キュアハッピー「キュアギルティ・・・」   作:4度°

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かなたの前に現れた謎の人物、それは天使の誘惑か悪魔の囁きか、かなたの前にある話を持ちかけて―。そして病院へと駆けつけたやよい、なお、れいかたちは大切な友達であるみゆきを優しく抱きしめる。そして新たに突きつけられる絶望を前に―。


第10話【四人とひとり】

バッドエンド王国―城内

 

 

かなた「・・・」スタスタスタ

 

?「~~~♪」

 

 

 

かなた「(こいつ・・・)」

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

・・・・・・・・・・・

 

 

・・・

 

 

 

数刻前―

 

 

?『おやおヤ可愛いお嬢サーン。このような場所でどうされましタ?』

 

 

かなた『・・・』

 

?『ンフフフ♪そんなニ睨まなくトモ、とって食いヤしませんヨ♪』

 

かなた『なに、おまえ・・・。人間・・・?』

 

?『ニンゲンかどうカト聞かれれバ、すこシ返答にハ困ってしまいまスねェ♪』

 

かなた『なんだ。じゃあバケモノか・・・』

 

?『ニンゲンよりかハ、ソッチのほうが近いかも知れませんネェ♪』

 

かなた『ふぅん・・・』

 

?『おヤ、あまり驚かれナイようデスね?』

 

かなた『は・・・バケモノなんかより怖いものを知ってるからね』

 

?『フッフッフ♪オモシロイお方だ・・・♪』

 

かなた『で・・・バケモノがわたしに何のようだよ。死神なら殺すぜ?』

 

?『いえいエ、死神だなんテ。むしろわたシはアナタにとっての味方とナリに来たのデス♪』

 

かなた『ミカタ、ね。てめぇみたいなのが・・・冗談キツいわ』

 

?『それに・・・フッフッフ♪そのヨウに身動きが取れない状態デ殺すと言われてモ。些か説得力に欠けテしまいマスねェ♪』

 

かなた『はは・・・なにそれ、皮肉いってるわけ?わたしに?』

 

?『ソウ取って頂いてモ仕方ないことデショウか♪』

 

かなた『なら、ちょうどいいや』

 

?『・・・?』

 

かなた『てめぇの力・・・いただくぜッ』ガッ≪かなたは謎の男に手を向けて集中的にバッドエナジーを奪おうとする・・・が≫

 

?『フッフッフ♪』

 

かなた『・・・ッ?』

 

?『どうかされマしたカ♪』

 

かなた『(こいつ・・・エネルギーを奪えない・・・)』

 

?『なにか都合の悪いコトでもあったのでしょうカ♪』

 

かなた『・・・』

 

?『例えバ・・・そう、バッドエナジーを奪えなかった、とカ♪』

 

かなた『てめぇ・・・』 

 

?『フフフフ♪ご安心くださイ♪先ほドも申し上げタとおり、ワタクシはあなタの味方デス♪』

 

かなた『うるせえ・・・消えろよ』

 

?『まぁマぁそうおっしゃラずに♪これヲ・・・♪』スッ

 

かなた『・・・?』

 

?『その小瓶ニ入っテいるモノ・・・アナタもよくご存知のハズですガ♪』

 

かなた『これは・・・。バッドエナジー?』

 

?『ンフフフ♪これで多少は体力ヲ取り戻せルのではないですカ?』

 

かなた『・・・なにが目的だよ』

 

?『それを話すニは・・・ソウですね♪ワタクシと一緒に来てもらえマセンか♪』

 

かなた『・・・』

 

?『悪いようニハしません♪双方にとってメリットのあるハナシです、ハイ♪』

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

・・・・・・・・・・・・・

 

 

・・・

 

 

 

?「ンフフフフ♪そんなニ警戒しなクトも危害を加えタリはしませんヨ♪」スーーーーッ

 

かなた「ハッ・・・どうだかね」スタスタスタ

 

?「~~~♪」

 

かなた「・・・」

 

 

?「はイ着きました♪ここデ到着でございマス♪」

 

