―――夕暮れ時の路地裏を走り抜け、南澤は“敵”に辿り着いた。
「・・・」
その怪物は、これまでの怪物とは違う、何かを感じた――雰囲気なのか、それとも感覚がそうさせているのだろうか。
まるで寄生虫が目から飛び出たかの様な悍ましい顔、そして、鬼を思わせる様な体。
これまで倒してきた怪物とは変わらないが、この怪物は“何か”が違った。
「なんだ・・・コイツは」
それに、“明確な意思”まで感じさせたのだ。
「・・・南澤、真」
「!!」
突然怪物は南澤の方を振り向き、声を出した。
「・・・貴様、何者だ?」
「“我が主”の命により、貴様の力を奪わせてもらう」
そうして怪物は刹那の速度で――南澤に襲いかかってくる。
「グッ!」
怪物の拳を右のスウェーで避け、自分も拳を握り、怪物に向ける。
「フンっ!!」
「・・・!」
怪物・・・否、“アナザー電王”を、素手の拳で南澤は押し退けてみせた。
「まさか、もうそこまで“クォーツァー”の力を・・・!」
「・・・訳の分からんことを」
南澤はジクウドライバーを取り出し、腰に取りつける、そしてポケットから取り出したウォッチは、“金に青のウォッチ”だった。そして上部のボタンを押した。
『ザモナス!』
そしてそれをジクウドライバーの右側に取り付ける。
背後に現れるのは、“金の尖った縁をした、赤と青の時計”だ。
「変身・・・アマゾン!!」
『ライダータイム!』
『仮〜面ラ〜イダーザモナス〜!』
瞬間、赤い炎が爆発する。周りにあるゴミなどを吹き飛ばし、広がっていく。
「グオッ!?」
アナザー電王は壁際にまで吹き飛ばされる。
赤い炎が晴れると、そこにいたのは、赤と青の体色をした、獣の様な戦士だった。革のベルトはまるで何かを封印するかのように、胸の両側から出ていた。
「・・・」
“仮面ライダーザモナス”は、アナザー電王へ視線を向ける。これから狩る相手を、正確に確認しているのだ。
「貴様を、潰す!」
「ムオオオ!!」
走る――獣のような動きで縦横無尽に動き回り、蹴りやパンチでアナザー電王を追い詰める。
「グアッ・・・!」
「おのれ!」
アナザー電王も負けじと、剣を取り出し、動きを止めたザモナスに切りつけようと襲いかかる。
「フン! オオッ!」
アナザー電王の一閃をその場で回避していく。無駄のない動きで、攻撃してもいないのに、逆に壁際に追い詰めていく。
「ぐ・・・ウワァァァ!」
「効かん!」
――ガシッ!
ザモナスは、アナザー電王の剣をそのまま手で掴み上げる。
「ぐっ・・・は、離せ!」
「・・・終わりだ」
ジクウドライバーの上部ボタンと、ウォッチの上部をボタンを押し、ジクウドライバーを回す
『ザモナス! タイムブレーク!』
「ハッ!」
ザモナスは、そのまま剣を離してジャンプをし、空中で両足を揃え、そのまま・・・
「ゼアッ!!」
ドロップキックをアナザー電王の胸元にぶち当てた。
「グァァァァァ!!!」
刹那、爆発が起き、アナザー電王は跡形もなく吹き飛ばされた・・・かと思われた。
「・・・終わり・・・!?」
爆発したそこから現れたのは・・・“黒い服を着た男”であった。
「お、おのれ・・・」
「これ程にまで・・・“創世の王”に近づいているというのか!?」
その男は、立ち上がろうと動き出すが、南澤はすかさず男の胸倉を掴む。
「貴様・・・何者だ?」
「・・・」
「言え!」
南澤は、声を荒らげた。力を込め、男をそのまま浮かばせる。
「グッ・・・」
「言わなければ、殺す」
男は、口を開く――
「・・・“我が主”は、お前に会いたがっている」
「聖杯戦争、その始まりの日」
「終焉が、かつて“逢魔の王”が、“創世の王”に滅ばされた、その日に」
「全てが、始まるのだと」