WORLD TRIGGER Beyond The Border 【完結】   作:抱き猫

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登場人物・用語解説 ※本編のネタバレを含みます

登場人物  ※本作オリジナルキャラのみ記載。ワールドトリガー並びに賢い犬リリエンタールの登場人物については、是非原作をお読みください。

 

エクリシアの人々

 

フィリア・イリニ     敵国ノマスの血を引く少女。母を救うべく騎士団に志願する。

パイデイア・イリニ    フィリアの養母。桁外れのトリオン機関の持ち主。

サロス・イリニ

アネシス・イリニ     フィリアの弟妹。

イダニコ・イリニ

ヌース          自律型トリオン兵。フィリアたち姉弟のお目付け役。

アルモニア・イリニ    イリニ家当主。イリニ騎士団総長。フィリアの伯父。

レギナ          フィリアの実母。ノマス出身。故人。

 

ドクサ・ディミオス    イリニ騎士団第一兵団長。豪放磊落な武人。

メリジャーナ・ディミオス ドクサの娘。穏やかながらも押しの強い女性。

テロス・グライペイン   イリニ騎士団第二兵団長。知勇兼備の美丈夫。

ネロミロス・スコトノ   イリニ騎士団の騎士。勇猛無比の猛将。

 

クレヴォ・フィロドクス  フィロドクス家当主。フィロドクス騎士団総長。

ジンゴ・フィロドクス   クレヴォの長男

カスタノ・フィロドクス  クレヴォの次男

オリュザ・フィロドクス  クレヴォの養女。感情表現に乏しい女性。

エンバシア・カナノス   フィロドクス家家令。

 

ニネミア・ゼーン     ゼーン家当主。ゼーン騎士団総長。才貌両全の女傑。

 

ステマ・プロゴロス    エクリシア枢機卿。

アヴリオ・エルピス    エクリシア教皇

 

 

ポレミケスの人々

 

バラノス         範士。国軍総長。老いて益々壮んな達人。

ロア・アゾトン      範士。パイデイアの兄。端然とした剣の達人。

オルヒデア・アゾトン   錬士。ロアの妹。戦争を忌避する心優しき女性。

トゥリパ         錬士。明るく一本気な少女。

ピニョン         錬士。口の悪いひねくれモノの少年。

ペタロ          錬士。常に気だるげな青年。

 

 

ノマスの人々

 

レクス          ドミヌス氏族の族長。レグルスの父、フィリアの伯父。

レグルス         レクスの子。生真面目な少年。

ユウェネス        レグルスのまたいとこ。剽軽な青年。

マラキア         レクスの部下にして旧友。謹厳実直な男。

モナカ          トリオン兵エンジニア。エクリシアへの復讐に燃える女性。

カルクス         ルーペス氏族の族長。百戦錬磨の老雄。

テララ          カルクスの部下。冷徹な少女。

カルボー         カルクスの部下。忠実な少年。

 

ウィタ          ノマスの市民。世話焼きな女性

ウェネフィカ       ウィタの娘。

 

 

用語解説  ※注意 あくまでも本作における設定です。原作とは乖離するおそれがあります。

 

 

基本用語

 

近界(ネイバーフッド)と国々

 近界(ネイバーフッド)は暗黒の海が果てしなく広がる宇宙のような世界。人々は(マザー)トリガーと呼ばれる機器によって星を作り、その上に国家を形成している。決まった周回軌道を持つ「惑星国家」と、定まった軌道を持たない「乱星国家」が存在する。

 

トリオン

 人間の持つ見えない内臓「トリオン機関」によって生成される生体エネルギー。個人によって強弱があり、また若年時はトレーニングによって成長する。

 

トリガー

 生体エネルギートリオンを様々な形で表出する器機の総称。軍事兵器から民生品まで用途は多岐に及ぶ。近界(ネイバーフッド)の文明の根幹を支える技術。

 

(ブラック)トリガー 

 優れたトリオン能力者が、自らの命とトリオンを注ぎ込んで作り出したトリガー。一般のトリガーとは隔絶した力を持つ。

 

(マザー)トリガー 

 近界(ネイバーフッド)の星を作り出す巨大なトリガー。内部には「神」と呼ばれる人間が取り込まれており、数百年の寿命が尽きるまで、星の運行を管理する。

 

トリオン体 

 トリガーによって作られたトリオン製の体。様々な面で肉体を凌駕する機能を持ち、主に戦争で用いられる。

 

トリオン兵 

 トリオンで作られた自動戦闘兵器の総称。近界での戦争で主力を担う。

 

 

RD(リアライズデバイス)

 現実化装置とも呼称される物体。「人の意識・心を現実世界に作用させる」という超常的な機能を持つ。

 

イメージ体

RD(リアライズデバイス)によって生み出された被造物。

 

 

 

 

国家

 

