盾を恐れてはだめよ!!」

 

ニュクスの叫びで我を取り戻したリズが魔法攻撃をギリギリで回避する。

 

ダンタリアンの誘導手口に踊らされていた彼女を救ったニュクスも辛い顔をしながらこう叫ぶ。

 

「同じ犯罪者の手口を指摘され、劣等性を認めさせれば相手側の正しさの担保に出来るの!!」

 

「そ…それはそうだけど……」

 

「ユダヤが得意なすり替え手口よ!追及側の矛盾に意識を向けさせれば自分の煙幕に出来る!」

 

「チッ…余計な入れ知恵をしおってからに。もう少しで己の罪によって潰せてやったものを…」

 

「私達も同じ穴の狢でしかない…それでも私達には下々の人々を救いたい気持ちがあるの!!」

 

「人々を救いたい気持ちならば我らも同じだ!我らは世界中のエリートを救いたかったのだ!」

 

「優先する者を違えただけで似た者同士…いいわ、ならどちらが選ばれるか決めましょう!!」

 

戦争とは競争であり、勝者と敗者を決めるもの。

 

世界のエリート共が勝つか、エリートに騙されながら搾取され、殺される下々の人々が勝つか。

 

ただそれだけだったのだと気づいたリズはスカディの力を全開にしていく。

 

「私もオリジナルのリズと共にホークウッド家の罪を贖罪していくわ…その為に…勝つ!!」

 

白髪ロングの髪が揺れ動く程の魔力を爆発させたスカディが一気に跳躍飛行する。

 

影の体の右手を掲げて放った光の球体が一気に弾け飛び、眩い閃光が迸る。

 

「トラフーリだと!?小賢しい真似を……グハァァァァーーーッッ!!?」

 

背後に回り込まれていたダンタリアンの頭に強烈な回転踵落としがクリーンヒットする。

 

「まだまだぁぁぁぁぁぁーーーーッッ!!!」

 

高速落下するダンタリアンの背中に蹴りを放ちながら大地に迫り、影の世界に引きずり込む。

 

影の世界こそ影の国の女王スカアハの領域であり、残酷処刑を楽しむスカディの支配領域。

 

「ギャァァァァァーーッッ!!!」

 

赤黒い影の槍の数々で全身を貫かれたダンタリアンが拘束されながらトドメの一撃を浴びる。

 

放たれた大地震によって影の国を模した影牢獄が崩壊していく中、リズが地上に戻るのだ。

 

「リズはやったようね…私も負けてられないわ!!」

 

「我とダンタリアン程度を同列に語ってくれるなよ!滅びるがいい…夜の女神!!」

 

二対の鳥頭をしたマンモンが巨人の体を動かしながら迫りくる中、ニュクスは両手を構える。

 

胸元に広がる宇宙空間を両掌で支えるような構えをとる彼女に目掛けて『大切斬』が放たれる。

 

しかし叫び声を上げたのはマンモンであり、振り下ろした右手の指が全て切断されているのだ。

 

「行くわよ、私の死神。この世界を支配してきたカナン族ユダヤ全てを冥界に送りましょう」

 

ニュクスを守るように顕現しているのは彼女の息子のタナトスであり、禍々しい叫びを上げる。

 

鎖で繋いだ複数の棺桶を背後で広げたタナトスがマンモンに飛び掛かり、高速斬撃を放つ。

 

「グギャァァァァァーーーーッッ!!?」

 

タナトスの剣が放つ刹那五月雨斬りによって全身を刻まれたマンモンが片膝をつく。

 

それでも大口を開けた彼が極大のウインドブレスを放とうとするが、ニュクスが消えている。

 

彼女が立っているのはマンモンの頭部を構成する二対の鳥頭の中央部分なのだ。

 

「七つの大罪において強欲を司る悪魔め!カナン族ユダヤの罪を表す貴様もまた冥界に逝け!」

 

右手を手刀の形で構えたニュクスの手が氷の刃と化していき、巨大な氷剣が振り下ろされる。

 

「ガッ……ハッ……ッッ!!!」

 

身体を真っ二つにされたマンモンが砕け散り、膨大なMAGとなって夜空に昇る最後を遂げる。

 

地面に着地したニュクスの元に下りてくるタナトスは片手を持ち上げながら親指を上げる。

 

サムズアップしてくる息子に対して微笑む母親もまたサムズアップを返してくれるのだ。

 

