アイカツで恋愛モノ   作:亜戸 健一@沼太郎

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なんと二回目の誕生日企画です。
前回の誕生日のちょうど1年後のお話です。
今回はちゃんと間に合いました。
アンケートについてはあとがきで。


”特別篇” 真昼の誕生日②

今日は真昼の誕生日だ。

真昼と付き合いたてだった去年は、ゆめちゃん達がパーティーを主催した。

今年もそうだろうと思い、気軽な気持ちで香澄家へ向かっていた僕は到着早々白目をむくことになった。

何故かって?

簡単な話さ。

去年が例外だったんだ。

つまり、何が言いたいかというと。

お義父さんとお義母さん(ご両親)がいるんだ。

 

二人と付き合ってから、未だに顔を合わせる機会を作ってこなかった自分を殴りたい。

他にも言いたいことはあるけど、とりあえず考えちゃだめだ。

これ以上考えると後悔しか浮かばないから。

でもまあ仕方ない。

こうなった以上、まずは挨拶だ。

 

「初めまして。僕は飯島司です。娘さんとお付き合いさせていただいています」

 

緊張もあって、なんだか変なあいさつになった気がするんだけど。

恥ずかしい!

 

試行を切り替え、下げていた頭を少し上げてご両親の顔を窺う。

お義父さんの方は目を閉じてじっとしていて、なんだか威圧感を感じる

お義母さんの方は驚いたように目を見開き、口を手で覆っている。

……お義母さんめちゃくちゃ綺麗じゃないか?

本当にこの親にしてこの子ありって感じだな。

 

「あらあら、そうだったんですね。今真昼を呼んできますから掛けて待っていてください」

 

そう言って、お義母さんにソファへと促される。

それもお義父さんの目の前のやつに。

お義母さんの表情を見るあたり、意識していたわけではないだろうけど、すごく心臓に悪い。

部屋に二人きりになることに加え、お義父さんが何も言わずにじっとしていることが、余計にそう感じさせた。

意を決して、僕から話を振ろうとしたその時、お義父さんがゆっくりと口を開いた。

 

「司くん、といったかね?」

「はい!」

 

緊張で声が上擦る。

 

「夜空と真昼の二人と付き合ってると聞いたが、本当なのか?」

「……はい。そうです」

 

少しぼかしていたところを突っ込まれる。

恐らく聞いたんだろう。

僕の返しに、お義父さんはまた黙り込む。

また僕は、何を言われるのかわからないという緊張から心臓が高鳴る。

……でも、この思いは本物だ。

だから……、それを認めてもらわなきゃいけないんだ。

 

「僕は、二人の女性を好きになってしまいました。それも、二人の大切な娘さんです」

 

お義父さんは僕をじっと見据える。

 

「世間的にもあまり良くないことだというのはしっかりと理解しています。ましてや僕や娘さん方はアイドルだということもです。」

 

しっかりと、熱意を込めて想いを吐き出す。

 

「それでも、僕は二人のことが好きです。そして、幸運にも二人からも愛されています。だから、僕は二人の想いに応えるためにも、二人を愛そうと思っています。幸せにしたいと、いや、絶対に幸せにします。たとえどんなことがあっても僕が二人を守ります」

 

そして、頭を下げ、最後に自分の全身全霊を持って誠意を示す。

 

「娘さん二人を、僕にください!」

「……」

 

お義父さんは黙ったまま、少しうつむいている。

そして、再び静寂が訪れる。

体感には5分にも感じられた。

実際は5秒にも満たなかったかもしれない。

でも、それほど重厚な空気で満ちていた。

 

「司くん」

 

耐えきれず、僕は息をのむ。

 

「二人をよろしく頼むよ」

「はいっ!」

 

僕が返事をすると、その時を待っていたかのように夜空と真昼が僕に寄ってくる。

 

「「司(さん)~!」」

「うおっ、いつの間に」

 

そして飛び込むようにして抱きしめられる。

二人とも満面の笑みだ。

それに対してお義父さんは、苦笑しながら言う。

 

「二人がこうなっている以上、もともと君に二人を任せるつもりではあったんだけど、君を試したくなったんだ。緊張させてすまなかったね」

「いえ、ご両親にとって大切な娘さんなんです。心配されるのは当然だと思います」

 

