ラブライブ×イナイレ「〜11人の女神の奇跡〜」   作:乾電池

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今日は早く帰ってきた乾電池です

今日のは長いです




「東條希、嫌いにならないで」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

希「……」スッ

 

監督「いくのか」

 

希「……ウチ……」

 

監督「まだ迷いが見えるが、行きたいと言うのなら止めはしない」

 

希「……後悔、したくないから」

 

監督「……そうか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

希「フミコちゃん」

 

フミコ「はい!」

 

希「このぬいぐるみ、捨ててきてくれんかな」

 

フミコ「へ……大事なものじゃないんですか?」

 

希「……お願い」

 

フミコ「………わかりました」

 

希「ふふ、ありがとう」ニコッ

 

タッタッタッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

角間「ここで東條がMFに復帰だぁぁ

!!」

 

角間「残り時間10分弱!!試合にどのような影響を及ぼすのでしょうか!!」

 

希「やほ〜!」フリフリ

 

絵里「希……!」パァァァァ!

 

希「残り時間も少なくなってきちゃったけど、最後まで頑張るやん!」グッ

 

海未「ふふ、頼もしいですね」

 

凛「うん!ね、かよちん!」クルッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

花陽「ゴホッゴホッ……!!………え?」ゼェ……ゼェ……

 

凛「か、かよちんどうしたの!?」

 

花陽「はは……ちょっと……頑張り……過ぎ、ちゃったみたい」ゼェ……ゼェ……

 

凛「……試合始まるまでまだあるから、少し休んでおくにゃ!」

 

花陽「あり……がと……!」ゼェ……ゼェ……

 

 

 

 

 

 

 

希「……迷惑かけたね」スッ

 

ヒデコ「……やっぱり私は、この11人が好きです!」スッ

 

パチッ!

 

角間「追加点を許した音の木坂!!残り時間も気になる中、どのような攻めを見せてくれるのでしょうか!!」

 

音の木坂1-2UTX

 

ピーーーーーーーー!!!

 

ドッ!

 

ワァァァァァァァァァァ!!!

 

 

 

 

 

 

 

希「………」チラッ

 

希「!」バチッ

 

 

 

 

 

 

Aちゃん「……!」ビクッ

 

 

 

 

 

 

 

 

希(……Aちゃん……)

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

Aちゃん「のぞみちゃんおさいほーできるのー!?すっごーい!」

 

のぞみ「う、うん、なんとなくだけど」

 

東條希は、幼い頃から器用な少女だった

 

 

 

 

 

 

 

Aちゃん「のぞみちゃん絵すっごく上手だね!」

 

のぞみ「そ、そんなことないよ〜…!」テレテレ

 

東條希はあらゆる方面で器用だった

 

 

 

 

 

 

先生「よーし、今日はバスケットの授業をするぞー!二列に並べ!」

 

のぞみ「バスケット……?」

 

Aちゃん「のぞみちゃんしたことないの?」

 

のぞみ「うん、初めて!」

 

Aちゃん「じゃあ私が教えてあげる!実は私、バスケットクラブに通ってるんだ!」

 

のぞみ「すごい……!」キラキラ

 

先生「じゃあ誰か試しに……そこのおしゃべりしてる2人!出ておいで!」

 

Aちゃん「はい!」スッ!

 

のぞみ「え、えぇ〜……」スッ……

 

 

 

 

 

 

 

 

パスッ……!

 

ワァァァァァ!!

 

スッゴーイ!アンナノムリダヨォ……

 

先生「Aは5本中3本か!すごいな!」

 

Aちゃん「えっへへ!」

 

先生「次、東條!」

 

のぞみ「えぇっと……」アワアワ

 

 

 

 

 

 

先生「東條は持ち方からだな、こうやって……」スッ

 

のぞみ「……こう?」スッ

 

先生「そうそう!上手いぞ!」

 

東條希は器用だった

 

 

 

 

 

 

先生「で、こう!」ヒュッ

 

……パスッ!

 

のぞみ「わぁ……!」パァァァァ!

 

先生「さ、やってごらん!」

 

のぞみ「はい!」

 

東條希は器用だった

 

 

 

 

 

 

 

 

のぞみ(たしか、こうやって………)ググッ

 

先生「おっ!いいぞ!」

 

Aちゃん「がんばれー!」

 

のぞみ「……こう!」ヒュッ!