<<まだ終わりじゃないぞぉぉぉーーーーッッ!!!>>

 

有象無象の堕天使兵士達が攻め込んでくるが、ニュクスとタナトス、そしてリズの敵ではない。

 

次々と惨殺される敵軍の向こう側では大将首の一つであるベリアルが戦っているようだ。

 

高速飛行するヴィシュヌとラクシュミに対して口から業火の熱線を吐きながら攻撃してくる。

 

振り下ろされる槍の衝撃波を掻い潜り、メギドラを放ちながらヴィシュヌは叫ぶのだ。

 

「ベリアル…いや、シェルバーン卿!貴様の一族のせいで数々の陰謀が成されてきたものだ!」

 

黒の貴族の中でも強大な力を持ってきたシェルバーンが支配するスイスに対して怒りを叫ぶ。

 

不敵な笑みを浮かべるベリアルは黒の貴族が行ってきた様々な陰謀の種明かしを語っていく。

 

「フリーメイソンは常に秘密と殺人を重視する!石工組合原点のヒラム・アビフのようにな!」

 

フリーメイソン入門儀式としてアリナも経験させられた演劇こそ、ヒラムの死の試練。

 

メイソン主要儀式の中にあるモーセの秘儀を受け継ぐ一派の三大秘儀は誰にも知られないもの。

 

三つの言葉と呼ばれる三大秘儀を知る者とはソロモン王やヒラム・アビフを表す。

 

生前のヒラムは低位階の弟子達から秘密を明かせと脅されるが黙秘を貫く。

 

その為に殺される末路となったヒラムの死を懸けた秘密主義こそがメイソンの信念となるのだ。

 

「組合仲間の犯罪行為を暴露するぐらいなら死を選ぶこの団結力こそが陰謀力となったのだ!」

 

秘密と殺人、これこそがフリーメイソンの教義となり、様々な陰謀劇を繋ぐ線となっていく。

 

英国を分断したカルヴィニズムも黒の貴族が利用した計画であり、チャールズ一世を謀殺する。

 

この謀殺を暴露してくれたのが1921年にアルフレッド・ダグラス卿が出版した本の内容だ。

 

ユダヤ人による英国への入植を邪魔するチャールズ一世を謀略によって逃走させて拘束する。

 

反対派を裁判にかけて処刑することでユダヤが英国を支配し、見返りに経済支援を送る内容だ。

 

「陰謀とは秘密力と団結があって初めて成立する!世界は秘密主義者の団結力に負けたのだ!」

 

「そんな貴様らが悪性伝染病と言える共産主義とシオニズムを生み!他民族を殺してきた!!」

 

フランクフルトのイルミナティ本部から二つのカナン人の悪が生じ、疾病の如く世界を蝕む。

 

共産主義インターナショナルは英国ロスチャイルド商会のライオネルと組んだ2人で生まれる。

 

詩人ハインリッヒ・ハイネ、そして共産主義の生みの親として名高いカール・マルクスだ。

 

イルミナティ初代頭領のワイスハウプトの死後、後を継いだのがイタリア人革命指導者。

 

ジュゼッペ・マッツィーニが二代目となり、さらに過激な直接行動を望むようになる。

 

革命勃発と政権転覆奪取へと舵を取り、共産主義インターナショナルがこの計画の骨子となる。

 

イルミナティ一部門の正義者同盟は1847年にはマルクスに共産党宣言の執筆を委任。

 

1848年に出版されるやいなや、世界各地のフリーメイソン支部が世界中に流布していく。

 

長い政治キャリアを通じてマルクスはイエズス会やフリーメイソンと行動したのは周知の事だ。

 

「共産主義だけでなくシオニズムも必要であった!世界中のユダヤの力を一つにする為にな!」

 

世界中に暴力革命をばら撒いたイルミナティのもう一つの部門こそがシオニズムである。

 

ユダヤ人の力を一つの運動に結集させ、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

ソロモン神殿を再建し、世界の富を蓄える事はソロモン神殿建築に携わった建築ギルドの役割。

 

シオニズムはイルミナティよりもフリーメイソン色が強い思想であり、共産主義の対となる。

 

シオニズムは政治によってエルサレム帰還を導いた事から()()()()()()()()()()()()()()()()

 

その為に唯一神は激怒し、ユダヤ民族全てに裁きを下すための天使の軍勢を送ったのだろう。

 