聖堂国家エクリシア 

 近界(ネイバーフッド)でも屈指の国土面積と人口を誇る軍事大国。国家元首として教皇を頂くが、実際の統治は三つの有力貴族とその配下の家々が行っている。

 国防軍として有力貴族が運営する騎士団があり、兵員数も多い。別けても騎士の精強さは近隣諸国に轟いている。

 近界(ネイバーフッド)でも珍しく、季節の変化がある国。温暖な気候に加えて広い耕地面積を持つが、それ以上に人口が多いため食糧事情が逼迫しており、最近はやや国内情勢が不穏である。

 近年、星を支える神に寿命が近づいており、貴族たちは代わりの神を見つけるために近隣諸国へと相次いで兵を送っている。

 

武侠国家ポレミケス

 風光明媚な山河と豊かな大地に恵まれた近界(ネイバーフッド)の国。国土面積、人口からは小国に分類され、トリガー技術、産業にも際立った特徴のない平凡な国である。

 とはいえ尚武の気風が強く、国防軍には精強な使い手が揃い、正規兵は錬士と呼称される。そして国防軍の中でも範士と呼ばれる達人たちは、大国のエースをも上回る技量を持つ。

 また、全ての国民が軍事教練を受けており、トリオン能力がそれなりの市民は戦闘用トリガーを持ち、予備役として防衛戦に参加する。このため、トリガー使いの総数は大国にも匹敵する。

 国情が安定し、民の団結意識も強いポレミケスは、小さいながらも侮り難い国家である。 

 

狩猟国家ノマス

 国土を広大な草原に覆われた近界(ネイバーフッド)の大国。彼らは草原を闊歩する巨大な城塞都市を所持し、部族単位で集住している。また、国の運営もそれぞれの部族の長による合議で決まる族長国家である。

 ノマスは国土面積に比して人口は少なめだが、精強な戦士と高いトリガー技術、そして高性能なトリオン兵を有している。トリガー使いとトリオン兵による連携攻撃が得意で、狩猟国家の名は獲物を狩りたてるような苛烈な戦いぶりに由来する。

 しかし、ノマスを強国足らしめている最大の理由は、彼らの文化に深く根付いた同朋意識である。ノマスに於いては血を分けた者は全て大切な家族であり、如何なる困難にも国民が一丸となって立ち向かう。

 

湖沼国家コロドラマ

 国土に多数の湖と沼地を抱える近界(ネイバーフッド)の小国。巨大な湖の中心に首都を構えており、そこへ繋がる橋は城塞となっている。防衛部隊は足場の悪い低湿地での戦闘を得意としており、大型トリオン兵が泥濘に足を取られたところに素早い連携攻撃で襲い掛かる。軌道の近い惑星国家リピスと二十年に亘る小競り合いを続けており、国民、国土ともに疲弊している模様。

 

 

トリガー

 

エクリシアのトリガー

 

(ブラック)トリガー

 

劫火の鼓(ヴェンジニ)

 桁違いの威力を有する砲撃トリガー。所有者はゼーン騎士団総長ニネミア。

 起動者の意思に応じて縦横無尽に飛び回る射撃ユニットを生成する。ユニット全てが独立した砲台であり、超威力の弾丸を連射することができる。

 また複数のユニットを連結させることで、さらに凄まじい威力での砲撃が可能となる。

 ユニットの数、チャージ時間、回転速度に応じて攻撃力は跳ね上がり、最大出力の砲撃は、巨大な城塞ですら跡かたもなく吹き飛ばす。

 

金剛の槌(スフィリ)

 超硬度の巨大な双腕を生成するトリガー。所有者はイリニ騎士団のドクサ。

 漆黒の巨腕は桁違いの硬度を持ち、凄まじい出力であらゆる器物を粉砕する。また数十メートルまでなら遠隔操縦も可能で、格闘武器としては破格の射程を誇る。

 殴りつけるだけではなく、手という形状を生かして物を掴んだり掌を壁にしたりといった小技も可能。

 単純な機能しか持たないトリガーだが、それだけにパワーは凄まじい。熟練した戦士が用いれば、近接戦で無類の強さを発揮するトリガーである。

 

光彩の影(カタフニア)

 微細なトリオンの霧を散布するトリガー。所有者はイリニ騎士団のテロス。

 霧は視覚・聴覚・トリオン反応へのジャミング能力を持ち、エリア内の敵の行動を攪乱する。通信の遮断やレーダーの無力化、トリオン兵のセンサーを誤作動させるほか、隠密状態の敵さえ容易く見つけ出す。

 効果は霧の密度によって変わるが、通信妨害・レーダー惑乱は最大十キロ圏内を射程に収める。また霧の濃度が一定以上の場合、実物と見まがうばかりの立体映像を投影することも可能。霧を介して味方の通信を繋ぐこともできる。

 強力な効果の反面、攻撃機能は一切持たず、直接戦闘には甚だ不向き。しかし、敵の連携を絶つ「光彩の影(カタフニア)」は、集団戦で圧倒的な威力を発揮するトリガーである。

 

懲罰の杖(ポルフィルン)

 あらゆるトリオンを吸収するトリガー。所有者はイリニ騎士団総長アルモニア。

 微細なトリオンキューブで構成された不定形の武器。形状は自在に組み換えが可能で、主に剣や槍、鞭や盾などが用いられる。

 ブレードや弾丸、実体に非実体の区別なく、「懲罰の杖(ポルフィルン)」は起動者が指定した以外に触れた全てのトリオンを吸収し消失させる。また、副次機能として吸収したトリオンを放出する事で強力な遠距離攻撃も行うことができる。

