人修羅×まどマギ まどマギにメガテン足して世界再構築   作:チャーシュー麺愉悦部

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7話 風見野の守護者

風実風華と組んで魔女狩りの毎日を送っている尚紀であるが、状況は芳しくない。

 

「やはり魔女は人が集まる繁華街に集中してやがる…郊外は使い魔しか見かけない」

 

こんな調子では彼女が持たないと彼は焦っている。

 

打開策を考えていた彼の元に今日も彼女は訪れるのだが様子がおかしい。

 

「おい、大丈夫なのか」

 

「だ……大丈夫です、今日も魔女狩りに向かいましょう」

 

嫌な予感を感じたことでソウルジェムを見せてみろと言ってくる。

 

「平気です!私は大丈夫だから…」

 

「今直ぐ俺に見せろ」

 

真剣な表情で腕を掴む彼に隠し事は出来ないと感じたため、ソウルジェムを左手に出現させる。

 

「やはり思ったとおりだ…」

 

悪い予感通りソウルジェムの穢れがかなり進行している。

 

「お前…最後に魔力を回復させたのはいつだ?」

 

「……貴方と出会った時に手に入れたグリーフシードが最後です」

 

「馬鹿野郎…自分の命を何だと思っていやがる?俺が以前語った言葉は伝わらなかったのか?」

 

「でも私は…同じ風見野を守る魔法少女達と、戦いたくはありません」

 

「お前達の魔法少女社会は生存競争社会だ。心が弱い奴はそれに付け込まれて淘汰される」

 

「それは…そうかもしれませんが、私は……」

 

「今日の魔女狩りはもういい、お前は家に帰って休んでろ」

 

「でも!休んでいたら何処かで誰かが犠牲になるかも……」

 

「死んだらそれまでだ。自分の生命さえ守れない奴が多くの人を救えるだなんて思い上がるな」

 

「それは……その……」

 

「もう一度だけ言ってやる。自分一人だけの生命だと思うな」

 

「尚紀……」

 

「家に帰れ、いいな?」

 

彼女は渋々と自転車で児童養護施設に帰っていく中、彼は決断を下す。

 

「…もはや手段など選んでいる場合ではないようだ」

 

彼は夜の就寝時間になった際に教会を抜け出し、市内に向けて駆けていく。

 

夜の風見野繁華街のビル郡の屋上には尚紀が立っており、魔力の出所を探っていくのだ。

 

「三人の魔法少女の魔力を感じる…どうやらまだ魔女狩りに精を出しているようだ」

 

狙うのは彼女達がかき集めたグリーフシード。

 

教会の掃除の時に使えるよう買ってくれたパンダナを三角に折り曲げ、口に巻く。

 

彼が選んだ髑髏柄パンダナを口元に巻いた姿はまるで髑髏顔を纏う悪魔そのものだろう。

 

「悪魔の俺には、こういう柄のパンダナの方がお似合いだったからな」

 

黒い帽子を被り、モッズパーカージャケットを着込み、悪魔化した時の姿を晒さない姿となる。

 

「正体を晒すわけにはいかない…後々面倒事になる。俺なりの狩りのやり方を見せてやる」

 

彼は静かに三人組の魔法少女達の魔力へと近づいていく。

 

いっぽうその頃、魔女の結界から出てくるの三人組の魔法少女達である。

 

「今日は大量だったね~。3匹も魔女に出会えるなんて♪」

 

ボーイッシュなショートヘアーをした魔法少女はご機嫌な顔で三個のグリーフシードを握る。

 

「そろそろ風実もさ~、干上がってる頃じゃないかしら?」

 

ミディアムヘアーの黒髪の魔法少女は卑しい笑みを浮かべている。

 

「馬鹿な女だねぇ。人間を魔女の餌に出来る場所を手に入れた奴が生き残れるっていうのにさ」

 

セミロングヘアーの魔法少女は人間は魔女の餌だと言い切ってくる。

 

彼女達は魔女の結界に人間が囚われ、魔女や使い魔に喰われようが眼中にない。

 

むしろ魔女が好みそうな人間を餌にして魔女を呼び寄せ、狩りを行うのが彼女達のやり方だ。

 

「さて、そろそろアジトに帰ろうかね~。シャワー浴びたいし」

 

その時、彼女達は不意に頭上を見上げる。

 

今まで感じたことがない魔力の反応を察知したためだろう。

 

「な、なんだぁ!?」

 

ビルの上から真下に迫ってくる人影の男は彼女達のど真ん中に着地する。

 

「がっ!!?」

 

瞬間、腹部の水月(みぞおち)に激しい衝撃が走る。

 

彼女は壁に叩きつけられ、呼吸困難になってしまう。

 

「テメェ!?ぐっ!!?」

 

続けて横にいた魔法少女に裏拳が舞う。

 

