中庭の木陰で一人膝を抱えうつむくみき。
徐々に崩れていく日常に恐怖してしまう。
「このままじゃ...」
そっと肩をたたかれ顔を上げるとそこには昴が優しく微笑みかけていた。
「そんなことないよみき」
このままじゃみんないなくなっちゃうそう漏らしかけたのを察していた昴は首を振った。
「必ずどうにかできるから諦めちゃだめだ」
「すばるちゃん...ごめん...」
彼女もいっぱいいっぱいなのに自分を心配してくれていることが申し訳なさでうつむいてしまう。
震える手をぎゅっと握りしめ抑えようとするがするが止まらず徐々に大きくなる。
見かねた昴はそんなみきを抱きしめ大丈夫だよと何度も何度も囁いたのであった。
すこしして落ち着きを取り戻したみきは少しでも冷静に思考できるように深呼吸する。
何がどうなっている?
なぜみんなは姿を消していく?
敵の目的は?
何も見えなくなっている状況、だがヒントはきっとあるはずだ。
そう思いこの事件で起きたことを頭の中で思い起こす。
すると違和感に気が付いた。
それは、望の反転現象である。
そもそもあの現象は何なのか。
「...そうだ、望先輩だ...」
そう呟くと勢いよく立ち上がったみきに驚く昴。
「すばるちゃん、望先輩だよ!!」
「望先輩?望先輩がどうしたの?」
「ずっと気になってたの、どうしてみんなが消えていくのか
その鍵は望先輩が知ってるかもしれない」
そういうと駆け足で生徒会室に向かうのであった。
がらっと勢いよく扉が開かれ少し間抜けな声が出てしまった。
そこには息を切らしこっちを見つめるみきの姿があった。
「ど...どうしたのみき?」
「望先輩に聞きたいことがあってきました」
勢いにやや気おされているとくるみが湯飲みにお茶を入れみきに差し出した。
作業中だった資料を片付けるとみきと向かい合うように椅子に座る。
お茶を飲み干し息の整ったみきは話は話し始めた。
「望先輩に聞きたいことがあって、以前望先輩とわたしが戦った時のことなんですが...」
あの時のこと...少し思い出したくはないけどきっと何かあるのであろう。
「あの時望先輩にいったい何があったんですか?」
「あの時は...詳しくはわからないんだけど、なんかアタシの中から真っ黒い感情に溢れてきて...なんだか自分が自分じゃなくなるような感覚に呑まれるっていうか...
とにかくあの時は自分の中に生まれた闇に呑まれた感じ」
「もしかしたら私たち元星守のみんなの心の闇を増幅する何かがあったのかも知れません...」
「それって...
でもそれなら花音やひなたのことは説明つかなくない?」
「花音先輩は以前詩穂先輩を助ける時に乗り越えています
ひなたちゃんはそもそも不安といった暗い感情を持ってないから...
そう考えるともしかしたら本当に...」
そう言いながらみきはいまだにこの学園の中央にそびえたつ大樹『神樹』を見つめた。