 

東條希は………

 

 

 

 

 

 

 

 

パスッ……!

 

器用すぎた

 

 

 

 

 

 

 

 

放課後

 

希「ど、どうして怒ってるの……?」ビクッ

 

Aちゃん「……バスケット、嘘ついてたの?」

 

のぞみ「嘘なんかじゃ……」

 

Aちゃん「初めてじゃないならそう言えばいいのに……!」

 

のぞみ「ほんとに初めてで……」

 

Aちゃん「じゃあ………!」

 

 

 

 

 

 

Aちゃん「5本全部なんて入るわけない!!」

 

のぞみ「それは……」

 

Aちゃん「心の中で私のことバカにしてたんでしょ!」

 

のぞみ「し、してない!!」

 

Aちゃん「……もういい」

 

Aちゃん「のぞみちゃんとは絶交する!!」

 

のぞみ「……!」

 

Aちゃん「もう話しかけてこないで!!」ダッ!

 

のぞみ「まっ……!」

 

Aちゃん「のぞみちゃんなんかだいっきらい!!!」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

希(それからすぐに親の転勤が決まって、本当に離れ離れになっちゃったっけ)

 

希(あの日からうちは……)

 

 

 

 

 

 

 

 

「希!!」

 

希「……!」ハッ……!

 

パシッ!

 

角間「交代直後の東條にボールが回りました!」

 

DF2「勝負やエセ女ァ!!」ザッ

 

希「っ……!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

DF2【スーパーしこふみ!!】

 

ヒュッ……!

 

希(……ここで奪われるわけには……)ダッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

ガッ……!!

 

DF2「うぐっ…!」ドサッ

 

角間「東條強引にディフェンスを抜い……」

 

ピッ!

 

希「あ…」ピタッ

 

角間「おしい!これはファウルになりました!!少し強引すぎたかぁ!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

DF2「いってて……」

 

希「ご、ごめんなさい…!」スッ

 

DF2「んぉ…?ああ、悪いな」スッ

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「ご、ごめんなさい………」オズオズ…

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

DF2(………あれ?この感じどっかで……)

 

希「……?なにか?」

 

DF2「あ、いや、なんもない」ガシッ

 

グイッ スタッ

 

DF2「……負けへんからな!」タッタッタッ

 

希「……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

パシッ!

 

希「いっ…!」

 

絵里「ほら!シャキッとする!」

 

希「……わかってるよ!」

 

にこ「休みすぎて体なまってんじゃないの?」ハッ!

 

希「……にこっち」

 

にこ「なに?またおばあちゃんって……」

 

希「勝とうね」

 

にこ「……?あんた大丈夫?」

 

希「もーひどいなぁ……」プクー

 

希「うちにも真面目な時ぐらいあるんよ?」ポヒュー

 

にこ「……初耳ね」

 

希「ワシワシ?」

 

にこ「悪意がすごい」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ピッ!

 

ドッ!

 

角間「UTXボールとなりました!一刻も早く点を取り返したい音の木坂!!どうする!?」

 

ツバサ「上がりなさい!!」トッ

 

ザザザッ!

 

海未「くっ……!」

 

角間「あくまで追加点を狙いに行くUTX!!」

 

凛(かよちんを少しでも休ませてあげないと……!)ザッ

 

角間「綺羅の前に星空が立ちふさがります!」

 

ツバサ「……」タッタッタッ

 

凛「行かせないにゃー!」バッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヒュッ…クルッ

 

トッ

 

凛「……うぐっ!」

 

ツバサ「ごめんなさいね」

 

角間「星空をものともしない綺羅!!圧巻のドリブル突破です!」

 

凛「そんな……!」

 

 

 

 

 

 

 

 

花陽「私……が!!」ザッ

 

ツバサ「……ふふ」トトッ

 

ザッザッ!クルッ!

 

花陽(フェイントからのターン…!)グッ

 

 

 

 

 

 

 

 

カクッ

 

花陽「……っ……!?」ドサッ

 

ツバサ「体力のご利用は計画的に……ってね♫」

 

角間「小泉足がもつれたぁ!!疲労がたまってきているのかぁ!?」

 

花陽(考えろ……私で終わりじゃない、私が抜かれた後、誰が……誰を……えーっと……)ゼェ……ゼェ……

 

花陽(ーーーーーーー…)ハァ……ハァ……

 

にこ(慣れないシュート3本、プラス、花陽はこの試合中ずっとフルで頭を働かせてた………)

 

海未(そのツケが今……)

 

花陽「……っ」ゼェ……ゼェ……

 

ツバサ「……!」ブルッ

 

ツバサ(体も頭も限界のはずなのに……)

 

花陽 キッ…!

