四季の刃   作:草ナギ

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拾弐ノ型 選別を終えて(姉視点)

 最終選別を終えて刀を作る石を選び、鎹鴉を授かり隊服を貰った……のだが。

 

 「……なにこれ」

 

 上半身はまだ良い、問題は下半身だ。

 この時代でタイトスカートを見るのは初めてだった。

 しかもミニである。それに右側に深くスリットが入っていた。

 これを着て歩くだけでも太ももは丸見え、深いスリットによってズロース(下着の一種)までもが丸見えだ。

 

 「わぁ……動きやすそう!……じゃないわぁ!!」

 

 ベッシャッ!っと音を立てて投げ捨てる。そして拾い直し、空中で投げて持っていた山椿さんの刀で切り刻む。手入れ後だからか切れ味が良い。

 

 「楓!」

 

 「楓、落ち着いてくれ!」

 

 むきーっ!!っと怒っている私を羽交い絞めして止める義勇。

 羽交い絞めされても刀を持っている右腕が動いてぶんぶん振り回す私を止めようとする錆兎。

 そんな暴れる私を一歩下がって見ている同期達。(若干青褪めている)

 とりあえず、隊服は作り直す事になった楓だった。

 余談だが、隊服を作ったとされる男は涙を流したという。

 

 □■□■□■□■□■□■

 

 

 義勇と錆兎と途中で別れて山椿さんが居る山まで歩く。

 正直身体が重い、心底疲れた……。

 山を登っているとやっと小屋が見えて来た。

 もう、倒れたくて仕方がなかったけど、気合いと根性で何とかした。

 意識が無くなりかけて転ぶと理解したけど身体が言う事を聞かなくて……

 

 (ああ、転ぶ……)

 

 目を閉じかけた時だった。

 

 「おやおや、楓、おかえり」

 

 何か暖かいモノに支えられている事に気が付いて、声が聞こえた方、上に顔をあげた。

 そこに居たのは山椿さんだった。

 どうやらこの人が支えてくれたらしい。

 

 「とりあえず、お疲れさん。無事に突破したようだね」

 

 山椿さんは私にそう言うと、ひょいっと俵抱きして小屋まで連れて行ってくれた。

 小屋に入ってまずした事は寝る事だった。

 我慢の限界だったので多分、秒で寝たと思う。

 だって、気が付いたら朝だったんだよね。

 で、次にしたのは井戸で身体を洗ったわー。乾燥したへちま(山椿さんがくれた)で良くゴシゴシとね。

 私が身体を洗って流してる時、山椿さんが料理をしてくれてた。

 白米と麦飯を混ぜたほかほかのご飯、山の幸であふれてるお鍋、川魚の串焼きに、たくあん。

 とても美味しかったなぁ。お茶を飲んで一息入れていると山椿さんが

 

 「これであんたも鬼殺隊の隊士だ。……少し話をしよう」

 

 「 ? はい」

 

 山椿さんの正面に座って姿勢を正し、正座した。

 

 「先に言っておくが、別に気にしなくても良い話なんだがな。一応知らせておくよ」

 

 「……はい」

 

 「言ってなかったが、私達が扱う【鏡の呼吸】は【水の呼吸】の【派生】だ。水鏡から取っていると、私の師範から教わっている」

 

 なるほど、水鏡か。物質の物だから、どの派生にも入らない完全なオリジナルなんだと思ってた。

 

 「最後の修行として狭霧山に行っただろう?あれも私達には必要な行動なのさ。特にあの山に行く必要がね」

 

 「それはどういう?」

 

 「最後の試練として岩を切る事。っと言ったが、本当はあの山の空気の薄さを体験してほしかったんだ。この山も空気は薄い方だが、あの山ほどではないからね」

 

 え、じゃぁ、私の苦労は……?