 トリオン以外の器物には何の影響も及ぼさないと言う欠点も持つものの、近界(ネイバーフッド)の戦場では無敵に近いトリガーである。

 

万鈞の糸(クロステール)

 超長射程・超高精度の狙撃トリガー。所有者はフィロドクス騎士団のオリュザ。後にクレヴォ。

 八面体の狙撃ビットから高威力のレーザーを照射する。レーザーは大気によっては殆ど減衰せず、起動者が指定した地点に寸分の誤差も無く着弾する。

 射撃ユニットの遠隔操作も可能であり、上空に展開させれば数キロ圏内を射界に収めることができる。また照射地点は必ずしも肉眼で指定する必要はなく、映像中継を用いれば安全地帯から一方的に狙撃を行える。

 反面、連射性能はさほど高くなく、加えてレーザーの径が狭いため急所を確実に射抜く必要がある。そのため、隠密トリガーや幻惑トリガーなどとは相性が悪い。

 

潜伏の縄(ヘスペラー)

 トリオンに潜行する弾丸を放つトリガー。所有者はフィロドクス騎士団のクレヴォ。後にジンゴ。

 節目の付いた荒縄のような形状をしており、分離した部位が弾丸になる。この弾丸はトリオン製の器物の中を泳ぐように進み、敵対者を自動的に追尾する。また目視での誘導や指定地点での待機、任意での起爆など細かな操作も可能。

 トリオンを透過するため通常の手段では防御できず、標的の内部に侵入してから爆発するため殺傷力も非常に高い。

 トリオンに潜行している間は推進力を消費せず、トリオン製の建築物の中では無限に等しい射程を持つ。こと屋内戦に限っては最強とも目されるトリガー。

 

不滅の灰(アナヴィオス)

 トリオンを生成するトリガー。エクリシアの国宝。所有者はエクリシア教皇アヴリオ。

 トリガーそのものが無尽蔵にトリオンを供給し続けるという規格外の機能を持つ。

 また、トリガー内に格納した肉体の時間を停滞させることで、起動者に不老の特性を授ける。

 神を守護し、祖国の行く末を見守る教皇に代々受け継がれてきた国家の至宝。

 

救済の筺(コーニア)

 反射盾を作り出すトリガー。所有者はイリニ騎士団のフィリア。

救済の筺(コーニア)」によって作り出された盾は、トリオン、物理を問わずあらゆるエネルギーを反射する。空間そのものを捻じ曲げているため、トリオンを透過、吸収する攻撃であっても問題なく防ぐことができる。

 展開速度も凄まじく、射程内であれば如何なる攻撃にも先んじて盾を張ることができる。その防御性能は近界(ネイバーフッド)でも最高峰。

 本来は一切の攻撃能力を持たないトリガーだが、展開地点にある物体を押しのけて出現するという性質を利用すれば、防御不可能の瞬間遠隔斬撃を繰り出すことができる。

 

ノーマルトリガー

 

誓願の鎧(パノプリア)

 トリオン体の上から纏う強化外骨格型のトリガー。鎧とトリオン体との伝達系を接続することで、着装者は重厚な鎧を自分の体のように動かすことができる。

 ノーマルトリガーでは破壊困難な程の防御力を有し、またパワーアシスト機能によって着装者のあらゆる動作を強力にサポートする。スラスターによる高速飛行も可能であり、技量抜群の騎士が装着すれば、正に一騎当千の勇士となる。

 製造コストが高過ぎる為、エクリシアでは技能優秀な騎士にしか装備が許されない。また、戦闘用のトリオンが無くなってしまうため、鎧は予め組み上がった物を基地や遠征艇内で装着する。

 極端に燃費が悪いことが欠点だが、この点は後述の「恩寵の油(バタリア)」によって解消された。

 桁違いの防御力を有し、攻撃力、機動力まで向上させる「誓願の鎧(パノプリア)」は、エクリシアを象徴するトリガーであり、また彼の国を軍事強国に押し上げた傑作兵器である。

 

恩寵の油(バタリア)」 

 トリオン増槽のトリガー。トリオンを蓄える機器は各国でも開発されているが、エクリシアが開発した「恩寵の油(バタリア)」は群を抜いて高性能。このトリガー無くして「誓願の鎧(パノプリア)」の運用は不可能である。

 また遠征に持ち込むトリオン量を飛躍的に増やすことができる為、エクリシアの軍事的優位を下支えしている。

 

鉄の鷲(グリパス)」 

 エクリシアで用いられている長剣トリガー。攻撃力と耐久性を高い次元で両立しており、多くの騎士、従士に愛用されている。

 刀身、柄は自由にカスタマイズ可能で、片刃、両刃、反りの有無や長短など、個々人の好みに応じて調整される。トリオンが物質化したブレードの為、一旦作り出せば破棄するまで消えない。

            

