振り下ろされた大剣は空中でその動きをとめた。
ミシェルが纏った闇が押しとどめていたから。
その姿を見た敵は高笑いしながら攻撃をやめた。
「また1人こちら側に来たわね」
ゆっくりと立ち上がったミシェルが手のひらを敵に向けると闇の塊を敵目掛けて解き放つ
バックステップで回避した敵はじっとサドネと意識を失った楓を見つめ、指を鳴らす。
そうすると自分自身とミシェルを足元から闇が飲み込み始める。
「また会いましょうね、サドネ」
その声にどこか聞き覚えのあったサドネははっと立ち上がり闇に飲まれていくミシェルに手を伸ばすがその手は届かず完全に飲み込まれたその場所には何も残らないのであった。
楓はこの町の大型病院に緊急搬送された。
そのことを知った星守クラスの皆は慌てて病院に駆け付ける。
手術中を示すランプが光っておりその前の長椅子に座ったサドネが震えながらぽつぽつと涙を流している。
「サドネちゃん!!
楓ちゃんは!?」
皆の到着に気付いたサドネは涙をぬぐい何とか話そうとするが拭えど拭えど溢れてくる涙に言葉を発することが出来ない。
そんな姿に望がゆっくり近づき頭をそっとなでなでし語り掛ける。
「ゆっくりでいいから何があったか教えて」
溢れてくる涙を何度も何度も拭い何とか話し始めたサドネの話を聞いた皆は呆然とした。
新たな敵の出現、ミシェルの様子の変化と失踪。
それだけで今が危機的状況であることを皆が認識するには十分すぎた。
「グスン...あとね...その黒いのがね...サドネを...
ううん、サドネもその黒いのを知ってた」
「それ、本当!?」
「どこで会ったか覚えてない...でもどこかで会ったことあるそれだけはわかった...」
サドネを抱きしめた望は確信した。
きっとミシェルは、おそらくゆりもあのどす黒い感情に呑まれたことを。
楓の治療は日付をまたいだころようやく終わりを告げ無事が知らされたのであった。
翌日再び緊急会議が開かれた。
だがその皆の表情は重苦しく以前とは比にならないほど緊迫した状況がうかがえる。
「サドネの話をまとめた結果、恐らくゆりも同じ状況に陥ったと推測できる
ほかに何か情報はないか?」
風蘭の呼びかけに望がゆっくり手を挙げた。
「アタシが力を取り戻した時のことだけど、アタシは真っ暗な感情に呑まれた
多分、ミミの様子の変化はそれと同じだと思う
あの時自分の中に真っ黒い破壊衝動...ていうのかな?
それが渦巻いてアタシの全部を呑み込んでいって逆らうことが出来なかった」
「もしかしたら、その真っ暗な感情は星衣を、星守の力を取り戻すためのプロセスかもしれないわね
もちろん敵の攻撃なのかも知れないけど」
掴めない敵の狙いと謎の闇落ち。
皆不安の中にあった。
「でも」
そんな中みきがいつものような笑顔で語りかける。
「私たちはいつだって困難や苦難を超えてきました、24人の星守と多くの仲間たちと
だからきっと今回も何とかなります!
だから今はまず笑顔になりましょう
私たちが不安になってしまったら世界中の人みんなが不安になってしまうから
星守はみんなの希望だから、太陽みたいな存在だから!」