イロウス達は何とか撃退することが出来た。
被害者も出なかったしとりあえずこれで今日の出動も終わりだろう。
そう安心しかけたその時背後から凄まじい気配を感じた。
「...み...き...」
そこにいたのは星守として昔一緒に戦った望であった。
だが、彼女から発せられる気配はただならない。
どす黒いオーラを放つ彼女はうつむきゆっくりとこちらとの距離を詰めてくる。
「望先輩...?」
みきの呼びかけに反応せず徐々に近づいてくる。
そして彼女の腕がみきの首筋をとらえた。
呼吸が出来なくなり声も発せられない。
その力は常人を超えていて星衣を纏ったみきの力をもってしても振り払えない。
力を振り絞り手を振り払う。
「のぞみ...せんぱ...い...?」
再び呼びかけるが変わらず反応はない。
体の内側から真っ黒い何かが溢れてくる...
その奥から声が聞こえる。
コワセ...ウラヤマシイ...コワシタイ...
その声を聴いていると段々どうでもよくなる...
深い闇に意識が引っ張られる。
そうして望の意識は闇の奥底へ溶けていった。
雄たけびのような声上げを手に纏った闇のオーラが形づいていき彼女の星守としての武器『ターゲス』を形どる。
そして向けられた銃口からとてつもない闇が放たれた。
躱すわけにもいかず砲撃をガルベラを盾に受け止めるが、止めきれず後ろに吹き飛ばされる。
「ぐぅ...やめてください、望先輩!!」
立ち上がり辺りを見渡す。
ここでは戦えない...
心の中で望に謝罪しつつ牽制の意を込めて剣を振り威嚇する。
そして注意を惹きつつ後退し町はずれに向かった。
何とか町はずれに誘導し剣を構えた。
「望先輩、いったいどうしたんですか!?」
「アタシは...みきがうらやましい...」
「私が...うらやましい...?」
「いつもいつも前に行くのはみきばっか、アタシはいつもおまけみたいな存在だから...
だからアタシはみきを倒して世界に一つだけの存在になる」
再び銃口をみきに抜け引き金を引いた。
放たれた闇の砲弾はみきの頬をかすめる。
彼女の迷いを表しているのか銃口が少しずれたおかげで何とか事なきを得たが次はどうなるかわからない。
もう、戦うしかない...
瞼を伏せ迷いを振り払い剣を握りなおす。
今まで数々の敵に向け剣を握ってきたがこんなに思い剣は初めてだ。
続いて放たれた砲撃と同時に大きく一歩を踏み込む。
躱しつつ望の懐に飛び込んでターゲスをはじくべく振り抜く。
が、その動きも読まれていたのか大きくバックステップで飛び躱された。
躱しきれずになびいた髪先をかすめ再び対峙する。
のぞみせんぱい...
また声が聞こえる...
今度は懐かしい気がする...
誰だっけ...?
知ってるはずだけど...
...そうだ...この声は...!!
コワシタイ...違う、そんなこと望んでない
ウラヤマシイ...アタシが欲しかったのはこんなのじゃない!!
アタシはただみんなを守りたいんだ!!
ガルベラとターゲスで競り合う中望の胸のあたりから光が漏れ出す。
そして光が彼女を包む。
光が消え、闇が払われ望は星衣を纏って戻ってきた。
「ごめんみき、ありがとう」
「帰ってきてくれるって信じてました」