神父様のグランドオーダー   作:武装神父隊隊員

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Chapter-3

「っと...あった!」

 

礼拝堂に隣接した自分の部屋にある本棚から、並んでいる法儀式済みの聖書を2冊取り出すと強化カバーを素早く付けてベルトのアタッチメントに固定する。

 

「聖書よし、ピックよし、銃剣(バイヨネット)は...出せるな」

 

ラックにかかった灰色のコートを羽織って手をしゃくった状態から勢い良く伸ばすと、コートと腕の隙間から祝福儀礼済みの銃剣(バイヨネット)が出てくる事を確認する。 出てきた銃剣(バイヨネット)を戻し、部屋から駆け出した。

 

「急がないと...」

 

身体の許容以上の加速で走ると同時に、『再生者』の自己再生で損傷した筋肉を再生させて更に加速をつけ、司令室までの廊下を走り抜けた。

 

 

———————

 

 

「藤丸さん!」

「神父様!」

 

司令室に入った瞬間、感じたのは熱風だった。 重要な物は吹き飛んでいるがカルデアスやシバに損傷がない。 レフは自分が作ったものを吹き飛ばすのに忌避感を感じていたのだろう。 悪魔の癖に妙のところで人間臭い。

 

「怪我人は?」

「死んじゃってる人が多くて...でもマシュはまだ生きてます!」

「レイシフトのコフィンに入ったマスター達は駄目な様ですが、不幸中の幸いですね」

 

まさに棺桶だ。 味な真似を...

胸の前で十字を切る。 せめてもの供養の気持ちだ。

 

「神父様...」

「マシュ、大丈夫ですか?」

「先輩が貼ってくれた紙のおかげでなんとか...でもキツイです」

「もう少しすれば助けが来るはずです、頑張れますね?」

「はい...」

 

近くの瓦礫に巻き込まれていたマシュの状態を確認すると、宙に固定されたカルデアスを見上げる。 カルデアスはかつて自分達に見せていた青色や赤橙色とは違い灰色に染まっていた。 これより先の人理が焼却された紛れもない証拠だろう。

 

「取り敢えず状態を固定して隔離しますか...」

 

カルデアスは最も高い空間に固定されているため、ここからでは遠い。 藤丸さんにその場を任せると、ひとっ飛びで最上フロアに移動する。

そしてカルデアスを確認すると、ベルトから聖書とピック5本を取り出す。 聖書から5枚のページを解放し護符へと変換。 そのまま護符をカルデアスの近くへと飛ばし、ピックを投げて周囲のモニュメントへ護符を固定する。

 

「《我に求めよ。 さらば汝に諸々の国を嗣業(しぎょう)として与え地の果てを汝の物として与えん》」

 

すると5枚の護符が共鳴を始めて護符間に紫電が走り、一瞬カルデアスを包み込んで消えた。

 

「これでよし...」

『アンデルセン神父!』

 

電力が再び供給を始めたのか、壊れていないモニターにロマ二が現れた。

 

「そちらはどうです?」

『ダヴィンチちゃんと確認しましたけど、主機は完全に逝っちゃってます。 今は予備動力で最低限の供給を賄っている状態です』

『それよりもそっちは大丈夫なの?』

 

モニターが分割され、もう1つのモニターにダヴィンチさんが映る。

 

「こちらは司令室を中心に、レイシフトスペースも駄目になっています」

『あちゃー、やっぱりか』

「...指揮系統無視で特Aレベル非常宣言を発令。 カルデアス、シバ、ラプラス、トリスメギストスに優先的に電気を供給して、測定が途切れない様にしてください」

『フェイトはどうするんだい?』

「後回しで構いません。 とにかく今は前述の4つを!」

『了解!』

 

ここに所長達上層部の人が見えない事から、彼らは瓦礫の中で事切れている可能性が大きい。 使えない命令系統にこだわっている場合ではない。

 

「瓦礫をどうにかしたいですが、爆導索を使うのも危険ですね...」

 

爆導索の銃剣(バイヨネット)を使おうにも仕込んでいる火薬の量が瓦礫の量に対して多過ぎるので、二次災害を引き起こす可能性がある。 さて、どうしたものか...

 

『ジジッ...霊基確認...数4...レイシフト、開始します...』

「なにっ⁉︎」

 

なぜレイシフトが起動する⁉︎ システム・フェイト自体に電力供給はされていないはず...

 

「ダヴィンチさん! レイシフトが起動します!」

『ええっ⁉︎ システムに通電していないはずだよ⁉︎』

「くっ...」

 

あの音声から聞こえたレイシフトで送られる霊基の数は4。 藤丸さんの生き残りはほとんどいないという言葉から、自分達3人が何処か過去へ送られるのは確実だ。

 

「マシュ! 藤丸さん!」

「神父様⁉︎」

「いいかい、ここから離れないで!」

 

最上フロアから2人のいる最下フロアまで一息に飛び降りる。 着地の瞬間に足の骨にヒビが入る感覚がしたが、自動で再生が始まり元に戻る。

そして2人のところへ辿り着いた瞬間、辺りを光が包み込んだ。

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