町中に響き渡る人々の悲鳴が共鳴するように徐々に大きくなる。
みき意を決し大きな声をあげた。
「皆さん、急いでシェルターに!!」
みきの声を聴いた人々は我先と言わんばかりに近場のシェルターへ駈け込もうとしていた。
星衣はもうない
神樹はもう力を失いイロウスを討伐する力は失われた。
それでもまだ出来ることはあるはずだ。幸いにも現れたイロウスの数は5体、それほど多いというわけではない。
足元に落ちていた石ころを勢いよくイロウス目掛けて投げつけた。
石は見事に中央に陣取る中では一番大きいイロウスに当たりイロウス達は一斉にみきのほうを向く。
「狙い通り!
後は出来るだけ人のいないほうに引き付けなくちゃ」
そのまま回れ右をして町の外れの方へイロウスの気を引き付けながら町を駆け巡った。
こんな時に星衣があれば...そう思わなくもないが無いものは仕方ない、せめて被害者が出ないようにと思っていたが甘かった。
最後の角を曲がったその先に小さく蹲る少女がいた。
足首を押さえており避難の際足を捻ったのであろう少女を前にみきは立ち止った。
このままではイロウスに追いつかれる、しかしこの少女を抱えて今の星衣もない状態であの数のイロウスから逃げることは不可能だろう。
少女を見捨てるなんてもっての外、そんな選択肢なんて存在しない。
ならば彼女が選ぶ道はただ一つ
「お姉ちゃんがおんぶしてあげるから泣き止んで」
そう言いながら手を差し出すと少女は袖で涙をぬぐいみきの手をつかむ。
背中に少女を抱えた直後背後のビルを突き破りイロウスが現れた。
追いつかれた...
何とか逃げようと走り出すがスピードは先ほどより明らかに遅くなっているため振り切ることができずイロウスの突進を受けることになった。
何とか少女に当たらないよう体を捻った結果イロウスの体はみきの腹部に直撃。
勢いよく吹き飛ばされ体を強く地面にたたきつけられ意識が飛びそうになる。
それでもなお何とか立ち上がろうと力を籠めるがうまく力が入らない。
震える手を少女に伸ばすが意識を失っているのか少女の反応がない。
ここまでなの...?
折角みんなと力を合わせて平和を勝ち取ったのに...
終わるなんて...
イロウスが雄たけびを上げとどめと言わんばかりに飛び上がりみきへ突っ込む
死を覚悟したみきはぎゅっと瞼を閉じた。
瞼の裏にはあの懐かしい教室の風景が...そしてあの優しい笑顔の先生の姿が焼き付いていた。
終われない...!!
瞼を開くと何とか体を転がし攻撃を回避する。
「まだ...終われない...!!」
ぎゅっとこぶしを握り締めると何とか立ち上がりイロウスと対峙する。
その時微かに、でも確かに握りしめたこぶしから光が滲み出した。
この懐かしい感覚に覚えがあった。
それはいままで幾度となく感じ、ずっとこの手の中にあったあの力の感覚である。
痛みが和らぎ、全身に力が戻り再びイロウスに向き直す。
そこにどこからともなく剣が飛んできた、その剣に見覚えはある。
【ガルベラ】星守の時愛用していた剣であった
ついったーアカウント作成したんですけどフォローしに行った方がいいのかわかりません
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