旅は道連れ世は情けというけれど……
「はっはっは!まさか鬼の血鬼術にハマるとは……よもやよもやだな!」
「うるっせェーんだよォ!笑ってる場合か!そんな事言う前に、このうっとーしいのを解除するのを手伝えェ!!」
「楓、【照魔鏡】は使えないのか……?」
「うーん、無理だねぇ。この結界を作った鬼の身体の一部を映せば切れる様になるけど、近くに鬼の気配って感じる?」
「……いいや」
山に入って鬼捜索していたら、一人の鬼殺隊士と合流。
後ろで不死川君と何やら叫んでる(話してる?)少年こそ合流した、煉獄杏寿郎って子。
鬼を探している最中ちょっと話をしたら、私達と一年遅れて最終選別に挑んで合格したらしい。
おお、後輩君なんだね。って言ったら
「うむ!よろしく頼みます!先輩殿!」
とか言ったから思わずよしよししたよね。
煉獄くんの頭にハテナ乱舞してたけど可愛いからいいや。
そう、そう思っていて私は気が緩んだのか、はたまたただ単に注意をおろそかにしてしまったのか。
一番最初に捕まったのは私だった。
音も無く、木から水滴でも降って来た感じにポツっと頭に何か触れた瞬間、空中に放り出され直ぐに地面に落とされた。
ドサッ
「あでっ!」
軽く腰を打った。まぁ、それだけで済んで良かったけれども。
そんな事をのんきに思ったけど、すぐさま切り替えて刀を構えて周りを見渡した。
直ぐに分かった。周りを六つの線で覆って結界の形にしている。
厄介なのは切れ目が見えないから線の先を攻撃すれば結界が解けるかも?っとはいかなそうである。
これは鬼が使う血鬼術。近くに鬼が居るのなら直ぐにでも【照魔鏡】で切らなければ。
……そう思っていたんだけど。
鬼は全然見当たらない、気配もない。こういうのって大体維持するのに近くに居ないといけないモノじゃないの??
そんな事を思いながらも周りを警戒していると……。
まさかまさかのちょっと間をおいて不死川くんが落ちてきて、次に義勇。んで、最後に煉獄くん。
そう、今確認できている鬼殺隊の隊士は全員捕まった事になる訳で……。
「これは長期戦ですわぁ……」
そんでもって冒頭に戻るっと。
「この血鬼術、なんの意味があるか分かる人!」
「んな事知るかよォ!とっととここから出て鬼をぶっ殺さないと気が済まねェ!」
「ふむ、単純に人間を閉じ込めておくだけみたいだが……」
「それだけだとは限らないかもしれないな」
「うーん、私の予測だけど言っても良い?」
不死川くんは聞いてるか分からないけど、義勇と煉獄くんはどうぞの構えを取っていた。
「多分これって、結界の中に閉じ込めた人間の殺し合いでもさせたいんじゃないのかな?」
「あぁ?どういう意味だァ?」
「ほら、時間が経つにつれて一か所に閉じ込めて置いて何の変化も起きない。状況が動かないって人間には苦痛でしょ?しかも、これは鬼の血鬼術。どういう作用かも分からない。時間だけが過ぎていく……気が狂わんばかりにね」
「ふむふむ」
「まぁ、簡単に言ってしまうと、さっき言ったみたいに気を狂わせて殺し合いをさせたいんじゃないかな?それを遠くから見るのが好き!みたいな」
多分、結界を張るのと瞬間移動のと、気配を消すのとそれから遠見の血鬼術を使う鬼……四人位居るかもね。そう言うと、ちっ!面倒だな……とか不死川くんに言われた。
「それに意外と統率がなってるみたいだから珍しく群れているかもね」
「ああ、そうだろうな」
義勇が同意してくれた。まぁ、こんなに徹底されてるって事は正にそうでしょう。
全く、厄介この上ない。
「不死川くん、煉獄くん。結界をめった刺しにしてたけど、結界に綻びとかできた?」
「いや、まったく」
「了解。んじゃぁ……アレを使うかぁ」
アレとは?と首を傾げる煉獄くん。私は懐からあるモノを取り出すと、蓋を取り、結界の周りにまき散らした。それは……
「……血?」
そう、真っ赤な液体。鉄臭い匂いが周りに充満していく。
「うん。そう、血です」
姿を中々現さない鬼には最適である。何故なら
「特別な血だからね。多分、酔って出て来るんじゃない?」
「特別な血ィ?…………!!稀血か!」
「ご名答ー」
そう、普通の血の匂いではあまり意味がなさそうだけど、果たして稀血の匂いなら?
