alacrân~アラクラン~   作:兵頭アキラ

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シンフォギアを書くのかのと思ったら東方が追い抜いていたの巻。
この話を投稿してから一週間後にアンケートの結果が決まります。なるべくお早めに。


約3週間の短い間でしたがご愛読ありがとうございました。


散華

 警視庁で起きた襲撃事件、をカウンターした次の日の朝一時。私を含めたはるちゃん、唄乃ちゃんの3人は奴らのアジトのある旧桜駅の後ろ側に当たる蓮田駅に集合していた。

 

 私はいつもの仕事着たるスーツにトレンチコートとトランクを持って、はるちゃんは動きやすい服装と真琴特製の衝撃緩和、摩擦力アップシューズに、目を保護するためのゴーグルといったクロックアップ能力を最大限生かす装備をしている。唄乃ちゃんは『童謡歌い』として活動していたころの黄色のレインコートと様々な凶器の入ったショルダーバッグ装備、凶器に関しては私が監修したので問題はない。私たちの分担は、唄乃ちゃんが露払い、はるちゃんがFrancisの奪取、そして私が緋垣の処刑、可能であればコウモリも追加だ。

 

 『ピロリン』ケータイが鳴った、君原ちゃんからだ。桜駅から見て正面に当たる流々家駅にコウモリとひな子ちゃん、怜子さんとほか1名が集まったみたい。じゃあ、始めよう。メールでコウモリが突入したとの報告が届く。私たちはコウモリが突入してから5分後、相手が混乱し始めたところを叩く。つまりそろそろだ。

 

「唄乃ちゃん、はるちゃん。そろそろ準備して」

「分かってます。朱音さん」

「・・・準備できてる」

 

 さっすが、私の自慢の娘達、準備は万端だね!はるちゃんが靴の調子を確かめるようにつま先でトントンと地面を数回叩いたり軽くジャンプを繰り返してる・・・ジャンプした時に捲れ上がった裾から覗くおへそが可愛らしい。危うくガン見しそうになった。唄乃ちゃんもレインコートのフードを目深にかぶり、バッグから愛用の鉈を取り出して自然体に構える。小さく鼻歌を歌いながら即座に『突入』出来る様に一番前に陣取る。・・・5分経過、行動開始だ。ホームを降りて線路の上に着地する。

 

「唄乃ちゃん。一番手、任せた」

「わかりました。・・・てんてんてんまり てん手まり」

 

 こっちに向かって多数の人の気配がすると同時に唄乃ちゃんが飛び出して先頭の男の頭を切り落とす、噴き出した紅い鮮血が雨のように黄色のレインコートを濡らした。彼女はまるで雨の日を散歩するちびっ子みたいに『鞠と殿様』を歌いながら、鉈で首を次々と切り落としていく。・・・意外と赤色の服とかに合うかもしんない、あとで買ってあげよう。

 

「ここは唄乃ちゃんに任せて先に行こうか」

「はい!しっかり掴まっててくださいね!」

 

 すでに脳のクロック数を『普通』に戻したはるちゃんの肩につかまって紅く染まった唄乃ちゃんを跳び越え、そのまま壁に着地すると同時に走り抜ける。・・・私が肩につかまってるのに普通に走れるはるちゃんやっぱすげえわ。自慢の嫁ですよ。最初はFrancis探しから始めようと思ったけど意外と近くにあったわ、すっごく怪しげな扉。その扉の前で立ち止まる。ビンゴ、真琴特製麻薬検査機もこの扉の奥にあるって反応を出してるから当たりだ。マグナムで鍵を撃ち抜くのは場所がばれる危険があるし、酸で溶かそうにもはるちゃんが有毒ガスでやられそうだしなぁ。

 

「・・・任せてください!・・・私が蹴り砕きます!」

「大丈夫?」

「・・・はい!でやぁ!」

 

 思いっきり助走した跳び蹴りで扉のロックが砕かれる。さっすがぁ。・・・ん?ひな子ちゃんだ。

 

「ひな子ちゃんじゃん。どうしたの、こんなところで」

「金色のカブトムシを探してるの!」

「カブトムシ?・・・ここにはいなかったけど」

「嘘?!ほかのところにいるのかなぁ?」

「・・・地下にはいないと思うよ?」

「くーちゃんは地下にあるって言ってたよ?」

「それ多分違うやつ。・・・そうだ。コレ、コウモリに渡してやって。必要だと思うから」

 

 そう言って私は奥の方にまとめて置いてあった刀を一本、ひな子ちゃんに渡す。

 