 

 

かなた「・・・」

 

?「どーゾどーゾ♪こちラヘ♪」

 

かなた「・・・」ジッ

 

?「おヤ?どうしましタ?」

 

かなた「で・・・ここはどこなわけ?」

 

?「フフ」

 

かなた「つーか、これ地球じゃないよね?なにこれ。まさか異世界ってやつ?」

 

?「はイそのとおリ♪ここは人間界とは別の世界、バッドエンド王国。悪の皇帝ピエーロ様ニお仕えすル三幹部の住まウ城にございまス♪」

 

かなた「・・・バッドエンド王国。どっかで聞いたな」

 

?「さぁサ。ここガ客間となっテおりますのデ♪遠慮なくおくつろぎくださイ♪」

 

かなた「ふーん」ドサッ

 

?「そして。自己紹介が遅れマシた♪ワタクシはピエーロ様にお仕えスル配下の一人ジョーカーめにございまス。以後お見知りオきをキュアギルティさマ♪」

 

かなた「自己紹介はいいよ。・・・で?」

 

ジョーカー「・・・と、申されマスと?」

 

かなた「知ったかぶんじゃねーよ、こんなとこに連れてきやがって。さっさと魂胆いえば?」

 

ジョーカー「ンフフフフ♪これはこれハ・・・魂胆だなんテ滅相もございまセン♪」

 

かなた「・・・わたしのクソみてーな人生の中ではさ」

 

ジョーカー「はイ?」

 

かなた「今まで胡散臭いヤツは死ぬほど見てきたけど。あんたはその中でも特に臭い」

 

ジョーカー「フフフフ♪」

 

かなた「わたしに向かって妙な勘繰りが通用すると思うなよ。ふざけんのは外見だけにしとけっつーハナシ」

 

ジョーカー「・・・さすがにございマスねェ♪妙な誤魔化しハ利かないヨウだ♪」

 

かなた「・・・」

 

ジョーカー「キュアギルティさマはワタクシたちバッドエンド王国の者のコトは?」

 

かなた「どっかで聞いた。でも覚えてない」

 

ジョーカー「そうでしたカ♪ではマズ、ワタクシたちのコトからお教え致しましょウ♪」

 

かなた「めんどくせーから3行で言え」

 

 

ジョーカー「世界ヲ

      

      最悪の結末にすル

 

      悪の帝国でございまス♪」

 

 

かなた「なるほどね。わかりやすくていいや」

 

かなた「・・・つーか、あぁそっか。アイツがそんなこと言ってたな」

 

ジョーカー「ナニカ思い出されましたカ?」

 

かなた「わたしがバッドエナジーを吸いまくると、それだけバッドエンドになるのが早まるーとかなんとか」

 

ジョーカー「フフフ♪エエ、その通り。間違いはありませン♪」

 

かなた「で?ぶっちゃけあんたらが世界をバッドエンドにしてーんなら、わたしはもう協力してやってるよーなもんだと思うんだけど」

 

ジョーカー「エエ全く♪ここ最近のギルティさマのご活躍といったらモウ♪こちらの目的達成に大きく貢献しテ頂きまして感謝しきりでございマシて♪」

 

かなた「じゃあなに。わざわざお礼を言うためだけにわたしをこんなとこまで連れてきたっての?」

 

ジョーカー「まさかマさか♪ギルティさマをここへお連れ致しましタのは、これよりもっとお互いにとっテ益となる情報があるカラにございましテ♪」

 

かなた「・・・聞くだけ聞いてあげる」

 

 

 

ジョーカー「ありガトうござイまス♪」

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

・・・・・・・・・・・・・・

 

 

・・・

 

 

 

七色ヶ丘総合病院―ナースステーション

 

 

あずさ「なんですって!?・・・本当なの、それ」

 

看護師「・・・はい、いま消防署から連絡があって・・・」

 

あずさ「・・・っ」

 

看護師「いくらなんでも・・・こんなの酷すぎますよ・・・」

 

あずさ「・・・」

 