 

ツバサ「……」フフ

 

角間「ディフェンスラインを突破したぁ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

ツバサ「あんじゅ!!」バッ!

 

あんじゅ「ええ!」

 

にこ「来るわよ穂乃果!!」

 

穂乃果「…!」グッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バッ!

 

ツバサあんじゅ【ユニコーンブースト!!】

 

ドゴォォォォォォォォオオオオ!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

角間「シュートを放ったのはUTX高校!!音の木坂凌げるかぁ!?」

 

にこ「ここに来て新必殺技……!?」

 

花陽「……でもこれ……」ハァ……ハァ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果【マジン・ザ・ハンド!!】

 

ギュルルルルル!!!!!

 

角間「高坂正面から立ち向かいます!!」

 

海未「穂乃果!!」

 

雪穂「お姉ちゃん!」

 

穂乃果「……はぁぁぁ!!!」グッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シュルルルルルル………!!

 

穂乃果「……よし!」

 

角間「とぉめたぁ!!」

 

ツバサあんじゅ「……くっ…!」

 

穂乃果「みんなー!!まだまだ行くよー!!」

 

みんな「おー!!」

 

角間「音の木坂の守護神高坂、頼もしいプレーでチームを引っ張ります!」

 

海未(よし、統堂さんが抜けたおかげで攻撃力が下がってますね。これなら……)

 

 

 

 

 

 

 

 

アー!オッシイー!

 

海未「…!」クルッ

 

ドンマイドンマーイ!ツギイケルゾー!!

 

にこ(そこは「ナイスセーブ!」でしょうが……!!)イラァ…!

 

穂乃果「……っ……希ちゃん!!」ドッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

希「……!」トッ

 

角間「東條へパスが通りました!!」

 

花陽「の、希ちゃん!……きて…ます!」ハァ……ハァ……

 

希「くっ…!」ピタッ

 

DF2「行かせへんぞエセ女ぁ…!」ザッ

 

希「……通してくれんかなぁ」

 

DF2「エセには刺激が強すぎるもん見せたるわ」

 

希「?」

 

 

 

 

 

 

 

 

ダンッ!

 

DF2「はぁぁぁぁ!!」ググッ

 

ゴゴゴゴゴゴ……!!!

 

希「…こ、これは…!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドドーーン!!

 

DF2【道頓堀・ウォール!!】

 

希「…!!」グラッ

 

角間「なななぁんとぉ!!グラウンドに道頓堀が出現いたしましたぁ!!」

 

にこ「エセVS本家……見ものね」

 

凛「希ちゃーん!負けちゃダメにゃー!」

 

 

 

 

 

 

 

 

希(もうやるしか……!)グッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「のぞみちゃんなんかだいっきらい!!」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

希「ーーーッ……!」ビクッ

 

バチィッ!

 

希「うわぁ!!」ドサッ

 

角間「東條止められたぁ!!」

 

DF2「うちの勝ちやエセ女!」トッ

 

希「……くっそ……」

 

角間「東條プレーに精彩さがありません!」

 

 

 

 

 

 

 

 

希「大丈夫、大丈夫やから……!」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

中学校

 

あの一件以来、東條希は周りの目を気にするようになった

 

周りより飛び抜けていないか、出しゃばっていないか

 

ただ………東條希は器用だった

 

 

 

 

 

 

 

 

ドガァ……!!

 

希「いっ…!」ドサッ

 

モブヤン1「……あんたのその済ました態度、なんか腹立つんだよね」

 

希「……気のせいじゃない…?」ゴホッ

 

モブヤン2「気のせいじゃないから言ってん……の!」ドゴォッ!

 

希「ゔぇ…!」

 

 

 

 

 

 

周りに合わせた態度が逆に反感を買ってしまうこともあった

 

希(……私に……どうしろって……)ゴホッゴホッ

 

 

 

 

 

 

 

「うっわ、2対1とかえっぐ」

 

希「!」

 

モブヤン1「あ?………ぷっ!小学生かよお前」

 

モブヤン2「用がないなら帰りなチビちゃん」シッシッ

 

「……」イラァ…!

