暖かい光に包まれた二人。
星守としての力に包まれそれぞれ『ダリエ』『ハイドレンジー』を握り締め敵と向かい合う。
「あんたがどんな目的かは知らないけどうららを怒らせた罰、受けてもらうんから!!」
ダリエを向け以前と同じ調子に戻ったうららに安心した心美はぎゅっとハイドレンジーを握りなおす。
「あーあ、二人とも引き込もうと思ってたんだけど...
こうなっちゃったら仕方ないわね...」
気が付いた時には遅かった。
突如現れた大剣による一閃がうららの体を吹き飛ばした。
星衣を纏っててもこのダメージ、そう何度も受けきれない。
「うららちゃん!!」
一瞬視線を外した心美にも容赦なく振り抜かれた一撃により体ごと壁にたたきつけられた。
このままじゃ負ける...
わかっていても、力を取り戻しても勝てないというこの状況。
次の一撃の為振りかぶった剣が二人のどちらも捉えることはなかった。
激しい金属音が響きわたる。
そこには星衣を纏い必死に攻撃を受け止めるみき、花音、望の姿があった。
さらに痛みにうずくまる心美を救出するべくひなたが現れ抱き起す。
「うらら先輩、心美先輩だいじょうぶ?」
「な...なんとかへいきだよ...」
「でもひなっちたちがどうしてここに?」
「心美先輩が連絡してくれたんだよ
うらら先輩がピンチだって」
そうこうしてるうちに何とか食い止めていた三人が吹き飛ばされる。
「あらあら、あの『イリス』を倒した星守といっても全員いないとこの程度なのね
ちょっとがっかりだわ」
明らかな挑発ではあるが事実そうである。
あの時の、『星衣ブルーム』ではない今、当時の力とは言い難い。
「あなたの目的は!?」
みきの問いにくすっと笑いこちらを指さす。
「星守の全滅と世界の滅亡...だと言ったら?」
武器を構えなおし皆がにらみつける。
「あなたを倒します!!」
そう返答すると敵は顔を押さえ高笑い、これは傑作だという。
「あなたたちが今纏う星衣の真の意味も分かっていないのによくそんなことが言えるわね
いいわ、教えてあげる
あなたたちが今纏う星衣、それは呪いよ」
「一体どういうこと!?」
銃の狙いを定めながら花音が問う。
「何の疑いもなく神樹を信じ、それに与えられた力を振るう少女達
なんてかわいそうなのかしら
神樹はそんな正しい存在ではないわ」
「神樹様が...!?」
「みき、信じちゃだめよ
あんな奴の言うことを...」
「信じなくても結構
でもあなたたちを蝕む呪いはもう始まってるわ
いずれあなたたちがあなたたちではなくなってしまう日が来るその時にどんな反応をしてくれるか楽しみだわ」
そう言い残し敵は闇の中に姿を消した。
動揺を隠せない少女たちを残して。