約束は明日を生きる道標   作:甘党ゴンザレス

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駄文ではありますが、温かい目で読んで頂ければ嬉しいです。


笑う門には福来る

俺たちは足取り重く下駄箱へやってきた。

 

この空気は何だか嫌だな。

 

優馬「千歌、曜。」

 

二人は俺の方を振り向く。

 

優馬「二人ともそんな顔すんなよ。俺はもう大丈夫だから。なっ?」

 

千歌「でも…。」

 

優馬「いいんだよ。俺のために怒ってくれてありがとな…。さぁ、笑って帰ろうぜ?」

 

俺は千歌と曜に笑いかける。やっぱり二人には笑ってて欲しい。

 

千歌「ゆうくん…。」

千歌は俺の言葉に耳を傾けてくれた。

 

だが、

 

曜「私はっ…!!」

 

曜は違った。

 

曜「私は…悔しい…。悔しいよ…。」

 

優馬「曜…。」

 

曜は涙を零しながら胸の内を曝け出した。

 

曜「優は…誰よりも友達思いで…誰よりも優しい…。私はそれを知ってる…。優が…いつも喧嘩するのは…誰かのため…なのに…。何も知らないのに…優のこと…悪く言われて…私…悔しかった…。」

 

曜「それに優は…私が飛び込みの大会で負けちゃった時いつも側に居てくれた…。何回も辞めたいって思ったけど…優が居てくれると不思議と頑張れる…。その時、優は私に…いつも言ってくれた言葉があるよね?覚えてる…?」

 

もちろん、俺は覚えてる。

俺は無言で頷いた。

 

曜「『曜は一人じゃない、みんなが側にいる、俺が側にいる。だから、辛い時、悲しい時こそ笑え。』って、いつも私の事を励ましてくれた…。」

 

曜「私…その言葉が本当に嬉しかった。辛くてもみんなが…優がいてくれる…。だから…私は辛い時こそ笑うようになったんだよ?でも…今回は…我慢…出来なかった…。」

 

俺の言葉でそんなに…。俺は幸せ者だな…。こんなに優しくて、俺のことを大切に想ってくれる幼馴染と出会えたのだから。

 

俺は曜の事を優しく抱きしめた。

 

優馬「曜…ごめんな…。俺のためにこんな辛い思いさせて…。」

 

曜「なんで…優が…謝るんだよ…。」

 

優馬「俺バカだからさ、感情的になって二人の邪魔しちゃったし、悲しい思いもさせたからな…。」

 

曜「優が怒るのは…いつも誰かの為じゃん!!今回だって千歌ちゃんと私のために…。」

 

優馬「そりゃな…。大切な幼馴染のやりたい事を応援しないで何が幼馴染だよ。俺はお前らが大切だから、お前らの為なら何だってやってやる。」

 

優馬「だから…。これからも側で支えさせてくれ…。」

 

俺は曜に笑いかけながらそう伝えた。

 

曜「うぅっ…うわぁぁぁぁん!!!」

俺の言葉で溜めていた涙が曜の綺麗な瞳から零れ出した。

 

優馬「よしよし…。ありがとな、曜…。千歌もだぞ。ありがとう…。」

千歌にも俺は感謝を伝えた。

 

千歌「ゆう…くん…。」

千歌も涙を零している。

 

全く…この幼馴染たちは…。本当に良い子達だよ。

 

優馬「おいで…。千歌。」

 

千歌「ゆうくん…ごめんね…チカのせいで……。うわぁぁん!!」

 

優馬「よしよし。全く…どうして俺の幼馴染はこんなに優しいんだ…。」

 

そこからしばらくして千歌と曜が泣き止んだので帰ろうとした。

 

そうしたら下駄箱にマルちゃんとルビィちゃんがやってきた。

 

花丸「あっ、優馬先輩どうもズラ!!」

 

ルビィ「こ、こんにちは!!」

 

優馬「こんにちは。二人とも今帰りかい?」

 

花丸「そうズラ!!そう言えば生徒会室から大きな声が聞こえたけど何かあったズラか?」

 

俺は花丸ちゃんの言葉に少し動揺した。

 

優馬「もしかして聞こえてた?」

 

花丸「いえ、内容までは聞こえなかったズラ。でも何だか嫌な感じがしたズラ。」

 

鋭いな、この子は…。

 

優馬「全然そんなことないよ!!今朝の勧誘のことでちゃんと申請してねって生徒会長に言われただけだから心配はいらないよ。」

 

