言い訳はしません。
そしてちょっと投げやりなのも否定しません。
あおいちゃんのお話のほんへを書く前ではありますが、どうぞお楽しみください。
明日はあおいの誕生日だ。
それも付き合い始めてから最初の。
……正直言って何をしたらいいのかわからない。
「そんなわけであおいの親友であり、Soleilのユニットを組んでいる蘭さんといちごさんに来ていただきました」
ドンドンパフパフ~
「なにが『そんなわけで』だよ。唐突すぎるぞ」
「唐突なのは申し訳ない。でも緊急事態だから許して」
少し上目遣いで蘭に返答すると、頭をシバかれた。
「いたい……」
「あのなぁ、こっちは真面目に相談に乗るつもりだったんだぞ」
蘭がそんなことを言ってくるが、本気でシバくことはないだろうに。
「よしよーし、痛いの痛いの飛んでいけー」
いちごがシバかれたところをさすってくれる。
はっ!?天使か!?
「まあ、とりあえず本題に戻ろう」
「逸らしたのはお前だろうが……」
「今まではいちごと蘭の2人で祝うことが多かったんだよね?」
「スルーか……。まあ、基本的にはそうだな」
「それでどんなことやってた?」
「ちょっとした誕生日パーティーぐらい、だったよね」
「そうだったな。だからあまり大したことはしてないんだ」
意外な気もしたが、今の人気を考えると妥当な気がした。
それだけに、今回休暇を取ったということは期待がかかる。
「そうか……。うーん、何をしてあげたら喜んでくれるかなぁ」
悩ましい……。
「はあ。しょうがないから相談に乗ってやるか。このままだと心配で仕方ない」
「司くんって意外と抜けてるしねー」
それから、あおいが仕事から戻るまで相談に乗ってもらうのであった。
△▼△
誕生日当日。
司とあおいは街の公園で待ち合わせをすることになっていた。
「おまたせ、待った?」
「いや、今来たとこだよ」
「そっか。フフフ」
ふと見えたあおいの笑顔に、思わず見とれてしまう。
「ほら、行くよ。今日のわたしはやりたいことがたくさんあるんだから」
「ああ、わかった」
そして街へとくりだしていく。
△▼△
まず、あおいとウインドウショッピングをすることにした。
気に入った店があれば立ち寄り、試着をしたりして店を冷やかして回っていた。
「なあ、ちょっとここ見ていかないか?」
「ここ?」
僕が指したのはアクセサリーショップ。
「うん。ちょっと見たいものがあってね」
店に入り、目当てのものを探しにいく。
ただ、あおいには申し訳ないけども見せられないものであるため、見られないように他の店員さんに気をそらしてもらっている。
「こちらでよろしかったでしょうか」
「はい、お願いします」
目的のものを受け取り、バッグの中にしまう。
あおいの相手をしてもらっていた店員さんもこちらに気づき、あおいを解放(?)した。
「なんか、あの店員さんの押しがすごかったんだけど……」
「あはは、それは大変だ」
「笑いごとじゃなーいー」
△▼△
ウインドウショッピングをある程度すまし、映画を見にいくことになった。
なんでも、あおいが今注目しているアイドルが主演をやっているものらしい。
「これは穏やかじゃない!」
「落ち着け。まだ始まってすらないんだぞ」
おかげであおいのテンションが爆上り中だ。
手をつないで歩いてはいるものの、あおいが先を急ぐせいで、まるで元気な犬とリードに見えて仕方がない。
おまけに、目を輝かせてあちこちを見ているため、サイドテールがしっぽに見えてくる始末。
「……」
あきれつつも、そのかわいらしさに胸を打たれるのであった。
「ほら、もう入場開始だよ」
「はいはい。それじゃあ行こうか」
△▼△
「やっぱり、穏やかじゃなかった」
「そうだな。あの子いい演技してた。あおいが気にするのも分かるよ」
「でしょでしょ」
映画を見終え、感想を語り合いながら帰路につく。
相変わらず、あおいは興奮しているみたいだけど。
「そういえば、僕たちが一緒になれたのも演技がきっかけだったよね」
「そうだったね」
ふと思い出したようにつぶやいた一言をきっかけに、思い出話にも花が咲くことになった。
△▼△
学園に帰り着いたはいいものの、お互い寮には戻らず庭園の方へ向かった。
「……渡すもの、あるんでしょ」
「よく気づいてたな」
ばれないようにしていたはずなんだけどなぁ。
「わたしの目をごまかすなんて百年早いですよ」
「そりゃあまいったなあ。隠し事の一つもできやしない」
「なに?隠したいものでもあるの?」
「いや、そんなことないよ。でも、ちょっとだけ目を瞑っていてほしいかな」
「お安い御用ですよ」
あおいが目を瞑ったのを確認して、誕生日プレゼントとして用意していたネックレスを首にかけてあげた。
「目を開けてください」
あおいは目を開け、首にかかるネックレスを確認する。
「......なぁ、あおい」
「うん?」
「そのネックレスの意味、分かってくれるか?」
「……うん。もちろん」
あおいの首に下がっているのは、赤と青のバラ。
一方は自身の想いを。
もう一方にはあおいの色を添えた。
「誕生日、おめでとう」
「うん、ありがとう」
「それと。これからもよろしくな」
「うん。こちらこそ」
そしてどちらともなく近づいていき、月に照らされた影は一つになった。
これが誕生日企画の3つめになりますけども、お気に入りのアイドルたちのお話は本編の有無にかかわらず書いていく所存でございます。
ですので、活動報告等でアンケート等をとる場合に何か一言飛ばしてくれると、誕生日の特別編が本編を待たずしておそらく読めるでしょう。
確実に書く保証はありませんので悪しからず。
最後に、あおい姐さん誕生日おめでとうございます!
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