「シオニズムはモーゼズ・ヘスと記者のテオドールが敷いた!パレスチナの人々は犠牲者だ!」

 

「全てはフリーメイソンとイルミナティを結合させたアダム・ワイスハウプトの賜物だな!!」

 

「宗教が死ねば法律も財産も我々の思うままと高笑いをした貴様らをボクは絶対に許さん!!」

 

「悪魔宗教だけがこの世に存在していればいいのだ!他民族の宗教の神など消えてなくなれ!」

 

物理だけでなく四属性まで強耐性を持つ堅牢なヴィシュヌに対し、ベリアルが一気に仕掛ける。

 

貫く闘気を纏ったベリアルが天に槍を掲げれば業火を纏う隕石の雨が降り注ぐ。

 

ラグナロクが降り注ぐのに対してヴィシュヌの全身から放たれるのは『穢れ無き威光』である。

 

破魔属性の光熱が放たれ、燃え上がる隕石を溶解させる光の神に対してベリアルが仕掛ける。

 

眩い光熱をものともせずに刺突を狙い、地獄突きの一撃が迫りくるのだ。

 

「そうはいきませんことよ!!」

 

ベリアルの動きを止めるのはヴィシュヌの妻のラクシュミであり、特大威力の風魔法を放つ。

 

ベリアルの巨体に直撃したことで動きを止めた隙を突いたヴィシュヌもまた一気に仕掛ける。

 

「貴様らを滅ぼす代償は余りにも大き過ぎた!それでも勝ち取る世界をボクが守っていこう!」

 

ラクシュミが夫を援護するために用いたのはラスタキャンディであり、全能力が上昇する。

 

「ヌゥゥゥゥゥーーーーッッ!!!」

 

全身に力を溜め込んだヴィシュヌの体が巨大化していき、その規模はベリアルが見上げる程だ。

 

「ば……馬鹿な……ッッ!!?」

 

8000mもの巨人に変化したその姿はまるでリグ・ヴェーダのトリヴィクラマ神話そのもの。

 

一息に巨大化し、一歩で地上をまたぎ、二歩目で天をまたぎ、三歩目で天界をまたいだ姿だ。

 

「グワァァァァァーーーーッッ!!?」

 

天罰の如きヴィシュヌの巨大な足で踏み付けられたベリアルは砕け散り、MAGの光と化す。

 

ヴィシュヌの巨体が光を放ち、元の大きさに戻った彼の元に妻が飛んできて抱き着いてくる。

 

「ナイスアシストだったよ、流石はボクの愛しい妻だね」

 

「夫婦愛は何よりも強いのですよ♪もっとも…邪悪な夫婦愛というのもあるようですがね…」

 

「残すはバアルとアナトだけだ…決めてくれよ、アスラ達よ…」

 

CHAOS勢力の堕天使達も総崩れとなり、残すところはカナン族が崇拝した邪神夫婦のみ。

 

邪悪な夫婦神に戦いを挑む存在こそが正義を司るアスラ達であり、鬼神の戦いを示すのだった。

 

――――――――――――――――――――――――――――――――

 

アナトとの激戦を繰り広げているアスラ王は異界に囚われており、苦戦を強いられる。

 

「くっ!!なんという深い闇の領域だ!?我の光ですら照らし尽くせないとはな!!」

 

魔王アルシエルの闇の領域ですら闇の光があったというのにアナトの世界には存在しない。

 

原初の混沌の如き暗闇世界に囚われたアスラ王は『ダークブレス』によって命中率が奪われる。

 

「ヌォォォォォォォォォーーーーッッ!!!」

 

一瞬だけ小さな光が見えたと思ったら巨大な全身が次々と切り裂かれている。

 

アナトは闇の衣を利用しながら短剣を用いて霞駆けを仕掛けてくるのだ。

 

<<アッハハハハ!!どうだい?女神の子宮の如き暗闇世界は?恐ろしいだろう…?>>

 

アナトの念話が響いてくるが、気配を全く掴ませない相手では攻撃が届かない。

 

子宮の羊水の海に下半身を浸けたままのアスラ王は目を閉じながら気配を追うばかりのようだ。

 

<<この暗闇世界こそカナン族が求めた豊穣の領域…だからこそセックス崇拝者なんだよ>>

 

「神秘主義者共が求めるのは魂の転生…魂の転生を司る領域こそが…女の子宮か…」

 

