遅くなって申し訳ありません。
次回もこれくらい空いてしまうかもしれません。
ご容赦ください。
いちおう、今回でみくる編の完結となっております。
それでは本編をどうぞ。
みくるを水上バイクに乗せ、ViVid KissのデザイナーであるKAYOKOさんの所へ向かう。
話によれば、今日はブランドの新作のお披露目会だそうだ。
そしてその会場が海沿いにあるから、こうして水上バイクを使っている。
「ねぇ、司」
「なに?」
「どうして水上バイクなの?」
「こっちのほうが早いだろう?それでいて、僕が運転できるからね」
みくるの役に立つなら、ドラマの撮影のためにわざわざ免許を取った甲斐があるってもんだ。
「あっ、見えてきた」
「あれか……」
明らかにデザイナーズハウスとも呼ぶべき建物が見えてきた。
間違いなくそれがそうであろう。
「海沿いとは聞いていたけど、船着き用の桟橋まで用意していたとは……」
「さすがにびっくりしちゃうね」
「まあせっかく用意されているんだし、そこにつけるとするか」
桟橋へと水上バイクをつけ、みくるをおろす。
「じゃあ、行ってくるね!」
「うん、いってらっしゃい」
(みくるの努力がきちんと報われますように)
△▼△
それから、水上バイクを係留して、お披露目会の会場に入る許可を取ってから会場の中に入ることができた。
(けっこう手間取っちゃったな……。さて、みくるはどこだ)
と、探し始めると案外簡単に見つかった。
もうすでにKAYOKOさんと打ち解けたのか、お互い笑いながら会話をしていた。
「あ、司。こっちこっち~」
みくるもこちらに気づき、僕を呼んでいる。
みくるの方へ向かうと、なぜかKAYOKOさんが僕のことをじーっと見てうなずいている。
「あの、どうされました?」
「ん?あぁ、キミがみくるちゃんを連れてきてくれたっていう男の子なんだねぇ」
へぇ~、なんて言いながらさらに僕のことをしげしげと観察し、時にはうんうんとうなずいていた。
「なぁ、みくる。僕はいったい何をされているんだ?」
「さ、さぁ?」
KAYOKOさんは、一通り僕のことを観察したところでみくるに何か耳打ちをし、去って行った。
「……何だったんだろうな」
「う、うん」
心なしかみくるの顔が赤いような気もするが、気のせいだろう。
それはさておき、肝心なことを聞き忘れていた。
「あ、そうだ。ドレスの件、どうなった?」
「あぁ、ドレスね。ほら。じゃじゃーん」
みくるの手に握られているのは、ViVid Kissの新作プレミアムドレスのアイカツカード。
「おぉ……やったじゃん」
「うん。これも司のおかげだよ。ありがとう!」
心なしか、いつもよりもみくるの笑顔が輝いて見えた。
△▼△
プレミアムドレスを手に入れてから、みくるはさらにレッスンに力を入れるようになった。
完成度もさらに上がったという。
あやふやな言い方をしているけども、僕自身が見て思った感想じゃないから仕方がない。
僕の予定がつかないこともあったり、なぜかみくるから『本番まで楽しみにしててね!』なんて言われてレッスンに参加できなかったし。
そして、今日がその本番だ。
心なしか自分まで緊張してしまう。
証明が消え、アイカツシステムが作動する。
ステージの始まりだ!
みくるがステージに現れ、音楽が流れ始める。
ポップなアップテンポの曲が流れてくるかと思えば、ムーディーな曲が流れ始め驚きを隠せなかった。
ちなみに言っておくが、僕もこの曲を聞いたのは今日が初めてだ。
「街のイルミキラリキラリ――」
WMの時のステージとは全く異なるみくるの姿がここにはある。
ステージに中てられたのか、胸の高鳴りが止まらない。
そしてステージが始まってからずっと、みくるから目が離せないでいる。
「もっとあたしを見て――」
……そうか。
みくるの大人びた色気に惹かれたのか。
普段はあんなに活発で、子供のころと何ら変わらなかったのに。
……もう子供の頃とは違う。
幼なじみのみくるではなく、一人の女性の夏樹みくるとして見ているのだ。
ふいにステージ上のみくると目が合い、僕に向けて投げキッスのしぐさをした。
違和感なくやっていたことから、おそらくもともとから振り付けとして入っていたのだろう。
だけど、今の僕にそんなことは関係なかった。
僕はもう、みくるのことが好きになってしまっていたのだ。
△▼△
今となって思えば、どうしてこんなにもみくるのことを気遣っていたのだろうか。
幼なじみだから?
それもあるだろう。
でも、幼なじみだからといってここまでするだろうか。
思えば、水上バイクで送るなんて変な話だ。
わざわざ調べてミラクルフラワーに水をあげたりしたのもそうだ。
でも、もう結論は出た。
僕はみくるのことが好きだったというだけの話だ。
ただ、自分が思いを意識したら相手の気持ちが知りたくなるのは世の常。
当然ながら今までのみくるの振る舞いが気になって仕方がない。
自惚れてもいいのだろうか。
△▼△
「みくる、お疲れ様。いいステージだったよ」
「司!見に来てくれてたんだ」
「そりゃあ幼なじみの晴れ舞台だしね。僕のレッスンの成果も気になるし」
控室には僕とみくるの二人だけ。
好きな人に思いを告げることが、こんなに緊張するものだとは思わなかった。
「ふふっ。ありがと」
それから、しばらくの静寂の後。
「「ねえ、みくる(司)」」
同時に話を切り出した。
「あはは、奇遇だね……」
みくるが笑い、それにつられそうになるのを必死で抑える。
「みくる」
「何、かな」
僕の真面目なトーンにみくるも笑うのをやめ、僕を見る。
緊張で少しくらくらするが言わなくちゃならない。
「僕は、みくるのことが好き……なんだ」
言った。
つい顔をそらしてしまったが。
そしておそるおそるみくるの顔を見ながら言う。
「だから、みくるが僕のことをどう思っているのか、教えてくれないかな」
みくるをじっと見つめ、返事を待つ。
「……ずるい。ずるいよ、司。私だって司のことが好きに決まってんじゃん!」
そう言い切り、喜びでぐしゃぐしゃになった顔を隠すように僕に抱き着いてきた。
咄嗟のことに驚きはしたものの、腕を広げてみくるを受け止めた。
「ごめん、みくる。今まで気づかなくて」
「けっこうあからさまにしてたつもりだったんだけどなー」
「それは本当に悪かった」
自分の気持ちに気づけなかったんじゃ、他人の気持ちに気づけるわけないよな。
それに、身近すぎたのもあるのかな。
まあ、とりあえず今は考えるのはやめだ。
「みくる。これからもよろしくな」
「うん!」
正直なところ、エピローグを書くかどうかすごく迷いました。
もし書く余裕があれば書こうとは思いますが、あまり期待しないで下さい。
それと、少し前から活動報告に書いているのですが。誕生日企画で書いてほしいアイドルのアンケートをしています。
このアイドルのお話が読みたいなぁ、とか思ったらコメントしてください。
書けたら書きます(逃げ)。
ちなみに、作者が好きなアイドルの場合は必死になって書くと思います。
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