人修羅×まどマギ まどマギにメガテン足して世界再構築 作:チャーシュー麺愉悦部
全てのCHAOS勢力の重鎮達が崩壊した事により、ついに黒の貴族共は崩壊を迎える。
勢力基盤の全てを多神教連合とアスラ神族、そして革命軍によって簒奪される末路となるのだ。
そしてカナン族の象徴国であるイスラエルもまた制圧される時がくる。
欧米に駐留軍を残したままの多神教連合とアスラ神族は僅かな手勢を率いてイスラエルに侵攻。
そんな彼らの最大戦力となってくれたのが新たなルシファーとなった嘉嶋尚紀の力である。
パレスチナ解放戦線と共に進軍したルシファーは圧倒的な力でイスラエル軍を蹂躙していく。
戦争と呼べる規模にすらならず、解放戦線の者達は天変地異をもたらす存在を神だと叫び出す。
イスラム教徒が大半を占めるパレスチナの人々から見ればアッラーの降臨に見えたのだろう。
唯一神はエジプトのアテンから派生した太陽神であり、彼を同一視するのも自然な話だ。
「アッラーアクバル!!アッラーアクバル!!」
西イスラエル立法府のクネセトは完全に制圧され、革命旗の赤旗が政府施設に掲げられていく。
その光景を見ているのは沿岸部に上陸して侵攻陣地を築いていた多神教連合達のようだ。
「ボク達が攻め込む必要もなかったようだ。これでようやくシオニストは崩壊を迎えるだろう」
「そうなるだろうね。思想を敷く国家や政党、資金面を支えるユダヤ財閥は崩壊したのだから」
人間に擬態しているクリシュナとヴァルナは腕を組みながら戦争の終結を確信している。
その光景を不安そうに見つめているのは援軍として駆けつけたまどかとほむらのようだ。
「今日は奇しくもクリスマス…クロノスが言ってたわ、聖夜の
二ムロデは人類の歴史上、邪悪なサタンの慣習のシンボリズムとして無比の存在。
伝説上の二ムロデは常に魔術を意味するシンボルであるXとして記される。
Xがクリスマスの短略形として使われれば二ムロデ祭りとなり、Xは秘密を表す単語。
X単語を企業名の一部に加える国は欧米に多く、どれもがユダヤ財閥の息がかかる存在である。
「Xをダブルクロスにすれば裏切りを意味し、唯一神に背くよう唆すサインとなるのよ」
「日本のクリスマスの慣習も…昔から嫌いだった。聖夜なのにカップルのお祭りにされてる…」
「カップルの性的行為を行う
「だけどあの勝利を見れば終わったんだと伝わってくる…二ムロデ支配は終焉を迎えたんだね」
「アッラーアクバル…神は偉大なりね。だけどアッラーの軍勢が迫って来ているわ…」
「…もう直ぐそこまで迫ってる。だからこそ…私達も戦う準備を始めないといけないよ」
まどか達の元に来るのはクリシュナとヴァルナであり、まどかの献身的活躍を讃えてくれる。
クリシュナはまどかを多神教連合の一柱として迎え入れ、世界の代表者の一人にしたいようだ。
「そ、そんな~!?わたしなんかが…新しい世界連合会議に加わるメンバーなんですかぁ!?」
「オーディンから活躍は聞かされているよ、円環の女神。君もボク達と共に世界を導くんだ」
「反対は無いね、それだけの資格は十分ある。デーヴァとアスラの代表者が太鼓判を押すよ」
クリシュナとヴァルナから太鼓判を押されたまどかは頭を抱えてグルグル目となってしまう。
オロオロと戸惑うまどかの姿がおかしいのか、ほむらも苦笑しながらこう言ってくれる。
「その時は私がまどかの警備責任者になろうかしら?これからのまどかは国家元首クラスよ♪」
「からかわないでったら~!わたしなんて勉強も運動もダメダメな女の子だもん…」
<なに、心配はいらん。政治判断のサポートなら我に任せておけ>
「うぅぅぅぅ…本当に世界会議のメンバーにされた時は…アラディアにバトンを渡すよ……」
<<いいんじゃねーか?俺も反対はないさ>>