 

「……今うちに言った暴言は100歩譲って許したる」

 

「でもな……」スッ

 

モブヤン「!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドゴォッ…!!

 

モブヤン1「ガハッ……!」ドサッ

 

「目の前のイジメスルーできるほどできてないんじゃボケェ!!」

 

モブヤン2「こいつ…!!」ドゴッ!

 

「いっ……」グラッ…!

 

「………オラァ……!!」バキィッ……!!

 

モブヤン2「ブッ……!」ドサッ

 

「……さっさとどっかいけや」

 

モブヤン1「……行くぞ…!」タッタッタッ

 

モブヤン2「っち……!」タッタッタッ

 

 

 

 

 

 

 

「………っはー、痛った……」サスサス

 

希「あ、あの……!」

 

「んあ?」

 

希「ご、ごめんなさい……私のせいで…」

 

「おー気にすんな、1発だけやしなもらったの」ニシシ!

 

希(関西弁……)

 

希「……どうして……助けてくれたの?」

 

「……多分帰ってから、「あの時行っとけばよかったなぁ」ってなると思ったから」

 

希「?」

 

「やらずに後悔するより、やって後悔した方が気持ちええやろ?」

 

希「……!」

 

「ウチ好きやねんこの言葉」ニシシ

 

希「……やらずに後悔するより……やって後悔……?」

 

「そ!ただし、全部自己責任でな!」

 

希「……私は……」

 

 

 

 

 

 

 

 

『だいっきらい!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

希「……そんな勇気、ないかなぁ……」

 

「………」

 

希「でもありがとう!少しスッキリ……」

 

 

 

 

 

 

 

モニュッ……!

 

希「………」

 

「んー、発展途上といったところやなぁ」モミモミ

 

希「………」ペシッ!

 

「いけず!」

 

 

 

 

 

 

 

「……それじゃあウチは帰るけど、あんま考えすぎんよーにな」

 

希「うん、今日はありがとう」フリフリ

 

「……さっきよりマシな顔んなったな」

 

希「……ちょっとだけ勇気もらえたからかなぁ」

 

「そっか、じゃあな発展途上」

 

希「発展途上……!?」ゴーン

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

希(結局また転勤でその人とはそれから一度も話してない)

 

希(あの人みたいに強くなれたらって……ずっと思ってた)

 

希(あの人みたいに……周りの目を気にせず、自由に……)

 

 

 

 

 

 

 

 

その日から関西弁は、[わたし]にとって勇気の象徴となっていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「勇気、出しきれてないよね?」

 

希「……!」ビクッ

 

「ふふ、びくってしたね」

 

希「君は……?」

 

「わたしはあなたの悩み、のぞみだよ」

 

希「悩みなのか望みなのかはっきりしてほしいなぁ」

 

のぞみ「望みじゃなくてのぞみ!」

 

希「ふふ、はいはい」クスクス

 

のぞみ「大事な事なのに!」

 

希「……のぞみちゃん、話の続き」

 

のぞみ「あ、そうだね!」コホン

 

のぞみ「……あなた、サッカーは全力でやってるよね」

 

希「……うん」

 

のぞみ「でも」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

のぞみ「隠してることがあるよね?」

 

希「………」

 

のぞみ「どうするの?試合終わるよ?」

 

希「……無理やん」

 

のぞみ「……?」

 

希「このチームに嫌われたらウチ、ホントに立ち直られへん」

 

のぞみ「だからこの悩みは閉じ込めておくって?」

 

希「……うん」ニコッ

 

のぞみ「………」

 

 

 

 

 

 

 

 

のぞみ「今までわたしは何回もあなたに話しかけた」

 

希「へ?」

 

のぞみ「何回呼びかけても見向きもされなかった…………」

 

希「……!」

 

のぞみ「どうして今聞こえたんだと思う?」

 

希「……さぁ」

 

のぞみ「どうしてあなたはぬいぐるみを捨ててって頼んだの?」

 

希「……さぁ」

 

のぞみ「どうして今更になってあの日のことを思い出してるの?」

 

希「………」

 

 

 

 

 

 

 

 

のぞみ「あなたが特別なんじゃない」

 

希「?」

 

のぞみ「みんな、大なり小なり心に抱えてるものがある」

 

のぞみ「だから私みたいなのが生まれるの」

 

希「………」

 

