四季の刃   作:草ナギ

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拾肆ノ型 刀と初任務(姉視点)

 最終選抜から十五日、山椿さんの小屋に新しい隊服が届き、ひょっとこのお面を付けた人が来た。

 この人が私の刀を作ってくれた鉄林小鎚(てつばやし こづち)という人だ。

 山椿さん曰く、一応刀鍛冶の里でまともな人間に入るとの事。

 ……まともな人間?ひょっとこのお面付けてる人がまとも?一体どんな所だ刀鍛冶の里。

 なんていうと鱗滝さんの事が頭を過ったけど気にしたら負けかなって思ってる。

 

 「日輪刀は使う者が抜くと色が変わるんだ。だから【色変わりの刀】とも言われている」

 

 「さて、あんたの刀は何色に変わるだろうね?まぁ、予想通りだろうけどね」

 

 っと山椿さんも鉄林さんも分かってるって言わんばかりの態度だ。

 とにかく軽く力を入れて鞘から抜いてみる。

 すると、なんの変哲もない普通の刀に見えたけど、直ぐに変化が訪れる。

 刀身がまるで鏡の様な透明度のある銀色に変わったのだ。

 その刀身を見た鉄林さんはうむうむと頷いて 

 

 「やっぱりなぁ」

 

 って呟いた。

 

 「どういうことです?」

 

 「いいかい?楓。鏡の呼吸を扱う剣士はほとんどの者が鏡の様な銀に変わる。私の刀を見ただろう?あんたと同じ銀だ」

 

 ああ、そういえば随分と綺麗な刀身だなって思ったけど、そう言う訳なんだな。

 なるほどーっと納得していると

 

 「しかし、この刀身、良く見ると珍しく金の粉の様な物が散りばめられているなぁ」

 

 「お?」

 

 刀を返してもらって私も良く刀身を見る。

 確かに見てみると金色の砂粒の様な物が付いていた。おおー、綺麗。

 

 「鏡の呼吸の剣士の中にたまにいるらしいぞ、こういう刀身になる剣士が。ただ、出世するか、しないかは謎だがな」

 

 「綺麗だから良いです。気に入りました!」

 

 「うん、俺も良い物が見れた。ありがとうよ」

 

 そう言うと鉄林さんが立ち上がり帰り支度を始めた。

 

 「おや、もう行くのかい」

 

 「ああ、次に渡す相手が居るからな。何かあったら手紙でもなんでも送ってくれや」

 

 山椿さんとそんな会話をして小屋を出る。

 

 「あ!あの、鉄林さん!ありがとうございました!」

 

 「ああ、死なない程度にがんばんな。刀、大事にしろよ」

 

 「はい!」

 

 じゃぁな。っと言って鉄林さんは去って行った。

 山椿さんは私に隊服を渡すと隣の部屋で着替えるようにと言ってきたので着替える事にする。

 さて、新しい隊服をちゃんと見たら、まともな服だし、さっそく着ますか。

 がさごそと着替える。隊服は完了!羽織だけど……。

 私の着物で調が良く似合ってるて、笑顔で私に渡して、着てほしいと訴えて来ていた羽織を着る事にする。

 この羽織を見て私だと気付きやすいように。薄い桃色に濃い紅色の梅の花が花開いている羽織。

 調、お姉ちゃんが行くからね!

 そう意気込んでいると窓から私の鎹鴉、八咫(やた)が飛び込んできた。

 

 ≪カァー!北北東!北北東ニ向カエー!ソコニアル山デ猟ニ出タ人間ガ全テ行方不明!鬼ノ可能性ガアル!タダチニ向カエー!≫

 

 「……な、なるほど。喋れるのね、こういう役目か。八咫、改めてよろしくね」

 

 ≪アア!ヨロシクシテヤルゾォ!トニカク、早クシロォー!≫

 

 「はいはい。山椿さんに挨拶したらね」

 

 そう八咫に言うと丁度良く山椿さんが戻って来た。

 

 「おや、着替えたね。……うん、良く似合ってるじゃないか」

 

 「え、そうですか?ありがとうございます!」

 

 流石に褒められると嬉しい。えへへーっと笑うと山椿さんが私の頭を撫でて来た。

 

 「へ?」

 

 「何かなくても手紙位書いてよこしな」

 

 山椿さんは私より少し高い身長をしている。山椿さんの肩位が私の目線の位置だったりした。

 なので、気になって山椿さんの顔を見ようと上を向いたら、山椿さんはとても優しい笑顔で私を見ていた。

 なんだかその笑顔は切ない感じがして、大人しく撫でられている事にした。

 そして、この撫でてくれる手が下ろされた時、私はこの山を下りる事になる。

 

 

 □■□■□■□■□■□■

 

 

 私が下山する時、山椿さんは

 

 「実はあんたに教えていない【呼吸】がある。この手帳に書いてあるから、出来るようにしておきな。あんたなら直ぐに出来るようになる」

 

 私は一切教えないよ。これを読んで分からなかったら……そこまでだ。ってそう言って送り出された。

 …………中々、鬼畜ぅ!この手帳で分からなかったら、そこまでって。キッツいです山椿さん!

 ちょっと歩きながら手帳を覗き見してみた。

 

 「【全集中・常中】?起きてる時も寝てる時も常に【全集中の呼吸】をしている状態……。難しそうだなぁ」

 

 でも、強くなるには、やるしかない。

 調!お姉ちゃんがんばる!そう決意しると八咫が私の頭の上で

 

 ≪早クシロォー!早クシロォー!≫

 

 っと、かーかーうるさい。わかってるよー!仕方ないので小走りで向かったのだった。

 

 

 □■□■□■□■□■□■

 

 

 結論から言って原因は鬼ではなかった。

 このご時世で珍しい山賊さんだったのだ。最悪な事に殺す事が楽しいというサイコパス的なヤバいヤツ等だった。

 厄介な事この上ない。人数は五人、鬼に比べたら遅い動き、烏合の衆だったから全員峰うちで気絶させて縄で縛り、町へ行ってこの時代の警察に届けた。

丁度、指名手配犯の人達だったらしく賃金をもらった。ラッキーである。

 夜が明けて少ししか経っていなかったので、朝ごはんとして蕎麦屋に入った。

 そこで意外な人物に会った。

 

 「あれ?義勇」

 

 「……楓」

 

 この再会から私達はとても、とても長い付き合いになる事になるのは、まだ私達は知らなかった。

 




さて、ここから鬼殺隊として働きます
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