イスラエル立法府の制圧を終えたルシファーが空から舞い降りてくる。
神々しい十二枚翼を羽ばたかせながら下りてきた存在を見たまどかの人格がチェンジする。
「麗しく輝く我の自慢の父上~~!お願いだから抱っこして~~っ!!」
「えっ?ちょ、おいっ!?」
「してったらして~~~っ!!!」
アラディア人格がしゃしゃり出てきた事で円環の女神がルシファーに飛びついて甘えてくる。
仕方なく御姫様抱っこする彼であるが、ほむらに顔を向ければ因縁オーラを出してくる。
「ウフフ…娘に甘々な義父のようねぇ…?だけどね…神話的な義父という関係性だけよ」
「分かってる…分かってるから怖い顔を向けてくるなよ…」
親友を盗られた子供のように拗ねた顔をする彼女に対して彼の顔にも冷や汗が浮かぶ。
アラディアを優しく下ろした彼の元にやってくるヴァルナを見た時、驚愕した顔を浮かべる。
「アスラ王……なのか?」
「そうだけど今のボクはヴァルナの姿に転生している。アナトに殺された時に形を変えたのさ」
「そうか…バアルの妻を倒してくれたんだな?ところでよぉ……」
怪訝な顔つきとなっていくルシファーは何かを思い出す。
思い出したのは人修羅時代の頃に見たバレンタインの悪夢に登場した夢の住人の姿のようだ。
「ヴァルナ……お前とは何処かであったような気がするんだが……」
「
「えっ…?サーフだと…?」
「ボクの名はそう呼んでくれ。きっとその方が…ボクと君との関係はしっくりくると思う」
「そうか…そうしよう。俺は好きに呼んでもらって構わない…俺も自分を誰にするか迷うんだ」
「その気持ち、よく分かるよ」
声を掛けてきたのは様々な化身姿を使い分けるヴィシュヌであり、今はクリシュナの姿。
そんな彼であるがクリシュナとして世直ししてきた自分に迷いを感じているのを伝えてくれる。
「ボクは違う世界においては…宇宙創成の為に人類を抹殺しようとした。なのに今のボクは…」
「形はどうあれ、今のお前は世界を救った。同じように犠牲を敷いてもそれが産みの苦しみだ」
「そう言える程にまで…君は成長したようだね?結果論だけで全てを判断しない達観者だよ」
「俺もお前も似た者同士…世界のコトワリに従う者。胸を張れ…お前こそこの世界の救世主だ」
「こんなボクが……世界の救世主……」
自分の中にクリシュナとは違う光を感じた時、曇天の空から木漏れ日が降り注ぐ。
彼らを照らす木漏れ日の空に顔を向けた者達が目にしたのは翼が生えた白馬の姿。
「あれはまさか……ボクの馬なのか……?」
ペガサスそのものの姿をした天馬がクリシュナの元に下り立ち、頭を下げてくれる。
「フッ…そうか。君はボクを試すために直ぐ駆けつけに来なかったという事なんだね?」
「お前をこの世界の救世主として認めてくれたから現れたんだ…その期待に応えてやれよ」
頷いてくれたクリシュナが手を持ち上げていき、孔雀の羽がついた帽子を脱ぎ捨てる。
クリシュナとしての自分を捨て、新たな自分に生まれ変わる覚悟となった者が天馬に飛び乗る。
するとクリシュナだった者の体が輝きだし、新たなアバターラとなるのだ。
「我が名はカルキ!拝金主義者という汚物を世界から破壊する者であり、救世を行う者だ!!」
【カルキ】
ヴィシュヌの化身における十番目の姿であり、未来に現れるとされる救世主。
末世の時代にはびこる
剣を持ち、駿馬に跨り、悪徳とそれに蝕まれた退廃の世を滅ぼし、人々の心を浄化する者。
彼はヒンズー教の終末論で語られるメシアであり、神教系終末思想に共通する救世主概念。
カリ・ユガ(末世)の時代を終わらせ、クリタ・ユガ(黄金時代)を築く神だった。
「光り輝く美しい救世主の姿だな?その光で人々を呪縛してきた呪いの価値観を変えていけ」