のぞみ「穂乃果ちゃんや花陽ちゃんやことりちゃん、他のメンバーだって悩んでる」

 

のぞみ「それを乗り越えたから、また前を向けてるんじゃないかな」

 

希「でも……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

のぞみ「しっかりしなさい!」

 

希「……!」ビクッ

 

のぞみ「このチームはそんなに簡単に離れていくような人たちばかりなの?」

 

希「……違うよ」

 

のぞみ「なら……!」

 

 

 

 

 

 

 

 

希「そんな子達だからこそ、離れてしまうのが怖いんよ」

 

のぞみ「………」

 

鍵穴がある、鍵もある、あとは回す勇気だけ

 

『だいっきらい!!!』

 

幼い頃のたった一言

 

その一言が今でもこの子を縛り付けている

 

あぁ、確かにこれは………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

呪いだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ワァァァァァァァァァァ!!!!

 

希「……!」ビクッ

 

角間「綺羅にパスが回りましたぁ!!ロスタイムまでの時間も残り少ない中、完全にUTXペースだぁ!!」

 

UTX!!UTX!!UTX!!UTX!!

 

穂乃果「時間ないよ!!ぶつかって!!」

 

みんな「おぉぉ!!!」

 

ツバサ タッタッタッ

 

雪穂「亜里沙!私たちで!」ザッ

 

亜里沙「うん!」ザッ

 

雪穂亜里沙「はぁぁ!!」バッ!

 

 

 

 

 

 

 

ヒュッ……クルン……ダッ!

 

亜里沙雪穂「ぐっ……!」

 

角間「綺羅再び抜いたぁ!!」

 

にこ「くっそ……!」

 

海未(攻撃の糸口が全く掴めない……このままでは……!)

 

希「っ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「頑張れー!!音の木坂ー!!!」

 

みんな「……!」クルッ

 

希「……………Aちゃん………?」

 

アノコダレ?サァ……

 

Aちゃん「ほら!!音の木坂の子達も!」

 

音の木坂観客「………!」ハッ……!

 

 

 

 

 

 

 

 

角間「さぁ、試合の流れはUTXが握っております!このままUTXが……」

 

音の木坂!!音の木坂!!音の木坂!!

 

角間「こ、これは……」

 

 

 

 

 

 

 

 

音の木坂!!音の木坂!!音の木坂!!

 

Aちゃん「音の木坂!!」

 

音の木坂観客「音の木坂!!!」

 

おばちゃんおっちゃん「音の木坂!!!」

 

角間「音の木坂の応援が会場に響き渡っております!」

 

ザワザワ……

 

ソウダ、オトノキモガンバッテルジャン

 

オトノキザカガンバレー!!

 

音の木坂!!音の木坂!!音の木坂!!

 

 

 

 

 

 

 

 

ナニイッテンダ!コレカテバサンレンパダゾ!!

 

ガンバレー!!UTXーー!!!

 

音の木坂!!UTX!!音の木坂!!UTX!!

 

音の木坂!!音の木坂!!音の木坂!!

 

UTX!!UTX!!UTX!!UTX!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ワァァァァァァァァァァ!!!!!!

 

ビリビリ…!!

 

穂乃果「会場が揺れてる……」

 

にこ「…遅いのよ、まったく」

 

真姫「すご……」

 

凛「うー!!テンション上がるにゃー!」

 

DF2「こんなに盛り上がったん、初めて見た……」

 

MF1「いつもワンサイドゲームでしたからね」

 

MF3「はぁ〜……!」ゾクゾクッ

 

 

 

 

 

 

 

花陽「…はぁ……はぁ……」ゼェ……ゼェ……

 

ツバサ「……?」トッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

耳を塞いでいても聞こえるほどの声援

 

だが、小泉花陽の耳には何一つ届いていなかった

 

考えていたのは

 

花陽(疲れた……ご飯食べてお風呂に入ってあったかいお布団でぐっすり眠りたい……)

 

試合とはまったく関係のないことだった

 

ツバサ「……行くわよ!」ダッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

花陽(………来た…綺羅さんのクセ……えっと……)

 

花陽(なんだっけ?タイミング?……じゃなくてクセ…えーっと……)

 

花陽(だめ、思考がまとまらない……)

 

ツバサ タッタッタッ

 

花陽(あーもう………)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

花陽「………めんどくさいなぁっ」ボソッ

 

ツバサ「ーーっ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

トッ……!

