嫌だと思った。
時代が、世界が、デコボコに感じた。
今の世界は、只々苛立たしかった。
昭和なら、必ずそこに救いがあったんだ。きっと、でも今の時代には無い。なら
俺が、変えてやる。平成を、作り直すんだ。
――――
冬木町の、とあるマンション、玄関の扉から出てきたのは、茶色に金が混じったかのような色をしたアシメの髪型の男だった。
「……」
革のジャケットを着こなし、その威圧感は尋常なものでは無かった。
彼の手には、“時計の様なモノ“があった。黒色の縁に、全体的には金色なソレは、何故だが不思議と惹き込まれそうな魅力があった。
彼の名は、“南澤 真”。ごく普通の、ごく当たり前のような、高校生であった。
親は既に他界しており、身寄りも無かったが故、彼は施設を転々としていた。
誰にも優しく、そして強かった反面、彼は寡黙な人間だった。
それが災いとなり、彼は施設で、一部の人間から酷い虐めを受けた。
耐えに耐え、今まで必死に生きてきたのだ。
その所為でだろうか、彼は今の時代、平成を異様に嫌っている。いつからかは分からない。いつの間にか、そう考えていたからだ。
昭和は良かった。だから今が嫌いだ。そんなのでは無い。純粋に彼は、昭和なら、まだここまで酷くない。と感じたのだろう。
昔はヒーローがいて、みんなを守ってくれた。でも、平成はそうじゃない。どこも平和じゃない。そんな思いもある。
学校は休みだった。今から彼は、ある場所へと向かう。
歩いて20分。マンションを降りて、町を少し歩けば、そこに辿り着いた。
「……」
そこは、単なる路地裏……“だった場所だ。”
グルルルぅぅ……
生理的な嫌悪感を示す唸り声、まるで蜘蛛を思わせるソレの名は、“アラクネアワーム ルボア”。
青色と赤色が混じり合った歪な蜘蛛の怪物。人智から外れた、理解の及ばぬ存在、ワームであった。
「……」
彼はその存在を知っていた。嫌、寧ろ元々知っていたのだろう。
怪物を見据え、彼は、“ソレ”を取り出した。
白色の、機械時計のようなソレ。ベルトだ。
ベルトを腰に持っていった瞬間、それは腰に巻き付いた。
新は、手に持っている金の時計……“ライドウオッチ”のボタンを押した。
『バールクス!』
そしてウオッチを、ベルトの右側に装填、新の後ろ側には、巨大な時計が出来る。
手を内側に向け、一度空へ手を伸ばし、また下に持ってくる、そして……
「変、身……!!」
『RIDER TIME!』
『仮面〜ライダ〜バールークス!』
「……」
―――世紀の王、平成の悪魔、ここに再臨。