「え?嘘やん」
記憶が戻って言った第一声がそれだった。
こんばんにちは!私は四季森楓(しきもり かえで)。
私には昔……というか産まれる前の記憶があったりする。
あの頃は平成から令和へと年号が変わった頃だったんだけど、私は死ぬ直前飛行機に乗っていてエンジントラブルにより死んだんだ……と、思う。
飛行機に乗っていた時に記憶がぷっつりとしているから多分、そうなんじゃないかな??
それで、なんでかわからないけど、昔の日本にタイムスリップしたみたい。
最初は分からなかったけど、カレンダーを初めて見て確信したんだよね。
それにどうやら生まれ変わった家は思ったより裕福みたいで、使用人さんが何人か居たんだ。
両親も使用人さんも良い人ばかり。
だって、すんごい幼い頃に……確か、2歳位の頃かな?記憶が戻る……というか頭の中を駆け巡って高熱を出しちゃったんだよねー。
皆、交代で看病してくれたし、両親も出来る限り付きっ切りで傍に居てくれた。
その後だって、元々の私の部屋を見てみると結構わんぱくだったみたいで、いきなり大人しく、聞き分けの良い性格に変わった事で流石に不審に感じると思うのに、私の事を大事にしてくれた。本当に感謝しきれないよ。
それから何年かして私に妹が産まれたの!名前は調(しらべ)。
名前も見た目もべらんめーに可愛いんだから!
しかも良く眠る子で、一度眠ると半日も寝続ける。
眠れる森の美女かな?(この時調は赤ん坊である)
それに、調の胸の中心には不思議な痣があって、その痣がある者がどうやら当主になる事が決まりで仕来たりなんだって。
この時代には珍しい決め方である。(男尊女卑の時代の為)
私には痣がないから当主にはなれないけど、私がその分調を助けないとね!
それに、調に痣があるからと贔屓にしないで、私も平等に愛してくれる両親達。マジ聖人。
それからまた数年経って、両親と料理長に頼み込んで厨の扱い方を習い、借りて材料を見て皆に作れる物だけのお菓子と料理を振る舞った。
正にうちが裕福でなかったら出来ない事である。
皆、最初は戸惑っていたけど、美味しいと喜んで食べてくれた。
料理長からはレシピをぜひ!と言われて思わず笑ってしまった。
調も私が何をしているか気になるみたいで、よく厨に顔を出して覗きにくるよ!
その仕草がめっちゃ可愛くってしかたない。
さて、調の自慢話を始めると小一時間では足りないので、ちょっとした特徴を話そうかな!
調は当主になる特別な子。それはもう話したよね?
でも、調は産まれたばかりの頃は仕方なかったけど、今では声を出してはいけないと、口をマスクみたいな布で覆っている。
なんでなのか、母様に聞いてみた。
「調の声は魔除けにもなる本当に特別なモノなの」
「え?でも喋っちゃいけませんって言っているのは何故なの?魔除けになるなら、いっぱい喋った方が良いと思うんだけど」
「成長した後なら大丈夫。けれど、今の幼い調では自分の魔除けの力を扱えない。だから、普段からその力を落ち着かせる為に封印しているの。可哀相だけれどね」
「一言も喋ってはいけないの?」
「ほんの少しなら大丈夫だけれど、喋る事に慣れてしまったら、力が暴走してしまう恐れがあるからこそ、普段から”喋ってはいけない”と、教えているのよ?」
わかったかしら?っと母様が言ったので、わかりました!っと返事をすると母様は美しく微笑んだ。ふつくしい……。
それから私は調が言いたい事を理解したくて色々試した。
手話や、筆記、調に話しかけた時の反応、着物を引っ張られ調が何を言いたいかの時の反応。
色々やったなぁ……。おかげで呼ばれた時の反応で何が言いたいか分かるようになった。褒めたたえよー!なんてね。
更に数年が経って、家族で遠出する事になった。
歩いて出掛ける……まぁ、ピクニックみたいなものだ。
花が沢山咲いた草原で楽しんでいたらいつの間にか帰りは真っ暗。そうしたら……異形の生き物に襲われた。
その時、父様が呟いたのを聞いた。
「鬼……!」っと
最初に父様が母様庇って食べられた。
母様は私と調を逃がす為に振り返らずに走りなさい!っと言って食べられた。
妹の調は……道の横が崖になっていて…足を滑らせて落ちてしまった。
私は手を繋いでいたのに、調が崖に落ちる瞬間、手を叩かれた感じがしてビックリして離して……しまった。
それを慌てて掴みなおす為に調を見た時、調は擦れていたけど、鈴を転がしたかの様な声で
「ねえさま……いきて」
そう言って……。
大事な私の妹、私の奇行を許してくれた心優しい両親。
目の前が真っ暗になった。
へたり込んだ私を見て襲い掛かって来た”鬼”。
今にもその爪が届くという所で、銀色の光が横切った。
――――鏡の呼吸 弐の型 反射鏡(はんしゃきょう)
その光は鬼の頸を切り落としていた。
一瞬の事だったけど、今でもはっきり覚えてる。
白髪の長い髪を風に靡かせて、鬼の頸を一閃した美しい太刀筋。
多分あの時から私は、この人の後を継ぐと無意識に決意した瞬間だったんだと思う。
その人物は山椿紅(やまつばき べに)と名乗って去ろうとした時、思わず
「弟子にして下さい!」
そう叫んでいた。
「お願いです!貴女の弟子にして下さい!お願いします!!」
「嫌だと言ったら?」
「………います」
「ん?」
「末代まで呪います」
「…………」
そう言うと山椿さんは面食らったような顔をして直ぐに笑い出した。
しばらくすると落ち着いたのか明るい声で私に言う。
「私にそんな馬鹿な回答したのは初めてだよ。では、私は隣山まで行くが、付いてこられたら、ちょっと位認めてやってもいいよ。見た感じ何処かのお嬢さんみたいだが、果たして付いてこれるかな?」
そう言うなりゆっくりとだけれど、走り出す山椿さん。
私は諦めない。この崖の下は確か大きな川が流れている。
きっと妹は生きてる。絶対に。
そう無理矢理自分を奮い立たせ、山椿さんを追いかける。
そうして、私の物語が動き出した瞬間であった。
勢いで投稿したからもしかしたら言葉がおかしい部分もあるかも。
反省してるけど、後悔はしてないぜ!