戦姫絶唱シンフォギア~希望の歌姫と欲望の王~   作:大同爽

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更新ものすごく遅れてしまってすみません!
更新しなきゃしなきゃと思いつつ手が止まり、そんな折にオーズ10thで情緒をぶっ壊されて完全に手が止まってしまってました。
そんな中で先日シンフォギアライブ行ってきまして、シンフォギア熱が一気に復活しました。
そんなわけで長々とお待たせしてしまってすみません!
更新遅れた分頑張りますのでよろしくお願いします!
そんなわけで最新話です!



戦姫絶唱シンフォギア~希望の歌姫と欲望の王~、前回までの3つの出来事

1つ!ライブ会場のノイズをすべて倒すことに成功したオーズこと火野映治。しかし、そこで映治の眼にしたものは瀕死のはずの奏の身体に取り憑いたアンクの姿だった。

2つ!始まりの出来事を語り終えた映治。そんな映治とアンクにすべてを聞き終えた風鳴弦十郎は奏の肉体を返すように頼む。しかし、そこで語られたのはアンクが離れることで奏の身体は植物人間状態に戻るという真実だった!

そして3つ!弦十郎の提案、映治の「毎日三食の食事の後にアイスを奢る」という約束によってアンクが了承。映治とアンクは特異災害対策機動部二課との協力関係を結ぶこととなったのだった!


Count the Medals!
現在、オーズの使えるメダルは――


029~和解と歓迎会と買い物~

 

「と言うわけで、改めての紹介だ!」

 

 弦十郎さんのにこやかな声が響く一室。飾り立てられ豪華な料理の並ぶそこには大弾幕で「歓迎!雪音クリスさん&火野映治くん&アンクくん」の文字が躍る。

 しかし、弦十郎さんの朗らかな様子や室内の装飾の華やかさに反して集った面々の空気はピリついている。――より厳密に言うならピリついている二名の雰囲気に当てられてパーティーの会場は空気が重苦しくなっている言うべきだろう。

 そんな空気を払拭する為なのかより一層明るい雰囲気で弦十郎さんは並ぶ俺達を示し

 

「雪音クリス君!第二号聖遺物『イチイ・バル』の奏者!そして、火野映治君!グリードやヤミーへの対抗戦力『オーズ』の変身者!そして、われわれに協力してくれるグリードのアンク君!俺達の新しい仲間達だ!」

 

「ど、どうも……」

 

「よ、よろしくお願いします!」

 

「………」

 

 恐る恐るお辞儀するクリスちゃんと弦十郎さんの雰囲気に乗っかってどうにか明るく言う俺だったが、紹介されたもう一人、俺の隣に立つアンクは心底面倒臭そうにそっぽを向いている。

 そして、そんな俺達に対して――と言うか、アンクに対して鋭い視線で半ば睨むように見ている風鳴翼さん。この二人の雰囲気で他の二課の人達もいまいちお祝いムードになり切れないでいるようだ。

 特に風鳴さんの隣に立たされている響ちゃんや未来ちゃんなんかはどうしていいのかわからずオロオロとしている。

 と――

 

「ッ!ッ!」

 

 横からクリスちゃんがこっそりと俺に肘で小突く。そっと視線を向けて見れば

 

「(お前何とかしろよ!)」

 

「(お、俺ッ!?)」

 

「(この鳥野郎の保護者みてぇなもんだろお前ッ!)」

 

「(い、いや、俺は――)」

 

「(いいからさっさとこの葬式みてぇな空気どうにかしろ!)」

 

 アンクの保護者扱いはとりあえず置いておいて、クリスちゃんの言う通りこの重苦しい空気は何とかしないと。

 俺は意を決して

 

「あの…風鳴さん……?」

 

 恐る恐る話しかける。と――

 

「火野映治さん」

 

 俺の言葉を遮って風鳴さんが口を開く。

 そのまま俺に目の前に歩み寄ると

 

「この二年間、奏の身体を守っていただき、本当にありがとうございました。そして同時に、知らなかったとはいえ、これまでのあなたへの数々の非礼、ここにお詫びいたします」