耳の後ろ側にある突起した骨の部分に放たれた裏拳によって平衡感覚が失われて倒れ込む。

 

「なんだよ…お前ッ!!?」

 

最後の魔法少女は自分の魔法武器である魔法のダガーを手に持ち、彼に襲いかかる。

 

彼は右手と左手を水平に構えながら迎え討つ。

 

相手のダガーを持った右椀部に右手を絡め、左手はダガーを持った手首に絡めて捻りあげる。

 

そのまま伸び切った肘を抱え込む形で曲げ、手首に力が入らなくなった相手の武器を奪う。

 

「ぎゃぁ!!!」

 

そのまま奪った魔法ダガーを肩に突き刺された事で魔法少女は悲鳴をあげてしまう。

 

痛みで倒れ込む魔法少女を見下ろす彼の姿に対して罵倒しながら叫んでくるようだ。

 

「おぞましい変装しやがって……お前も魔法少女か!?」

 

「……………」

 

倒れた相手に興味を持つ素振りさえ見せず、倒れた一人の手から溢れたグリーフシードを奪う。

 

(俺を女だと勘違いしてくれているのか…都合がいいな)

 

彼の身長は170cmと男にしては小柄であり、体格もか細いために女と思われたようだ。

 

「不意打ちなんて汚ぇぞ!!覚えてやがれ卑怯者!!」

 

彼は何も答えずに夜の闇へと消えていく。

 

「生半可な打撃では痛覚が殆ど麻痺した魔法少女の突進を止めることは出来ないからな」

 

魔法少女と戦う事は痛覚が麻痺した薬物中毒者を相手するようなものなのだと彼は語っていく。

 

それ故にストッピングパワーを必要とし、人体の急所を狙うのが効率的だと判断したようだ。

 

「あいつらを殺して奪う事も出来たが…風華はあんな連中でもこの街の守り手だと言いやがる」

 

優しすぎる相棒に対して深い深い溜息しか出てこない。

 

人間の姿に戻った彼は自身の魔力を絶ちながら教会に向けて闇夜を走り去るのだ。

 

次の日も風華は教会を訪れる。

 

彼は何も言わずに彼女の手に昨夜手に入れたグリーフシードを手渡す。

 

「このグリーフシードは何処で手に入れたんですか!?」

 

「自分の生命を大切にしろ。俺が言えることはそれだけだ」

 

「まさか…彼女達の縄張りで狩りを!?」

 

「上手くやった。お前に疑いを持たれることはない」

 

彼なりの優しさであると彼女は思ったが、内心は複雑な表情となる。

 

(本来私達は人々のために戦うべきなのに…こんな身内同士で争うべきではないのに…)

 

それでも彼女は彼が言った言葉を思い出す。

 

(私のやり方は……間違っているんですか?)

 

渡されたグリーフシードを使い、ソウルジェムの穢れを吸い取っていく。

 

そんな彼女の頭の中には魔法少女の在り方について迷いが生まれていった。

 

――――――――――――――――――――――――――――――――

 

風見野市内の喫茶店では三人組の魔法少女達が見える。

 

以前の襲撃の件について話し合っているようだ。

 

彼女達を襲った謎の人物に対し、別の街から現れた魔法少女だと考えている。

 

「風実が変装して襲ってきたとかはないわけ?」

 

「あいつの帽子の隙間から見えた目は金色の瞳…髪の色は黒髪で短髪だったわ」

 

唯一の目撃者である三人目の魔法少女は忌々しげにその時の状況を語る。

 

「ねぇ…それよりも風実なんだけどさ、まだ魔力が干上がってないのよ」

 

「もう時期的に魔力が尽きてもいい頃なんだけど……」

 

「あいつ…まさか私達の縄張りに密かに入ってきて狩りをしてるわけ?」

 

「でも、あいつの魔力は分かってるよ?入ってきたら直ぐに分かったわ」

 

謎の人物と魔力が尽きるはずの風華の生存を考慮した末、一つの結論を出す。

 

「あの謎の人物…もしかして風実にグリーフシードを与えてるんじゃないの?」

 

「風実の奴…いつの間にか別の奴と組んでたってわけ?」

 

「協定内容はあいつが市内を譲る…でも別の奴はあたし達と協定を結んでいるわけじゃない…」

 

「やってくれたじゃないのさ…風実!」

 

彼女達は風実風華に対して報復を決める。

 

だが彼女達は風実風華の実力を偵察していくうちに分かっている。

 

「真っ向勝負って訳にもいかないね…あいつ、お人好しの癖に強いし」

 

「それにあいつと組んでる奴は目的のためなら不意打ちさえ行える奴…実力も定かじゃない」

 

「二人同時に相手をするのは分が悪い…みたいだね」

 

打開策を考えていた時、魔法少女の一人が何かを思いつく。

 