黒髪ロングをオールバックにした頭部には羽の冠が備わり、肌は義憤の炎を表す赤色。
純白の布を衣服とし、救世のサーベルを高らかに掲げているその姿こそがカルキなのだ。
「私はクリシュナというアバターラを脱ぎ捨てる…かつての罪に呪縛された己を捨てよう」
「それでいい。俺も間違いを起こしながらもやり直してきた…お前もそうなっていくがいい」
「有難う…アスラ達よ。この戦いはデーヴァとアスラ、そして神々の勝利だと伝えていこう」
ついに世界革命は終焉を迎えることになり、神々はそれぞれの支配国家の戦後処理に追われる。
人修羅からルシファーに転生した尚紀は空を見上げていき、迫りくる脅威と戦う覚悟を決めた。
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年が明けた2021年1月に舞台は移る。
世界革命の業火によって国も人も焼かれてしまった事で人々は革命政府に投石攻撃をしている。
それに対して軍隊指揮権を行使した神政政府は暴徒鎮圧の毎日を繰り返しているようだ。
その光景は日本も同じであり、オオクニヌシや静香達はテロリストとして罵倒されていく。
「貴様らの戦争のせいで俺の息子と妻が死んだ!!くたばれテロリスト共!!」
「俺は貴様らを国の代表なんて認めてやらない!俺の職場や同僚も焼かれた…責任とれよ!!」
「返して!!私の子供達を返して!!あの子達はお前達が始めた戦争で死んじゃったのよ!!」
臨時政府が置かれていた見滝原市が崩壊した事により、現在は神浜市に臨時政府がある。
水名区の行政ビルを臨時政府として選んだのだが水名区は暴徒達に囲まれる毎日が続く。
水名区は自衛隊部隊でバリケードが築かれた状態であり、暴徒達の侵入を防いでくれる。
行政ビルは臨時の内閣府となっており、市長執務室は総理大臣執務室として機能している。
そこから地上の騒ぎを見下ろすのはオオクニヌシと静香であり、落胆した顔を浮かべるのだ。
「民を虐げた売国奴から国を取り戻し…嘉嶋さんが手配した補給物資も配給してるのに…」
「これが愚民なのだ。愚民は分かり易い経験でしか世界を認識しない…結果論至上主義者だ」
「義務教育で民から奪われてきた考える力を失った人々は…私達が戦った理由も考えない…」
「結果だけを切り取り…我々の全てとする。これが人修羅もやらかした結果論の偏見制裁だな」
「その光景を私は今でも覚えてる…これが正義の恐ろしさよ…正義の味方は客観性がないわ…」
「無知が無邪気に悪行を善行にすり替えながら暴力制裁を行う…故に勉強と自己批判が大切だ」
「指導者の詭弁を見抜く知恵や、自分が偏った判断をしてるのに気づく自己批判も大事ですね」
「そして何より問題のすり替えを私は絶対に許さない。だからこそ議論・討論教育も行いたい」
地上の騒動を見るのに疲れた二人が執務室のソファーに座って向かい合う。
今後の世界問題やこれからの国の立て直しについて意見を交換し合う光景が続く。
「私達の戦火や金融民族がばら撒いたワクチン被害で死んだ人達の合計は…どれ程でしょうね」
「恐らくは…人類の半数以上が死に絶えたやもしれん。一番被害が酷かったのは中国だろう…」
「十数億人が死んで国が滅亡する程の被害規模…朝鮮半島は南北が消滅して民族絶滅状態よ…」
「天使軍の仕業であろうが我々も自分達の戦場で手一杯だった…コラテラルダメージだな…」
「朝鮮人に同情するつもりはないけれど漢民族は台湾や香港にもいる…立て直して欲しいわ…」
ヨハネ黙示録8章で描かれる三分の一の災いに記された犠牲者数を超える人類が死んでいる。
それ程までの地獄を生んでしまった現実に対して静香は顔を青くするばかり。
「問題なのはワクチン被害によって悪魔化した者達だ。戦争に参加せず雲隠れした者達も多い」