 

ツバサ「…………………………は」

 

あんじゅ「…え?」

 

ことり「うそ……」

 

花陽「………」タッタッタッ

 

角間「こ、小泉綺羅からボールを奪い取ったぁぁ!?」

 

ワァァァァァァァァァァ!!!

 

凛「カヨちーーーーん!!」

 

海未「【ディフェンス方程式】とは比べ物にならない速度、正確性………」

 

エレナ(ここに来て……まだ成長するか、小泉花陽……!)ゾワァッ…!

 

両チームが戦慄する中、当人だけが冷静だった

 

 

 

 

 

タッタッタッ

 

花陽(……?私、取ったの?誰から?綺羅さん?)ゼェ……ゼェ……

 

角間「〜〜!!〜〜……!」

 

花陽(解説の人……何言ってるんだろ……)ゼェ……ゼェ……

 

ハァ……ハァ……

 

 

 

 

 

 

 

 

MF2「いかせねぇよ!」ザッ!

 

海未(まずいです……今の花陽では……!)

 

海未「花陽!こちらに!」

 

花陽「…ぜぇ……ぜぇ……!」

 

海未(聞こえていない……!)

 

花陽「………はぁ……はぁ……!」ザッ

 

MF2「おらぁ!!」バッ!

 

花陽「……っ…!」

 

 

 

 

 

 

 

 

何度も繰り返し見た憧れのチーム、対戦経験あり、試合終盤

 

データは完璧に揃っていた

 

花陽「はぁ……はぁ……!!」

 

極度の疲労状態の中、思考をやめた小泉が行ったこと

 

それは………

 

 

 

 

 

 

MF1「はぁ!」バッ!

 

花陽(………多分……右…)バッ!

 

 

 

 

 

 

 

勘だった

 

MF2「っ……!」

 

ただの勘ではない

 

これまで蓄えたデータを無意識下で分析、選択

 

それが小泉を最善のルートへと導いていた

 

花陽「……あああああ!!!」バッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

【オフェンスコマンド】

 

 

 

 

 

 

 

 

シュバッ……!!!

 

MF2「くっ……そ…!」

 

MF2(動きが速いわけじゃないのに……追いつけねぇ…!!)

 

角間「小泉抜いたぁ!!」

 

ワァァァァァァァァァァ!!!

 

花陽「ぜぇ……!!ぜぇ……!!」タッ……タッ……!

 

イイゾーー!!コイズミーー!!ハナヨチャーン!!

 

花陽(観客の声、聞こえる)

 

花陽「ぁっ……」フラッ

 

ギリギリまで張り詰めていた糸が切れた瞬間だった

 

 

 

 

 

 

 

 

ポスッ……!

 

花陽「……希……ちゃん?」ハァ……ハァ……

 

希「……なんで……そんなになってまで……」

 

希(穂乃果ちゃんだってそう、なんでそんなに……)

 

花陽「……後悔……したくないから…」

 

希「……」

 

あぁ……嫌だ

 

花陽「このメンバーで、勝ちたいから……!」ギュッ!

 

またあの言葉を思い出す

 

 

 

 

 

 

 

『やらずに後悔するより、やって後悔した方が気持ちええやろ?』

 

Aちゃん「希ちゃん!!」

 

希「ーーーっ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カチリ………!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ワァァァァァァァァァァ!!!

 

角間「残り時間もごくわずか!!」

 

角間「小泉により勢いを取り戻した音の木坂!!追いつけるかぁ!?」

 

希「………少し休んどき、花陽ちゃん」

 

花陽「へ?」ハァ……ハァ……

 

希「うちに任せて」トッ

 

花陽「希ちゃん?」ハァ……ハァ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

角間「東條にボールが渡りました!」

 

MF3「逃げ切らせてもらうっす!」ザッ!

 

角間「UTXの素早いマーク!プレッシャーをかけてきます!」

 

希「………」ジャリッ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

希「……フーッ……」トントン

 

ドクン……ドクン……

 

希(………お願い)

 

ドクン……ドクン……

 

希(どうか[私]を………)

 

ドクッ……!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

希「……嫌いにならないで」

 

 

 

 

 

 




載せ忘れていた挿絵も


切り替えようとする高坂雪穂


【挿絵表示】


帰ってきた東條希


【挿絵表示】


またあの言葉を思い出す


【挿絵表示】
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