「風実は郊外の森にある教会で働いてる。その教会には奴が面倒を見ているガキがいるんだよ」

 

その一言で他の二人も彼女が何を言いたいのか理解する。

 

「教会のガキ共か……風実のアキレス腱を握ってやろうじゃないか」

 

彼女達は立ち上がり、喫茶店から出ていく。

 

時刻は15時頃であり、そろそろ小学校が終わる下校時間。

 

杏子は赤いランドセルを背負いながら帰路を歩く。

 

彼女の表情はいつも暗い影を滲ませているようだ。

 

「尚紀が来て以来…家族はとても機嫌がいい。それにふう姉ちゃんも満足そうだし…」

 

自分だけがおいて行かれたような気分を毎日感じながら不快感に陥ってしまう。

 

「あたしだけが…尚紀を家族として受け入れきれてない……くそっ!」

 

苛立ちを石ころにぶつけて前方に蹴り転がす。

 

石ころが転がっていった先には三人組の少女達の姿がいるようだ。

 

「この子で間違いないわけ?」

 

「うん、髪の毛が赤い子がたしか…杏子って名前だったはず」

 

知らない誰かが自分の名前を喋っている事に対して、いい知れぬ恐怖感を感じてしまう。

 

三人組は杏子を囲む形で回り込む。

 

誰か助けを呼ぼうかと周りを見渡すが人通りは少ない。

 

「ねぇ、杏子ちゃん?お姉さん達に少し付き合ってくれない?」

 

魔法少女の一人は作り笑みで杏子の顔を覗き込んでくる。

 

「し…知らない人について行っちゃ駄目だって…父さんに言われてるから…嫌だ!」

 

杏子は震えながらも彼女達に抵抗を見せる。

 

作り笑みの瞳が薄く開いたかと思った瞬間、強烈な一撃を浴びせられてしまう。

 

「ガッ!!?」

 

杏子は腹を蹴り飛ばされ、吐瀉物を吐くほどの痛みで地面を転げ回っていく。

 

「ガキが、舐めた口叩いてるからそうなるんだよ」

 

作り笑みが消えた彼女の表情が邪悪な笑みとなっていく。

 

もう一人の魔法少女は寝転がって泣いている杏子の髪の毛を掴み上げながら持ち上げてしまう。

 

「お前は風実をサンドバックにする餌なんだよ」

 

「うぅ!!ふう姉ちゃんだと…?あの人をどうする気なんだよ…!?」

 

「餌が他人の心配してどうする?自分の事でも考えながら震えてろ」

 

自分のせいでふう姉ちゃんが酷い目に合わされるのだと杏子は理解する事になるだろう。

 

「だ、誰かーっ!!誰か助け…ぐっ!!」

 

必死になって助けを呼ぼうとした杏子の延髄に衝撃が走り、痛みと共に意識を失う。

 

「さて、後は風実の奴に招待状を送らないとね」

 

三人組の魔法少女達は杏子を担いで跳躍し、家々の屋根を使いながら飛び去っていく。

 

子供の泣く声に対して近所の人が出てきた時にはもう遅かった。

 

――――――――――――――――――――――――――――――――

 

教会の森の道を風華は自転車で走っている。

 

道を走っていると横に放り出されている赤いランドセルに気がついたようだ。

 

「これは誰のランドセル…?まさか…こんな場所に女子のランドセルを放り出す子は…」

 

嫌な予感がして自転車から降り、ランドセルに駆け寄っていく。

 

「これは…杏子ちゃんのランドセル……!?」

 

彼女は慌てて中身を確認する。

 

ランドセルの中に入っていたノートの表には赤いマジックペンで文字が書かれている。

 

夜中の23時に風見野市内外れにある修理工場の敷地に一人で来い。

 

お前の連れが邪魔しに来た場合は杏子ちゃんは潰れたトマトになるからね、と書かれている。

 

縄張りを侵害した報復の罠なのは間違いないだろう。

 

「これは私が撒いてしまった種…私の甘さのせいで…関係ない杏子ちゃんが巻き添えになる…」

 

彼の力を頼るわけにはいかないと判断した彼女は急いで自転車でこぎながら森を後にする。

 

「あの女……今日は随分と遅いな?」

 

風華を待っている尚紀も異変に気づき始めている。

 

「夜更けになっても杏子が戻ってこないなんて…こんな事は一度もなかった…」

 

「あの子の身に何かあったの…?警察に電話した方が……」

 

「俺が探してくる。佐倉牧師達は警察に連絡をしておいてくれ」

 

「すまない…こんな時まで住み込みの君に頼る事になるなんて…」

 

「気にするな。それじゃ、行ってくる」

 

夜の風見野市に向けて彼は走るが、報復被害に合っている事なら彼なら分かるだろう。

 

「上手くやったつもりだったが…甘くはなかった。報復の対象に杏子が選ばれるなんて…」

 