 

「うぇッ!?ちょ、風鳴さんッ!?」

 

 突如俺に向けて頭を下げた風鳴さんに俺は虚を突かれ慌てふためく。

 

「あ、頭を上げてください!これまでのことなんて俺気にしてないですから!」

 

「いいえ、これから共に戦っていくのであれば出来る限り遺恨を残したくありません。だから――」

 

 言いながら風鳴さんはチラリとアンクを睨み。

 

「本能が拒否するヤツとの共闘も不承不承ながら理性で受け入れましょう。奏の身体で無茶をされないよう側で監視もできますから」

 

「風鳴さん……」

 

「翼でいいです。それに敬語も不要です。あなたの方が年上なのですから」

 

「……うん、わかった。改めてこれからよろしくね、翼ちゃん。俺のことも映治でいいから」

 

「ええ、よろしくお願いします、映治さん」

 

 そう言ってお互いに固く握手を交わす。

 そんな俺達を見てこの場に集まっている面々がホッと息をついた。ただ一人――

 

「はんッ!仲良しこよしでいいこったな」

 

 アンクを除いて。

 アンクは肩を竦めてさっさと席の一つに座り、近くにあったクーラーボックスからアイスキャンディーを取り出し乱暴に封を開けてかぶりつく。

 

「悪いがそのお人好しのバカと違って俺は馴れ合うつもりはねぇ。利害が一致しているから行動を共にするが、俺のメダル集めの邪魔だけはするんじゃねぇぞ」

 

 そう言って鼻を鳴らすアンク。

 そんなアンクの態度にカチンと来たらしい翼ちゃんはギロリとアンクを睨み

 

「映治さん、先程『理性で受け入れる』と言いましたが、少し訂正します」

 

「え?」

 

 呆ける俺に応えず、翼ちゃんはツカツカとアンクに歩み寄る。

 

「あぁ?なんだ?なんか文句でもあんのか?」

 

 そんな翼ちゃんにアンクも睨み返す。そのまま数秒睨み合った二人。

 

「文句なら山ほどある。が、今は一番の文句は――ッ!」

 

 言いながら翼ちゃんは素早くアンクの口からアイスを奪い取る。

 

「テメェ、何しやが――!」

 

 文句を言いかけたアンクだったがその口はすぐに

 

「フッ!」

 

「もがッ!?」

 

 翼ちゃんに近くのテーブルから取った唐揚げを押し込まれ塞がれる。

 

「お前はいつもいつもこんなものばかり食べて!これで奏が目覚めた時に身体に不調を残したらどうする!?肉や野菜をとれ!もっとバランスのいい食事をしろ!」

 

「問題そこなんですね……」

 

 翼ちゃんの剣幕に響ちゃんが苦笑いで言う。しかし、その横で

 

「でもちょっとわかるかも……」

 

 未来ちゃんが苦笑いで頷く。

 

「私も例えば響の身体であんな風にアイスばっかり食べられたら心配になると思うし」

 

「そうなんだよねぇ…俺も常々ちゃんとご飯食べろって言ってるのに、あいつ聞かないから手を焼いていたんだよね」

 

 そんな未来ちゃんの言葉に俺も頷く。

 翼ちゃんの剣幕にアンクもとりあえず口に詰め込まれた唐揚げを咀嚼する。その間に翼ちゃんはテーブルをまわりお皿に料理を盛っていく。その様は彩も何もなく目についたものをまとめて盛っていくばかりだ。

 

「アイスの代わりにまずはこれを食べろ!」

 

 サラダや唐揚げ、鶏肉のソテーなどなどの料理が山の如く盛りつけられている皿をドンとアンクの目の前に置く。

 

「アホか!こんな量食えるか!?」

 

「奏ならこのくらい食べられる!」

 

「……チッ!」

 

 翼ちゃんの言葉に奏ちゃんの記憶を共有しているアンクはその言葉が嘘ではないことを悟り舌打ちをしてお皿の料理に向き直り

 

「……おい、何だこのチョイスは?」

 