鷲の羽(プテラ)」    

 「鉄の鷲(グリパス)」専用オプショントリガー。刀身から猛烈な勢いでトリオンを噴出し、強力な加速を得る。通常は剣速を増すために使われるが、剣に引っ張られる形で空中を移動することもできる。

鷲の爪(オニュクス)

 「鉄の鷲(グリパス)」専用オプショントリガー。刀身を高速で振動させ、切れ味を大幅に強化する。

鷲の嘴(ランポス)

 「鉄の鷲(グリパス)」専用オプショントリガー。刀身から指向性を持たせてトリオンを爆発させる。面での攻撃を行えるほか、敵の防備を崩すのにも用いられる。

 

鉛の獣(ヒメラ)

 エクリシアで用いられている小銃トリガー。威力、精度、射程に優れるのは勿論、片手で射撃できるほど取り回しが良い。以下の三つの弾丸を切り替えられる他、「恩寵の油(バタリア)」と接続することで強力なチャージショットを放つことができる。

 

山羊(カツィカ)

 弾速が早く、速射性の高い通常弾。

獅子(リョダリ)

 着弾時に爆発し、広範囲を吹き飛ばす榴弾。

(フィズィ)

 敵トリオン反応を追いかける自動追尾弾。

 

錫の馬(モノケロース)

 エクリシアで用いられている狙撃銃トリガー。威力、射程共に優秀で、「恩寵の油(バタリア)」と接続することで強力なチャージショットを放つことができる。

 

馬の角(ケラス)」 

 「錫の馬(モノケロース)」専用オプショントリガー。弾丸のカバー部分を強化し、貫通力を高める。装甲の厚い大型トリオン兵などに用いる。

馬の蹄(オプリ)

 「錫の馬(モノケロース)」専用オプショントリガー。着弾点で弾丸を爆発させる。動きの速い敵や小さな目標に有効。

 

銀の竜(ドラコン)

 エクリシアで用いられている盾トリガー。通常は砲撃機構を持つオプショントリガー「竜の息(アナプノイ)」が取り付けられるため、砲盾とも呼称される。

 「誓願の鎧(パノプリア)」をも上回る防御力を持ち、ノーマルトリガーでの破壊はほぼ不可能なほどの耐久力を持つ。また物質化したトリオンの為、シールドを透過する攻撃も防ぐことができる。

 トリオンコストが高く、またかなりの重量だが、抜群の防御力は戦闘での安定感にも繋がるため、愛用する騎士、従士も多い。

 

竜の息(アナプノイ)

 「銀の竜(ドラコン)」専用オプショントリガー。強力な砲撃を放つ。射撃まで少々のチャージが必要になるが、その威力はエクリシアのノーマルトリガーでは随一。大型トリオン兵や、敵の陣地を攻略する際に用いられる。

竜の羽(プテラ)

 「銀の竜(ドラコン)」専用オプショントリガー。盾から猛烈な勢いでトリオンを噴出し、強力な加速を得る。加速のついた盾で相手の攻撃を弾くほか、身体ごと突撃を仕掛けるシールドチャージが強力。

 

玻璃の精(ネライダ)

 エクリシアで用いられている防御トリガー。半透明のシールドを展開する。「銀の竜(ドラコン)」ほどの防御力は無いが、任意の場所に素早く展開できる柔軟性が強み。

 展開距離は二十メートル程。シールドの強度は展開した面責に反比例する。一部のシールドを透過する攻撃は防ぐことができない。

 癖がなく扱いやすい「玻璃の精(ネライダ)」は、「銀の竜(ドラコン)」を持たない騎士、従士たちの標準装備となっている。

 

金の鯨(ケートス)

 エクリシアで用いられている砲撃トリガー。桁違いの威力を有する携行式の大砲。

 強固な外殻を有するノマスの機動城塞都市を攻略する為に開発された最新鋭のトリガー。瞬間的には(ブラック)トリガーのフルパワーに匹敵する出力の砲撃を行うことができる。

 個人ではトリオンを賄いきれない為、砲撃には「恩寵の油(バタリア)」を接続して用いる。重厚な鎧を数時間動かすトリオンを、只の一射に注ぎ込む規格外の兵器。

 

恐怖の軛(フォボス)

 エクリシアが有する本国防衛用の決戦兵器。身の丈二十メートルに及ぶ巨大な鎧甲冑で、トリガー使いが内部に入り、伝達系を接続して動かす。

 戦闘力の無い国宝トリガー「不滅の灰(アナヴィオス)」を戦場で運用するために開発された兵器であり、後にその技術を応用して傑作トリガー「誓願の鎧(パノプリア)」が生み出された。

 桁違いの装甲と火力を有し、(ブラック)トリガー以上の戦闘力を誇るが、莫大なトリオンを湯水のように消費することから、扱えるのは「不滅の灰(アナヴィオス)」を有する教皇ただ一人だけ。普段は教会の地下深くに秘蔵されている。

 

 

ポレミケスのトリガー

 

(ブラック)トリガー

 

静謐の火(ヘオース)

