カルデアの問題児も異世界から来るそうですよ?   作:-b±√b²ー4ac/2a(改名した)

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サブタイトルが浮かびません・・。
衝動書き(?)なので、誤字や変な言葉遣いになってるかもしれません。
一応見直しはしましたが、あればご指摘お願いします。


第一話 天幕の内側

説明が終了し、わたしたちは黒ウサギに箱庭まで案内されていた。

 

 

 

「おい、お嬢様たち。ちょっくら世界の果てまで行って来るから止めてくれるなよ」

 

 

「ええ」

 

 

「わかった」

 

 

「いってらっしゃい、十六夜くん!」

 

十六夜くんがそう言い放った。黒ウサギは上機嫌に前を歩いて、まだ気づいていない。

 

正直少し行きたいが、ここは安全第一。それに、〝箱庭〟の情報を重視しよう。

 

 

すると、十六夜くんは爆発したと思うような音で地面を蹴り、あっという間に消えて行ってしまった。

 

 

(それにしても、黒ウサギはこんな音にも気づかないって、何がそんなに嬉しいんだろう?)

 

 

 

「ジン坊っちゃ~ん!新しい人を連れてきましたよ~」

 

 

 

 

 

「おかえり、黒ウサギ。そちらの女性三人が?」

 

 

「はい。こちらの御四方が・・あれ?」

 

 

「ってあれ、もう一人の方は?」

 

 

「十六夜くんなら、世界の果てを見に行って来るぜと言っていたわ」

 

 

「どうして止めてくれなかったんデスカ?」

 

 

「止めてくれるなよって言ってたし・・」

 

 

「なら、どうして黒ウサギに教えてくれなかったんデスカ!」

 

 

「黒ウサギには言うなよ。と言われた」

 

 

「絶対嘘です!三人とも言うのがめんどくさかっただけデス!」

 

 

「「「うん」」」

 

三人同時に首を縦に振る。

 

 

「ジン坊っちゃん・・お二人のご案内をお願いします・・・。私は問題児様を連れ戻して参ります・・!」

 

黒ウサギはその青い髪を紅色に染め、走り出す。その速度は、さっきの十六夜くんと同じかそれ以上だった。

 

 

「紅い黒ウサギもかわゆいな~」

 

はっ!つい、自分の中のおっさんが目覚めてしまった!!

 

 

「〝箱庭〟のウサギはずいぶん速く飛べるのね」

 

久遠さんはわたしの今の発言に対しては、ノータッチで行くそうだ。

 

 

「箱庭のウサギは、〝箱庭の貴族〟と呼ばれる創始者たちの眷属ですから・・。さあ、こちらへどうぞ。〝箱庭〟の中を案内します」

 

ジン坊っちゃんは、天幕の中に入っていく。わたしたちは、〝箱庭〟についての説明や、そこに住む種族たちの説明を受ける。要約するとこうだ。

 

・箱庭では、〝コミュニティ〟というものに所属しないといけない。

 

・コミュニティに所属していないと、ギフトゲームに参加できない。

 

・魔王は、強大な力を持つ者で、魔王が仕掛けたギフトゲームを断ることはできない。

 

 

「ええと、コーヒー一つと緑茶を一つ、紅茶を二つ。それと、」

 

 

「ニャー」

 

 

「はいはい、ティーセット四つとねこまんまですね」

 

 

「三毛猫の言葉が分かるの?」

 

 

「そりゃわかりますよ。私は猫族ですから!」

 

 

「ニャーニャー」

 

 

「もう、お客さんったらお上手なんですから」

 

どうやら会話が成立しているようだ。雰囲気的に春日部さんの三毛猫が、獣っ娘ウェイトレスを口説いていたらしい。

 

 

「私以外に、三毛猫と話せる人がいるなんて、やっぱり〝箱庭〟はすごいね!」

 

 

「あなた、動物と会話できるの?」

 

 

「うん。久遠さんの〝ギフト〟はどんなの?」

 

 

「飛鳥でいいわ、立香さんも。私の〝ギフト〟は・・・」

 

飛鳥が〝ギフト〟を言い切る前に、大柄の男性が無理やり同席する。無理やり四人座ったので、若干狭く感じる。

 

 

「おやおや、最底辺コミュニティ名無しのリーダー、ジン君じゃないですか」

 

 

「どちら様ですか?」

 

 