看護師「先生、どうすれば・・・」

 

あずさ「ここまで災難が続くものなの・・・」

 

看護師「みゆきちゃんには・・・」

 

あずさ「・・・」

 

看護師「・・・」

 

あずさ「わたしから伝えるわ・・・隠していても、すぐにわかってしまうことだもの」

 

看護師「・・・はい」

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

・・・・・・・・・・・・・

 

 

・・・

 

 

 

七色ヶ丘総合病院―病室前

 

 

みゆき「・・・」

 

 

博司『ただいま、みゆき!ほぉら、美味しいお菓子を買ってきたぞ~?』

 

 

みゆき「・・・」

 

 

博司『よぉし、今日は絵本を読んであげようか。なにがいいかな・・・。え?またピーターパンかい?あはは。みゆきはホントにピーターパンが好きなんだなぁ』

 

 

みゆき「うっ・・・」

 

 

博司『今日からみゆきも中学生かぁ。うぅん記念写真いっぱい撮らなくっちゃなぁ!・・・ってうわぁ!もう時間だ!入学式早々から遅刻はマズイっ!みゆき!はやくはやくっ』

 

 

みゆき「うぅっぅ・・・」

 

 

博司『えぇ?お笑いコンテストに出るって?あはははは!なんだいそれは。母さん聞いてくれよ、みゆきが今度の町内お笑いコンテストにあかねちゃんたちと一緒に出るんだってさ!こりゃあ楽しみだ!』

 

 

みゆき「お、おと・・・おとうさぁん・・・っ」

 

 

 

?「みゆきちゃんっ」

 

みゆき「・・・っ?」

 

 

 

みゆき「・・・ぁ」

 

 

 

やよい「みゆきちゃんっ」

 

なお「みゆきちゃんっ」

 

れいか「みゆきさんっ」

 

キャンディ「みゆきぃぃーっ」

 

 

 

みゆき「み・・・」

 

みゆき「みんな・・・」

 

 

 

なお「だいじょうぶ!?ケガとかしてない!?」

 

みゆき「なおちゃん・・・」

 

やよい「みゆきちゃん・・・心配したよぉっ!」

 

みゆき「やよいちゃん・・・」

 

れいか「すみません、来るのが遅くなってしまって・・・っ」

 

みゆき「れいかちゃぁん・・・」

 

キャンディ「みゆきぃ・・・しんぱいしたクルぅーっ」

 

みゆき「キャンディぃ・・・」

 

 

 

みゆき「みんなぁぁぁぁぁ・・・っ!!」ダッ

 

 

 

なお「みゆきちゃんっ」ギュッ

 

みゆき「お、おと、おとう、おとうさんが・・・お父さんがぁぁっ!!」

 

やよい「みゆきちゃん・・・ひっく・・・えぐ、みゆきちゃぁんっ」ギュッ

 

みゆき「うぁぁぁぁぁあんっ!!」

 

れいか「みゆきさん・・・っ」ギュッ

 

キャンディ「みゆきぃぃ・・・ッ」

 

みゆき「うあぁっ・・・ぁぁあぁぁぁあっ」

 

なお「・・・っ」

 

れいか「泣いていいんです・・・泣いて・・・」

 

やよい「うあぁぁんっ・・・みゆきちゃん、みゆきちゃぁぁんっ」

 

 

 

あずさ「・・・」

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

・・・・・・・・・・・・

 

 

・・・

 

 

 

やよい「みゆきちゃん・・・だいじょうぶ?」

 

みゆき「うん・・・ちょっと、すっきりした・・・」

 

れいか「無理しないでください・・・」

 

なお「そうだよ。今日はもう・・・」

 

みゆき「うぅん、ありがと・・・。でも、お母さんのそばにいたいんだ」

 

やよい「・・・そっか」

 

キャンディ「みゆき・・・だいじょぶクル?」

 

みゆき「・・・ん」ナデナデ

 

れいか「お母様の様子は・・・どうですか?」

 

みゆき「ケガとかはないみたい・・・。でも、お母さん、ちょっとビックリし過ぎて疲れちゃったんだろって。先生が言ってた・・・」

 