「それに戦後の地獄に耐えられずに悪魔化してしまう人達も大勢出る…これが新たな問題ね…」
「ワクチンの毒についてはオーディン殿の補佐官を務めるイズンが対処する。禁忌を使ってな」
本来ならアース神族以外は使う事が禁忌にされた黄金の林檎であるが、特別に許可が下りる。
一度の使用だけなら認めてくれたオーディンの采配によりワクチンの毒を治療する霊薬を作る。
新体制のアメリカで製造された霊薬を世界中の人々に順次注射していき、毒を治療するという。
「人間の寿命分までなら不老不死状態になるというわけなの…?生き残ってる人類は…?」
「その恩恵を救いと受け取るか呪いと受け取るかは…大衆に任せるしかないだろうがな…」
ワクチン被害についての対処は進むようだが、問題は悪魔化した人類の対処についてである。
「円環の女神である鹿目さんが日の本に戻ってきた時に聞かされたわ…久兵衛様の絶滅をね…」
「それが事実であるなら魔法少女の絶滅を意味するな…現存の魔法少女達が最後の者達になる」
「魔法少女ではもう悪魔と戦っていく事は出来ない…彼女達は大人になると魔力が劣化する…」
「ならば魔法少女達に代わり悪魔と戦うべきなのはデビルサマナー達だ。それにもう一つある」
「もしかして…あのバケツ頭の兵士共が纏ってた兵装を悪魔討伐に活かそうというの?」
「そうだ。あの装備は悪魔を視認したり、悪魔と戦えるだけの身体能力を付与出来るからな」
「気持ち的には不快だけど…背に腹は代えられないわ。道具は使う者次第よね」
「戦前に創設されていた軍のサマナー部隊も再編していく。ヤタガラスを離反した者達を雇う」
「それは名案ね!彼らも資金の支えがないと活動出来なかったけど…今度は国が支えられる!」
「これで新たな社会脅威である悪魔への対処の道筋は出来たが…魔法少女達についてはもう…」
「そうね…彼女達はもう長くは戦えない。残された人生をどう生きるかは…彼女達に任せるわ」
「だったらよぉ、魔法少女達もデビルサマナーになっちまえばいいんじゃねーか?」
振り向いた者達が見た存在とは新しい姿になったスサノオであり、ライドウも入ってくる。
国津神にとっては祖神であり、先祖に当たる神を見た者が慌てて立ち上がりながら頭を下げる。
「ご先祖様…我ら国津神陣営に再び組する決意を固めてくれたこと…まことに嬉しい限りです」
「そう固くなる必要はねーよ。静香ぐらい砕けた態度で接してくれた方がオレは嬉しいぜ?」
「静香、悪魔達は魔法少女の感情の穢れを吸い出せる。仲魔に出来れば人生を支えられるんだ」
「そうよね…私達には感情エネルギーを吸い出す能力があったわ!流石はライドウさんね!」
「魔法少女一族であり、デビルサマナーともなった時女一族がモデルとなるだろう…励めよ」
「悪魔は魔法少女を喰らう存在だが同時に人生を救う事も出来る存在。偏見は良くないよな?」
微笑んでくれるスサノオとライドウの言葉によって目を輝かせた静香が立ち上がってくる。
握り込んだ拳を高く掲げ、時女一族はまだまだ日の本の為に戦えると宣言するのだろう。
それでもその道は極めて厳しく、騙し討ちされる覚悟で挑まなければ真の仲魔は得られない。
信じたい気持ちは自分の理想を信じたい盲信だが、虎の穴に入らねば虎の子は得られない。
それこそがサマナーも苦しんできた悪魔会話であり、代償を支払う道こそが悪魔との共存だ。
「それでも強制は出来んぞ。悪魔を恐れる魔法少女は多過ぎる…共生は難しいだろうな…」
「うっ…それは…そうよね…。私や十咎さん達のような悪魔ばかりじゃないもの…」
「共生を考えなきゃならねーのは…外で暴れてる連中だって同じだ。難しい舵取りになるな」
「悪魔会話に習い、成果を持って我々は役に立つ存在だと示す以外に共存はないでしょうな」