最悪のシナリオが脳裏をよぎり、一気に加速しながら駆け抜けていく。

 

いっぽう、風見野市内の外れにある修理工場には魔法少女姿に変身した風華が先に到着する。

 

「ここが指定されば場所ですね…あの子達の魔力もある…」

 

それを待ち構えていたようにして修理工場の屋根の上に現れたのは二人の魔法少女である。

 

「よく来たね~風実~~?」

 

一人は鋭利な魔法の曲刀を二つ手に持ち、回転させながら獲物を切り刻みたい衝動を表す。

 

「あんた一人みたいだね?約束はちゃんと守ってくれたんだ?」

 

もう一人は魔法のダガーでジャグリングのように回転させながら魔法武器をチラつかす。

 

「杏子ちゃんは関係ありません!開放してください!!」

 

杏子の安否が心配で彼女達に叫ぶのだが誘拐犯達は嘲笑うような顔つきでこう言ってくる。

 

「あんたの態度次第かな~?あの子は違う場所にいるんだけど…」

 

「お前がそこから動いて、あたし達に危害を加えた瞬間…殺す用意があるんだよね~♪」

 

彼女達の言葉は今から始まる事を示唆している。

 

これは戦いなどではない、人質を使った一方的な嬲り殺しでしかないのだろう。

 

「何故こんな事を…私達魔法少女は協力して人々の為に戦うべきなのに!」

 

「もうそんなウゼー理屈は聞き飽きたんだよ!!」

 

誘拐犯の一人が魔法のダガーを投げつけてくる。

 

「くっ!!」

 

ダガーは風華の右肩に深く突き刺さり、赤い血が衣服に滴りながら赤黒く染めてしまう。

 

「アハッ!お前はほんとにいい子だね~?ちゃんと動かなかったじゃん」

 

「…私の死を望むのなら、それが成された後には…人質を開放してくれますか?」

 

「いいよー?あの子は別に商売敵ってわけじゃないしね~?」

 

二ヤついた顔をしてくる誘拐犯達が念話を用いながら本音を語り合う。

 

<馬鹿な女だね~?人質はお前だけじゃなく、お前の後ろにいる奴にも使う予定なんだよ>

 

<それに、あたし達の秘密を知った人間を生かしておける訳ないでしょ>

 

誘拐犯達はニヤけた表情のままリンチ開始を宣言する。

 

「一度やってみたかったんだよね~人を的にした…サーカスのナイフ投げ!」

 

「あたしにも投げさせてよ!やってみたい!」

 

彼女達は誰が一番彼女にダガーが当たるかを競い合う凄惨なリンチが始まっていくのだ。

 

その頃、離れた倉庫内では誘拐犯の一人が魔法武器のメリケンサックで鍛錬を行っている。

 

シャドーボクシング中であるが貧乏くじを引かされた事に対する不満が零れてしまう。

 

「はぁ…ジャンケンに負けたとはいえ…子守りをする羽目になるなんてねぇ…」

 

倉庫の壁にもたれながら座っているのは杏子であり、誘拐犯が視線を向けてくる。

 

「~~~っ!!!」

 

魔法で生み出した鎖で手足を縛り上げられた上で口にはガムテープが貼られている。

 

「風実を痛めつけたかったのに…このガキの見張りだなんてさ~…私は保険ってわけね?」

 

倉庫内の誘拐犯は常に魔力に注意を払い、周りの索敵をやらされている。

 

「あの変装魔法少女はいつ現れる?まぁ現れたところで…こいつを盾にして殺すけどね~」

 

「~~~っ!!?」

 

「お前も可哀想な奴だねー?私達のような存在と関わるから…そうなるんだよ?」

 

杏子の泣いた顔に顔を近づけながらニヤついた表情を向けてくる。

 

「相変わらず辺りから魔力の気配を感じないなぁ…退屈になってきた…」

 

魔法少女は人間に擬態した悪魔の魔力を感じ取る事は出来ないだろうが、悪魔の彼は別である。

 

「何っ!?」

 

倉庫の天窓が砕ける音が響き渡る。

 

彼女はその音を聞いて上を見上げるが目の前には既に変装した尚紀の姿が立っている。

 

「て…てめぇ!!?」

 

驚愕した誘拐犯は左手に持つ魔法武器のメリケンサックを振るう構えを行う。

 

右肘を使い、伸び切った彼女の肘裏側に当て、右に回り込みつつ彼女の左腕を右腕で絡め取る。

 

「これは…お前も格闘技が使えるのか!?」

 

捻りあげ、そのまま相手の体を回転させて地面に叩きつける動きを尚紀は行使する。

 

「くそっ!!」

 

誘拐犯はすぐさま立ち上がり、謎の人物に向き直りながらキックボクシングの構えを行う。

 

