alacrân~アラクラン~   作:兵頭アキラ

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処女作です。至らないところがあればコメントでどんどん殴ってください。よろしくお願いします。


導入
邂逅


 私、鎖曽利朱音(サソリアカネ)は今、処刑台につながれている。

 いや、つながれてるよりも縛られてる方がいいかな?椅子だし。マァ、そんなことはどうだっていい。

 最近昔からの“趣味”にも飽きてきて最後の晩餐でサイコーな光景を目にした後、ケイサツに自首することにした。しかし、自首後二日もたたずに裁判もなく死刑宣告とはどうなのか。いくら私の“趣味”がアレだからって裁判ぐらいさせてくれてもいいじゃないか、死刑が決定してても死ぬまで人権はあるんだぞ!と言ってやりたいがもうムリな話だ。

 そんなこんなであと少しで私の人生は終わる。こうなるんだったら自首する前にもっとフグ食べとくんだった!(私の好物がフグなのだ)と、一人勝手に落ち込んでると、冴えない感じの男が一人現れやがった。可愛いおにゃにょこだったらよかったのに。

 

「お前が死ぬ前に聞きたいことがある」

 

 急に何言ってんだこいつ。とりあえず黙っとくわけにもいかないので「ハァ」と答えておいた。

 

「人を殺すってのはいったいどんな気分だ?」

「サァ?TPOによる」

 

 本格的に何言ってんだ?これから死ぬ人に。新手の嫌がらせか?

 

「TPOか。最高の条件を用意したとして、それはどのような感じだ?」

「おっさんが最高級の酒と最高の夜景、それを最上の美女と共に眺めながら飲む、みたいな感じ」

 

 そんなこと私おっさんじゃないからわからんけど、たぶんそんな感じだろう。しかし、何が言いたいんだ。質問の意図がまるで分らん。

 

「ふむ・・・。ならもしそのような状況を用意したとして、この娘を殺せと言ったら、きみは出来るかい?」

 

 男の後ろから現れたのは、滅茶苦茶可愛いおにゃにょこだった。hoo!!クッソかわええ!!最高の状況でこの娘を殺すだぁ?!そんなのより眺めてる方が万倍有意義だね!

 肩口でそろえられたサラサラの桜色の髪!ぴょんとはねたアホ毛もたまらない!私の赤みがかった銀の長髪なんて比べるのもおこがましい!背は150センチくらいかなぁ?!つつましやかなお胸もグッド!最高だ!隣のおっさんが怖いのだろう、顔が少し無表情だが笑えばダイヤモンドすらその笑顔の前では粉砕されることだろう!

 ・・・おっと、デレデレしてる場合じゃない。少しでもかっこよく目に映るようにキリッとした顔にしておこう。

 

「不可能だ」

「何故かな?」

 

 何故!?何故と問うたかこのおっさん!?ハァ、このおっさんはモナ・リザを素人の絵と言う人間らしい。なんとも哀れな。

 

「その娘を殺すより、ともに夜景を楽しむ方が有意義だから」

 

 ・・・キマッた。今世紀一のキメ顔で言い放ってやった。

 

「なるほど、一応の分別はあるようだな。合格だ。囚人番号1995鎖曽利朱音、国のために・・・働いてみないか?」

 

 なるへそ。この会話の意図はこういうことか。国の命令で人を殺せと。だが私はもう飽きたのだ、何を言われても私の意思は変わらない。最後にあんなかわいこちゃんにあえてよかった。

 

「断る」

「この娘を預けるといっても「やります。いや、やらせてください!おねがいします!」・・・よろしい」

 

 ほら、私の鋼鉄の意思は誰にも曲げることは出来ない。当然、自分は除くがね。

 

○○○

 

「んぐぐぐ、ふぅ」

 

 イヤァ、久方ぶりのシャバの空気はうめえぜ。ガチガチに椅子に縛られていたせいかな?背伸びがすさまじく心地いい。

 愛用のトランクも返してくれたし、お気に入りのトレンチコートも返って来たし。そ・れ・に、めちゃんこ可愛いおにゃのこもいるし!・・・明日死ぬかもしれんナァ。幸せすぎて。

 そういや、この娘名前聞いてないや。

 

「私は鎖曽利朱音。名前はなんていうの?」

「屠桜・・・はるか・・・」

「屠桜はるかちゃん、いい名前だ。はるちゃんって呼んでいい?」

 

 小さく頷いたからいいらしい。めっさ可愛い名前やんけ、サイコーやな!(謎の関西弁)しかし、さっきから表情筋が動いてないな、どうやら無表情がデフォみたいだ。彼女の笑顔を見るには“アレ”を使うしかないかもしれん、使わんけども。

 さて、二人で住む新しい住居に向かうとしよう。如何やら私の同業者と一緒のマンションらしい、同業者がいることを初めて聞いたときは流石に驚いた。まさか同族がいるとは思ってもみなかったからネ。

 

「じゃ、行こっかはるちゃん!私たちの愛の・・・新しい家へ!」

「・・・わかりました。・・・では、乗ってください」

 

 そう言ってはるちゃんは駐車場から馬鹿でかいバイクを持ち出してきた。しかもサイドカー付き。バイクにスカートでまたがるはるちゃん・・・そのUnbalanceさが良き!中は見せちゃダメだよ。では、サイドカーに乗っかって、レッツラゴー!顔にあたる風が心地いいZE!面白いように車を追い抜いていく。

 長い黒髪の女とはるちゃんと同じ桜色の髪のおにゃのこの車を抜いたとき、かすかに血と濃厚な『死』の匂いがした。たぶんあれが同業者とやらだろう。久しぶりに毒を盛りたい奴が現れた。不思議と口角が上がる。でもマァ、アレは最後にとっておくとしよう、私は苺を最後に食べる主義だから。

 

 私の名前は鎖曽利朱音。23歳の168センチ、体重は秘密。胸は大きめ。趣味は毒殺、特技は射撃。好きなものは可愛いおにゃのことフグ。嫌いなものはむさい男。元殺し屋・・・そして、現国選処刑人。




なまえ 鎖曽利朱音(サソリアカネ)
さつがいにんずう 823人
もくてき 趣味
すきなもの 可愛いおにゃのこ・フグ
きらいなもの むさい男
しょぐう 国選処刑人としてこき使われる
びこう 趣味で人を殺しまくった元殺し屋。死体は消えていたため失踪事件として扱われていたが、自白によって殺しと断定された。
はるかのかんそう ・・・私の相棒。・・・あと、とてもきれいな人。
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