アイカツで恋愛モノ   作:亜戸 健一@沼太郎

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九州地方では大雨が続いていますが、皆さま大丈夫でしょうか。
このお話で少しでもリラックスできると幸いです。

さて、今回はみくるちゃんのお誕生日回です。
対策しておこうとか考えておきながら、当日に気づくという有様ですよ。
ホントに書き貯め癖をつけないといけないなぁ。

それでは本編をどうぞ。


”特別篇” みくるの誕生日①

今日はみくるのお店の手伝いだ。

 

「これはどこに置けばいい?」

「えーっと、それは裏の倉庫に置いて」

 

再会して久しぶりにお店を手伝っているけど、意外と覚えていないもんだなぁ。

その分重いものは持てるようになったけど。

だから今日はもっぱら力仕事がメインだ。

 

ガチャと扉が開きお客さんがやってくる。

 

「「いらっしゃいませ」」

「あら、どうも」

 

みくるがお客さんの応対に向かう。

その間に僕は裏に荷物を持っていく。

 

倉庫に向かう途中、カレンダーがちらりと見えた。

7月7日に印がつけられている。

みくるの誕生日だ。

せっかく恋人同士になったんだし、何か気の利いたことの一つくらいしたいものだけど。

 

「思いつかないなら、直接聞くしかないかな」

 

△▼△

 

仕事もお客さんもひと段落し、小休憩を取っていた。

 

「なあ、みくる。誕生日は何がいい?」

「そういえばもうすぐだったね。なんでもいいよ」

「なんでもいいって……。それは逆に困っちゃうんだけど」

「だって、司と一緒にいられるだけでも十分うれしいし」

「っ!」

 

そんなことを言われるなんて思ってもみなかった。

でも、それはそれ、これはこれだ。

何とか聞き出さなくては。

 

「それでね、今日お客さんに夫婦みたいって言われたことがすっごくうれしかったの」

「夫婦ねぇ。いつかそうなれるといいな」

「私はそうなってくれないと困るの」

「それもそうだな」

 

みくるのいうことも全くだ。

でも、夫婦か。

……いいこと思いついた。

 

△▼△

 

みくるの誕生日当日。

早朝からみくるの家へむかった。

 

みくるには今日朝から行くことは伝えていない。

もちろんお義父さんとお義母さんには伝えている。

その時にあたたかい目で見られたのはご愛敬。

お義父さんに至っては『みくるをよろしく頼む』とまで言われた。

まあ、将来的にはそう考えているからきちんと返事を返した。

 

みくるの家へとついた。

みくるのご両親は僕に気を遣ってくれたらしく、夜中から車で小旅行に出かけたらしい。

事前にご両親から預かっていた鍵で玄関を開ける。

部屋はまだかすかに朝陽がさす程度。

みくるが起きてくるまで、まだ時間はある。

 

まずは朝食の準備から。

食パンをトースターにセットし、フライパンではベーコンエッグを作る。

どちらもできかけた頃、においにつられたのか寝ぼけ眼でみくるがやってきた。

 

「ぉはよぉ~」

「おはよう」

 

僕の声に気づいたのか、表情が驚きに変わっていた。

そしてキョロキョロと周りを見渡し、僕と目が合った。

 

「え?!なんで司が?」

「誕生日のサプライズってやつ。ほら、朝食ができたぞ」

 

僕は朝食が乗ったお皿をテーブルへと並べていく。

 

「いや、何で?何で家で朝ごはん作ってるのよ」

 

未だに困惑しているみくる。

 

「みくるがこの前夫婦みたいって言われて喜んでたから、今日は一日みくるの夫として頑張ろうかなって」

「ええええっ!?!?!?!」

 

今日は楽しい一日になりそうだ。

 

△▼△

 

朝食を終え、開店の準備をする。

僕は簡単な掃除や片付けをする。

その間、みくるには身支度をしてもらっている。

 

「お待たせ。それじゃあパパッと片づけて開店しよう」

「ああ」

 

それから間もなくして店を開け、お昼休憩をお互いずらして取りながら、夕方まで店を開けた。

その最中、また『まるで夫婦ね』といったことを言われ、僕が『いずれはそうなろうと思っています』と答えると、みくるは少し照れながらも喜んでいるようだった。

 

「今日はこれで終わりかな」

「そうだねー。あ、晩ごはんはどうするつもりなの?」

「今度も僕が作ろうか?」

「ありがとう。でも、一緒に作らない?」

「そりゃあいいね」

 

