人修羅×まどマギ まどマギにメガテン足して世界再構築   作:チャーシュー麺愉悦部

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56話 黙示録の四騎士

地獄の如き結界の空を睨みながら魔人達に対して彼女は問いかける。

 

「お前達は一体何者…?魔女でも魔獣でもないわけ…?」

 

4つの存在は暁美ほむらに分かる言葉を用いて語りかける事が出来る存在。

 

ならばかつて戦ってきた魔女や魔獣とは違い、意思の疎通が可能だと判断する。

 

敵を知るために話しかける光景こそ、人修羅も繰り返した悪魔会話の光景であろう。

 

彼女の問いに対して青白き馬に乗る魔人ペイルライダーが答えてくれる。

 

「ソウダ。我々ハ悪魔デアリ魔人…聖書ニテ語ラレシ黙示録ノ四騎士ダ」

 

魔人という存在などインキュベーターから一度も語られたことはない。

 

黙示録というものなら神学で聖書を学んだ事がある暁美ほむらなら分かるだろう。

 

それでも遠過ぎる記憶と成り果てたせいで杏子程には聖書内容を思い出せないようだ。

 

「悪魔…魔人?そんな存在達が…どうやってこの世界に現れるわけ?」

 

赤き馬に乗る魔人レッドライダーがその問いに対して口を開きだす。

 

「知リタイカ?ワシラ概念存在ノ受肉スル現界方法ヲ?鹿()()()()()()()()()()()()?」

 

一番知りたい部分の目的なら四騎士達は見透かしている。

 

神や悪魔と呼ばれる存在達がこの世に受肉して目の前にいる現象こそ、ほむらの理想光景。

 

神や悪魔とは概念存在であり、円環のコトワリとなったまどかもまた概念存在。

 

ならば目の前の存在と同じようにして再びまどかをこの世に顕現させて受肉させられるはず。

 

「オ前サンハ…世界カラ消エ去ッタ鹿目マドカヲ救イタイノジャロウ?」

 

「お前達もまどかを知っていると言うのなら…教えなさい!!この世に顕現させる方法を!!」

 

「知リタケレバ…」

 

「……我々ハ、小娘ヲカラカイニ来タ者達デハナイ」

 

「オオ、ソウジャッタノォ」

 

黒き馬に乗る騎士はレッドライダーの口の軽さに苛立ちを感じるような言葉を発する。

 

「未熟ナ弓兵ヨ、我々ハ貴様ヲ惨タラシク殺シ、メノラーヲ奪イ取リニ来タ存在ダ」

 

「弓兵?私の魔法武器の形を、お前は知っていたの?」

 

「少シ前ニ貴様ノ戦イブリヲ見物サセテモラッタ。貴様ハ弓ノ扱イヲ何モ知ラナイヨウダナ?」

 

いつの間に白き馬に乗る騎士に観察されていたのか、ほむらには見当もつかない。

 

それでも自分が武器に不慣れであるという情報を知られた事は大きな脅威となるはず。

 

「メノラーを奪い取りに来たと言ったわね?あんな得体の知れない燭台なんて興味は無いわ」

 

「持チ帰リタケレバ、持ッテ帰レト言イタソウダナ?」

 

「無駄ダ。メノラーハ既ニ、汝ノ身体ノ内ニ収メラレテイル」

 

ペイルライダーは右肩に担いだ死神の大鎌の柄にあるハンドルを握り、左手で柄を持つ。

 

「持チ帰ルトシタラ、オ前サンノ身体ヲバラバラニ切断シ、中カラ取リ出ス以外ニナイノォ」

 

レッドライダーは右手の大剣を右肩に担ぎ、獲物を逃さない鋭い視線を向けてくる。

 

「……汝ノ魂モ、我々ノイズレカガ持チ帰ロウ。ソウルジェムヲ、喰ラッテナ」

 

「なっ……なんですって!?」

 

ブラックライダーが発した言葉はあまりにも衝撃的であろう。

 

ソウルジェムを喰らうという理不尽過ぎる殺され方をされた魔法少女など彼女でさえ知らない。

 