とまあ、ドッキリのような試練というひと騒動があったものの、結果的には香澄家のご両親から気に入られたのだった。

 

△▼△

 

そのあと、真昼の誕生日パーティーとなったのだが、お義父さんが僕を大層気に入ってくれたらしく「息子が一人増えたようなものだ」とか言っていた。

お義父さんは僕と朝陽を連れて男同士の話をしようとしていたのだが、今日の主役である真昼は意地でも僕を離すまいと抵抗を見せ、お義父さんは泣く泣く諦めたのだった。

 

「お父さんったら、今日は私の誕生日だっていうのにどうして司さんとの時間を奪うのよ」

「その、ごめんよ」

 

お義父さんに悪気はなかったのだろうが、さすがにタイミングが悪いと思う。

朝陽もちょっと苦笑してるし。

でも、どこか未来の自分を見たような気がしてならない。

そこで僕はそんな真昼の機嫌を取るために、少し提案をする。

 

「真昼、ちょっと外で風でも浴びようか。もちろん二人で」

「……!うんっ!」

 

ちょっと不機嫌だった表情も、ぱあっと笑顔に変わった。

お義父さんは微妙な表情をしているけど、僕が真昼の機嫌を取ったことには感心せざるを得ない、とでも言いたげな雰囲気を醸し出していた。

 

ベランダで風を浴びる。

秋の涼しい風が顔に当たる。

でも、マンションの高層だと時折少し寒く感じてしまう。

 

「ちょっと寒いですね」

「そうだね」

 

そう言って僕は真昼ちゃんの手を掴む。

 

「それだけ、ですか?」

 

上目遣いで更なる要求をしてくる。

やっぱり、恋人の上目遣いには抗いがたいものがある。

僕はそっと後ろから抱きしめる。

 

「あったかい……」

 

二人で暖を取りながら、沈みゆく日を眺める。

 

「今日は司さんに苦労を掛けちゃったなぁ」

「気にしてないよ。それに、いずれご両親にはあいさつに行かなきゃいけなかったし」

「でも、緊張したでしょ」

「そりゃあそうだけど、逆に相手の両親に会って緊張せずにいられるか?」

 

そこで、ふと顔を上げる感じで真昼がこちらを見て尋ねる。

 

「そういえば、私たちってまだ司さんのご両親に会ったことないと思うんだけど」

「あ、いっけね。完全に紹介するの忘れてた」

「司さんのご両親がかわいそうだなぁ」

「うぐっ。今度紹介するから追い打ちはやめてくれ……」

 

完全に失念していたとはいえ、学校では寮生活が待っているから頭からすっぽ抜けるのも是非もないと思うの。

なんて思っていたら、なぜか真昼につねられた。

まさか心を読まれた?

 

「司さんがわかりやすいだけだよ」

「うーん。これでも演技には自信があるんだけどなぁ」

 

日が沈んでしばらくのマジックアワーと呼ばれる明るい時間。

その時に思い出した。

 

「そういえば、まだ直接言ってなかったね。誕生日おめでとう、真昼」

「ありがとう、司さん」

 

それから夜のとばりが降りきると、耐えきれなくなった夜空が突撃してきてひと悶着あったけど、真昼の喜んでくれる誕生日にできたんじゃないかと思う。

 

さて、親父たちにはなんて説明しようかな。




いかがでしたでしょうか。
まだ書いていなかった香澄夫妻との絡みです。
普通、父親に娘さん(二人)をください!っていうのはヤバいですけど、その二人がゾッコンだと是非もないね、という感じになると思うんです。え?なりませんか。

真昼の誕生日にはいつもご両親が来てくれる、ということを思い出して今回はこんなお話になりました。
真昼ちゃんとの絡みはなんだかおまけみたいになっちゃいましたが、真昼ちゃんを祝う気持ちに偽りはありませんのでご安心を。

アンケートですが、本日いっぱいとなっております。
なるべく協力していただけると嬉しいです。
そして、明日から次の投稿までの間に新しくアンケートをするつもりですので、そちらにもご協力をお願いします。

真昼ちゃん。誕生日おめでとう!

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