迎え討つ彼は両手を下に向けたまま脱力したような構え。

 

誘拐犯はフットワークを駆使し、彼に対して左右のパンチを繰り出す。

 

相手の打撃に対し、体をずらして拳を回避していく。

 

コンビネーションの前蹴りを放った瞬間、すかさず蹴り足の横に滑り込み左肘を胸に打ち込む。

 

「ぐがぁ!!!?」

 

誘拐犯の助骨が砕けた音が響く。

 

地面に倒れ込んだ彼女に対し、追い打ちの右拳が迫りくる。

 

「がふっ!!!!」

 

顔面から血が一気に飛び散り、陥没したように凹み、前歯も飛び散る。

 

痙攣したように体を動かす悪党から目を逸らし、杏子の元へと彼は向かう。

 

「~~~っっ!!!」

 

暴力の世界を初めて見た杏子は体が震えており、怯えてしまう。

 

威圧的な変装を纏う彼が杏子に近づこうとした瞬間、後ろからは憤怒の叫びが上がるのだ。

 

「糞がぁぁぁぁ!!!」

 

誘拐犯は立ち上がりながら彼に対して拘束の鎖魔法を放つ構えを見せたのだが、彼の罠なのだ。

 

「ぎゃあっ!!?」

 

頭部は既にハイキックの一閃が決まり終えており、蹴り技の勢いで倉庫の端まで飛ばされる。

 

キックの回転運動を終えた彼は杏子に向き直る。

 

杏子は吹っ飛んで倒れ込んだ誘拐犯を見た時、小学生では耐えられない光景を目にするだろう。

 

「!!!!」

 

彼女の首は女子小学生には見せられない角度で折れ曲がっていたようだ。

 

(今度はあたしの番だ……っ!!)

 

恐怖のあまり杏子の股が温かくなっていき、失禁してしまう。

 

恐ろしい存在が彼女の前に立ち、片膝をついて座り込む。

 

拘束魔法をかけた魔法少女が敗れた事で縛られた鎖魔法効果も消失し、手足は自由となる。

 

それでも目の前に現れた恐怖存在が恐ろしくて震え上がり、足腰が立ってくれない。

 

悪魔化を解き、杏子の口を覆いっていたガムテープを外す。

 

「お願い……助けて!殺さないで!!」

 

怖がる杏子に対して彼は口を覆ったパンダナを下にずらして素顔を晒す。

 

「えっ、尚紀……?」

 

「待たせたな、杏子」

 

いつもは無表情な顔しか見せない彼だったが、少しだけ微笑んでくれる。

 

「尚紀に冷たい態度しか出来ないあたしなんかを…どうして危険を冒してまで助けに来たの?」

 

「家族を守るのに、いちいち理由なんているのか?」

 

「あたしが……尚紀の家族?」

 

「この場所でお前以外に誰がいる?」

 

「あ…あたし、謝らなきゃならない。こんなにも優しい人だったなんて…気が付かなかった…」

 

「気にするな。無愛想で素っ気ない態度しか出来ない俺も悪かった」

 

「ごめんね、尚紀……被害妄想でしかアンタを考えてなかった…あたしがバカだったよぉ!!」

 

尚紀に抱きつきながら泣きじゃくる杏子に対して彼は頭を優しく撫でてくれる。

 

落ち着くまで待ってあげると泣き疲れたのか杏子は眠ってしまったようだ。

 

「無理もない…ずっと生命の危険を感じながら気を張り詰めていたんだろうな…」

 

杏子を抱き抱えたまま彼は倉庫から出て行く。

 

横に転がっている誘拐犯対して少しだけ視線を向けてくる。

 

「インキュベーターの話が本当ならこの程度では死なないだろう。かつての俺なら殺してたな」

 

人殺しを望まない相棒のためにこそ、殺さずに倉庫から出て行く悪魔の姿がそこにはあった。

 

――――――――――――――――――――――――――――――――

 

修理工場の敷地では未だに惨劇が続いている。

 

急所を外しているが複数のダガーが体に突き刺さり、血溜まりを作った風華の姿が立っている。

 

楽には殺さずに嬲り殺しにしたい誘拐犯達の歪んだ性格が表れている光景であろう。

 

「ハァ…ハァ…」

 

「魔法少女ってのは頑丈なのが不便なとこだね~?楽に死ねないんだからさ~」

 

痛ましい彼女の姿に対して心底愉快な表情を誘拐犯共は浮かべてくる。

 

痛覚がほとんど麻痺しているとはいえ、息を切らせて耐えているが限界が近い。

 

(私…ここで死んでしまうの?私が死んでも…彼女達がこの街を守ってくれるの…?)

 

自分一人だけの生命だと思うなという尚紀の言葉が脳裏を過る。

 

(こんな…望まれなかった私でも…必要としてくれる人達が…いる?)

