特段言い訳はいたしません。
DEATH STRANDINGにはまり込んだ私が悪いのです。
サムは何も悪くないのです。
今回は夜空さんの番です。
なんだかんだ言いつつ、香澄姉妹のお話を書くのが個人的には好きです。
司くんのアンケートについての話はあとがきでやります。
まずは本編をお楽しみください。
真昼ちゃんが男子部に突入してくるという事件から数日。
夜空さんとのお出かけの日となった。
内心浮足立った僕は、待ち合わせの場所にした公園へと向かう。
学校の前じゃないのは、待ち合わせると何かと不都合だからだ。
お互いがアイドルである以上、余計な波風は立てたくないからね。
△▼△
「予定より早く着きすぎた……」
緊張の所為か速足気味の移動になってしまい、予定の時間よりも1時間早く着いてしまった。
もともとは30分前に着いて心を落ち着けるつもりだったのだ。
だが、時間が延びて考える時間ができてしまい、先日の真昼ちゃんのことを思い出すに至った。
(中途半端は、良くないよな)
以前よりは落ち着いてはいるものの、未だに心は両者に揺れている。
もちろん、相手からの好意には気づけている。
夜空さんからは、特別な男の子として。
真昼ちゃんからは、明確な好意が。
真昼ちゃんに告白すれば、まず間違いなくOKされるだろう。
でも、僕の中の夜空さんへの想いが真昼ちゃんからの好意を遮ってしまい、結果としてつらい目に合わせてしまうかもしれない。
だからこそ、今日のデートで夜空さんの想いをはっきりと聞き出さないと。
自分の中で結論を出し、頭を切り替える。
周りを見渡そうと頭をあげると、甘い香りとともに視界がふさがれた。
「だーれだ?」
いたずらっぽい声が耳に響く。
「夜空さん。ですよね」
答えを告げると、目の覆いが解かれ、視界が広がる。
そして、振り返って答えを確認するまでもなく、彼女が目の前へ飛び込んできた。
「せいかーい」
僕の明るくなったばかりの視界に、眩しい笑顔が写る。
その笑顔を見て、改めて確信する。
僕はこの人が好きなのだと。
「今わかった決め手は?」
「いつもの香水、です」
「やっぱり?それじゃあクイズにならなかったなぁ」
楽しそうに笑う夜空さん。
今日はこの笑顔をたくさん作っていこう。
△▼△
まずやってきたのはゲームセンター。
僕は時々来ているのだが、夜空はおそらく初めてなはずだ。
「ここがゲームセンターだよ。夜空は来たことある?」
「ゲームセンターって実はほとんど来る機会がなかったの。だからこれはいい体験になりそうだわ」
「それは良かった。夜空でも楽しめそうなもの紹介するよ」
そう言って、僕は夜空をエスコートしてゲームセンターの中へと入っていく。
ちなみに話し方とか変わっちゃってるけど、これは夜空から『同い年だからもっと砕けた話し方で喋ってよ』と言われたからなのだ。
決して彼氏面してるわけではない。
それから、夜空を連れていろんなもので遊んだ。
まずはダンスゲーム。
やはりというか、さすがS4に選ばれるだけのことはある。
初見ながらもきちんと踊れていた。
終わってから感想を聞いてみると『こういったものも時にはいいわね』と気に入ってくれた様子だった。
次に定番のクレーンゲーム。
これが鬼門で、2人掛かりでも景品を取れなかった。
もともとあまり得意じゃないのに挑んだのが間違いだったかなぁ。
ただそれでも、夜空は楽しんでくれたようだ。
他にも太鼓をしたり、お腹がすくまで遊び尽くした。
「そろそろお腹も空いたし、お昼ご飯にしようか」
「そうね。さて、次はどんなところに案内してくれるのかしら?」
「次も夜空のお眼鏡にかなうところだと思うよ」
△▼△
やってきたのは街の中のひっそりとした喫茶店。
喫茶店は意外とランチの穴場だったりする。
それに、人が多くないから静かに過ごせる。
「へぇ~、こんなところに喫茶店があったなんて。ここはランチをやっているの?」
「うん。ここのランチはおいしいし、風情があるよ。それに食後のコーヒーもおいしい。さあ、中に入ろうか」
「ええ、そうしましょう」
中に入るとカウンター席が7つほど、テーブルも2つほどでこぢんまりした感じを覚える。
ただ、今日はかなり空いていて、僕たち以外のお客さんがいない。
僕は夜空を連れてあえてカウンターの方へ行く。
「ご注文は何になさいますか?」
店主が聞いてくる。
「ランチを二つお願いします」
「かしこまりました」
僕に返事を返すと、店主は奥の厨房へと下がっていった。
「本当におしゃれなところね」
「実際に年季を重ねた結果だろうね。いい味が出てる」
そうやって僕たちが話しているうちに、食事が来た。
喫茶店と言っても、出てくる料理は店によって違う。
ここはスープとバゲット、サラダ、そしてメインのハンバーグがある。
「喫茶店ってこんなにすごいランチが出るのね……」
「そうなんだよ。だから、案外喫茶店で昼食をとるっていうのも悪くないでしょ?」
「そうね、気に入ったわ。さあ、冷めないうちに食べましょう」
夜空の言葉に従い、僕も食べ始める。
食べ始めて横を見ると、味も気に入ってくれたのか、料理を口にするたび驚いたり、ほころんだり、表情がコロコロと変わっていた。
その表情に僕は再度魅了されてしまった。
僕は食べることさえ忘れようとしていたほどだ。
やっぱり、僕は夜空さんのことが好きみたいだ。
改めて自覚したのはいいものの、よそ見のし過ぎで食べないわけにもいかないため、少し急ぎ気味に食べる。
どちらとも食べ終えた頃、最後のデザートとコーヒーを片手に、これからの予定を決める。
「実はこれからのことを決めていないんだ。何かやりたいことはある?」
「そうね……。ショッピングはどうかしら。司くんに似合うものを探してみたいの」
ん?