穢れたソウルジェムが砕けた時、円環のコトワリに導かれるのが新しい世界のシステム。

 

だが悪魔に喰われたなら円環のコトワリに導かれる事が出来るのか、確認した事などない。

 

最悪の結果が訪れるとほむらは想像したことで冷や汗が吹き出す。

 

「貴様ヲ円環ニ導ク慈悲ナド我ラニハナイ。逃レラレナイ7ツノ死ニ……抗ッテミセロ」

 

左手の神弓をほむらに向け、ホワイトライダーは宣戦布告とも言える言葉を送る。

 

「コレヨリ我ラ四騎士ハ、汝ノ狩リヲ始メル。4ツノ死ノウチ、イズレカガ汝ノ魂ヲ刈リ取ル」

 

「ワシヲ超エル事ガ出来タナラバ、オ前サンガ気ニシテイタ部分ヲ、少シダケ教エテヤロウ」

 

「見滝原ト呼バレシ彼ノ地ニテ、我ラハ貴様ヲ待チ受ケル」

 

「……足掻クガイイ、汝ノ魂ヲ量ル時ガ楽シミダ」

 

もはや魔人との戦いは避けられないが、ほむらは左手に持つ魔法の杖を水平にかざしてくる。

 

「…殺し合いを後日に回す必要はないわ」

 

先端の紫薔薇が燃え上がるような紫の光を放つ。

 

「7つの試練?魔人との殺し合い?そんな事する為に、私は魔法少女を続けてなんかいないわ」

 

紫薔薇の魔法杖がほむらの魔法武器である魔法弓になっていく。

 

「私は魔獣を滅ぼすために魔法少女となった者よ!訳の分からない悪魔と遊んでる暇はない!」

 

空に弓を向け、弓の弦を引き絞りながら魔法の矢を放つ構えを行う。

 

「黙示録の四騎士を名乗るお前達は…今この場で私が全て滅ぼしてみせるわ!!」

 

魔人と呼ばれる悪魔など眼中に無い。

 

目の前の魔法少女はヨハネ黙示録の四騎士達にそう言ってのけた。

 

その一言がどれだけ四騎士達のプライドを傷つけたか、彼女が分かるはずもないだろう。

 

「驕ルカ!!小娘ェ!!」

 

「ヤレヤレ、恐レ知ラズナ若者ラシイノォ。人修羅ノ方ガ、マダ冷静ジャッタゾ」

 

「……量ル刻ガ早マッタダケダ」

 

「汝ノ慢心ニヨル愚カサ…今コノ場デワカラセテヤロウ!!」

 

右手の指を鳴らした合図で三騎士達は一斉に馬で駆けていき、ほむらを包囲していく。

 

「我ラノ死…甘ク見タ汝ノウシロニ、黄泉路ガ開イタ事ヲシレ!!」

 

「来なさい!!魔人共ッ!!」

 

大鎌を構えたペイルライダーは一気に急降下しながらほむらに目掛けて突進していく。

 

魔人達との死闘が早くもここで始まりを迎えてしまうのであった。

 

――――――――――――――――――――――――――――――――

 

前方に目掛けて描かれる魔法陣であるが反応が遅過ぎるせいで大火力行使が間に合わない。

 

高速で飛来したペイルライダーの大鎌の一撃を地に伏せてなんとか逃れる。

 

背後を駆け抜けていく魔人に振り向き、弓を構え直す。

 

赤い大地を馬で疾走する旋回移動が高速で行われるせいで狙いが上手くつけられない。

 

(くっ!!やっぱり弓は狙いにくい!)