「くーちゃんに?わかった!」

「頼んだよ」

 

 こないだの事件で履いてたローラーシューズをうならせてひな子ちゃんが疾走する、アレでどこにコウモリと緋垣がどこにいるのかがわかる。渡す前に鞘のところに発信機をつけておいたからネ、ゆっくり行こう。

 

「・・・朱音さん。・・・お気をつけて」

「大丈夫だって。はるちゃんも、気を付けて帰りなよ」

 

 大きく手を振ってはるちゃんを見送る。・・・これからはサソリの狩りの時間だ。Francisははるちゃんに任せて奥へと進んでいく。ドバドバと滝のような音が聞こえてきた、発信機の反応も止まってるしここにいるんだろう。・・・結構追い詰めてるな、コウモリの奴。ピンを抜いてない手榴弾を背後に投げて動揺を誘ってる、後ろに視線が向いたとたんに斬りかかる気なんだろうよ。あいつの殺しに横槍を入れるのも悪く無いかもしれんなァ。どんな反応するかなッと。

 

「はい、迷っ『ズガァン!』ッ!」

『ドオォォン!!』

「グオァッ!」

 

 手榴弾のピンをマグナムで撃ち抜くと、それが外れて緋垣の背後で炸裂する。気配を感じて避けたのかどうかは知らないが、手榴弾と緋垣の直線上にいたからか無傷で立っている。・・・つまんね。

 

「やぁ、コウモリ。目の前で獲物を奪われた気分はどうだい?」

「最ッ高のきぶんだよぉ~。新しい獲物が来てくれたんだもんね♡」

 

 ニへラっと私に笑いかけてくる。私はマグナムをコウモリに向け、逆にコウモリは私に刀を向けてくる。

 

「あたしに銃なんて当たると思ってるのぉ?」

「私が刀で斬られると思ってるのか?」

 

 あいにくのところ私とコウモリは同族。余程のイレギュラー、例えば怜子さんレベルのスナイパーの介入がなければ千日手に陥るのは明白。故に同時にマグナムと刀をしまう。トランクから毒ガスをばらまくのは簡単だが、あくまでもオーダーはコウモリのみの殺し、ひな子ちゃんや協力者とやらが死亡するのは避けねばならない。

 

「やっぱりお前はメインディッシュだよ、コウモリ」

「あっはッ♡サソリちゃんもそう思ってくれてたんだぁ。あたしもだよ」

 

 コツコツと私とコウモリは歩み寄り、距離を詰める。私が見上げる格好になり、コウモリが腰を曲げて見下ろす。・・・身長が高えのなんか腹立つな。鼻と鼻がくっつくほどに顔を近づけ、同時に口を開く。

 

「「私(あたし)がお前(サソリちゃん)を殺すのはオードブルを、スープを、ポワソンを、口直しのソルベを、そしてアントレを、すべて食べつくした後だ(だよぉ)」」

「・・・やっぱりあたし達、似た者同士だねぇ」

「ああ、殺したくなるほどにな」

 

 二人そろってニヤリと笑うと、お互いがやって来た方へ向かって歩き出す。君原ちゃんにはミスった、とだけ送っておくかな。・・・さぁ、帰ろう。途中、首のない死体が何百体もいたけど気にしない。ホームにまで戻ってくると、黄色かったレインコートを真っ赤に染めた唄乃ちゃんとすでにFrancisをケイサツに渡した愛しのはるちゃんがいた。帰ったら軽い夜食をとってから寝ようか。

 

「・・・おかえりなさい!・・・朱音さん!」

「朱音さん、おかえりなさい」

「ただいま。はるちゃん、唄乃ちゃん。帰ろっか」

「・・・はい!」

「ちょっと待ってください、カッパ脱ぐので」

「わかってる、待つよ」

 

 私たちは3人そろって帰路につく。帰ってすぐにはるちゃんが作ってくれた絶品お夜食に舌鼓を打ってから、ぐっすりと眠った。明日は土日だし、ゆっくりと休みますかね。

 

○○○

 

 数週間後・・・。

 

「・・・朱音さん!・・・明日水族館に行きましょう!」

「水族館ですか・・・偶にはいいかもしれませんね!」

「そうだねぇ。よし、行こっか!」

 

 その水族館でばったりコウモリたちと鉢合わせし、イタチザメが吐き出し『刃物で切断された』何者かの左腕の謎を追いかけるのだが・・・。そのお話はまた今度、ということで。




はるかのつぶやき・・・私たちの今のところの物語は完結です。・・・これまでありがとうございました。



・・・『今のところ』は、ですよ?
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