俺がそう答えるとルビィちゃんがおもむろに口を開いた。

 

ルビィ「あの…。もしかしてお姉ちゃんに何か言われましたか?」

 

俺はルビィちゃんの発言に耳を疑った。

 

優馬「えっ…。お姉ちゃん?てことは…ルビィちゃんは生徒会長の…。」

 

花丸「妹ズラ。」

 

ようちか「「ええぇぇぇぇっ!!!!!」」

 

マジか…。とてもあの生徒会長とは似ても似つかない。真逆といっても過言じゃないし、何よりこんなに可愛らしい妹がいるのにあんな硬いなんて信じ難い。

 

千歌「ルビィちゃんこんなに可愛いのに…。あの生徒会長とは全然違うんだね。」

 

ルビィ「やっぱり、お姉ちゃんが何か言ったんですか…。」

 

優馬「いや…そんなことは…。」

 

曜「言ったよ。優に向かって酷いことをね。」

 

優馬「おい、曜!!」

 

ルビィちゃんに詰め寄る曜を止めに入る。

 

曜「生徒会長は優のことを何も知らないのに散々言って優を苦しめた…。いつだって優は誰かの為に傷ついて、誰かを守ろうとしてる。それなのに周りの人は全部優が悪いみたいに言って離れて行く…。それが私は許せない。今回だって…優は!!」

 

ルビィ「ごめん…なさい…。」

 

ルビィちゃんは涙目になりながら謝る。

 

優馬「曜、もうやめ…。」

 

曜が言い過ぎているので俺は曜のことを止めようとした時、

 

 

パァン

 

 

千歌が曜の頬を叩いた。

 

千歌「曜ちゃん言い過ぎだよ。気持ちも分かるけどルビィちゃんは関係ない。謝って。」

 

曜「でも…!!」

 

千歌「謝って!!」

 

あまりの千歌の勢いに俺まで驚いてしまった。でも千歌の言ってることは正しい。今回のことにルビィちゃんは関係ないし、何より折角高校に入学したのにこんな嫌なことがあったんじゃ楽しい高校生活は送れない。それは絶対にあっちゃいけない事だ。

 

優馬「そうだぞ、曜。俺の事は今はどうでもいい。ルビィちゃんに謝りな。」

 

曜「…。ごめんね…ルビィちゃん…。」

 

ルビィ「いえ…。ルビィの方こそ…お姉ちゃんが…ごめんなさい。」

 

千歌「本当にごめんね、ルビィちゃん。じゃあ私達先に行くからまたね二人とも!」

 

ルビィ「はい、また…。」

 

花丸「さようならズラ。」

 

千歌と曜は先に下駄箱から出て行った。

 

優馬「本当にごめんね。ルビィちゃん、マルちゃん…。」

 

花丸「マルは大丈夫ズラ!でも…。」

 

マルちゃんはルビィちゃんの方を心配そうに見る。俺が見てもすごい落ち込んでいるのがよくわかる。

 

ルビィ「優馬先輩…。ごめんなさい…ごめんなさい…。」

 

ルビィちゃんは涙を流しながら俺に謝罪してくる。俺のせいでこんな辛い思いをして…。

 

優馬「ルビィちゃんは悪くないよ。こっちこそ曜が嫌な思いさせてごめんね。」

 

ルビィ「ううん…。ルビィの方こそお姉ちゃんが…。」

 

優馬「気にしないで。悪いのは俺なんだから悪く言われてもしょうがないよ。でも、曜のことは悪く思わないであげてね。大切な幼馴染だから…。」

 

ルビィ「はい…。ルビィも…お姉ちゃんのこと悪く思わないであげて下さい…。」

 

優馬「わかったよ。それじゃあ遅くなっちゃったし帰ろうか。近くまで送って行くよ。マルちゃんも一緒に帰ろっか?」

 

花丸「はいズラ!」

 

ルビィ「お、お願いします…。」

 

こうして俺たちは一緒に帰ることにした。

 

――――――――――――――――――――

Said 曜

 

私、最低だな…。自分の勝手な感情で関係のないルビィちゃんに八つ当たりして酷いこと言っちゃって…。

 

曜「千歌ちゃんごめんね…。迷惑かけちゃって…。」

 

千歌「ううん…。いいの、チカだって曜ちゃんと同じ気持ちだったよ。ゆうくんを傷つけられて悔しかった悲しかった。大好きなゆうくんが苦しんでる姿はもう見たくなかった…。」