 

彼女が今まで使ってきた武器とは現代の銃火器であり、原始的な弓など触ったことすらない。

 

それでも魔獣程度ならば火力押しでどうにかなったが、今回ばかりは相手が悪過ぎる。

 

(せめて高速で動き続ける魔人を止めてくれる人がいたら…)

 

「ソラ、相手ハ他ニモオルゾ、オ嬢チャン」

 

赤き馬に乗るレッドライダーは側面から一気に斬り込み、大剣の刃が目前にまで迫る。

 

左手で構える弓の弓柄で重い一撃を受け止める。

 

相手の刃が握り部分に滑り込み、左指を切断する前に弾き、相手の一撃を流し込む。

 

すると彼女の左腕には飛来した三本の矢が撃ち込まれたことで串刺しにされている。

 

「ぐっ!!何処から撃ったの!?」

 

弓を持っていた魔人の魔力を探るが、探知出来ない程にまで離れた距離からの連続狙撃。

 

素早く振り抜いた彼女の細い腕に一瞬で三発も命中させれる程の技量を持つ弓兵が潜む。

 

その鷹の目は彼女に狙い定めたままなのだ。

 

(止まっていたら集中攻撃される!動かないと!!)

 

走りながらの連続射撃を繰り返し、弓矢の一撃を避けると同時に攻撃をこなす。

 

しかし高速で大地を駆け抜けるレッドライダーとペイルライダーにはかすりもしない。

 

走る事で身体が揺れ動き、射撃精度などあるはずがない。

 

魔力で強化された脚力だが、魔人の馬達はそれを遥かに超えた速度で追い詰めてくる。

 

背後から迫る大鎌の一撃を前転して回避するが後ろを狙うレッドライダーの一撃が迫っていく。

 

唐竹割りを両手持ちで受け止めたが、今度は膝を曲げた左足を三本の矢で射抜かれてしまう。

 

レッドライダーは手綱を引き、赤き馬の雄叫びと共に前足が一気に跳ね上げられる。

 

彼女を踏みつけようと迫る一撃に対して前転してやり過ごす。

 

射抜かれた左足はおびただしい流血を撒き散らし、力が入らなくなっていく。

 

(動脈を射抜かれた…!)

 

獲物の力を確実に削ぎ落とす弓兵の射撃によって腕と片足をやられている。

 

回復する暇さえ二体の魔人は与えてくれず、次々と馬による駆け込み斬りが放たれていく。

 

魔法陣を展開して強大な一撃を放つ溜めの時間さえ与えてはくれない。

 

これがワンマンアーミーの弊害であり、誰も彼女を助けてはくれないのだ。

 

「ハァ…ハァ…」

 

息が荒くなりながら立ち上がるほむらの身体は見るも無残。

 

弓矢の重症と斬り込んできた二体の魔人達に弄ばれた全身の切り傷が刻まれている。

 

人間ならば動くこともままならない程に失血しているようだ。

 

それでも彼女の闘志は揺るぎはしない。

 

(効くかどうかは分からない…それでも…!)

 

前方から駆けてくる赤き馬に乗る騎士が逆袈裟斬りを放つが搔い潜る。

 

その一瞬を利用した彼女はレッドライダーの黒衣の裾を掴みながら飛び上がる。

 

後部座席に飛び乗ったほむらは動く右腕でレッドライダーの首を締め上げていく。

 

「ホッホッホ!ソノ体デ見事ナ動キジャ!!」

 

「誰に唆されて命令されたのかは知らないけれど、逆らう気も起きない記憶にしてあげるわ!」

 

彼女の固有魔法とは記憶操作魔法であり、魔獣には通用しないたぐいのもの。

 

しかし相手が悪魔ならばと試してみるのだが、魔人を知る者ならば結果は見えているだろう。

 

「ホォ?コレガ魔法少女トヤラノ魔法カ?我々悪魔ノ精神操作魔法トニテオルワ」

 

「そんな……記憶操作魔法が効かない!?」

 

背後のほむらに目掛けて左肘打ちを側頭部に打ち込み、彼女を落馬させる。

 

地面に倒れ込んだ彼女の前で赤き馬が立ち止まり、レッドライダーの髑髏の口がカタカタ動く。

 

「ダガ無駄ジャ。我ラ魔人ノ魔法耐性ヲ甘ク見ルデナイワ」

 

同じくやってきた青白き馬もまた彼女の前で立ち止まり、ペイルライダーはこう告げる。

 

「我ラハマダ、魔法サエ使ッテイナイ。コレガ今ノ我々ト汝ノ力ノ差ダ」

 

遠く離れた渓谷の高台ではホワイトライダーが弓を構えながら止まった獲物に狙いをつける。

 