「当てはあるのか?」
「人修羅のお陰でロシアとの窓口が広がった。中国が滅んだ以上、ロシアとの貿易も重要です」
中国との貿易に依存してきた日本だからこそ、中国が滅んだなら損失は計り知れない。
だからこそ国の自給自足率を高めるまでは近隣国との貿易が重要になるのだろう。
「日本人を騙して搾取してきたアメリカ依存から脱却し、ロシアと親密になっていくか」
「それにロシア大統領は北方領土問題について返還の条件を示している。今ならば果たせます」
「極東における米軍脅威を日本から排除するって条件なんだろ?」
「在日米軍は既に我々が壊滅させた。北方領土問題解決のテーブルにロシア側も座るでしょう」
「それに竹島問題だって韓国が消滅したのなら奪い返す事が出来るわ。これも利用しましょう」
「そうだな。領有権を主張する敵国が消滅したのなら、日本に取り戻せるチャンスだろう」
「二つの外交問題は戦後数十年間解決させられなかったんだろ?それを纏めて解決するんだぜ」
「それだけの成果を革命政府が示してくれるなら…我々はテロリストではないと伝わるはずだ」
革命政府に抵抗する愚民達との共存の道筋も立ったことで日本再建の道も進んでいくだろう。
日本は国津神が政治を行う神政国家体制を築くのだが、それは欧米とて同じこと。
多神教連合の神々は欧米国家を立て直すために神政国家体制を敷き、国民を教育し直すだろう。
これからの話し合いをするためにスサノオとオオクニヌシは会議室に向かっていく。
しかし静香はライドウを心配しているのか辛そうな顔をしながら彼の友の死を嘆いてくれる。
「ゴウトの事は残念だったわ…猫なのに私よりも物知りだったし、色々とお話ししたかった…」
「彼を死なせてしまったのは…自分が弱かったせいだ。本当に…すまない……」
「貴方のせいじゃないから自分を責めないで!それでも私達が支払う代償は大き過ぎたわね…」
「犠牲無くして得るものなし…それが世界の等価交換。その法則にはサマナーでも逆らえない」
「それは神々だって同じよ…タケミナカタ様を失う代償もあったけど…新しい国を作れるのよ」
「自分の仲魔のスサノオはこの世界に残る決意を固めた。これからは静香達を支えるだろう」
「失う代償もあったけど、それ以上の恩恵もやってくる。それこそがきっと…死と再生よね」
<<ならば我もまた、漢民族達の死を無駄には出来んな>>
コウリュウの念話が聞こえてきたライドウは行政ビルの屋上に昇っていく。
静香もついて来ており、召喚管を抜いたライドウがコウリュウを召喚する姿を見守ってくれる。
神浜の空に顕現したコウリュウの姿は悪魔や魔法少女しか見えないため、堂々と語っていく。
その言葉は別れの言葉であり、中国神としてのコウリュウの愛国精神が宿っている決意なのだ。
「そうか…お前は残された漢民族達を導く神として、国を立て直すのだな?」
「焼き払われた中国であっても大地は残っている…ならば再び耕そう、再生の実りを信じてな」
「きっと上手く行くわ。焼畑農業をしてきた霧峰村出身の私が太鼓判を押してあげる♪」
「フッ…自然と共に生きてきた娘の言葉は実に重いぞ。その言葉を信じる為に……お別れだ」
「分かった…行くがいい、コウリュウ。自分が去った後のこの世界を……頼んだぞ」
巨大な神龍の体が眩い光を放ちだし、人型の姿を形成していく。
表れた存在こそ中国古代伝説の三皇五帝時代にその名を残す帝王である。
【黄帝】
五帝の時代の最初の帝王であり、中国の全人口の殆どを占める漢民族の祖とされる。
黄帝の名は黄河の帝王、または陰陽五行における大地の帝王である黄を表す。
黄帝は指導力に秀でた名君とされ、医薬、服装、住居、貨幣、測量、道徳、楽器、文字を生む。
