並行世界をまたにかけたあの戦いから数か月が経った。
風蘭は星守を支援するために使用していた元ラボの解体作業を行っていた。
彼女達が役目を終えたことによりこの場所は必要なくなり、親友である茉梨の提案でこの場所をカフェテラスへと変えるべく時に手伝いをしてもらいながら少しずつ自らの手でこの場所解体していた。
そんな中彼女は1冊の資料に目をとめた。
それはあの戦いの記録を纏めた冊子で恐らく樹が忘れていったのであろう。
「懐かしいな...」
そう漏らしながら目を通していく内にとあるページで手をとめた。
そこにはこう書かれていた。
『イリスは元は不明だが多くの星守達の負の感情が寄り集まって生まれたとみきが言っていた。』
「イリスが星守の負の感情から生まれたんだったら、星守はなんで生まれたんだ?」
何とか考えようとするが何も思いつかず頭を勢いよくかきむしったのち資料を勢いよく放り捨てた。
こういう頭を使うのはどうも性分に合わずまた今度樹に聞いてみよう、そう考え元の作業を再開するのであった。
それから再び日は経ちあの戦いから半年が経っていた。
2年生となった星月みきは授業を終えクラスメイトである友達と一緒に下校していた。
以前までならよく学校に用意されていた合宿所で寝泊まりすることも少なくなかったが、星守が役目を終えたことによりそのあとは毎日自宅へ帰っている。
学校帰りにクレープを食べてから帰るのが日課となっていた。
友達からはよく太るよと注意されるがしばらくはこんな当たり前の日常を感じていたいと言い訳をしつつ辞めるタイミングを見失っているのが現状である。
今日もおいしいな、なんて考えていた時視界の端っこにボロボロなローブを頭から被った人が路地裏からこちらを見ていることに気が付いた。
通り過ぎたため足を止め振り返った時にはその場所には誰もおらず首を傾げた。
「見間違いかな?」
そう思い彼女を呼ぶ友達のもとに駆け寄る。
「遅ーい、なにしてたの?」
「ごめんね、何でもないの」
そう言いながら先ほどの人影が気になりつつも家へ向かい歩き出した。
そんな彼女を陰から見つめる存在がいると認識せずに...
彼女達が『彼』と共に初めてイロウスから取り戻した渋谷を通りかかったとき事件は起きた。
けたたましい雄たけびを上げつつ道路の中央に真っ黒い『それ』が現れると同時にもう聞くこともないだろうと思っていたあのサイレンが鳴り響くのであった。
「これは・・・まさか...イロウス...!?」
そこには以前と同じ様に真っ黒い瘴気を放つ存在イロウスが現れていた。