alacrân~アラクラン~   作:兵頭アキラ

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次の小説の主人公のキャラクター設定を考え始めてる頃


標的

 例の薔薇を友人に渡した結果、解析結果が出たら呼ぶから。とだけ言われて電話を切られてしまった。もう少し私にやさしくしてくれてもいいのに。マァ、それはそれとして遊園地とVirginRoseで頑張ってくれたはるちゃんにプレゼントを渡すのだ!喜んでくれるといいなァ。

 

「はるちゃんに頑張ってくれたお礼のプレゼントを渡したいと思います!」

「・・・プレゼントですか?」

 

 朝食の準備中にゴメンね?でも、渡すなら早い方がいいかなと私は思うのです。手を拭いてやってくるはるちゃんに包装された箱を手渡す。

 

「・・・これは!・・・刀鍛冶の作った最高級の包丁じゃないですか!」

「そ。これで朝食を作ってくれないかなって」

「・・・はい!・・・腕によりをかけて作ります!」

 

 渡された包丁を手に持ってキッチンへと戻っていく。うれしそうな声が漏れているあたり、喜んでくれているようだ。・・・実はもう一つプレゼントがあるんだよネェ。

 

「後、お昼になったら唄乃ちゃんを迎えに行くよ」

「・・・唄乃先輩、退院できるんですか?!」

「うん。だから唄乃ちゃんの家具とかを迎えに行った後、買いに行くからね」

「・・・はい!」

 

 出来た料理を順番に机の上に並べていく。どうも包丁の切れ味を確かめるために一品増やしちゃったらしい、そこがまた可愛いんだけどな!・・・うん。やっぱりおいしい。私の買ってあげた包丁で作ってくれるとこっち迄うれしくなる。『プルルルル』・・・んだよ、せっかく人が食後の余韻に浸ってたって言うのに。マジか、仕事が来たよ。唄乃ちゃんの迎えははるちゃんに任せるしかないかな。

 

「はるちゃん。私仕事に行かなきゃならないから唄乃ちゃんの迎え、お願いしていい?」

「・・・仕事なら仕方ありませんね。・・・わかりました、気を付けて」

「行ってきます」

 

 はるちゃんのおでこに行ってきますのキスをしてから家を出る。バイクは・・・駄目だな。唄乃ちゃんの迎えに支障が出る。歩いていくかな。

 

○○○

 

「おはようございます。ミツルギサン、キミハラサン。流石に朝食後に呼び出されるとは思いもよりませんでしたよ」

「そこはすみませんでした。ですが・・・」

「分かってますよ、私たちの案件が起きたんですよね」

「はい、あとは・・・」

 

 君原ちゃんと話していると、後ろからコウモリが入ってきた。またこいつと仕事かよ、少しは離れられないもんかねぇ。マァ、まずは仕事だ。

 

 要約すると、手のひらが30センチはある右利きの奴が女の子を窒息死させた。・・・これ、恨みからくる殺人じゃないな、何か目的があって殺しをしてる。体は綺麗、身代金目的の誘拐からの殺しはない。なにせ、そんな連絡着てないらしいからね。なら何か目的があるはずだ。雨の日にこのくらいの年の子がつけるものは・・・長靴かな、傘は当然として。

 

「ミツルギサン。現場近くに傘って落ちてませんでした?」

「あぁ、黄色い傘が落ちてたが。それがどうした」

「多分だけど、犯人のターゲットは長靴をはいた、黄色い傘を差したこのくらいの年の女の子だ」

「なんでわかる」

「いや、この子を飾っているアイテムがこれぐらいしかないから。つまり勘」

 

 ・・・そんな、煩わしそうな顔向けないでよ。しかし、どうもコウモリは子供が殺されていようとどうでもいいらしい。いや、私もどうでもいいんだけどさ?君原ちゃんも食って掛かっちゃうし。

 

「・・・・・・馬鹿にして・・・!!」

「こんな状況で言うのもなんだけどさ、私も正直どうでもいいんだよ」

「?!鎖曽利さんまでそんなことを言うんですか?!」

「私たちは元々人を殺すためにいる。だから、探すのはあなた達ケイサツの役目なんだよ」

「それはっ!そうですが・・・」

「でもね。私たちが犯人を殺すためにはあなた達の力が必要なんだ。その為に必要な協力を『私は』惜しまない、約束する」

「・・・やっぱり、貴方は違うんですね・・・」

 

 言いくるめは完了っと。チョッロい。こういう娘って都合のいい言葉吐いてるとすぐ信用しちゃうんだよね。私もそろそろ帰るとするかね、調べたいこともあるし。

 

○○○

 

 インターネットで似たような案件を調査する。ふむ、どうも3年前から事件はあったらしい。しかも全部黄色い傘と青い長靴をはいた女の子、ビンゴだな。これを円形で囲ってっと・・・この円の中心あたりにアジトがあるな、メールで送っておこう。しかしなんでケイサツは気づかなかったんだろ?隣の県をまたいでるから情報が行ってないのかな?

 

 次の雨の日も子供の死体が見つかった。絞殺死体、青い長靴、傘は持ってないがほとんど情報と合致する。この情報をマップに加えておこう。あとは、アジトがどんな建物なのかだな。一度アジトに犯人が戻ってるなら死体についてるはずだけど・・・、コウモリが起こられてるしやめとこ。なんか砂みたいなの拾ってたけど、いずれわかるでしょ。あとはコウモリが見つけた証拠の出所を、私のマップに記録するだけだな。

 

 その日のうちにまた女の子が攫われた。これまた情報が一致するからもう確定だな。ミツルギサンが攫われた子は全員死亡って残酷な事実を伝えていた。コウモリはノリノリだったけど、私はどうも未亡人は好みでない。結婚した人は、愛する人を思ったまま生きていってほしいというのが私のポリシーなのだ。・・・まだ結婚してない娘を私色に染め上げるのは別です。彼氏と両想いの女の子を調教した時なんかはサイコーだったね!

 

 コウモリが独自に頼んだ鑑識の結果、コウモリの拾ったのは砂鉄ということが分かった。ご丁寧に私の作ったマップにマークをつけてアジトの場所を送り付けてきやがる。・・・いろいろ準備してもらってるはるちゃんたちには悪いけど、その前に一つ。仕事を済ませるとしますかね。はるちゃん達のケータイに連絡を入れた。




はるかのつぶやき・・・唄乃先輩がようやく退院できた。・・・でも、歓迎会の前にお仕事を片付けなくちゃ。
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