サドネは燃える炎の中に立っていた。
記憶にない目の前に広がる風景に戸惑いが隠せない。
炎の熱気に体が焼かれそうになりながらも何とか辺りを探索していると遠くに誰か人影が倒れていた。
慌てて駆け寄ると2人の夫婦と思しき中年の男性と女性がそこには倒れており、今にもその身が炎に焼かれようとしている。
「ダイジョーブ?おじさん、おばさん?」
肩に触れるとその体は固くこわばっており返事もない。
何度かゆするがやはり反応はない。
そこに向かいゆっくりと人影が近づいてきた。
「ふふふ、残念ねこんなことになって...
でも仕方ないわね、あなたたちが裏切るのだから」
そこに近づいてきていたのは見間違うことのないソフィであった。
「可哀想に、そんなに小さな子供を残して逝くなんて」
背後から小さな子供が倒れている2人に駆け寄ってくる。
「おとうさん、おかあさん!!」
泣きながら2人にすり寄る姿はどこか自分に似ていて...
「もしかして...これはサドネ...?」
状況が理解できずに状況をただ見ていることしか出来ない。
「たしか...サドネと言ったわねこの子...
でももう会うこともないでしょうね」
そう言い残してソフィはどこかに姿を消した。
燃えが炎が徐々にその勢いを増していく。
「サドネが何とかしなくちゃ!」
泣きじゃくる子供と2人に触れようとするが手がすり抜けてしまう。
「どうして...?」
いつの間にか先ほどまで感じていた熱さも消えておりもはや何もできない。
その時、ピンクの髪の女性がそこに現れた、その姿を見たサドネはすべてを理解した。
「...エリカ...?
それならここはサドネのオトーサマとオカーサマが死んだとき...」
エリカが子供耳に何かを付けるとその子は先ほどとは打って変わっておとなしくなり、2人はどこかへと姿を消した。
「まって、エリカ!!」
手を伸ばすがその手は届くことなく空を切った。
そこで一瞬視界にノイズが走り、景色がガラッと変わる。
目の前には白衣を着たエリカが立っており、そこは保健室であった。
「エリカ...」
頬から涙が自然と零れ落ちぎゅっとその胸に抱きつくとエリカもそっとサドネの頭を撫でた。
「サドネ...よく聞いて、あなたはいつだって1人じゃないわ
みんながついている、もちろん私も傍にいるわ、だから恐れないで進むことを」
そっとサドネの頬を伝う涙をぬぐい微笑みかけたエリカの笑顔にサドネも笑顔で返す。
「サドネはもうダイジョーブだよ、だから
見ててねエリカ、サドネ、頑張るから」