 

「もう飽きてきたしさ~、そろそろ終わらせちゃおうかな」

 

ダガー魔法少女は無数の魔法ダガーを生み出しながら一斉に放つ構えを行ってくる。

 

「くっ……!!」

 

歯を食いしばりながらトドメの一撃に対して毅然に振る舞う時、命に執着心が芽生えていく。

 

(ここで終わるわけにはいかない…私は……まだ死ねない!!)

 

その時、相棒の男の念話が聞こえてくる。

 

<やれ、風華。杏子は無事だ…そいつらをぶちのめせ>

 

「グッバーイ♪風実ぃぃーーーーッッ!!」

 

魔法のダガーが一気に発射され、雨のように迫りくる時、突然の暴風の如き風が巻き起こる。

 

「ハァァァッ!!!」

 

ダガーの雨は風によって全て逸らされながら弾かれてしまった時、誘拐犯が声を荒げる。

 

「テメェ!?人質死んだぞコラァ!!」

 

念話で今すぐ人質を殺せと指示を送るが返事は帰ってこない。

 

動揺した表情を浮かべる誘拐犯共は体に刺さった刃物を抜きながら歩いてくる風華に戦慄する。

 

虫も殺さないようないつもの温厚な顔つきではない。

 

眉間にシワを寄せ、怒りに煮えたぎった表情となって二人を睨んでくる。

 

「私が間違っていました…魔法少女は魔女と戦う同志だと信じていましたが…」

 

怒りを放射するようにして全身から風を巻き上げていく。

 

そして人間の敵に向かって吠えてくれる。

 

「関係ない人間を…魔法少女の争いに巻き込む人達が…人間を守ってくれるはずがない!!」

 

飛び降りて魔法武器を構える誘拐犯共に対して風見野の守護者の座をかけた戦いが始まるのだ。

 

牽制として無数の魔法のダガーが投擲される。

 

風で逸らす風華の頭上からは一気に間合いを詰め、二刀の曲刀で切りつける連携攻撃が迫る。

 

風華は身を低く構えながら疾風のように前進して曲刀魔法少女の斬撃を回避。

 

彼女の右手が前方のダガー魔法少女の顔面を捕らえ、そのまま疾風突進を行う。

 

一気に突き進んだ風の戦士が修理工場の壁にダガー魔法少女の高等部を叩きつける。

 

「うあぁぁーーーっ!!」

 

壁に頭がめり込んで昏倒するのだが、背後からは曲刀魔法少女が突撃してくる。

 

「死ねぇぇぇぇ!!!」

 

振り向いた風華は右手の人差し指と中指を同時に折り曲げながら天を指さす。

 

「ああっ!!?」

 

するとダガー魔法少女の周囲に竜巻が発生し、誘拐犯の体が一気に空高く巻き上げられる。

 

風華は連続跳躍を行いながら空高く巻き上がりながら高速回転する相手に接近。

 

相手の体が空高く巻き上がった頂点の上にまで舞い上がり、回転を加えた右浴びせ蹴りを放つ。

 

「がはぁっ!!」

 

腹部を強打された曲刀魔法少女が落下、さらに追撃として空中から落下攻撃が迫りくる。

 

「ぐあぁぁぁぁぁぁーーーっ!!!」

 

両膝蹴りで体を打ち付けられた曲刀魔法少女の助骨はバラバラになって砕け散る。

 

「風実ぃぃぃ!!!」

 

倒れた誘拐犯を助けようと意識が戻ったダガー魔法少女が両手にダガーを握りながら迫りくる。

 

迫りくる誘拐犯に対して右手を振るいながら無数のかまいたち魔法を発射していく。

 

対する相手は跳躍し、風の刃を回避しつつ空から急接近して眼前に着地してくる。

 

「あたしの間合いだ!!」

 

ダガーを構えたまま風華にナイフファイトを仕掛けていく。

 

縦横無尽に切りつけてくる刃に対し、体を柳のように揺らして回避し続ける。

 

誘拐犯の右手から繰り出す右切り上げを回避するが、それは次の一撃への布石。

 

眼前でダガーを逆手に持ち、一気に風華の肩口に突き立てて心臓を狙う。

 

迫る刺突ダガーに対し、風華は右手首に右手首を絡めつける。

 

相手の右手を掴みながら引き寄せ、左腕を相手の関節に絡めて腕を折り曲げていく。

 

同時に捻りあげながら右手のダガーを振るう相手の胸部に突き刺すカウンターを決めてくれる。

 

「がっ……あっ……」

 

痛みで後ろに後退していくダガー魔法少女に対して一気に跳躍。

 

「がふっ!!!!」

 

体を360度回転させて放つ旋風脚が決まり、相手が地面に昏倒するのだ。

 

「やらせねーぞ!!風実ぃぃ!!!」

 

