平成の悪魔   作:411ayumi

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第五話 主

「・・・訳が分からん。待て、逢魔の王?  創世の王?  なんの話をしている」

 

「・・・」

 

黒い男の胸ぐらを掴みながらも、南澤は困惑した表情で男を睨んだ。

 

「・・・そうか、それについてはまだ知らないのか」

 

「いいだろう、教えてやる・・・」

 

 

 ――――南澤が生まれる前から更に何年か前のことだった。

 

第四次聖杯戦争が起きる前、それは突如として、冬木の端に“落ちてきた”。

 

彼――アナザー電王の変身者であるこの男は、主の命により、聖堂教会や、魔術協会よりも先に“落ちてきたナニカ”に辿り着いた。

 

『こ、これは・・・!?』

 

そこにいたのは――ボロボロの金と黒の鎧に覆われ、体の所々の装甲はグチャグチャとなり、顔の仮面が割れた、“ナニカ”だった。

 

そう、それは“逢魔の王”、“オーマジオウ”であった。

 

 

                                  

 

 

「その日から我々は、逢魔の王を保護した・・・まだ19ぐらいの年齢だったが、まるでその精神は本当に王の様だったよ」

 

「・・・ソイツと俺に、何の因果がある?」

 

「・・・」

 

「いやそもそも、何故その逢魔の王が、創世の王とやらに負けたと分かる?」

 

「それは・・・彼自身がそう言ったからだ」

 

「創世の王、その名は」

 

 

「―――“シンゲツバールクス”、そして、その王によって、倒されたと」

 

「バー、ルクス? ・・・」

 

「我が主も、そして逢魔の王もこの存在を消そうと必死なのだ」

 

 

「創世の王、この存在こそ、―――貴様の力の大元だ」

 

                                   

突然の告白だった。南澤は思わず胸ぐらの手を離し、顔を下に向けた。

 

自身の持つ力、バールクス。それと同じ名を冠する“シンゲツバールクス”。脳の処理が追いつかなかったのだ。

 

「クォーツァー、それもまたシンゲツバールクスの率いた軍勢さ。君はその力を何かしらのことが原因で引き継いだのだろう」

 

「理由は分からんが・・・君は“選ばれたのさ”」

 

男は、笑って南澤を見た。邪悪のような笑みは、正に悪魔そのものだった。

 

「逢魔の王は・・・どこへ行ったんだ」

 

 

「さあな、保護してから1週間後でどこかに消えたからな。我々には分からん」

 

「まあだが、我々にも目的があるのさ。それは我が主を」

 

「――王とさせること」

 

「我が主が王となった暁には、世界は救われる」

 

男の顔は、悪魔のようなものではなくなり、南澤の顔を覗いた。

 

男は手に握っていた“ソレ”を南澤に見せた。

 

「それは・・・ライドウォッチ、なのか?」

 

「そうだ、これは“アナザーウォッチ”。我が主によって作られた力だ。俺の場合、これは“アナザー電王”となる」

 

「まあ、そのことはいい・・・」

 

男は、一瞬フラッとしながらも、後ろを振り向き、歩き出した。

 

「また、会おう。次は主の元でな・・・」

 

「2日後、俺はお前の元にまた現れるだろう」

 

その一言だけを残し、男はその場からいなくなっていた。

 

南澤は呆然としたまま、ただ目の前を見続けていた。何が起こっていたのかも忘れるくらいにまで、先程の話が衝撃だったのだろう。

 

「・・・」

 

南澤も、重い足取りでその場から離れていったのであった。

 

                             

 

――黒い空間、そこに、1人の青年がいた。

 

 

「・・・」

 

「どうなされた、“テオス”よ」

 

その青年――テオスの前に、4つの青い火の玉が現れる。どうやら、青年の部下であるようだ。

 

「お前たちに、どうか頼みがあります」

 

「肉体をお前たちに授けます。そしてある者を、影から守ってください」

 

「誰を?」

 

 

「“南澤真”、彼を影から守ってあげてください」

 

「どうなら何かが、彼を目標に動き出しているようです」

 

 

 

 

 

 




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