<<異常な程にセックスを求めるのは新しい自分を生み出したい欲望…魂を残したい願望さ>>

 

神秘主義に則る錬金術の公式こそがセックスなのだとアナトは語ってくる。

 

溶解し、凝固させる肯定こそ子宮に陰茎を挿入し、快感による溶解によって射精すること。

 

錬金術のホムンクルス技術が科学のクローン技術となり、金持ち人間の複製を生産出来る。

 

そうなれば将来的には臓器バナーも必要なくなり、人類の数も多くなくてよくなるだろう。

 

これこそ唯物主義であり、自分は地上の神であり永遠に支配し続けたい唯物願望となるのだ。

 

「くだらん…魂とは地上に残すものではない!徳を積んだ魂を天に返還してこそ()()なのだ!」

 

<<唯物主義を掲げるカナン族には馬の耳に念仏さ。奴らは死後の世界なんて考えないから>>

 

「ユダヤ教徒や儒教信徒のような連中は直ぐに唯物主義に走る…魂の徳を積む事をしない!!」

 

<<カナン族と似た朝鮮民族も唯物主義だったねぇ?犬のように儲ける事が徳だとぬかすし>>

 

「だからこそ朝鮮は滅びるだろう…カナン族ユダヤも後を追わせてやろうぞ!!」

 

<<ハッ!自分の心配をする方が先だよねぇ!お前も子宮の世界で溶解させてやるさぁ!!>>

 

闇の世界に溶け込みながらも全身から膨大な闇を放出する。

 

次の瞬間、子宮の暗闇世界に精子がぶちまけられる程の眩い溶解現象が起きていく。

 

「グアァァァァァァァーーーーーッッ!!!」

 

イシュタルをルーツに持つアナトが行使したのは『畏怖なる光輝』の一撃。

 

敵全体に大威力の電撃属性攻撃を放つものであり、相性を無視して耐性を貫通する。

 

羊水の海に触れた雷の光がさらに威力を増大しながらアスラ王を溶解させようとしていく。

 

<<アッハハハハ!!気持ちいいだろう…?イキそうだろう…?逝っちまいなぁ!!>>

 

姦淫を司るカナンの邪神が行う強烈な愛撫によってついにアスラ王の両膝が崩れてしまう。

 

「水を…司る存在が…貴様だけだと…思うな…よ……」

 

そのまま羊水の海に巨体を倒し込み、飲み込まれながら溶解されていく末路となる。

 

その光景を見下ろすのは闇のベールを解除したアナトの姿であり、邪悪な高笑いを行う。

 

「大日如来だろうが何だろうが!アタシの愛撫で昇天しない奴なんぞいないさね!!」

 

下品な高笑いを行う邪神であったが、羊水の海の変化に気が付いた事で驚愕してしまう。

 

「この水流は何だい!?まるでアタシの旦那とまぐわう時のような力強い螺旋の光景だよ!?」

 

超巨大な螺旋を描く水流の世界こそ、セックスにおいては男がもたらす螺旋力たる体位の力。

 

その世界から射精の如く飛び出した存在こそ、()()()()()()()()()()()()()()()()()の御姿。

 

「お、お前は……ッッ!!?」

 

姿は水の王冠に似た頭部と鰭状の装飾が特徴的な引き締まった獣人のような体躯。

 

両手の前腕部から引き出す折り畳み式の長大なブレードが鉤爪のように広がっていく。

 

両刃なのに加えて稼働域が広いことから手首に垂直に固定する刃を構えた獣が現れるのだ。

 

鈍化した世界。

 

現れた水神が右腕を振りかぶり、そのまま唐竹割りを放つ。

 

「ガッ……ッッ!!?」

 

アナトの体は真一文字に斬り裂かれており、分断された体が羊水に落ちる。

 

「…君の話は不快極まりないんだ、水の底に消えてくれ」

 

アスラ王であった男の声が若返っており、まるで別人のような存在に転生している。

 

その姿こそアフラ・マズダの起源である()()()()であり、ミトラ神と並ぶ最古の神であろう。

 

【ヴァルナ】

 

アスラ王の一人であり、古代インドの天空の神。

 

ヴィシュヌやシヴァの台頭に押される以前は絶対神と呼ばれた契約と正義の神である。

 

水神などの属性をもっていたがブラフマーによって始源神としての地位を奪われてしまう。

 