 トリオンを不活性化させる光を放つトリガー。所有者はポレミケスの範士バラノス。

 このトリガーによって作り出された球体は、起動者のトリオン体を除くあらゆるトリオンの働きを極端に低下させる光を放つ。その光はトリオン体やトリオン兵はもちろん、トリガーや弾丸などにも効果を発揮する。

 効果は距離と曝露時間に大きく影響し、二十メートル程度からの曝露なら機能が低下するもののしばらくは活動することも可能であるが、五メートル以内で曝露した場合、即座に全機能が停止する。

 影響を受けたトリオンは時間経過で機能を取り戻すことができる。とはいえトリオン体の復旧で数時間程掛かるため、実質的には敵戦力の完全な無力化が可能。

 トリオン兵器に対しては無敵に近い能力を持つものの、「静謐の火(ヘオース)」自体は一切の攻撃力を持たない為、無力化以上の戦果は期待できない。だが、拳法の達人であるバラノスは、素手であってもトリオン体を破壊することができる。

 また、対象物を選択することができないため、効果範囲内では敵味方全てのトリオンが不活性化してしまう。加えてトリオン製の建物など、既に個体として安定したトリオンには何の影響を及ぼすこともできない。

 

灼熱の華(ゼストス)

 広範囲を焼き尽くす砲撃トリガー。所有者はポレミケスの錬士オルヒデア。

 長銃身の砲を腕部に生成する。放たれたトリオン弾は着弾地点を中心にして、凄まじい衝撃波と爆風を巻き起こす。

 殺傷圏内は起爆点から直径百メートル余り。トリオンの充填によって範囲と威力はさらに向上する。稀有なトリオン機関を持つオルヒデアなら、威力・効果範囲は桁違いに増幅する。

 爆風はトリオン体はおろか、建造物にも充分な被害を与えることができる。こと制圧力に関しては、近界(ネイバーフッド)でも最高峰の能力を持つ(ブラック)トリガー。

 ただし、広範囲を無差別で焼却するため、敵味方が混戦している場合は使用に制限がかかる。加えて、威力を最小に抑えたとしても攻撃範囲が広すぎるため、近接戦に持ち込まれた場合には対抗手段が殆ど無い。

 

ノーマルトリガー

 

傍えの枝(デンドロ)

 グレイブ型の棹状トリガー。長柄武器のリーチと鋭利で強固なブレードを持ち、初心者から熟練者まで使い手を選ばない安定感を持つ。

 また、棹の先端部が砲身となっており、格闘用トリガーでありながら射撃が可能。連射が効かないことを除けば威力、精度ともに高い水準でまとまっており、射撃トリガーとしても及第点以上の性能を持つ。

 「傍えの枝(デンドロ)」は近・中距離の敵に柔軟な対応ができる傑作トリガーであり、製造コストも安い。武侠国家ポレミケスで最も量産されたトリガーである。

 

連鎖の塔(リネア)

 多節棍型の格闘トリガー。

 通常は六尺程度の長さの棒だが、使用者の意思に応じてフレイル状の二節棍、三節棍、九節棍など形状を様々に変化させる。継手はトリオンで構成されており、リーチは自由自在に変化させることができる。

 耐久力が高く、機器同士での打ち合いに強い。反面ブレードトリガーに比べて直接的な殺傷力は低いが、充分な速度が乗った場合の破壊力は相当な物となる。使用者の武芸の程が如実に出る上級者向けのトリガーである。

 特にトゥリパは「連鎖の塔(リネア)」に回転を加えた突きを得意としており、その威力はバムスターの頑強な装甲であっても易々と貫く。また二節棍にして敵のガードを掻い潜ったり、継手を伸ばすことで鞭のように一帯を薙ぎ払う事も可能。

 

随伴者(アコルティステ)

 起動者と同じ攻撃を繰り返す射撃ビットを生成するトリガー。ビットは複数設置可能だが、トリオン消費が多く意識が分散するため、通常は一基のみを用いることが多い。

 弾丸はシューターと同じくトリオンキューブで射出され、通常弾の他に誘導弾を撃つこともできる。起動者と合わせて二人分以上の火力を投射できるため、制圧力が非常に高い。近・中距離での撃ち合いならば殆どの射撃トリガーに引けを取らない。

 反面、消費トリオンが非常に重く、継戦能力が低い。余程のトリオン機関の持ち主でない限りは、全力で闘えば連戦は不可能とされる。強力だが扱いの難しいトリガーである。

 

波濤(キューマ)

 小型のトリオン弾を大量に作り出す射撃トリガー。起動者のイメージに合わせて弾丸を流体のように操作し、瀑布のような面での攻撃を可能とする。

 通常のシールドの防御範囲では遮断が難しく、またシールドを広範囲まで引き延ばした場合、強度の観点から防ぐのことが難しい。格闘武器で打ち合う事もできないため、近距離戦では無類の強さを誇る。

 近接格闘用に調整したトリガーのため、弾速、射程は他の射撃トリガーに比べて著しく劣り、中・遠距離戦ではまったく役に立たない。またトリオン消費が重いため、優秀なトリオン機関の持ち主でなければ十全に扱えない。