 

そうだよね…だって千歌ちゃんも優のこと…。

 

千歌「ごめんね…叩いちゃって。痛かったよね。」

 

千歌ちゃんが赤くなった私の頬を優しく撫でてくれた。

 

曜「大丈夫だよ。むしろありがとう、千歌ちゃんのお陰で冷静になれたしルビィちゃんにも謝れた。」

 

曜「私だって大好きな優が傷つくのは嫌だし苦しんでる姿を見ると私も苦しくなる…。」

 

 

 

 

曜「だから…。少しでも優の支えになりたい。こんな私だけど優の力になってちゃんと自分の気持ちを伝えたい!」

 

千歌「チカだって…曜ちゃんに負けないくらいゆうくんの事が大好き。だから…負けないよ!!」

 

私たちはお互いに強く見つめあって

 

千歌・曜「「あははっ!!」」

 

そして笑い合った。

 

曜「明日改めてルビィちゃんに謝らないと!」

 

千歌「そうだね!千歌も一緒に行くよ!」

 

最高の友達でライバル。見ててね、優。私絶対に優のこと夢中にしてみせるから!!

 

固く決心した思いを胸に私たちは先に帰路に着くことにした。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

side優馬

 

俺たちは今下駄箱を出て帰路についている。

 

優馬「そう言えば二人は部活何に入るか決めた?」

 

はなルビ「「まだ、決めてないです…。」」

 

優馬「それならスクールアイドル部はどうかな?て言ってもまだ設立してないんだけどね…あはは…。」

 

俺は設立に困難を要するが、設立を夢見る幼馴染達の為に二人を勧誘する。

誰が見てもだと思うけど二人はかなり可愛いと思うし絶対人気になると思う。

 

花丸「折角のお誘い嬉しいズラ。でも、マルは運動できないから…。」

 

ルビィ「ルビィもお姉ちゃんが…。」

 

まぁルビィちゃんはそうだよな…。でもマルちゃんはできないと言うよりは自信がない感じがするな。

 

優馬「そうか…。まぁ無理に誘っちゃってごめんね?」

 

ルビィ「いえ…。」

 

花丸「あの、優馬先輩。」

 

優馬「何かな?」

 

花丸「優馬先輩はなんでそんなに一生懸命千歌先輩や曜先輩に協力するズラ?」

 

マルちゃんは俺に疑問に思ってることをぶつけてきた。

 

優馬「何でか…か。さっきも言ったと思うけど二人共大切な幼馴染って理由もあるんだけど、もう一つ理由はあるんだ。」

 

花丸「それは…?」

 

 

 

 

 

 

 

優馬「兄貴と約束したんだ。みんなを守るって。」

 

花丸「お兄さんと?」

 

ルビィ「優馬先輩はお兄さんがいるんですか?」

 

優馬「正確にはいた…かな?」

 

はなルビ「「えっ…?」」

 

驚く二人を尻目に俺は話を続ける。

 

優馬「実は俺は本当はもう死んでるはずだったんだ…。でも兄貴のお陰で今こうして生きてる。」

 

花丸「どういう…ことズラ?」

 

優馬「今から4年前に事故にあってね。その時に俺と兄貴と千歌、曜が一緒にいたんだけど、トラックが突っ込んで来て俺と兄貴は千歌と曜を庇って兄貴は脳死状態、俺は心臓に鉄パイプが刺さってほぼ瀕死の状態になったんだよ。これが、その時の傷だよ。」

 

俺は周りを確認してワイシャツのボタンを開けて自分の心臓の部分を見せた。

 

まるルビ「「!?」」

 

当たり前だが二人は言葉を失っていた。

 

優馬「俺の心臓には兄貴の心臓が入ってるんだ。俺が意識を失ってる時兄貴と夢?なのかな?そんな場所で会って約束したんだ。これからは俺がみんなを守るって…。俺は兄貴に助けてられて今生きてる。それが俺が必死に二人を支える理由でもあり生きてる理由かな?」

 

優馬「だから、俺は二人のやりたい事を全力で応援するし、手助けもする。どんな辛い事でもやってみせる。」

 

俺は二人に優しく微笑みながら伝えた。

 

優馬「ごめんな…気持ち悪いもの見せて…。」

 

俺が申し訳ない気持ちでいっぱいになり二人に謝罪すると、

 

ルビィ「気持ち悪くなんてない!!」

 