曲刀魔法少女は苦痛に耐えながら立ち上がり、双剣を巨大化させて一気に叩き斬ろうと迫る。

 

「はぁぁぁぁぁ!!」

 

風華は両腕を交差して持ち上げ、一気に背中側まで振り下ろす。

 

「な、なんだよぉぉーっ!!こいつの力はぁーーっ!!?」

 

巨大竜巻が巻き起こり、曲刀魔法少女は宙高く巻き上げられていく。

 

風華も疾風の如く跳躍し、竜巻の波に乗り飛翔しながら曲刀魔法少女に迫る。

 

その腕を掴み上げ、地上に投げ落としてトドメの一撃を決める構えを行うだろう。

 

「私の過ちは…私自らの手で精算します!」

 

空に舞い上がった彼女は両手を放射状に構えながら魔法を放つ。

 

「や……やめろぉぉぉぉ!!!!」

 

両手から放たれたのは大地を削り取る程の巨大竜巻。

 

曲刀魔法少女は削られたアスファルトごと体を傷つけられながら吹き飛ばされていくのだ。

 

「ま……待ってくれ!あたし達の負けだよ!」

 

起き上がったダガー魔法少女は勝てないと判断した事で負けを認めてくれる。

 

「この街からあたし達は出ていく!だからもう勘弁してぇ!!」

 

「もう二度と……この街には来ないで下さい」

 

刺さった胸のダガーを引き抜きながらダガー魔法少女は忌々しげにその場を去っていく。

 

戦場からはそう離れていない場所で立つ尚紀は彼女達の戦いを見届けた者となるだろう。

 

「あれが風華か…。風が見える野原に吹き荒ぶ程の守護の風…とでも表現するべきかな?」

 

人々の未来に実りをもたらす風であり、彼女こそが風見野の守り手。

 

彼女の雄々しい背中を見つめる彼は認めることが出来たようだ。

 

「あいつこそが…風見野の守護者だ」

 

勝利はしたが風華の息は荒く、出血も酷いため彼女はその場に倒れ込む。

 

「これが…魔法少女の縄張り争い…命をかけた生存競争…どうしてこんなに…虚しいの…」

 

明日を掴むためならば手段を選ばない、それが彼女達が生きる魔法少女社会である。

 

「それでも私は…守りたい人達のために魔法少女として生きる…後悔はありません」

 

「随分やられたみたいだな?杏子が見たら卒倒するぞ」

 

「来てくれたんですね?助かりました……杏子ちゃんは大丈夫ですか?」

 

「ああ、疲れて眠っているよ」

 

抱き抱えられている杏子の姿を見た事で彼女は安心してくれる。

 

「傷は深そうか?」

 

「大丈夫…私は回復魔法も使えますし、貴方が手に入れてくれたグリーフシードも残ってます」

 

「そうか…俺は回復魔法の類は使えないんだ、悪いな」

 

「いいんです。これは私が巻いた種…苦しみを背負うべきは私なんです」

 

「お人好しな上に気丈な奴だな?ますます危なっかしく思えてきたよ」

 

「それよりも困りましたね…随分荒っぽく暴れてしまったから…人間社会に迷惑ですよね…?」

 

「魔法の戦いを証明する方法なんて…人間社会には無いはずだろう?」

 

相変わらずのお人好しな態度に対して彼は呆れた表情を向けてくる。

 

そこが彼女らしいとも思っており、彼も少しだけ疲れた笑みを浮かべてくれたようだ。

 

「先に帰ってて下さい、佐倉先生の家族が心配していますから…」

 

「分かった、先に帰る」

 

回復魔法の光を放ちつつも去っていく彼を見送ってくれる。

 

「気持ちがいい夜風ですね…」

 

風見野に吹く風も彼女の戦いを祝福してくれているように吹き抜けていった。

 

――――――――――――――――――――――――――――――――

 

あの戦いから幾日かが過ぎ、今では風見野市全体が風華の縄張り。

 

大きな街ではないので守り手が二人もいればどうにかやっていけそうだろう。

 

今日も風華は自転車で教会に訪れる。

 

彼はいつもどおりに自転車の後ろに乗っかりながら風見野の魔女狩りに向かう。

 

「いってらっしゃーい、ふうねえたんになおきおにいたん!」

 

見送るモモは元気に手を振ってくれている。

 

そして新しく彼らを見送ってくれる人物も増えてくれたようだ。

 

「気をつけてね~ふう姉ちゃん~尚紀~!」

 

杏子はあの事件以来、尚紀を家族として改めて迎えてくれる。

 

今では妹同様にして兄妹のように接してくれている関係を築けているだろう。

 

郊外を抜け、市内の繁華街に向けて自転車は進む。

 

「これでお前もグリーフシードに困らない生活となるな」

 

「それを重視しているわけではありませんが、私と貴方がいないとこの街は守れませんしね」

 