二人でキッチンに向かい、晩御飯を作る。

お互い黙々と手元の作業に集中していて、あまり声は出さなかったが、それでも楽しかった。

そして、幸せだった。

心地よくてつい、いずれは二人の間に子供が、なんて考えだしてしまい、まだ僕らには早いと考えを頭から追いやった。

 

△▼△

 

夕食を終え、ソファに座って一息つく。

 

「今日は楽しかった?」

「うん。いい誕生日プレゼントだったよ」

 

自然と手をつなぐ。

 

「そういえば七夕だったね」

「そうだね」

 

僕の言葉にみくるが答える。

 

「まだ誕生日は終わってないし、天の川でも見に行こうか」

「うん」

 

僕が先に立ち上がり、みくるの手を引く。

 

「行きましょう、お姫様」

「うん」

 

バイクに乗って目的の場所に向かう。

夜の風は少しひんやりしていたけど、後ろにいるみくるの暖かさを感じられて心地いいくらいだった。

ちいさな峠道を越え、竹林ある展望台にやってきた。

 

「到着。寒くなかった?」

「ううん。司が暖かかったから」

 

バイクを降り、また手をつないで星の見えるところまで歩く。

 

「そういえば、前もこんなことしてたっけ」

「その時は僕が自転車に乗せてたな」

「途中でこけそうになったの未だに覚えてるよ」

「恥ずかしいから忘れてくれよ……」

「やーだ。これもいい思い出だもん」

 

思い出話をしていると、すぐに目的の場所に着いた。

 

「ここからがよく見えるんだ」

 

僕が見上げ、つられてみくるも空を見上げる。

 

「わぁ……」

 

見上げると、一面の星空が広がっていた。

月もなく、きれいな星空だった。

 

「ねえ、あれが天の川だよね」

 

そう指さす先には、宝石をまぶしたように煌めく天の川が広がっていた。

 

「司」

「なに?」

「連れてきてくれてありがとう」

「どういたしまして」

 

僕は、こっそりと持ってきていた短冊をみくるに渡した。

 

「これ、持ってきてたの?」

「まあね。ペンもあるよ」

「フフッ。準備がよろしいこと」

 

二人で短冊に願いを書く。

 

「何を書くの?」

「これからもみくると一緒にやっていけますようにって。みくるは?」

「私も司と同じ」

「ハハッ。なんだそれ」

「司だって人のこと言えないじゃん」

「確かに」

 

雑談を交わしながらも、お互い真面目に願いを書く。

 

「それで、どこにこれを掛けるの?」

「そこの竹林にね」

「いいのかな」

「大丈夫だよ」

 

そして、同じところに短冊を吊るす。

 

「さ、帰りましょうか」

「うんっ!」

 

 

バイクが風を切りながら峠を下っていく。

将来を約束している二人。

この峠のようにまっすぐにはいかないだろう。

でも、この2人ならそれさえ乗り越えていけるだろう。

 

風が吹く。

ふたつ並んだ短冊が優しく揺れている。




いかがだったでしょうか。
誕生日が七夕ということなので無理やりねじ込んだ感じではありますが、個人的には気に入っております。
ちなみに、司くんがバイクに乗っておりますが、これは125cc以下の原付二種というくくりのものです。
これは16歳以上であれば免許が取得できます。
原付二種であれば二人乗りが可能ですし、なんの問題もありません。
ですので、司くんは法律違反などしていませんのでご安心を。

さて、七夕といいますと皆さんは何か願いがありますでしょうか?
私はあります。
新型コロナウイルスの終息です。
いや、だってそのせいでいろんなイベントが無くなっちゃったじゃん!(独善的)
もちろん、お亡くなりになってしまった方たちのことも考えてはいますよ。
でも、個人的に欲望が沸々とわいてきてしまって仕方ないんです。

暗い話は置いといて(お前がしたんだろ)、私もバトスピのアイカツコラボのパックを購入しました。
XXレアのいちごちゃんは当たりませんでしたが、そらちゃんとマリアちゃんのシークレットが当たりました。
もちろんうれしかったのですが、欲を言うとゆめちゃんと真昼ちゃんのシークレットが欲しかったです。

次こそはゆめちゃんのお話を書かないと。
あ、設定も忘れないようにしなきゃ。

アイカツシリーズで1番好きなのはどれ?

  • アイカツ!(いちご世代)
  • アイカツ!(あかジェネ)
  • アイカツスターズ!
  • アイカツフレンズ!
  • アイカツオンパレード!
  • アイカツプラネット!

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