気づいたら狐の土地神でした!(仮タイトル)   作:カエル帽子

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こちらのお話はガッツリやる予定はございません。

また、更新は気まぐれマイペースとなります。

それでも良い、という方は続きをどうぞです。


騎士へのお誘いと勇者殿との邂逅

インタビューのカメラから時に橋の下、時に障害物の影、時に湖の中に隠れてやり過ごし、なんとか騎士団長ロラン殿の元にたどり着いた。

 

 

 

騎士団長殿~来ましたよ~っと。え?なんで濡れてるかって?カメラから逃げてたら湖に落ちたんですよ。

え?なかなかに面白い御仁ですって?

いやいや、俺より面白い人なんていくらでもいるでしょうに。例えばあの親衛隊長殿とか、あと勇者殿とか。そういえば勇者殿はどうしたんです?

チラッと中継に映ったの見ましたけどなかなかにノリの良さそうな人だと思いましたが?

ん...諸事情ありと。まぁ深くは聞きますまい。

 

 

 

どうやら何かあったっぽい。まさかとは思うが勇者召喚されると地球に帰れないってこと知らなかったわけじゃないだろうな。

いや、地方によっては地球に帰った、という伝承もあるから百パーセント無理ってわけではなさそうだが。

さて、勇者殿の話もそこそこに騎士団長殿が本題に入った。

まぁ簡単に言ってしまえば、ビスコッティに所属してくれないか、というお誘いである。

ここ最近の『戦』でガレット国との戦力差が大きいのを実感しており、戦える人を一人でも増やしたいそうだ。

本来は後二人ほど強い人がいるらしいのだが留守にしているようで、そんな中に現れた将並みに強い一般参加者がいるとわかれば、そりゃあ声をかけられますな。

 

 

 

なるほど事情は把握しました。でもすいません、俺の答えはノーなのです。

理由?自分、人を探してるんですよ。自分にとって文字通りの命の恩人ってやつですね。

彼女らにどうしてもお礼を言いたくて諸国を巡ってるんです。

後どれくらいの時間がかかるかもわからないのに、一国に所属するというのは流石にどうだろう、と思いまして。なのですいません、お誘いはホントに嬉しかったです。

あぁあぁ謝らないでくださいよ、お互いそれなりの事情がある、ただそれだけのことなんですから。

あ、でも、しばらくはビスコッティの街にいますから、その間でなら『戦』には極力参加しますよ。

いえいえ、感謝なんてしないでくださいな。自分も旅の路銀が必要なだけですから。

はい、それなりに役に立てるよう頑張ります!それでは失礼しま、はいなんでしょう?

チケット?この後のコンサートの特別招待券!?いいんです!?まじでやったひやっほーい!!!

あ、コホン。ではありがたく頂戴いたしますね。それではっ!

 

 

 

 

 

 

「行ってしまったか。」

 

先の戦で突然現れた、尋常じゃない強さの一般参加者。

一人で戦線を維持していると報告を聞いた時には驚いた。

すぐに彼が倒れても持ち直せるよう応援部隊を後ろに控えさせてはいたのだが、結局、最後まで彼一人で最後まで持ちこたえてみせた。

彼ほどの人材はそうはいない。今回は勇者殿のおかげで勝つことができたが、これは防衛戦。

いずれはこちらから攻めなければならない時、あのガレットの戦力が一ヶ所に集まるとなると、やはり攻め手に欠ける。

もうじきダルキアン卿とユキカゼが戻ってくる。その時に彼もいてくれれば、遠征戦であったとしても、いい勝負になると思うのだが..,ガレット側の思惑が見えない今、彼をどうにかして引き入れたいところ。

 

「今度会ったら、探し人について聞いてみるか。」

 

探し人が見つかったとなれば考えてくれるかもしれないな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なんとか騎士団長殿との対話も終わり、今は戦勝ムードで賑わっている城下町を物色中だ。

報酬としてもらった金額が予想より遥かに多くて驚いたが、おかげさまでいろいろと食べ歩きができそうだ。

さてさてさーて、まずはどの店から行こうか...ん?

おやおやぁ?あそこにいるのは『戦』で活躍した勇者と親衛隊長であーりませんかぁ?

でもなんだか勇者様は項垂れている様子。

どうしたんでしょうかね?

 

 

 

や、はろはろ~。『戦』の立役者な勇者殿に親衛隊長殿。こんな所でどうしたのよ?

あぁそんな警戒しないでくれ、俺はハズキ=セミフレッド。さっきの『戦』でビスコッティの一般参加組の一人よ。

兄上に呼び出されてた人?兄上ってもしかしてロランさん?ほぇー兄妹だったのか。二人揃って騎士とか凄いな、素直に尊敬するぜ。

俺なんてあっちへこっちへ旅してばかりだからな。

それよか勇者様、大活躍した割には浮かないご様子で。

 

ふむ、元の世界に帰れない、ねぇ。こっちじゃ勇者は元の世界には帰れないってのが常なんだが聞いてなかったのか?

はぁ、落とし穴?おやどうしたそこのわんこ?ん、魔方陣を見ろと。どれどれ。

 

『ようこそフロニャルド。おいでませビスコッティ。注意、これは勇者召喚です。召喚されたら元の世界へ帰れません。心当たりの無い方は踏まないでください。』

 

あはは、こんな小さく書かれてるんじゃわからんよな!しかもフロニャ文字だから読めねーし!

あー沈みなさんな。勇者召喚ってのはまだまだ不明点が多いブラックボックスみたいなもんだ。

俺が旅してきたところじゃ元の世界に帰ったり封印されたりとかって聞いてるし、希望を捨てるのは早すぎると思うぜ?

 

こんなことで嘘なんかつかねーよ。ほら、せっかく報酬金もらってんだし、露店巡りしよーじゃん?親衛隊長殿もいいだろう?

姫様のコンサートまで時間があるからな、戦勝ムードに酔いしれようぜっ!

 

ところで勇者様、名前からして日本人だよな?もしかしてハーフ?歳はいくつよ?

...え、13歳!?ってことは中1!?あ、もう中2になる、と。

いやそれでも、この歳であんだけの動きできるとか、昨今の若者はすごいんだねぇ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

勇者殿、じゃなくてイズミ君達と別れた後も街巡りを続けていた俺。そろそろいい時間だし、ぼちぼちコンサート会場に向かうかぁ、と決めたときに緊急放送が入り、モニターには相手方に捕まった(抱き抱えられた)姫様と、その相手方の挑発に乗った勇者イズミ君。

 

んーっと。この場合、コンサートってどうなるんでしょうねぇ?

 

 

 

 

 

 


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