インフィニット・ストラトス スカイズ・アンノウン 作:永瀬ケイ
代表決定戦当日
“IS学園、第4アリーナ、Aピット”
エルフの受領、並びに訓練し、さらに当日に向けての準備を終えて、代表決定戦当日になった。そして今、俺と付き添いで来た箒と一緒にAピットで待機していた。
「つ、遂にこの日が来たな……」
「お前が緊張してどうする箒」
「お前は緊張してないのか、一夏?」
「まあね。仕事柄、慣れてるから」
「す、凄いな……」
「そうでもないよ」
前世の、あの戦争と比べたら、緊張なんてしないよ。
『まもなく、代表決定戦を開始します。パイロットは準備を始めて下さい』
「時間か、それじゃ箒、行ってくる」
「ああ、絶対勝ってこい!」
「勿論だ」
エルフを展開して、カタパルトに向かった。足を固定して準備が整った。さぁ、行くぞ!
『接続確認、カタパルト圧力安定、射出準備完了、発進どうぞ』
「ウィンド1、トリガー、発進する」
射出され、バレルロールをして、アリーナに向かって飛んだ。アリーナに着くと先にオルコットが居た。
「あら、逃げずに来ましたのね」
「………」
機体識別データ確認、イギリスの第三世代IS。機体名ブルー・ティアーズ、武装は……レーザーライフル、実体ナイフ、ビットが6機……情報通り。
「実は、あなたのことを調べさせてもらいました」
「なに?………」
「まさか、あなたがあの“3本線”だったとは思いませんでした」
3本線……ここでもそう呼ばれるとはな。
「だから、どうした?」
「たとえ戦闘機のエースパイロットでも、手加減はしません。全力で相手をします」
「それはこっちも同じだ」
「「………」」
静かに、俺たちは武器を構えた。オルコットはライフルを、俺はマシンガンを2丁持った。そして……
「「!」」
試合が始まった。
セシリアはライフルを撃ったが、一夏はそれを躱し、マシンガンを撃った。弾は命中、オルコットはすぐに回避行動に移ったが、一夏は高機動モードに入り、一気に近づいた。その際、機体の顔はフルフェイスになっている。一気に近づいた瞬間、ショットガンに切り替えて至近距離からオルコットを撃った。撃たれた衝撃で後ろに飛ばされ、オルコットは体勢を直して言った。
「まさかここまでの実力とは思いませんでした。さすがはエースパイロットと言うべきですか?」
「………」
「ですが、こんなのはどうですか?」
「?」
セシリアは4機のレーザービットを展開してきた。
「さあ、踊りなさい。わたくし、セシリア・オルコットとブルー・ティアーズの奏でる円舞曲で!」
「!」
一夏は直ぐに回避行動を取った。回避しながら相手を探り、回避の合間にマシンガンを撃っているが、何発かは命中。だが、わかった事があった。セシリアはビットと本体の同時行動が出来ない。その証拠にさっきからずっと動いていない。動いたとしたら、ビット攻撃の途中にライフルを撃ったくらいだ。試しにスナイパーライフルを展開して、2,3発撃った。何発か当たったが、すぐに避けた。避けた時、ビットが一瞬止まったのを見逃さなかった。
「なぜ……なぜ当たらないのですか!これだけ撃って!なぜ!」
「これより正確な攻撃を避けてたからな。だが、そろそろ決めさせてもらう」
「え」
一夏は、マシンガンに付いているグレネードランチャーを撃った。セシリアは躱そうとしたが、その前に爆発し、煙幕が張った。
「スモーク弾!」
ハイパーセンサーを使ったが反応がなかった。一夏が撃ったスモーク弾は、電子機器に障害を与えるチャフを混ぜた“チャフスモーク弾”を使ったのだ。有視覚の遮断、電子機器の障害の影響で4機のビットは動きを止めた。一夏は高度を上げ、特殊兵装“6AAM”をハードポイントに展開し、動きの止まったビットにマルチロックして、一気に撃ち落とした。そして丁度、セシリアに張っていたチャフスモークが消えた。
「!っ、ティアーズが!?」
「もらった」
「!」
一気に近づいた一夏は、ショットガンを撃とうとしたが、セシリアの顔が笑っていた。
「残念でしたわね、ティアーズは6機ありましてよ!」
セシリアはスカーフに付いていたミサイルビットを発射し、一夏に当てようとするが、一夏は片手に持っていたマシンガンと胸部のチェーンガンで弾幕を張り、ミサイルを撃ち落とした。ミサイルを落とされたセシリアは驚きを隠せなかった。
「そ、そんな!」
「ビットが6機あったのは、既に知っていた」
「!っ、ぐっ!?」
一夏はセシリアを地上に蹴り落とし、地上に下りた。ショットガンを両手に持って。
「い、インターセプt《ズガン!》っ!」
慌ててセシリアはナイフを展開しようとしたが、一夏はその前にショットガンを撃ち、セシリアのすぐそばまで近づいていた。
「……どうする?まだ続けるか?」
「こ、降参します………」
『試合終了、勝者・織斑一夏』
そして、戦いの幕を終わらせた。
戦闘回どうでしたか?
では次回、またお会いしましょう。