ドラスツが見たかったから転生したのにドランクに転生させられた少年の話 作:血濡れの人形
~???~
「よし、とりあえずあいつにやる分はこんなものでいいだろう」
そういいながらうなずく彼女の前には、焦げ茶色の刀身のようなものがあった。その先端は柔らかいものであれば貫通できそうなほどに鋭くとがっている。
「さて、あとは鞘に入れて・・・」
白い筒のようなものにそれを入れ、ふたをするように柄のようなものをいれる。
「これで良し、あとは明日、あいつに渡すだけだな」
彼女はそう言うと、その部屋から立ち去っていった。
~ポート・ブリーズ群島~
「スツルム殿、なんか顔赤いけど大丈夫?風邪?」
「馬鹿なことを言っている暇があるならこの手を放せ!周囲の目が生暖かいものを見るような目になってるじゃないか!」
ポート・ブリーズ群島にある町の商店街に、その二人の姿はあった。顔を真っ赤にして照れているようなドラフの女性と、どこかふざけたような雰囲気のエルーンの青年は、恋人つなぎをしながら、どこか楽しそうに店を回っていた。その光景はさながら、観光に来た恋人のように見える。
「っ・・・!離せといっている!」
そういいながら、彼女は腰に差していた剣の一本を抜き、青年に突き刺す。
「いったぁ~い、んもぅ、なにするのさスツルム殿。唐突に刺してくることないじゃんさ。いや、なんかいつもよりは勢い控えめだったけど!」
「うるさい黙れ。お前のせいでさらに注目を集めたじゃないか。まったく。こんなところでお披露目するためにこんな面倒くさいものを作ったわけじゃないんだぞ」
そういいながら、彼女は先ほど突き刺した剣を鞘にしまう。
「そういえば、今の剣の刀身どうしたの?錆ているようには見えなかったけど、いつもより遠慮気味だったよね?」
ドランクにそう指摘され、内心で舌打ちをするスツルム。変な時に鋭くなる癖をいい加減直してほしい。
「えぇい、いちいち考えるのも面倒になってきた。おとなしくお前はこれでも食べてろ!」
開き直るついでに、ドランクの口の中に先程しまった剣を叩き込む。とはいえ、さすがに人を傷つける可能性があるのでささるまえにとめるのだが。まぁ、当然そこまですれば気が付かれてしまうわけで。
「まったくスツルム殿は。照れないで言ってくれればいいのに」
そういいながら、ドランクは剣状のチョコを食べていく。作るのに時間はかかれど、消えるのは一瞬だと理解させられる悲しい空間であった。
「うるさい。黙ってさっさと食べきれ」
今度は手加減なしで、チョコでできた剣(予備で作っていた2本目)を脇腹に突き刺すスツルムであった。