なお「そう・・・」

 

やよい「でも、ケガがないみたいでよかったよ・・・」

 

みゆき「うん・・・みんな、ありがと。来てくれたんだね」

 

なお「うん」

 

みゆき「れいかちゃんも・・・ごめんね、さっきお見舞いしたばっかりなのにね」

 

れいか「いえ、そんなことはありません。みゆきさんの苦しみに比べれば、わたしなんて・・・」

 

キャンディ「みんな、あかねが呼んだからきてくれたクルッ」

 

みゆき「あ、そうだ・・・。あかねちゃん、どうしてるかな。心配してるんじゃ・・・」

 

やよい「・・・」

 

なお「・・・」

 

れいか「・・・」

 

キャンディ「クルぅ・・・」

 

みゆき「・・・?」

 

 

 

なお「みゆきちゃん、そのことも含めてなんだけど・・・」

 

みゆき「・・・なおちゃん?」

 

なお「言わなきゃいけないことがあるんだ」

 

やよい「・・・」

 

れいか「・・・」

 

 

 

みゆき「・・・え?」

 

なお「・・・実は」

 

 

 

あずさ「みゆきちゃん」

 

みゆき「・・・あ」

 

あずさ「あら、お友達・・・?」

 

みゆき「あ、はい。そうです。やよいちゃんに、なおちゃんに、れいかちゃん」

 

やよい「こ、こんばんわ」

 

なお「こんばんわ」

 

れいか「夜分遅くに失礼しています」

 

あずさ「これはご丁寧に。わたしは柊あずさ、ここで医師をしています」

 

やよい「すごい・・・女医さんだ」

 

あずさ「うふふ。そういってもらえると嬉しいわ。それで、みゆきちゃん」

 

みゆき「はい」

 

あずさ「気分はどう・・・?すこしは落ち着いた・・・?」

 

みゆき「・・・はい。みんなが来てくれたから、すこし」

 

あずさ「そう・・・よかった」

 

みゆき「それで、あの・・・あずさ先生、どうかしたんですか?」

 

あずさ「・・・」

 

みゆき「また、なにか・・・」

 

あずさ「・・・みゆきちゃん。すこし、いいかしら?」

 

みゆき「あ、はい・・・」スタスタ

 

なお「あのっ」

 

あずさ「・・・?」

 

なお「わたしたちも一緒に聞いちゃ、ダメですか?」

 

あずさ「・・・」

 

みゆき「・・・なおちゃん」

 

なお「ごめんね、みゆきちゃんちのことだろうから。あんまり首突っ込まないほうがいいかなって思うんだけど・・・」

 

れいか「みゆきさんの苦しみを、すこしでも共有したいんです」

 

やよい「・・・うんっ」

 

みゆき「・・・みんな」

 

あずさ「みゆきちゃんが気にしないのなら、構わないけれど・・・」

 

みゆき「あずさ先生、お願いします・・・」

 

あずさ「わかったわ」

 

 

 

あずさ「みゆきちゃん。気を・・・しっかりもって聞いて」

 

みゆき「・・・っ」

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

・・・・・・・・・・・・・

 

 

・・・

 

 

 

みゆき「・・・うそ」

 

あずさ「・・・さっき、消防署の方からこっちにも連絡があって・・・もう消火は済んだみたい」

 

みゆき「・・・うそだ」

 

あずさ「・・・幸い通報が早かったおかげで、全焼には至らなかったみたいなんだけど・・・」

 

みゆき「な、なんで・・・どうしてっ」

 

あずさ「・・・」

 

みゆき「だって・・・!わたし、火なんて使ってないし・・・っ!電気だって・・・っ!!」

 

なお「・・・っ」

 

れいか「・・・」

 

やよい「・・・」

 

みゆき「そんな・・・そんなの、うそだよ・・・」

 

 

 

『こんばんわぁ~♪』

 

 

 

みゆき「あ・・・」

 

 

 