 

刑吏の杭(ラピス)

 直剣型の格闘トリガー。

 刃は非常に鋭利であり、また耐久性も及第点以上と非常に優秀なブレードトリガー。癖のない性能からポレミケスでは最も使用者が多い。

 シンプル故の高性能だが、奥の手として、柄にトリオンを圧縮させて刃を凄まじい勢いで射出する機能を有する。

 いわばパイルバンカーともいえるこの技の威力は絶大であり、強固な盾であっても紙のように貫くことができる。ただし、刃を使い捨てにするため、この機能を使用した後は再度トリオンを消費して刃を造る必要がある。

 

 

ノマスのトリガー

 

(ブラック)トリガー

 

万化の水(デュナミス)

 あらゆるトリオンを操作するトリガー。ノマスの国宝。所有者はユウェネス。

 このトリガーはトリオンを様々な形状・形質に指定して表出させることができる。ほぼ無制限ともいえる作成能力を有し、単純な構造体からトリオン兵、果てはトリガーそのものさえ造りだす事が可能。のみならず、作成に際しては一切の変換ロスを生じない。

 器物の創造には起動者が詳細な構造を理解している必要があり、また機構が複雑であればあるほど作成時間は長くなる。それでも製造機械を用いずあらゆる物品を生み出す能力はまさしく規格外。

 物資の積み込みが限られる遠征や、めまぐるしく状況が変化する戦場ではある意味最も頼りになるトリガー。

 

巨人の腱(メギストス)

 桁違いの出力のトリオン体を作り出すトリガー。所有者はレクス。

巨人の腱(メギストス)」によって構築されたトリオン体は、通常のトリオン体とは隔絶した能力を持つ。出力、耐久性はもちろん、伝達脳や伝達系の処理速度まで大幅に向上する為、人間の限界を超えた速度で駆動することが可能。

 攻撃方法が五体に限られることと、直接トリオンに干渉するような攻撃手段に弱いことが弱点だが、それを差し引いても格闘戦では最強を誇るトリガーである。

 

凱歌の旗(インシグネ)

 強靭なマントを作り出すトリガー。所有者はカルクス。

 作成されたマントは起動者の意思に応じて自由自在に動かすことが可能。斬撃、刺突による攻撃や、布の性質を生かした硬軟自在の防御、また瞬発力を利用した高速移動に、レーダーをかく乱する隠密機能など、様々な用途で活躍する。

 しかも、その性能は如何なる分野でもノーマルトリガーを上回り、無類の対応力を発揮する。

 突出した強みこそ無いものの、どのような戦場でも堅実な戦果を上げる万能トリガーである。

 

悪疫の苗(ミアズマ)

 トリオン製の器物の操縦権を奪うトリガー。所有者はモナカ。

悪疫の苗(ミアズマ)」によって作り出された杭は内部に伝達脳と供給機関を有し、突き立てられた器物の伝達網に干渉、操縦権を乗っ取る。

 敵のトリオン兵やトリガー使いを支配下に置くだけではなく、基地のネットワークに侵入できれば、敵拠点をシステムダウンさせることもできる。

 杭からのトリオン供給によって対象を強化することも可能。長時間はもたないが、覿面な出力向上が見込まれる。

 また、支配下に置いた器物への指令は杭の伝達脳から発せられるため、乗っ取られた器物を止めるには杭を破壊しなければならない。

 

報復の雷(フルメン)

 完全自動の防御陣を張るトリガー。所有者はマラキア。

報復の雷(フルメン)」は起動者の周囲に、圏内に入った全ての物を超高速で迎撃するトリオン弾を展開する。

 一連の動作は完全に自動化されており、起動者の意識外からの攻撃であっても即座に対応する。もちろんマニュアル操縦に切り替えこちらから攻撃することも可能だが、その際は弾速がかなり落ちる。

 また、生成されたトリオン弾は電気を纏っており、接触した器物に凄まじい電流を流す。たとえ直撃を避けたとしても、電流が流れれば通常のトリオン体なら伝達系を焼き切られることになる。

 

 

ノーマルトリガー

 

闇の手(シカリウス)

 ノマスが有する隠密トリガー。

 透明化とレーダー無効化を同時に行えるうえに、トリオン体の腕部をブレード上に変化させることでステルス状態を維持したまま攻撃も可能と、非情に優秀なトリガー。

 ただし、透明化には多少の難があり、動いているときは輪郭がうっすらと見えてしまう。また特殊戦に特化したトリガーのため、攻撃力と耐久力は低め。

 非武装時の敵を拉致、暗殺するための闇討ち専用トリガー。

 

猟師(アラネア)

 トリオン製の腕と目を作り出すトリガー。

 副腕は最大で三組六本を生成できる。腕を生やす箇所は任意に選べるが、基本的に肩口か胴体部からが多い。

 ヘルメット型のデバイスは三百六十度の視界を確保することが可能。

 視覚のエンハンスと武装の複数使用による対応力の向上を狙ったトリガーである。

 これ単体ではさほど強くないが、騎乗用トリオン兵ボースに騎乗することにより集団戦闘で効果を発揮する。

 