「とりあえずバランスを考えて各種緑黄色野菜のサラダ類に、肉類の中でも奏は鶏肉が好きだったから鶏肉中心に選んでおいた」

 

 眉を引くつかせるアンクに、翼ちゃんはドヤ顔で言う。

 そんな様子を見ながら

 

「なあおい、あれマジか?あいつ鳥のグリードだろ?」

 

「そんなアンクさんに鶏肉って、わざとなんでしょうか?それとも素なんでしょうか?」

 

 呆れ顔のクリスちゃんと苦笑いの未来ちゃんの言葉に緒川さんや弦十郎さんがため息をつき

 

「恐らく素ですね。実際奏さんは鶏肉が好きでしたし」

 

「どうせ食べるなら奏の好物を食わせてやりたいという思いやりなんだろうがなぁ」

 

「たぶんアンクもその辺がわかってて、変に皮肉とかでしてることじゃないから呆れてるんだと思いますよ――ほら、呆れすぎて文句言う気力も出なくなったのか素直に食べ始めましたよ」

 

 俺も苦笑いで見ながら指さす。

 俺達の視線の先ではアンクがしぶしぶ翼ちゃんの持ってきた料理を口に運び始める。そんなアンクの様子に満足げに頷いた翼ちゃんはこちらに戻ってくる。

 

「あぁっと、そうだ」

 

 そこで弦十郎さんが気を取り直した様子で口を開く。

 

「今日で本格的にクリス君と映治君とアンク君が我々の仲間になったということでいつまでも二課の施設に仮住まいというのも味気ない。そこで、三人には新しい住まいを手配したぞ!」

 

「あ、あたしにもか!?いいのか!?」

 

 弦十郎さんの言葉にクリスちゃんは眼を見開く。

 

「もちろんだ!三人の二課の任務以外での自由やプライバシーは保証するぞ!」

 

「~~~ッ!」

 

 クリスちゃんはそんな弦十郎さんの言葉に感極まった様子で目に涙を浮かべ、しかし、すぐに慌てて涙を拭う。

 そんなクリスちゃんの様子に

 

「ッ!?」

 

 翼ちゃんはハッと何かに気付き

 

「案ずるな雪音!合鍵は持っている!いつだって遊びに行けるぞ!」

 

「はぁッ!?」

 

 ポケットから取り出した鍵を見せながらニコニコと言う。

 そんな翼ちゃんの言葉に唖然とするクリスちゃんだったが

 

「私も持っているばかりか、なんと~?」

 

「私も貰ってるよ」

 

「さらにさらには引っ越しがすめば映治さんとアンクさんにも~!」

 

「え?俺達にも?」

 

 響ちゃんと未来ちゃんまでニコニコと同じ鍵を取り出す。そんな光景にクリスちゃんも我慢の限界だったらしく

 

「自由もプライバシーもどっこにもねぇじゃねぇかぁッ!!というか年頃の女の部屋の鍵を男に渡すんじゃねぇよ!!」

 

 と、至極当然の言い分を叫んだのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 俺達が正式に二課所属になってから数日が経った頃

 

 ――ピンポ~ン

 

 二課で用意してもらった俺の部屋のチャイムが鳴る。

 

「はいは~い」

 

 俺は返事をしながらドアを開けるとそこには

 

「あれ、クリスちゃん?どうかした?」

 

 クリスちゃんが立っていた。

 

「……ちょっと付き合ってほしいところがあるんだけどよぉ」

 

「付き合ってほしいところ?」

 

「おう、特機部二のシンフォギア装者になったら小遣い貰えるようになったんだけどよ、そいつでちょいと買いたいものがあるんだよ」

 

「買い物?でも俺で力になれるかな?翼ちゃんや響ちゃん、未来ちゃんたちの方がいいんじゃない?」

 

「あいつらじゃダメなんだよ!」

 

「ん~、まあ俺で力になれるならいくらでも手伝うけど……」

 

「よしッ決まりだな!じゃあさっそく行くぜ!」

 