『わたしのこと覚えてるかなぁ~?昨日会ったんだけど』

 

 

 

みゆき「あの子・・・」

 

 

 

『キミのお父さんにイイコトされちゃったもんだから、そのお礼にね♪』

 

 

 

みゆき「あの子・・・どうしたんだろう」

 

 

 

『お父さんの居場所、知りたい?』

 

 

 

みゆき「まさか・・・あの子が・・・」

 

 

あずさ「みゆきちゃん、心当たりがあるの・・・っ?」

 

みゆき「・・・わたしの家に、突然女の子がやってきたんです」

 

なお「・・・っ」

 

みゆき「その子はわたしのこと知ってるって言ってましたけど、わたしは覚えてなくて」

 

れいか「・・・」キュッ

 

みゆき「お父さんの居場所・・・知ってるって言ってた」

 

あずさ「・・・っ!」

 

みゆき「あ、あの子が・・・あの子が、まさか・・・お、おと、おとうさんを・・・」

 

あずさ「みゆきちゃん!その子のこと、詳しく教えてくれるかしらっ・・・!?」ガシッ

 

みゆき「どうしよう・・・どうしようっ・・・あの子が・・・もしあの子を家に入れたせいで・・・っ」

 

あずさ「みゆきちゃん!みゆっ・・・」

 

なお「先生・・・っ」ガッ

 

あずさ「・・・っ!」ハッ

 

みゆき「わたし・・・わたし・・・」

 

あずさ「・・・ごめんなさいっ。あぁ、なにやってるのわたしっ・・・。ごめんね、みゆきちゃん。怖かったわね」

 

みゆき「い、いえ・・・ご、ごめんなさい・・・ごめんなさい」

 

あずさ「謝るのはこっちのほうよ・・・。今日はもう休みましょう?寝室、空けてもらうから」

 

みゆき「・・・」コクッ

 

あずさ「みんなも、もう遅いし帰りなさい。車で送ってあげるから」

 

なお「いえ、わたしたちもみゆきちゃんと一緒にいます。いいですか?」

 

あずさ「・・・」

 

みゆき「・・・」

 

あずさ「わかったわ。だったら、今日はわたしもこっちで寝泊りするから。なにかあったら呼んで?」

 

なお「ありがとうございます」

 

れいか「ご迷惑をおかけいたします」

 

あずさ「いいの。これぐらい。それじゃあみゆきちゃん、ちょっと待っててね」

 

みゆき「・・・はぃ」

 

あずさ「いいお友達ね・・・」

 

みゆき「・・・」

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

・・・・・・・・・・・・

 

 

・・・

 

 

 

河川敷―

 

 

≪汗まみれになりながら闇雲にバレーボールを壁にぶつけてアタックの練習を繰り返しているあかね≫

 

 

あかね「はぁっはぁっはぁっはぁっ・・・!」バシィィン

 

あかね「はぁっはぁ・・・っく・・・はぁっ!」バシィィン

 

あかね「ああぁぁあああっ!だぁぁぁああっ!!」バシィィン

 

 

ポンッポンッポン・・・コロロロ

 

 

あかね「なにやっとんねん・・・うちは」

 

あかね「れいかの言っとることも・・・なおの言っとることも正しい・・・そんなん、わかっとるやん」

 

あかね「やのになんで・・・」

 

 

あかね『そんなんやから・・・ギルティなんかに負けてまうんやっ!!』

 

 

あかね「アホか・・・」

 

あかね「うちかて・・・ぜんぜん勝ててへんかったやんか・・・」

 

あかね「はぁぁぁぁ・・・っ」ドサッ

 

あかね「アホや・・・アホすぎる・・・」

 

 

 

あかね「みゆき・・・」

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

・・・・・・・・・・・・・・

 

 

・・・

 

 

 

七色ヶ丘総合病院―中庭

 

 

なお「みゆきちゃんは?」

 

れいか「やっと眠られたようです・・・」

 

やよい「キャンディも一緒に、ぐっすり寝てるよ」

 

なお「・・・よかった。すこしでも休んでくれたほうがいいよ」

 