「……そうね。私は……魔人達を甘く見ていた」

 

魔人と戦って分かったのは連携の完成度の高さであり、手練れの魔法少女組を超えていること。

 

それを相手にたった独りで戦うのは、因果の力を持った魔法少女であろうと分が悪過ぎること。

 

圧倒的戦力差に対して孤独に戦う苦しみには慣れているが、今回ばかりは逃げる手段がない。

 

「逃ゲラレルト思ウナ。我ラノ結界ハ、カツテノ魔女トハ違イ、甘クハナイ」

 

逃げるだけならかつての魔女相手でも出来たが、魔人の結界には出口など存在しない。

 

「私は逃げないわ…お前達をこの場で倒すと宣言した言葉に…嘘はない!!」

 

高台からほむらの頭部に目掛けてホワイトライダーの矢が迫りくる。

 

その時、ほむらの身体からおびただしい魔力の奔流を感じ取った二体の魔人は手綱を引く。

 

後ろに跳ねて下がると見えたのは背中からどす黒く禍々しい巨大な翼を生やしたほむらの姿。

 

飛来してきた矢は黒き翼の侵食領域に飲み込まれて消失する。

 

倒れた姿勢から空に浮かび上がっていく彼女の姿は悪魔そのものに見えてくるだろう。

 

これこそまさに世界を『侵食する黒き翼』の力なのだ。

 

「もう出し惜しみはしないわ!私の世界に飲まれて消えなさい…悪魔共!!」

 

二体の魔人に目掛けて背中の黒き翼の侵食領域が一気に広がっていく。

 

逃げる魔人達は焦るどころか表情筋の無い髑髏顔で愉快そうに笑ってくる。

 

「ホッホッホ!仲間達ガイレバ使イ辛ソウナ極大魔法ヲ隠シトッタカ!」

 

「クックックッ…素晴ラシキ闇ノ力ダ!ヤハリ閣下ハ見抜イテオラレタ」

 

「ヤハリアノ小娘ハ、ワシラト同ジ存在トナルベキジャ」

 

「折角見セテクレタ極大魔法ダ、我ラモ礼ヲ尽クソウ」

 

「ソロソロ出番ジャ、ブラックライダー」

 

地上の光景を見つめていたのは天高くで浮かぶ黒き馬に乗る騎士。

 

その右手に持たれたのは黒き天秤であり、その力が行使される時が訪れるだろう。

 

「……汝ノ命ト魂ノ軽重…我ガ計ロウ」

 

黒き天秤の左の受け皿にほむらの魔力色を示す紫の炎が灯る。

 

右の受け皿には血の通う人間の命を司る赤き炎が灯る。

 

天秤の担い手は高らかにそれを掲げ、命を司る受け皿はほむらの命の半分の重みで傾くだろう。

 

「あっ…?くぅ…!!私の体に…何が起こったの…!?」

 

体の命が削られる程の激痛が走り、全身が呪いのように苦しめられる。

 

極大魔法を行使していた黒き翼まで消えていき、浮遊力が消失してしまう。

 

「……汝ノ命ノ半分ハ我ノ右ニ、魔法ノ力ハ左ニ……封印シタ」

 

「ブラックライダーノソウルバランス…相変ワラズ、エゲツナイノォ」

 

重症を負って命を削られたほむらの体から容赦なく半分の命が削り落とされてしまう。

 

もはや体を動かす事さえままならなくなり、黒き翼の消失と共に空から落ちる。

 

それでも最後の力を振り絞り、天高くにいるブラックライダーに弓を構えようとする。

 

しかし追い打ちとなるようにして飛来した三本の矢の直撃を浴びるだろう。

 

一発目は彼女の右肺、二発目は右脇腹、三発目は右太腿を貫通して串刺しにしていく。

 

全身に突き刺さった矢を抱えながら血を撒き散らす暁美ほむらが地面に激突。

 

「がは…っ!!ま…だ…死ぬ…わけには…」

 

もはや彼女に戦う余力は残されていない。

 

地面に倒れ込んだほむらの周りにゆっくりと死が迫りくる。

 

「使命も果たせず…死にたく…ない…!!」

 