乱れていた世を鎮める為に様々な武術も習得し、魔王シュウと激しく戦い討ち取っている。
最期は神龍に乗って昇天し、神となったと言われる事から黄龍とも深く関係したのだろう。
「老いた応龍はコウリュウとなると伝わるが…老いた皇帝もまたコウリュウとなっていたか…」
龍の絵柄が入った皇帝の衣服を身に纏う神が微笑みを浮かべながら最後の言葉を残してくれる。
「新たな中華は欧米の悪徳であった共産主義など二度と生ませない国にするようにしていこう」
「お前の善政に期待する。さらばだコウリュウ…お前もまた自慢の仲魔であった!」
「
光を放ちながら流星となり、中国の方角へと飛んでいく。
見送るライドウと静香の表情は晴れ渡っており、ライドウは学帽を目深く被り直す。
「コウリュウの黄は大地を表す。中国の大地を愛する気持ちこそ…豊穣を司る皇帝であった…」
大切な友との別れ、大切な仲魔達との別れが立て続けにやってきた事で薄っすらと涙が浮かぶ。
そんな彼の気持ちが分かるのか、静香はライドウを強く抱きしめてくれるのであった。
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世界は新たな形を生み出していき、ユダヤ財閥に支配されてきた国連を変えてくれる。
ロックフェラー財閥の土地にそびえた悪しき世界組織は解体されるのだ。
これによって国連憲章は消滅し、日本の敵国条項も消滅した事で日本は世界の敵ではなくなる。
新たな世界会議となる存在こそ神々が執り行う世界会議であり、その本部に日本が選ばれる。
世界革命の主導的存在である嘉嶋尚紀の母国こそが相応しいという意見で一致した結果だろう。
国連の形を残しつつも新たな世界会議となった組織の名称こそがミレニアム・テンプル。
神々が築く千年王国を意味する寺院こそが新たな世界会議組織となり、初会合が開かれる。
八百万の神々が集うに相応しい地に参上したのは多神教連合やアスラ神族の神々の姿。
それに世界中の報道機関も詰めかけ、偏向報道じゃない生放送を行わされるのだろう。
その様子をテレビの前で固唾を飲んで見守る者達とは神浜の魔法少女達である。
彼女達の前で行われる初会合の内容とは、彼らが世界革命を成さねばならなかった巨悪の説明。
それこそがカナン族ユダヤが行ってきた嘘の歴史であり、戦勝国犯罪者共の嘘を暴く光景。
そして大戦の戦勝国を影で金融支配してきた秘密結社の悪行の数々が次々と暴露されていく。
この光景こそが探偵として生きた嘉嶋尚紀にとって、最後の仕事の成果ともいえるだろう。
「これが…私達が生きてきた世界の…真実だったのね……」
暴徒悪魔に荒らされた地上の屋敷に戻った魔法少女達の輪の中には元ホワイトメン達もいる。
無事帰ってきた仲間達は歓迎されたようであり、彼女達を惑わしたラビも許してくれたようだ。
「ユダヤはホロコースト被害者だって勉強させられたけど…真っ赤な嘘だったなんて…」
「歴史は勝者が築くものとはまさにこの真実だったのよ…私達は嘘で世界を認識していた…」
「映画が好きだからアメリカも好きだったけど…考え方が変わったなぁ…酷過ぎる国だよ…」
「僕なんかが想像も出来ない規模の陰謀の歴史だよ…次元が違い過ぎて眩暈がする…」
「この真実を聞かされたから…私は皆を道連れにして世界を滅ぼそうとしたわ…ごめんなさい」
「ラビさんと一緒に私も謝りますわ…本当にごめんなさい。もう少しで世界を壊しかけた…」
「ミィもみんなに謝るよ…本当にごめんね。それよりも…気になる部分がミィにはあるの」
「コラ、みかげさん!皆さんに謝る場で他の話題を出す人がいますか!ちゃんと反省する!」
「うぅぅぅ…なゆたんは姉ちゃみたいに厳しいよぉ。だけど本当に気になるんだもん…」