やよい「うん・・・こんなひどい目にあったんだもん」

 

れいか「・・・」

 

やよい「結局、言えなかったね・・・」

 

なお「・・・自分の家に来たのがれいかを苦しめたキュアギルティで、その上お父さんや家まで・・・なんて。みゆきちゃんの今の状態を考えると、言えないよ」

 

れいか「・・・この上、さらに怖ろしいことが起こるのでしょうか」

 

やよい「そんなっ!そんなの・・・酷すぎるよっ・・・!!」

 

なお「でも、やよいちゃんも見たでしょう?アイツは、わたしたちが今まで戦ってきたヤツとは全然違うよ」

 

やよい「・・・うん」

 

れいか「バッドエンド王国のものとも、ましてやフュージョンとも違う。あれは明らかな“悪意”そのものです」

 

やよい「あく、い・・・」

 

なお「どうして、あんなやつがプリキュアの力を・・・」

 

れいか「ともかく、今はみゆきさんが戦えない以上・・・わたしたちだけでなんとかするしかありません」

 

なお「うん、そうだね」

 

やよい「みゆきちゃん抜きで・・・」

 

 

?「おぉぉおお~~~いっ!」

 

 

なお「・・・あっ」

 

やよい「あかねちゃんっ」

 

あかね「はぁっはぁっ・・・すまんっ、遅なってもーたっ」

 

なお「みゆきちゃんなら今は寝てるよ?」

 

あかね「ほぉか・・・はぁ、はぁ・・・会いそびれてしもたな・・・」

 

やよい「あかねちゃん・・・だいじょうぶ?」

 

あかね「あん?あぁ、だいじょぶだいじょぶ・・・ちょっと走りこんできて・・・」

 

なお「走りこんで?」

 

あかね「れいかっ・・・なお、やよいも・・・っ」

 

 

「「「・・・?」」」

 

 

 

あかね「さっきはごめんっ!」

 

れいか「・・・」

 

なお「・・・」

 

やよい「・・・ぁ」

 

あかね「間違ってたんはうちや・・・!れいかの言っとることも、なおの言っとるわかってたはずやのに。つい言い過ぎてしもた・・・ほんまアホやうちっ。堪忍なっ・・・この通りやっ」パンッ

 

なお「ぁ・・・」

 

れいか「・・・ふふ」

 

やよい「・・・ぁは」

 

あかね「・・・っ」

 

なお「もういいよ、あかね」

 

れいか「顔を上げてください、あかねさん」

 

あかね「・・・んっ」

 

れいか「わたしは、あかねさんが間違っていたとは思いません」

 

あかね「れいか・・・」

 

れいか「あかねさんの怒りはもっともですし、正直、あの場での自分の判断なんて、ほんとに正しかったのかどうかなんてわかりません」

 

あかね「・・・うん」

 

れいか「本当なら、なにを犠牲にしてでもあそこで彼女を倒しておくべきだったのかもしれない。これからのことを考えたら、そう思わずにはいられません」

 

あかね「・・・」

 

なお「本当になにが正しいのかなんて、誰にもわからないよあかね。ただ、わたしたちはみゆきちゃんの家を守りたいって思った。それだけなんだ」

 

やよい「大切なお家を守りたいって気持ちは、みゆきちゃんだって同じだよ」

 

あかね「・・・っ」

 

 

 

みゆき『よぉーっし♪だったら、あかねちゃんちのお好み焼き屋を手伝おーうっ♪』

 

 

 

あかね「・・・せやな」

 

なお「みゆきちゃんは今、まともに何かできるような状態じゃない」スッ

 

れいか「わたしたち全員の力で、支えあわないと」スッ

 

あかね「・・・あぁ。うちらみんなで、やなっ」スッ

 

やよい「じゃあこれで・・・」ギュッ

 

 

 

やよい「仲直りだねっ♪」ポン

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

・・・・・・・・・・・・

 

 

・・・

 

 

 

あかね「そっか・・・みゆきには言えへんかったんか」

 