 

 「そんなしょぼくれないでくれ、突破した岩切りも意味はちゃんとある。それはとりあえず、端に置いておいてくれ。それでだ、あの山の空気の薄さに慣れると鏡の呼吸を扱う私達は仕方を覚えやすくなる。水の呼吸の奴らも確か同じだったハズさ」

 

 「え、じゃぁ、最初から狭霧山に小屋を建てて、そこで修行すれば良いんじゃぁ??」

 

 「あの魔鏡邸が此処でしか作れなかったんだ」

 

 「あ、ああー…。なるほどー」

 

 あの鬼畜ミラーハウスね……。あれは結構精神にクるんだよねー。

 

 「私達、鏡の呼吸を使う剣士はまず、鏡がどういう物で、どう扱えば良いか理解しないといけない。技に関してもそうさ、そこは流石に分かるね?」

 

 「はい」

 

 私達が扱う鏡の呼吸の技は意外と少ない。

 壱から伍しかないのだ。他の呼吸がいくつあるのかは知らないけど、同じ位の数の技しかない呼吸もあるとの事らしい。

 その辺は技が多い水の呼吸が羨ましく感じてしまうのは、隣の芝生は青く見えるという事なのかな?

 でも、結構私としては鏡の呼吸は扱いやすいから良いんだよね。しかし、問題が一つある。それは……

 

 「時に、壱ノ型は”使える”のか?」

 

 「う”っ……」

 

 鏡の呼吸 壱ノ型 明鏡止水(めいきょうしすい)。

 本来なら壱ノ型とは基礎の技なのだが、鏡の呼吸は違う。いや、違わないんだけどね?最初に教わる呼吸なんだけどさ。

 どういう訳か鏡の呼吸ではある意味必殺技なのだ。

 名の通り、”くもりのない鏡の如く、静かに澄んだ水の如し”で、足音も刀を振るう音さえも一切立てず、静かに、早く駆けて、気付かれることなく頸を一閃する技……なんだけど、これが難しい!一応使えるけど、時々失敗するのだ。

 例えばだけれど、膝までの湖に浸かって、音を立てずに素早く走って、気付かれない様にするモノなんだよ?

 しかも、この技が完璧に使えれば【柱】に近付けるって、言われてる程だからこれって基礎じゃないよね?

 正直、【反射鏡】を壱ノ型にした方が良いと思う。いや、マジで。

 

 「い、一応使えます。これからも精進しますけど」

 

 「うん、そうしなさい。さて、次は岩切りの件なんだが」

 

 「ああ、はい。あれはどう意味があったんですか?」

 

 「あれには二通りの意味がある。まずは、鱗滝さんの所の弟子との顔見せだ」

 

 え?岩関係なくない?

 

 「好敵手が居ると意外と良い刺激になるものだ。あんたはそうでもなくても、あっちはどうだろうね?特にあんたは女。あっちは男。それなりにあっちは先を越されたらって焦るだろう?あとはあんたがあっちをどこまで意識して強くなろうと言う意思、先に切ってやると言う負けず嫌い精神……とでも言っておこう。それがどういう風に刺激されるか気になった感じだね」

 

 おおう、ライバルが居て初めて発揮される精神の成長と、純粋な力比べをさせられてた感じか。

 

 「そして、もう一つだが……これは今言った事とあまり変わらない。つまり、あんたが何処まで成長しているか知りたかったからさ」

 

 「成長ですか?」

 

 「そう、成長。あんたの頭にはあの時、呼吸法を頭でしか理解していなかった。それを直ぐに、どんな状態でも、臨機応変に使えるかを知りたかったんだ」

 

 なるほどなー、要は実力テストを受けさせていたって事か。納得。

 

 「さて、話は終わりだ。あんたはもう少し休んでな。刀が出来るまで日にちはたっぷりある。今日はしっかり休んで、明日からまた鍛錬するよ。いいね?」

 

 「はい」

 

 山椿さんはそういうと隣の部屋へ行った。

 んー!とにかくまだ眠いし、また寝よう。そうしよう。

 そうして一日は過ぎ、次の日から、刀が出来るまで鍛錬の日々でした。

 

 




鏡の呼吸についてちょっと書いてみました。
壱ノ呼吸が基礎で、必殺技っていうのがやりたかったんですよね。
まぁ、難しいんですけどね。
原作入るまで長いかも。しかも、その内妹視点が減る可能性もあったり。
がんばれ妹!ふぁいとだ妹!
妹の話でネタがありましたら感想に書いていただけたら嬉しいです!
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