 頷いた俺をクリスちゃんはぐいぐい引っ張って街に出掛ける。

 そして、目的の店に着いたのだが――

 

「ぶ、仏具店……?」

 

「おうよ!一番カッコいい仏壇を買うぜ!」

 

「い、意外と渋い趣味してたんだね……」

 

 クリスちゃんの意外な趣味に驚きつつ店に入った俺達は店の中をぐるっと見て回り店員さんの話も聞きながら最終的にこれというものを決めたのだが――

 

「え、持って帰る!?今日これを!?」

 

「当たりめぇだろ!」

 

「配送頼んだら?流石にこれを背負って持って帰るのは無茶だよ?」

 

「できるだけ急いで家に置きてぇんだよ!」

 

「でもなぁ……」

 

 頑として譲らないクリスちゃんに俺は少し考え、最終的に弦十郎さんに頼んで輸送用に車を手配してもらった。

 そして――

 

「これでよし!」

 

 クリスちゃんが自身の部屋の一室に鎮座する仏壇を満足げに見ながら頷く。

 

「わりぃな、付き合わせちまってよ。お陰で助かったよ」

 

「いや、まあ別にいいんだけど……」

 

 お礼を言うクリスちゃんに応えながら

 

「でも、仏壇なんて買ってどうするの?」

 

「……あたしばっかり帰る家が出来ちゃ、パパとママに申し訳ねぇだろ?ちゃんと弔わずにそのまんまって言うのも気になってたしな」

 

「……そっか」

 

 クリスちゃんの返答に俺は頷く。

 

「ほれ、手伝ってもらった礼にお茶くらい出すぜ」

 

「うん、ありがとう」

 

 頷いた俺にクリスちゃんは言いながらキッチンに向かう。

 クリスちゃんを見送った俺は仏壇に向き直る。

 仏壇にはすでに彼女の両親の位牌が収められている。

 それを見ながら俺は仏壇の前に座り、リンを鳴らす。

 チーンと小気味のいい音を響かせて俺は手を合わせ、そっと目を瞑る。

 そのまま少し経ってから

 

「なかなか来ねぇと思ったら、何してんだ?」

 

 クリスちゃんが顔を覗かせる。

 

「……うん、ちょっと挨拶だけ、と思って」

 

「……そうか、ま、なんでもいいけどお茶の準備できたから早く来いよ」

 

「うん、今行くよ」

 

 クリスちゃんの言葉に頷き立ち上がる。

 立ち上がってからもう一度チラリと仏壇に視線を向け、今度こそクリスちゃんの元に行くのだった。

 




というわけで改めまして、更新が遅くなってしまい申し訳ありません!
更新しないとと思いつつ手が止まってしまい、オーズ10thで一気に情緒ぶっ壊されて手が完全に止まりました。
見た人ならわかると思いますし、皆さんいろいろとあの映画思うところあると思いますが、私個人としてはあの結末は「火野映司」という人間らしい気はするのですが、それとその結末を受け入れられるかどうかは別の話でありまして……
そんなこんなで何となくこの作品からも少し気持ちが離れかけていたのですが、先週のシンフォギアライブに行ってきまして、生で声優さん達の生歌を聞いたことで一気にシンフォギアへのモチベーションが回復したのでこのまま小説の続きを!と奮起した次第です。
シンフォギアライブもいろいろ感想はありますが、一番思ったのは「あ、悠木碧さん達って実在したんだ……」という妖精かUMA的な実在するかあやふやなものを見たような気分でした(笑)
それはともかく、そんなこんなでもう一度ちゃんと書き始めることにしました!
お待たせしてしまった方、本当に申し訳ありません!
本格的に復帰しますので今後もどんどんご感想いただければ嬉しいです!
そして、次回よりついに「シンフォギアG」の内容に入って行きますのでお楽しみに!
それではまた次回!



~追記~
「オーズ10th」は何とも言えない終わり方でしたが、「ハリケンジャー20th」に公式Twitterが言及していたので「オーズ20th」があるという一縷の望みにかけこういう解釈をすることでとりあえず自分を納得させることにしました。

【挿絵表示】

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