水神としての性質からか蛇と深い関係を持ち、リグ・ヴェーダでは海を隠したとされる。

 

ヴリトラと同一視される事から原初の水と深く関わる神であった。

 

「死後の地獄を恐れ、善き人生に努める…これこそ()()()であり、善き存在へと導く抑止力だ」

 

光を放ちながら人間の姿に擬態し直した者が周囲に目を向ければ異界は消えている。

 

戦場に戻ってきた男の姿は僧侶に戻っており、托鉢笠で目元を隠している。

 

それでも顔つきは青年のように若々しく、銀髪の後ろは左右に分かれるように伸びているのだ。

 

「……しぶといね?まだこの世に未練があるのかい?」

 

笠で隠れた顔を横に向ければ邪悪な怨念の闇が形を成しながら存在している。

 

女の裸体のようなその闇が雄叫びを上げながらヴァルナを罵倒してくるようだ。

 

<<アタシは滅びない!この世に金とセックス教義がある限り…滅びないィィィ…ッッ!!>>

 

カナン族ユダヤによって撒き散らされた金とセックス教義は異教徒達まで堕落の底に落とす。

 

その洗脳で人々を支配すればユダヤのものであり、エリートを同じ拝金主義者に作り替えれる。

 

それこそが()()()()()()()()()であり、カルマを説く宗教を滅ぼしたかった理由なのだろう。

 

「何処までも醜いね…いいだろう。冥途の土産をくれてやる」

 

懐から取り出したのはコルトガバメントであり、片手持ちで狙いをつける。

 

アメリカの精神が宿った銃を用いてアメリカや欧州を支配してきた悪魔に()()()()()()()()

 

<<シャァァァァァァァーーーーッッ!!!>>

 

飛び込んでくる闇の裸体に対し、ヴァルナとなった男は容赦なく引き金を引く。

 

「てめぇはミートボールだぁ!!!」

 

放たれた45口径弾が眉間に命中した闇の女の体が一気に砕け散り、邪神が滅びる。

 

霧散した闇が膨大なMAGの光と化す中、托鉢笠を投げ捨てた男が大きく口を開く。

 

アナトのMAGを悪魔の肉塊として『丸呑み』していくその姿こそ、獣の如き悪魔の性質。

 

今のヴァルナは煉獄の修羅であり、いつかどこかで人修羅となる者が辿り着く世界。

 

そんな煉獄で生きたヴァルナだからこそ、知恵の蛇となった人修羅と共に在ったのだ。

 

「命を喰らう…これこそ全ての生命が支払う代償である等価交換であり、自然のコトワリ……」

 

銀髪の青年に見えるのは未だに続く戦場の光景であり、崩壊した街の至る所で死体が転がる。

 

その中には勿論罪無き子供達まで存在しており、人修羅とバアルの戦争の犠牲者となっている。

 

「それでも感情や結果論でしか世界を認識出来ない者には…自然のコトワリは通じないかもね」

 

僧侶の姿をした男が両手を持ち上げていき、食事の時に行うだろう宗教的行為を始める。

 

それこそが両手を合わせて祈りを捧げる姿であり、生きる為の犠牲となった命に感謝する行為。

 

燃え上がる戦場を歩きだしたヴァルナは僧侶のように祈りを捧げていく姿を残すのであった。

 

――――――――――――――――――――――――――――――――

 

上空一万メートルを超えた辺りで死闘を繰り広げるのはバアルに挑む人修羅とベルゼブブ。

 

膨大な死蠅を操るベルゼブブの攻撃であるがゲヘナの炎そのものであるモロクには通じない。

 

両手に持たれているのはモロクの切り札であるヤグルシとアイムール。

 

膨大な雷と風を纏う天空神の象徴の力は凄まじく、反射耐性でなければ防げないようだ。

 

「その神器を返せ…アナトを返せ…我こそがバアルだ!!貴様なんか偽物だぁぁぁーッッ!!」

 

我を忘れる程にまで憤怒しているベルゼブブはガムシャラに戦うばかり。

 

人修羅の声すら届かない程にまで激怒した嫉妬の権化に対し、モロクが嘲笑ってくる。

 

「ハッハッハッ!無様な姿だな…糞山の王?ナホビノを得た今…貴様などもう用済みなのだ!」

 

「ダメだベルゼブブ!!迂闊に飛び込むな!!」

 

