平成の悪魔   作:411ayumi

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第二話 そこにいる実感

「……」

 

あれから数日……それからは何事もなく、普通の一日を南澤は過ごしていた。

 

それに彼は高校生だ。数日間もそうだが、ちゃんといつも通っている。彼の高校は 穂群原学園だ。

 

「……」

 

制服を着ていながらも、その寡黙でどこか危険な雰囲気だけは、あまり消えそうにない。

 

元々がそうだったからだ。あまり喋るタイプの人間では無かったし、それに力がなまじ強かった。それが災いとなったのだ。

 

結果、彼は集団によるイジメを受けた。酷いものだった。世の中のイジメに、更に悪意を入れ込んだようなイジメだったからだ。

 

だが、助けてくれた人物がいたのだ。その人物もまた、同じ学校にいる。

 

          ――――

 

「……おはよう」

「お、南澤! おはよう!」

 

学校、彼の行く教室、2年C組、そこには親友がいた。その名は……

 

「衛宮……」

 

衛宮士郎。弓道部で、南澤の親友。そして、彼の恩人でもある青年だ。そして、彼を助けた男でもある。

 

「朝練、あるんじゃないか?」

「いや、今日は無かったんだよ」

 

ごく普通の会話。南澤にとって、唯一心を開くことが出来る空間。どんな時よりも、なによりも自分がちゃんとした人間であると、感じることが出来る時間。

 

「衛宮……」

「ん? 何だ?」

「藤村先生に、急に変なことを言われたんだ……正直気にしている」

「……なんて言われたんだ?」

「……それは」

 

『あなたはM○テに出れるようないい顔してるんだから! もっと騒いで騒ぎまくればモテモテになるわよ! 間違いない!』

 

「……そんなM○テ顔なのか?」

「い、いや……ま、まあいいじゃないか! 有名人と似てるってことじゃん!」

「腑に落ちん……」

 

他愛のない会話だが、南澤にとっては唯一の時間だった。衛宮だけでなくとも、誰かと話をするのも、彼にとっては楽しみの一つなのだ。

 

「もうそろそろチャイムが鳴る……またあとでな」

「ああ!」

 

楽しい学校生活は、ちゃんと過ごせている。

 

 

         ――――

 

「……」

 

帰り道、人通りの多い道を抜け、住宅街に出る。やがて段々と人気も少なくなり、歩きやすくなる。

 

(楽しいな……学校は)

 

そんなことを考えながら、歩いていく。自然と笑顔になってくる。

 

そうして、空を見上げた。

 

「……綺麗だな」

 

夕時の空が余りにも綺麗に見えた。自分の嫌いな時代の空なのに、と疑問を感じていた。

 

(だが……違う。こうじゃないんだ)

 

「……!!」

 

前と同じ感覚……<怪物>が現れたのだろう。妙な気持ち悪さがした。

 

「行かねば……!」

 

住宅街を走り抜けていく。怪物を殺すために。

 

 




もうすぐ聖杯戦争です!
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