「そういうことだ。守るためにこそ、生き続けろ」

 

風華はソウルジェムを左手に出しながら魔女や使い魔の魔力を探す。

 

「俺が魔力を探しても良かったが、今のこの街はお前の縄張りだ」

 

「あら?譲ってくれるなんて優しいですね♪」

 

「そういう意味で言ったんじゃないんだがな…マイペースな奴だ」

 

「フフ♪行きましょうか」

 

魔法少女としての彼女の立場も尊重する彼の立場もあるのだろう。

 

「尚紀、魔女のものと思われる魔力が向こうにあります」

 

「さっさと済ませるぞ」

 

二人のこれからは市内を中心に魔女狩りを行うこととなるだろう。

 

今日も魔女を狩るために結界の中へと踏み入る二人の姿がそこにはある。

 

魔女を倒し終えた二人が結界から出てきた時、隣の風華が話しかけてきたようだ。

 

「いい感じに私達も息が合うようになりましたね」

 

「そうだな」

 

「尚紀、手伝ってくれて本当にありがとう」

 

落ちているグリーフシードを拾い、ソウルジェムの穢れを取り除いていく。

 

彼はグリーフシードと呼ばれるものを見つめてくる。

 

(どことなく、悪魔達が生み出す()()と似ているな)

 

魔石とは魔力を含んだ石の結晶であり、悪魔達の傷を癒やす力を持つ魔道具である。

 

魔石および宝玉は地球上の龍脈であるレイラインのエナジーを蓄積したもの。

 

そのエナジーを放出させる事で生体の傷を癒す。

 

また龍脈から生み出された石には様々な効能がもたらされるという。

 

念じると姿を消すことが出来たり、噛むと未来を予知することも出来る。

 

精神を冷静に保つことが出来るなど傷を癒やす以外にも恩恵を与える石としても重宝された。

 

「このグリーフシードも…キュウべぇさんに回収してもらわないと」

 

「なぁ、そのグリーフシードを俺に見せてくれないか?」

 

「え?別にいいですけど」

 

彼は受け取ったグリーフシードを見つめてくる。

 

「もう一度グリーフシードについて説明をしてくれないか?」

 

「これは人間の心から生み出される穢れという負の感情エネルギーを吸い取る道具です」

 

「なるほど…つまりこれも感情エネルギーを集積させる道具ってわけか?」

 

「それがどうかしたんですか?」

 

「説明通りの道具だとしたら…試してみたい事がある」

 

グリーフシードの説明内容と魔石との関連性を調べるとしたら、悪魔であるなら一つしかない。

 

「かつての世界でな、俺達はこの道具を…こうしていたんだよ」

 

彼はあろうことかグリーフシードを口から飲み込んでしまう。

 

「尚紀!?なんてことを!!」

 

青ざめた顔で慌てる風華であるが体に入り込んだグリーフシードは悪魔の体内で溶けていく。

 

溜め込んでいた感情エネルギーは悪魔の体に取り込まれていく事で彼は確信するだろう。

 

「やはり感情エネルギーか…どうりで相性がいいわけだ。あいつらがコレを求めるわけだな」

 

「それはキュウべぇさんしか対処出来ない道具だったのに…本当に大丈夫なんですか?」

 

「大丈夫だ、問題ない」

 

「お腹壊しても知りませんよ…?」

 

不安そうな彼女を尻目に駐輪場まで彼は歩いていく。

 

何の変化も見られない尚紀の姿を見る彼女は不安もあったが後に続いていく。

 

その光景を影から見つめている存在とはキュウべぇの姿である。

 

「あの存在は感情エネルギーを貪り喰うのか…ますます看過する事が出来ない存在になったね」

 

インキュベーターは改めて彼の存在に危機感を募らせていく。

 

そんな彼を尻目に自転車に乗りながら二人は帰路につくだろう。

 

しかしどうしても気になっている部分が風華にはあり、彼について質問してくる。

 

「尚紀……貴方は一体何者なんですか?」

 

「俺が怖くなったか?」

 

「いいえ、でもやっぱり分からない事があるのは…やはり不安で…」

 

「俺はお前の敵になるつもりも…人間に害を与えるつもりもない」

 

「その言葉を私は信じたいです。貴方の行動だってこの街の守護者でした。大切な仲間です」

 

「仲魔……か」

 

脳裏にはボルテクス界を共に生きた悪魔達の姿が浮かんだようだが、この世界には存在しない。

 

「尚紀、これからもよろしくお願いしますね」

 

「今後とも宜しくな、風華」

 

風見野を守るのがこれからの尚紀の役目。

 

かつての仲魔が隣にいなくても彼の隣には頼れる魔法少女がいてくれる。

 

迷いが晴れたのか自転車をこぐ足取りも軽くなり、守護者達は帰路についていった。

 




読んで頂き、有難うございます。
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