みんなの体内もすでにかなりの浸食が進んでいた。
その浸食スピードは個人差はあり最も進んでいるのはみきであった。
缶コーヒーを片手にベンチにどっしりと座り大きなため息を漏らした。
「先生...」
振り返るとそこには茉梨の姿があり、そっと横に並んで座った。
彼女の表情を見ることは出来ないが悲しげな表情をしていることは推測できる。
「...一体どうしてこんなことになってしまったんだろう...」
彼女は何も答えない、いや答えを知らないのであろう。
誰もその問いの答えを持っていないのは分かっていた。
だが問わずにはいられない...
なぜどうして、そんな問いかけに何の意味もないのに...
「いま私たちに出来ることはきっとみんなを信じることですよ」
そう言いながら顔を伏せる僕の頭をそっと抱きしめた。
「ま...りさん...?」
「みんなきっと...絶対不安です
そんな中先生まで落ち込んでいたらきっと何も見えなくなりますよ」
彼女はそっと離れ微笑みかけた。
「きっと星空はどんなに雲に覆われていても優しく照らしてくれていますよ」
きっと彼女も不安なはず、心配なはず。
だがそれでも前を向いているのはきっと過去に乗り越えてきたからだ。
「でも...僕はいつも何もできない...」
思い返してみても僕は何もできなかった、地球を奪還したときも、花音たちが苦しんでいた時も、ミサキのお姉さんを助ける時も、エリカ先生の時も、今回も...
落ち込む僕のそんな表情を見た茉梨さんはくすりと笑った。
「先生はいつもそうですよね、いっちゃん達に聞きましたよ
前私を助けてくれた時も同じことを言っていたって」
思い返してみればそうだ、あの時も同じ思いに苛まれた。
「きっといっちゃんやふーちゃん、みんなにも言われたかも知れませんけど全然そんなことありませんよ
みんな感謝していますよ、わたしだってそう」
以外な言葉に驚きを隠せなかった。
少なくとも茉梨さんとはあまり関わってこなかったから...
「みんなを支えてくれた先生がいたからみんな頑張ってこられた
そんなみんなの想いがあったから私がここにいます
こうして先生を励ますことが出来ます
それに...」
何かを続けようとした彼女であったがふふっと笑い立ち上がった。
「まず先生は何をしなくちゃいけないんでしょう?」
何をすべきか、そんなことは決まっている。
迷うことなんてなかったんだきっと...
「ありがとうございます茉梨さん、ようやく僕が進むべき道が見えてきました」
そう、いつだって照らしてくれている星を信じて