これこそが暁美ほむらにとって逃れられない死の光景。

 

その洗礼の数々はほむらの体に刻み込まれたのであった。

 

――――――――――――――――――――――――――――――――

 

四匹の馬に囲まれたまま地面に倒れ込んだままのほむら。

 

もう指一つ動かせない彼女の命と魂を刈り取る事など造作もなかろう。

 

「最初ノ威勢ノヨサハ、何処ニ消エタ?小娘?」

 

「私……殺されるの……?」

 

「ソウジャ。ワシラハ今カラ、オ前サンノ五体ヲバラバラニスル」

 

「……精々、甲高イ悲鳴ヲ上ゲルガイイ」

 

「嫌…こんな終わり方なんて…嫌よ……ッッ!!」

 

魔法少女の使命を果たす事も出来ずに殺される彼女は目から涙を零してしまう。

 

体を刻まれ、燃やされ、ソウルジェムを喰われてしまう。

 

その先にあるのは円環のコトワリに導かれ、まどかと笑顔で再会する終わりではない。

 

悪魔と呼ばれる概念存在の一部として永遠に苦しむ末路が待っているだろう。

 

「恐ロシイカ?コレガ汝ニ与エル…魔人ガモタラス死ダ」

 

「どうして…何で私が…悪魔に…襲われなきゃ…ならないの…?」

 

「オ前ハ選バレタカラダ」

 

「何で…何で私なんかが!?病弱で…何一つ取り柄なんてなかった私が…選ばれるのよ!?」

 

「……全テハ我ラノ……黒キ希望ノタメ」

 

「混沌ノ悪魔達ノ未来ノタメ」

 

「ソノタメニ貴様ヲ試シタカッタノダガナ…モハヤ、臆病風ニ吹カレタカ」

 

「そんな…助けて…誰か……」

 

「仲間ヲ拒ミ続ケタ娘ガ今更カ?ソンナ都合ガイイ甘エナド、戦場デ通用スルト思ウカ?」

 

各々の騎士達が武器を構える。

 

魔法少女として生きた暁美ほむらの人生は無念の果てに終わりを告げるだろう。

 

「ごめんなさい……まどか……」

 

ほむらは逃れられない死を覚悟し、静かに目を瞑る。

 

しかし、逃れられないはずの死が訪れる気配が見えない。

 

(私……まだ、死んでない……?)

 

静かに目を開けるとそこは地獄の如き魔人の結界ではない。

 

何処かの薄暗い路地裏の広場で倒れていた彼女の頭に四騎士達の念話が響き渡る。

 

<<今ノ汝ハ弱イ。少シダケ、時間ヲアタエヨウ>>

 

<<6月12日ノ新月ノ夜…再ビワシラハ、オ前サンヲ狩リニアラワレル>>

 

<<……彼ノ地ニテ、我ラ四騎士……一人ヅツダ>>

 

<<頭ヲ冷ヤシ、精々強クナル事ダ。閣下ヲ失望サセルナヨ?我ラノ黒キ希望ヨ>>

 

魔人達の声が消えていき、代わりに聞こえてきたのは仲間達の声。

 

「こっちにほむらの魔力があるぞ、マミ!!」

 

「暁美さん!?そんな…なんて酷い傷なの!」

 

駆けつけてくれた魔法少女仲間達に抱き起こされた時、命が残ってくれていた事に安堵する。

 

それと同時に激しい後悔に苛まれ、今までの自分を恥じてしまう。

 

使命と共に死ぬために戦ってきたはずなのに、彼女にはまだ仲間達の力が必要なのだ。

 

「ごめんなさい…杏子…巴マミ…私は……」

 

「無理に喋るんじゃねぇよ!今にも死にそうな体なのに!」

 

「刺さった矢を抜いたら失血死するわ!直ぐに完治は出来ないから私の家で治療しましょう!」

 

二人に抱えられたほむらはその場を去っていく。

 

これは魔人達との戦いの始まりに過ぎず、これからさらに苛烈を極めるだろう。

 

ほむらは今、死の重みと命の重みを知る事になるのであった。

 




読んで頂き、有難うございます。
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