牧柵(サエペス)

 空間に対トリオンフィールドを展開するトリガー。

 ノマスの戦士とトリオン兵による襲撃をサポートする“狩場”を形成するトリガーである。

 フィールドの内と外はトリオン体での通行が不可能となる。標的を内部に閉じ込める他、敵からの緊急避難としても用いられる。

 フィールドは破壊可能なものの非常に強固であり、強行突破しようとすれば甚大なダメージを受ける。解除手段は起動者を戦闘不能にするしかない。

 トリオン消費は重く、頻繁な使用は不可能。また起動者を起点としてフィールドを張るため、起動者は必ずフィールド内に残らねばならない。

 欠点はいくつかあるものの、戦況の優位を固定し、“狩り”の成功率アップさせる「牧柵(サエペス)」は、ノマスを象徴するトリガーである。

 

牛飼い(フラゲルム)

 軟鞭状の格闘トリガー。

 紐状部分は鑢のように目が立っており、トリオン体程度ならば容易く切断する。またトリオンでできているため伸縮は自由自在。熟練者が用いれば格闘武器にはあり得ない間合いからの攻撃ができる。

 先端部はフックや鳥もち状に変化させることができ、「牛飼い(フラゲルム)」を伸縮させることにより立体的な機動や重量物の牽引なども可能となる。

 欠点としては、格闘武器としては攻撃力がやや低く、トリオン兵を相手取る場合は装甲を抜くことが困難で、的確にコアを狙えるだけの技量が求められる。

 また、その形状から武器同士の打ち合いには不向きで、防御にはシールドトリガーを用いる必要がある。

 

採集者(ブラキオン)

 トリオン体の腕部を戦闘用に換装するトリガー。

 腕部は銃弾やブレードを容易く弾く装甲と、鋭い鉤爪状の五指を備える。また腕力そのものも強化されるため、通常のトリオン体程度なら握りつぶすこともできる。

 最大で十メートル程度腕を伸縮させることもでき、遠間からの打突や腕を鞭のようにしならせての薙ぎ払い、また遠方の物を引き寄せたり、身体を引っ張って高速移動することも可能となる。

 また掌には射撃機構も備えており、中距離での戦闘にも対応する。

 トリオン効率がよく、バランスのいい「採集者(ブラキオン)」はノマスでも使用者の多いトリガーである。

 

その他のトリガー

 

水蜘蛛(スクリキ)

 湖沼国家コロドラマが有する機動用トリガー。足裏にトリオン壁を作り出し、泥濘の上を滑るように移動する。操縦には多少の慣れは必要だが、トリオン体で走るよりも速く動け、急制動や急旋回も自由自在。

 平地、湿地、雪上はもちろん、水上さえ滑走できる「水蜘蛛(スクリキ)」は、防衛隊員の機動力を大きく向上させるトリガーである。

 

夢の階(ペルフェクトゥス)

 近界(ネイバーフッド)の平和と発展を心より願ったレギナが残した(ブラック)トリガー。所有者はフィリア。

 能力はあらゆる○○○○の○○○○と○○○○。

 誰にも起動することができないトリガーであり、詳細は不明。娘のフィリア曰く、「本当に必要な時はきっと力を貸してくれる」らしい。

 

 

トリオン兵  ※本作オリジナルのみ記載

 

威力偵察・輸送用トリオン兵ボース 

 馬に似た姿、大きさのトリオン兵。戦闘用は頭にブレードが付く。主に敵地での偵察に用いられるが、機動力に優れ装甲もそこそこ厚いため、兵や物資の輸送にも役立つ。また人間が騎乗して戦うことも可能。

 脚力を生かした蹴りと突進が主な攻撃手段。しかしコンセプト的にそこまで戦闘向きではなく、弱くはないが強くもない。戦力としてはモールモッド以下。

 トリオン兵に騎乗しての機動戦を得意とするノマスでは、戦闘用に強化されたボースが存在する。

 

捕獲用トリオン兵 ワム

 ミミズに似た姿のトリオン兵。細めのビルぐらいの大きさ。通常は複数個体が連結して動く。デカくて硬くて優秀だが見た目が気持ち悪い。

 土中を進んで突然現れ、建造物ごと人間を飲み込んで捕まえる。また外殻には多数の触腕が付いており、素早く伸びて人間を捕らえては外殻各所にある開口部から内部へ取り込む。

 大きな損傷を受けると損傷個体を切り離して逃亡を図る。それぞれが独立して逃げようとするため捕虜の救出が非常に困難。

 他のトリオン兵を体内に格納して地下から強襲をかけるなど、戦術的にも有用なトリオン兵。

 

爆撃用トリオン兵 オルガ

 魚に似た姿のトリオン兵。長椅子ぐらいの大きさ。

 空中を泳ぐように進む飛行トリオン兵。同じく爆撃用トリオン兵であるイルガーとは違い、オルガはそれそのものが使い捨ての爆弾として設計されている。

 対空砲をセンサーで回避しながら目標へと高速で突撃し、着弾と同時に貯蔵トリオンを総動員して爆発する。いわば全自動の追尾ミサイル。

 頭部が鋭角にデザインされており貫通力が高い。また装甲もそれなりに硬いため少々の被弾では落ちない。そして爆発の威力は相当なもので、強固な城壁にも亀裂を入れることができる。