「私はコミュニティ〝フォレス・ガロ〟のリーダー〝ガルド・ガスパー〟以後お見知りおきを。お嬢様がた、黒ウサギ共々、是非私のコミュニティに入りませんか?」

 

フォレス・ガロは、他のコミュニティとの〝旗印〟(コミュニティのの象徴)を賭けたゲームに勝ち続け、大きくなっているコミュニティで、戦力、規模、生活水準。すべてにおいて格上で、魔王の配下にある。さらに、〝ノーネーム〟というジン君のコミュニティは、魔王とのギフトゲームに負けたせいで、もともと大きかったのに、ギフトゲームに参加できるのも黒ウサギとジン君だけになるまで、追い込まれたらしい。

 

でも、二人はともかく、わたしは今サーヴァントも召喚できない(パスは繋がっているが)のに、魔術も礼装頼りだ。スカウトされても役には立たないだろう。そもそも、召喚された恩があるのに、ジン君のコミュニティから変えるつもりはない。

 

 

「わたしは召喚された恩があるし、迷惑じゃなければジン君のコミュニティにお邪魔させてもらうけど・・」

 

わたしは、久遠さんと春日部さんに目線を向ける。

 

 

「め、迷惑なんかじゃありません!むしろ助かります!」

 

 

「ええ、私もあなたのコミュニティには入らないわ。ジン君のコミュニティで間に合ってるもの。春日部さんは?」

 

 

「私は、この世界に友達を作りに来ただけだから」

 

 

「あら、そうなの?なら、私が友達一号に立候補してもいいかしら?」

 

 

「わたしは二号で我慢しますよ~だ」

 

一号の座を奪われてしまった・・。ちょっと拗ねてやろう。わたしは頬を膨らませ、そっぽを向く。

 

 

「うん、ありがとう。飛鳥、立香さん!」

 

 

「もう友達なんだから、呼び捨てでいいよ、耀」

 

そして、十六夜くんも〝ノーネーム〟側に入るだろう。無論、黒ウサギが入るわけもなく、【悲報】フォレス・ガロ、ナンパ失敗wwというハッシュタグが立ちそうなくらい見事にフラれている。

 

 

「私は全てを捨ててここにきたの。今さら恵まれた環境に入れられて、喜ぶと思う?」

 

ちょっと贅沢な悩みだが、覚悟が深いということはしっかり伝わってきた。

 

 

「しかし、」

 

 

『黙りなさい!』

 

 

「_________くっ!?」

 

ガルドさんが反論しようとした途端、無理やり口を閉められたように、歯を食いしばっていた。

 

 

「私、気になったことがあるのだけど・・・『そこに座って私の質問に答え続けなさい!』」

 

ガルドさんは、またもや飛鳥の言葉通りの行動をした。いや、ギフトでさせられたのかな?

 

 

「ぐっ・・!」

 

 

「ジン君、コミュニティの命とも言えるような旗印をそんなに簡単に賭けるものなのかしら?」

 

 

「いえ、やむを得ない状況で、他に賭けれるものがない場合くらいしか・・」

 

 

「そうよね。で、貴方は一体どうやってそんな大勝負に勝ち続けたのかしら?『答えなさい!』」

 

 

「ギフトゲームの前夜、コミュニティを襲い、女子供を攫って脅して勝利した」

 

 

「で、その攫った人たちをどうしたの?」

 

 

「最初は生かしていたが、泣き喚いてうるさいから殺した。それ以来、攫った人間は全員殺した」

 

 

「素晴らしいわ、ここまで絵にかいたような外道にも早々出会えなくてよ、エセ紳士さん」

 

 

「この小娘がーーー!」

 

 

 

飛鳥が〝ギフト〟を解除した瞬間、ガルドさんは上着が破れ、巨体になって飛鳥に襲い掛かる。

 

 

 

右手を構え、〝ガンド〟を放つ・・。

 

 

 

(あれ?無意識に使ったけど、今着てるのはアトラス院、なのにどうして()()()()()()()んだろう)

 

 

「喧嘩はダメ」

 

 

「・・・・・っく!」

 

一瞬止まった隙に、耀がその細い腕ではありえない程の力で、ガルドさんを組み伏せる。さすがにあっけなすぎではないだろうか?それとも、春日部さんが強すぎるのだろうか?

 

 

「私達とギフトゲームをしましょ。貴方達フォレス・ガロの存続と、私達ノーネームの誇りと魂を賭けて!」




今回はどうでしたか?

前回も満足していただいたり、今回が面白いと思ってくれれば、幸いです。

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