「やかましい!!我こそバアルだ…モロクにバアルの称号を奪われた屈辱…ここで晴らす!!」

 

巨大な蠅王が人型のモロクに突撃しながら髑髏の杖を用いた魔法を放ち続ける。

 

天空神としての名残である雷魔法と風魔法であるがモロクの耐性によって吸収されてしまう。

 

「貴様らなど我の肉片より生まれた紛い物!ナホビノを得られなかった時のスペアに過ぎん!」

 

進退窮まったベルゼブブは物理攻撃であるアイアンクロウを放つ。

 

しかし左手に持つアイムールの一撃が振り下ろされた左手に決まると眩い輝きで消滅させる。

 

「オノレェェェェェーーーーッッ!!!」

 

残された右腕の杖から魔力の光剣を生み出したベルゼブブが貫く闘気を纏う。

 

最後の抵抗とばかりに振り下ろされた斬撃に対し、モロクは右手のヤグルシで打ち付ける。

 

極大に圧縮された風によって髑髏の杖ごと右腕まで滅ぼされた蠅王に対し、トドメを放つ。

 

「やめろぉぉぉぉーーーーッッ!!!」

 

人修羅が援護しに飛び込むよりも先に決まったのはヤグルシとアイムールを同時に用いる攻撃。

 

「ウォォォォォォォォォォォーーーーーーーッッ!!!」

 

地球全土を覆う眩い光の奔流と共にベルゼブブの巨体が消滅していき、膨大なMAGと化す。

 

消え去ったフェイカーなど眼中にない者がゲヘナの翼を羽ばたかせながら高速飛行していく。

 

人修羅も六枚翼を羽ばたかせながら高速飛行し、互いに無数の魔弾を放ちながら叫び合う。

 

「邪魔者は消え去った!後は貴様を屠り、多神教連合の神も屠った後、天使とケリをつける!」

 

「貴様独りで何が出来る!?独りで何でも出来るなんて考えるから…貴様は独裁者なんだよ!」

 

「王以外の者共など奴隷に過ぎん!王の為に生き、その命も財産も王に捧げるべき家畜共だ!」

 

「傲慢を極め尽くした奴め…貴様こそ悪魔の中の悪魔だ!ぶっ潰してやる!!」

 

「やれるものなら…やってみろぉぉぉぉーーーーッッ!!」

 

魔弾同士が激しくぶつかり合い、次々と爆発を生み出す光の中を互いがきりもみ飛行していく。

 

左手に将門の刀を生み出した人修羅は次元斬を高速で放ち、モロクの前方に網を張る。

 

貫通スキルによって強化された次元斬に触れればモロクの耐性でもバラバラになるしかない。

 

しかしモロクは動きを読んでいたのかクルビット機動を行いながら後方に下がってくる。

 

「なんだとっ!!?」

 

暴風を体に浴びながら木の葉のように舞いながら上を取ったモロクが仕掛けてくる。

 

ゲヘナの炎で構成された翼は翼脚そのものであり、鉤爪の如き炎の手で体を掴まれてしまう。

 

「家畜共を信じたい気持ちなど無駄だという事を語るに相応しい場所まで案内してやる!!」

 

一気にブースター飛行していくバアルに運ばれてしまう人修羅はスイスを離れていく。

 

超高速で落下させられるのはヴァチカンであり、地面に叩きつけられた人修羅が沈んでいく。

 

大地を抉りながらヴァチカン市内に入っていき、パウロ6世記念ホールに叩き込まれる。

 

壁を突き破りながら放り込まれた者が刀を突き立てながら立ち上がると奇妙な光景と出くわす。

 

「何だよ…この異様な建物は…?本当に法王のお膝元の場所なのかよ…?」

 

見えた景色とは禍々しい彫刻で飾られた謁見の間である。

 

キリスト教徒の総本山であるはずなのに不気味な建物内の奇妙さは天井部分にも見える。

 

二つある天窓はまるで蛇の目のようであり、奥にある不気味な彫刻像と繋がるような禍々しさ。

 

その奥に下り立つのはバアルであり、不敵な笑みを浮かべながら語り始めるのであった。

 




アナザワー♪というアバチュOPムービーを思い出させる演出で登場させたかったんですよね、サーフさん。
カメオ出演だけでは可哀想だと思いましたし、クロスオーバーで至る所に出張する人修羅君の最初の出張先こそアバタールチューナーですしねぇ。
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