みかげが気にしているのはテレビに映っている神々メンバー達が座っている光景。
尚紀が世界革命を成した代表者であるのなら、この場に映ってないはずがない。
その部分を指摘された魔法少女や悪魔少女達も困惑した表情となっていく。
答えが出ないまま沈黙が続いていき、その間にもカナン族の悪行の歴史が報道されていく。
そしてそれが終わった後、世界革命を成した代表者の言葉が語られる番となるのだ。
テレビカメラが動いていき、大きな会議場に入室してくる者達を映す。
すると魔法少女達は動揺を浮かべていき、誰か分からない存在に対して口を開きだす。
「綺麗な人だけど…この人が尚紀なの…?見た目が全然違う…まるで女性のような顔つきね」
「確かに彼は美形でしたけど…この白人さんの顔は…それにも増して中性的過ぎますね…」
「髪の毛だって凄く綺麗な金髪ロング…尚紀は金髪になったけど短髪だったし…おかしいよね」
やちよとみふゆと鶴乃は困惑しながら現れた存在を注視する。
既に尚紀はルシファーそのものであり、黒のダブルボタンスーツを纏う姿は本人そのもの。
だからこそ尚紀だと分からずに困惑していたのだが、何かに気が付いたみたまが叫び出す。
「ま、待って皆!彼の後ろについている人達を見て!!」
「十七夜さんじゃないですか!?それに織莉子さんもいますよ!?」
「だとしたら間違いない…この白人男性は…尚紀なんだよ…」
「姿が完全に別人じゃない…こんなの信じられないわよ…レナが知ってる尚紀さんじゃない…」
「私も別人にしか見えないけど…それだと十七夜さん達がお供をしてる理由が見えないよね…」
「推測を重ねても仕方がないよ…今はこの人の話を清聴するしかないんだ…」
メルとかなえ、それにレナやかえでやももこも清聴する為に沈黙してくれる。
演説台の前に立ったルシファーが無数の報道カメラに視線を向けた後、語り始めるのだ。
「我々が生きた世界とは権力者が築いた嘘の檻で生まれたもの。その檻を築いたのはお前達だ」
喋り始めたルシファーの声を聴いた瞬間、魔法少女や悪魔少女達が立ち上がって確信を得る。
「この声は間違いない…尚紀さんだ!観鳥さんが敬愛してきた…尚紀さんの声だよぉ!!」
「あぁ…ウチ…信じてた!尚紀さんなら世界を変えてくれるって…信じてたんだから!!」
「ですが…彼の身に何があってこんな別人のようになったのか…気になりますね…」
嬉し涙を流す観鳥令や天音月咲であるが、天音月夜は彼の体の異常を心から心配してくれる。
「知る努力をしない者こそが嘘で世界を認識し、普遍化させて常識を生む…これが精神の檻だ」
「私達魔法少女も…その精神の檻のせいで苦しんできた…誰にも真実を伝えられなかった…」
「無理もないよ…このは。知識は連帯ではなく孤絶を生む…これは政治だけの話じゃないよ…」
「あーしも語りたい漫画があっても他人が知らない漫画だと語れなかった…それと同じだね…」
「伝えられないから相互理解も生まれず、常識という偏見だけで世界が構築されるんですね…」
「私達だけじゃなく、人間だって伝えたい内容を伝えられない…意思伝達の欠陥部分ですね…」
「その気持ち…よく分かるよ。ボクも道場仲間と甘ロリについて語りたいけど出来なかった…」
「あきら…今は真面目な話をしてる場ヨ。空気読むネ」
「空気を読んじゃうから全体圧力が生まれちゃう!ボクの好きな話も出来なかったよぉーっ!」
涙目でプンスコするあきらに対し、このは達姉妹やななか、かこ、美雨がジト目を向けてくる。
その圧力に抗えないあきらは縮こまってしまい、正座しながらテレビ視聴を続けるようだ。
「知る努力をしないからこそ犯罪者共の天下だった。だからこそ俺達が戦う必要があったんだ」
「グスッ…その道は過酷を極めたはずです…私達も戦おうとしましたが…社会悪にされてきた」