優馬まる「「!?」」

 

ルビィちゃんの大きな声に体がビクッとなり俺とマルちゃんは驚いた。

 

ルビィ「そんな、理由があったなんて知らなかった…。それなのにお姉ちゃんは…。ごめんなさい…ごめんなさい…。」

 

優馬「ルビィちゃん…。」

 

涙を流して俺に謝ってくるルビィちゃんに俺は思わず心を揺さぶられた。

 

ルビィ「こんな事で許して貰えない事も分かってます…。でも…謝らせて下さい…。ごめんなさい…。」

 

この子はなんて優しい子なんだろうか…。一見弱々しく見えるけど内に秘めてる思いはかなり強い。今こうして自分の姉の為に頭を下げている。それは当たり前に見えるけど全員ができる事じゃない。

 

 

 

それだけこの子が生徒会長の事を慕っている事がよく見受けられる。

 

優馬「頭を上げてルビィちゃん。俺はもう気にしてないし、ルビィちゃんが責任を感じる事じゃないから。」

 

ルビィ「でも…!!」

 

優馬「その気持ちだけで嬉しいよ。1つだけ俺からのお願い聞いてもらえるかな?

 

ルビィ「なん…ですか?」

 

優馬「これからもお姉さんと仲良く、そして今を大切にしてね。」

 

俺の言葉にルビィちゃんは涙を流しながら力強く頷いてくれた。

 

優馬「よし!じゃあ俺との約束だよ?」

 

俺は自分の小指をルビィちゃんの前に出す。

 

俺の考えている事を察したルビィちゃんは自分の小指を俺の小指に絡めてきた。

 

優馬「嘘ついたら針千本飲ます。指切った。これでオッケー。ちょっと古典的だけど約束って言ったらこれだよね!」

 

俺は笑いながらルビィちゃんに言う。

 

ルビィ「ふふっ♪」

 

ルビィちゃんも笑った。

 

優馬「やっと笑ってくれた。」

 

ルビィ「あっ…。ごめんなさい…。」

 

優馬「謝らないで?俺はみんなに笑顔でいて欲しい。やっぱり笑顔って幸せを呼び込む気がするんだよね。だから面白い時や楽しい時は笑って、辛い時、悲しい時は泣いて弱音を吐けばいい。」

 

優馬「そんでもって辛い時、悲しい時こそ笑って欲しい。」

 

俺の発言にルビィちゃんとマルちゃんは首を傾げた。

 

優馬「悲しい表情をしてるとそれだけで幸福が逃げてくと思うんだよ。だから自分が辛い時、悲しい時こそ笑って欲しい。それで、その後に来るだろう幸せを掴み取って欲しい。」

 

優馬「そこに笑顔が溢れてたらまた前を向ける。そうやって人って成長するんだと俺は思う。」

 

俺の言葉を聞いて二人共理解してくれたらしい。

 

ルビィ「わかりました!ルビィも優馬先輩みたいに強くて、優しい人になりたい…。だから、優馬先輩に負けないくらい笑顔が似合う女の子になりたいです!」

 

花丸「マルも…マルもいっぱい笑うズラ!それで大切な友達と成長していきたいズラ!!」

 

そう言ってルビィちゃんとマルちゃんは俺に向かって最高の笑顔を見せてくれた。

 

優馬「そうそう。二人ともとっても素敵な笑顔だよ!何か困ったことがあったら遠慮なくいいな?俺でよければいつでも相談に乗るよ。嬉しい事があったら一緒に笑うし、悲しい事があれば一緒に悲しんだ後に笑って明日の話をしよう。」

 

まるルビ「「はい(ズラ)!!」」

 

二人の笑顔はとても純粋で一点の曇りのない真っ白なキャンバスの様な笑顔だった。これからこの子達は自分色にそのキャンバスに色をつけていく。

 

本当に素直で良い子達だ…。この子達の高校生活がどうか、素敵な色で染まります様に…。

 

優馬「さてそれじゃあ帰りますか!」

 

まるルビ「「はい!!」」

 

優馬「それからスクールアイドルの事もよかったら考えておいて欲しいな?」

 

ルビィ「わかりました。でも、もう少しだけ時間を下さい!」

 

花丸「マルも少しだけ考えたいズラ。」

 

優馬「うん、俺たちはいつでも歓迎するからね!」

 

こうして俺たちは帰路に着いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





ご愛読ありがとうございました!

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