 割り切った設計コンセプトから威力に対してトリオンコストが安め。また、オルガはイルガーなどの大型トリオン兵に搭載することが可能。

 

集団戦闘用トリオン兵 ヴルフ

 狼に似た姿のトリオン兵。超大型犬ぐらいの大きさ。

 ノマスが戦闘用に開発したトリオン兵で、高い攻撃力と機動力を兼ね備えながらもコストパフォーマンスに優れた傑作機。

 牙・爪による格闘能力の他、射撃機構にシールド発生装置も備える。

 またプログラミングも優秀で、同型のみならず他の種類のトリオン兵、人間の兵士との連携も得意としている。

 以下は、ノマスがエクリシア侵攻の為に作り出した改良型。

 ヴルフ・ホニン  尾部に長大な斬撃鞭を搭載した近接格闘型。

 ヴルフ・レイグ  トリオンを探知する追尾弾を搭載した射撃特化型。

 ヴルフ・ベシリア 鳥もちのような粘着弾を発射する特殊戦型。

 

戦闘用トリオン兵 クリズリ

 二足歩行の人型トリオン兵。四畳半がぎゅうぎゅうになるぐらいの大きさ。

 仮想敵国であるエクリシアの騎士に対抗するために開発された、高コストのトリオン兵。鋭い鉤爪の生えた長腕と、分厚い装甲に覆われた短腕の二対四臂を持つ。

 圧倒的な腕力と超硬度の外殻を有し、高威力の砲撃やスラスターによる短時間の飛行機能まで備えている。その戦闘力は練達のトリガー使いにも匹敵する程。

 味方との連携攻撃や状況に応じた立ち回り、エクリシアのトリガー「誓願の鎧(パノプリア)」に対しては装甲の継ぎ目を狙って攻撃するなど、プログラミングも非常に優秀。

 ノマスが満を持して投入した、エクリシア攻略の要となるトリオン兵である。

 

制空戦闘用トリオン兵 レイ

 マンタに似た姿のトリオン兵。六畳間ぐらいの大きさ。

 爆撃用トリオン兵のイルガーを護衛する為にノマスが開発した、制空戦闘用トリオン兵。

 レイは他の飛行型トリオン兵とは一線を画す速度と機動力を有する。射撃機構と外縁に取り付けられたブレードが主武装であり、また機動力が大きく削がれるが、オルガを最大二体搭載することもできる。

 優秀なトリオン兵だが高機能ゆえに製造・運用コストが高い。コンセプト的に仕方がないものの、オルガを打ち尽くした場合には対地攻撃手段に欠けるのが欠点である。

 エクリシア侵攻では、突入部隊の撤退の為に卵のまま持ち込まれた。

 

量産型自律思考トリオン兵 デクー

 楕円球型のトリオン兵。ラグビーボールぐらいの大きさ。

 ノマスが開発した自律思考トリオン兵。プログラミング通りに行動する従来のトリオン兵とは異なり、自ら状況判断を行い、戦局に即して行動することが可能。

 トリオン兵を多用するノマスの戦術では、どうしても遠征時に小隊の指揮官が足りなくなる。その穴を埋める為に開発されたデクーは、付近のトリオン兵を指揮下に置き、作戦に従って部隊を運用する部隊長となる。

 高度な思考力、判断力を持ち人間と会話することも可能だが、機能のほぼすべてが戦闘行為に向けられているため、情緒的な機微を理解することはできない。戦闘に特化した殺戮兵器である。

 また、製造コストと技術的な面から、エルガテスなどが作り出した自律思考トリオン兵に比べて、性能は大きく劣っている。

 

拠点防衛用トリオン兵 カーラビーバ

 蛇に似た姿のトリオン兵。長大橋ぐらいの大きさ。

 規格外のサイズを持つ超巨大トリオン兵。本土防衛における決戦兵器として開発された。

 ノマスの技術力の粋を結集した超兵器で、圧倒的な装甲と出力、そして桁外れの火力を有する。主武装は口腔から発射する大威力のレーザーと、拡散し爆発するトリオンブレス。加えて長大な胴体からは数千にも及ぶ誘導弾を発射する。

 大質量を生かした体当たりや押し潰しも強力で、並みのトリオン兵なら挙動に巻き込まれただけで粉砕される。また、驚異的な再生能力まで有しており、トリオン供給機関を破壊するしか止める手立てはない。

 (ブラック)トリガーをも殲滅できる兵器として設計、開発されたカーラビーバは、近界(ネイバーフッド)でも最高峰の戦力を持つトリオン兵である。

 しかしその高性能の代償として、製造に掛かるコストは非常識なまでに高い。どれほど大量の捕虜を得たとしてもトリオンの収支が合わないので、遠征に投入されることはまずありえない。あくまでも、本国の窮地に用いられる非常用のトリオン兵である。

 

 

 

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