「あすか……」
愚民に虐待された悪夢を思い出した彼女は涙を流しながら親友のささらに抱き着いてくる。
「知る努力をしないから世界の影で戦ってくれた少女達にも気づかない。彼女達を知ってくれ」
演説台に向かってくるのはまどかとほむらの姿であり、ルシファーの隣に立ったまどかが話す。
極度の緊張で震えながらも本気で伝えたい話があるからこそ彼女は勇気を振り絞るのだ。
「わたし達は……魔法少女です。アニメや漫画の存在じゃないです…本当の…魔法少女です…」
赤面しながら語ってくれた話の内容に対し、報道陣が静まり返っていく。
あまりにも現実離れした話を持ち出した存在に対して揶揄と嘲笑まで出始めている。
隠れた嘲笑いを感じてしまうのか、まどかはガタガタ震えながら黙り込む。
そんな彼女のために横についていた尚紀が自身の正体を世界の人々に晒す覚悟を示すのだ。
「魔法少女がいるからなんだ?この世にはな…俺達のような神や悪魔だっているんだぞぉ!!」
ルシファーが纏うダブルボタンスーツの後ろから伸び出たのは光り輝く十二枚翼。
悪魔人間の姿ならば異界に入らなくても見えてしまうため、世界中の人々が度肝を抜かれる。
「知る努力もしないで彼女を嘲笑った奴らはどいつだ!?デマだと言った奴らはどいつだ!?」
「な…尚紀さん……」
「彼女達は貴様らの揶揄と嘲笑が恐ろしくて真実を語れなかった!お前らが彼女を傷つけた!」
尚紀の叫びはテレビを通して世界中の人々に伝わっていく。
嘲笑いを娯楽として楽しんできた者でさえ、彼の神々しい姿を見せられたら黙り込んでしまう。
この世には本当に神や悪魔が存在していたのなら、魔法少女という存在もいたのかもしれない。
そんな風に現実の認識を改めるには、世界権威として証明を行う必要があったのだ。
「嘉嶋殿…嘉嶋殿…グスッ…ヒック……うあああぁぁぁぁぁぁぁ~~~……ッッ!!!」
時女一族の者達も集まってテレビ視聴していたようだが、彼の叫びで三浦旭が泣き崩れる。
ちかに抱き着いたまま言葉が言葉にならない旭の頭を撫でてくれる彼女の目にも涙が溢れる。
涙を流すのはテレビ視聴する全ての魔法少女達であり、今までの苦しみの全てが報われていく。
「約束を守ってくれた…グスッ…私の愛する尚紀さんは…ヒック…約束を守る人だったぁ!!」
「ひっ…エッグ…姉ちゃ…姉ちゃ…ミィはね…なおたんを…心から…愛してるぅぅぅ…っ!!」
「グスッ…ヒック…エッグ…私も…尚紀さんを心から愛してる…彼こそ私達の…メシアよ!!」
かこに抱き着くななかや姉に抱き着くみかげだけでなく、魔法少女全員が泣き叫んでいく。
それ程までに嬉しい光景こそ、魔法少女の真実を世界に残してくれる男の輝きなのだ。
「まどか、ほむら、お前達もかましてやれ」
「グスッ…ヒック……はいっ!!」
「エッグ…私…もう貴方を絶対に憎まない…貴方こそが私達魔法少女の…
同じ悪魔人間としてまどかとほむらも女神の姿や悪魔の姿に変身してくれる。
多神教連合の神々やアスラ神族の神々も立ち上がり、ルシファー達の後ろに集まってくる。
そして魔法少女の代表者として立つまどかはこう叫ぶだろう。
「世界には夢と希望を運んでくれる人達がいるんです!その存在達こそが……」
――神や悪魔と同じ力を行使出来る……魔法少女達でした!!
ついに世界に真実が報道され、同時に魔法少女や悪魔の存在も報道される事になる。
世界の人々は悪魔や魔法少女の存在に気が付き、新たな脅威と考える者も大勢いるだろう。
それでも魔法の力で救われたことがあった人間達には伝わってくれるはずだ。
命を救ってくれた説明出来ない存在こそ、魔法少女達だったのだと分かってくれるのであった。
次の話で本編は終了ですが、エピローグ的な話を数話描いて拙作は終了です。