「お前そんなもん、よく持ち歩けたなァ」
「保存には苦労したけどね。厄介な相手には使ってるよ。あ、ちなみにちゃんと稀血の人から輸血許可は貰ってるから。無理矢理ではないから安心してください!」
そんなこったァ聞いてねェよ。って言われてもーた。
それと、鬼も血に酔うなんて事があるのか。っと聞かれて
「稀血ならそういう事があるらしいよ。別の任務の時に先輩さんに聞いたからね」
「…………」
不死川くんは何やら考え込んでしまった。どうしたんだろう?
そんな事を思っていると結界から少し離れている茂みから二人の、鬼がふらふらとこちらに近寄って来た。
すんごい涎を垂らしながら。
「あれは……」
「持ってきて正解だったね」
もし片方が結界の鬼だったらこのまま切れるハズ!
ふらふら近寄ってくる鬼二人を刀に映して――うん、一丁いっちゃるよ!
――――鏡の呼吸 肆ノ型 照魔鏡
パキーンッ
結界が壊れた!つまり……どちらかが当たり!でも、照魔鏡のままだと片方しか切れない!……なら!
――――鏡の呼吸 参ノ型 万華鏡
複数に分かれてそれぞれ切れば良い。
そう考えて呼吸を使い、頸目掛けて切り付ける。
「「げしゃぁっ!!」」
そうして二人の鬼は意識が朦朧としている様だったけど、そんな事はお構いなし。二人の頸を早々と切った。
「よし」
「よし、じゃねェ!」
不死川くんにスパーンっと頭を叩かれた。
「あいた!」
「俺が切ろうと思ってたのによォ……勝手に切りやがって!」
「知らんがな」
「んだと、こらァ!」
一方的に怒鳴られている私を見かねて義勇が止めに入ってくれた。
「止めろ。そんなに怒鳴るな」
「お前には関係ねェ!すっこんでろォ!!」
「ええっとですね。『そんなに戦いたければ予測でも鬼は後二匹居るハズだから我慢してくれ。それに、まだ完璧に完治していないお前の傷にも障るからそんなに興奮するな』……と申しております。彼は」
「…………言葉足らず過ぎんだよォ!馬鹿かてめェは!もっと長く喋れ!伝わんねェんだよ、だぼが!」
あ、義勇が『心外!』ってショック受けてる顔になってる……面白い。
「ふむ、四季森殿達は面白いな!冨岡殿の言う通り、確かにまだ鬼が潜んでいるかもしれない。警戒はしておいた方が良いだろう」
「そうだね。あ、煉獄くん。私に”殿”はいらないよ。あんまり年も変わらなそうだし」
「……俺も呼び捨てで良い」
「む!そうか?わかった!よろしく頼む!四季森、冨岡!俺の事も呼び捨てで構わない!」
私と義勇はその言葉を聞いて了解っと手を軽く振る。
そして、不死川くんの方をじーっと見つめていると
「……はぁ、俺の呼び方なんぞ、好きにしろォ」
「分かった!フッシー!」
「……ちょっと待てこるァッ!!ふっしぃってなんだ!?ふっしぃって!!」
「好きにしろって言うからー」
思わずぶっすーっと頬を膨らました。
「呼び捨てでいい!不死川と言え!不死川とよォ!!」
「そんなに怒鳴るな。ふっしぃ」
「おう、こらァ……喧嘩売ってんのか?買うぞォ。口下手がァ!」
そんな会話をしながら残りの鬼が居るハズなので捜索する事になった。
遅くなって申し訳ないです!
もしかしたら次回も遅くなりやも……。がんばります!