また女装フラグか?
「今回は違うわよ。司くんに男として似合うものを見てみたいの」
「そうか。それは楽しみにしておかないとな」
△▼△
それから街のショッピングモールへ行き。ウインドウショッピングを楽しんだ。
ブランドのミューズとしてモデルをしているだけあって、やはりファッションセンスは素晴らしいものだった。
ただ、やはり女装させられそうになったのはご愛敬。
本人曰く、無意識に探していたとのこと。
前回のことだが、夜空のセンスがいいものだから自分の女装した姿に見とれてしまうことがあった。
だから憎もうにも憎めない。
まさか、僕は新たな扉を開いてしまったのだろうか。
日も暮れ始めた頃になり、ウインドウショッピングを終えて夕陽を望むことができる展望台へとやってきた。
「やっぱりここの夕陽は綺麗ね」
「そうだね」
二人並んで夕陽を眺める。
結局、今まで夜空から聞き出すことができなかった。
だから、今からここで夜空さんに想いを告げようと思った。
心臓が高鳴る。
緊張で視界が安定しない。
今にも倒れてしまいそうだ。
それでも、今日を逃してしまったら言えなくなってしまうかも、という恐れが僕を奮い立たせる。
「あのっ!夜空さんっ!」
僕の強張った声に驚きながらもこちらを向いてくれる。
「改まってどうしたの?」
頭がくらくらする。
言わなきゃ。
言わなきゃ。
「僕は、」
一言だけで肺の空気が抜けてしまったかのように、声が出ない。
「僕は、」
言え。
言え。
「僕は――」
言うんだ。
言うんだ。
「――あなたのことが好きです!僕と付き合ってくれませんか!」
言えた。
でも、これで終わりじゃない。
彼女は、僕をどう思ってくれているんだろう。
波の音だけが聞こえる。
僕にはその時間があまりにも長く感じた。
実際の時間は5分もないかもしれない。
それでも、僕にはそう感じられた。
彼女がゆっくりと口を開く。
「私も、司くんのことが好き――」
僕は素直に喜ぼうとした。
「でも、条件があるの」
今、何て……。
「条件って……?」
「司くんは悩んでいるんでしょう?真昼か、私か」
どうしてそれを知っているのだろう。
「だって、男子部の一部で噂になっているのでしょう?恋バナが好きな女子部ではもっと噂が広まるにきまってるじゃない。それに、真昼の様子を見ていたらわかるもの」
「それは、そうだろうけど。どうして悩んでいることまで?」
「今朝、公園のベンチで頭を抱えているところが見えたの」
「見られていたのか」
まさかとは思うが、条件って……。
「それで、条件とは……」
真昼ちゃんを悲しませてしまうのか?
僕に、真昼ちゃんをフれとでも言うのか?
「条件は一つ」
僕はたまらず息をのむ。
こんなことになって姉妹が仲たがいを起こしてほしくなんかない。
そんなことはあってはいけない。
そんなことなら身を引くと言おうとした瞬間。
「私と真昼のどちらも幸せにしてもらうからね!」
想定外の答えが投げつけられた。
夜空さんと真昼ちゃんのことを考えると当然の結果ですね。
というか司くんも真面目ですよねー。
まあ、そういうところが彼の美点なのですが。
夜空さんが司くんに惚れた理由とかは追い追いやっていきます。
真昼ちゃんのはもう書いていますが。
さて、司くんのアンケートの結果についてです。
想定よりも求めてる人がいて驚きました。
というか、本編書けよっていう人の少なさにも驚きました。
司くん愛されてるなぁ。
設定については、ある程度まとめたうえで投稿します。
ただし、あくまでもおまけレベルのものになると思われますので過度な期待はしないでくださると助かります。
加えて、本編を読みたいと言ってくださる方もいるので、本編優先でやってまいります。
評価や感想等をしてくださると、私のモチベーションが上がります。
おこがましいですが、どうぞよろしくお願いいたします。
それではまた。
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