やよい「うん。これ以上みゆきちゃんには・・・」

 

あかね「せなや・・・。ただでさえ相手はアイツや。変な気負いはさせられへん」

 

なお「お父さんを亡くしたんだ・・・お母さんもあんな状態だし、みゆきちゃんにはしばらく休んでもらおうよ」

 

れいか「そうですね・・・」

 

やよい「じゃあ、学校にもしばらくは来れないかな・・・」

 

あかね「しゃーないやろ。家かてあんな・・・せや、みゆき、帰る家がなくなってしもとるやんっ」

 

なお「ずっと病院で寝泊りってわけにはいかないだろうし・・・」

 

あかね「やったらお母ちゃんに頼んでみるわ。そんでうちに来たらええっ」

 

やよい「わたしも、ママにお願いしてみるよ」

 

れいか「ですが、お母様が入院して家が火事ともなれば・・・みゆきさん・・・」

 

あかね「なんや・・・れいか?」

 

れいか「最悪、ご親族の方に引き取られて引越し・・・ということになるのでは」

 

あかね「・・・っ」

 

やよい「そ、そんなっ・・・!」

 

なお「現実的な話としては、充分ありえるね・・・」

 

あかね「・・・みゆきが」

 

やよし「引越ししちゃうなんて・・・」

 

なお「・・・」

 

れいか「・・・」

 

あかね「・・・ともかくや!今はみゆきには休んでもろて、はよ元気になってもらうんが一番やっ!」

 

なお「・・・うん。そうだね」

 

れいか「わたしにできることがあれば、なんでも力をお貸します」

 

やよい「うんっ」

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

・・・・・・・・・・・・・・

 

 

・・・

 

 

 

七色ヶ丘中学校―教室

 

 

 

キーンコーンカーンコーン・・・

 

 

 

あかね「ふぁぁあ・・・あれから3日。みゆき、だいじょぶやろか」

 

やよい「お母さんは目を醒ましたんだよね」

 

あかね「ああ、せやけどショックが大きぃてまだ病院のベッドの上やて」

 

やよい「そっか・・・」

 

あかね「みゆきも相変わらず病院から離れようとせんって。何回もうちに来いって誘ってんけど」

 

やよい「わたしも同じだったよ・・・みゆきちゃん、ずっとお母さんと一緒にいるって」

 

あかね「はぁぁぁぁ・・・みゆきがしんどい思いしとんのに、なーんもできへん・・・」

 

やよい「あかねちゃん・・・」

 

 

 

ガラララララッ

 

 

 

なお「あかねっ・・・!」タッタッタッ

 

れいか「あかねさんっ・・・!」タッタッ

 

やよい「なおちゃん、れいかちゃん・・・?」

 

あかね「なんや2人とも・・・朝っぱらからどこ行っとったんや」

 

なお「やよいちゃんも・・・ちょうどよかった・・・ッ」

 

やよい「?」

 

れいか「実は・・・たいへんなことに・・・っ」

 

 

 

ガララララ・・・

 

 

 

先生「はーいみんな席についてー?」

 

あかね「あ、もう先生来てしもたやんか・・・」

 

なお「・・・」

 

れいか「・・・」

 

先生「ほーら緑川さんも青木さんも席について。黄瀬さんもよ?」パンパンッ

 

やよい「は、はいっ」

 

先生「えー、実はね。今日はみんなにビッグニュースがあります」

 

やよい「・・・ビッグニュース?」

 

なお「・・・」ジッ

 

れいか「・・・」コクッ

 

先生「そう、今日はなんと。転校生を紹介します」

 

 

 

「「「「おぉぉぉぉ~~」」」」ザワザワザワザワ

 

 

 

あかね「てんこう・・・」

 

やよい「せい?」

 

 

 

先生「それじゃあさっそく。いいわよぉー?入ってきてーっ?」

 

 

 

ガラララララ・・・

 

 

 

スタスタスタ・・・

 

 

真っ黒の髪に―

 

 

 

あかね「・・・」

 

 

 

真っ赤な2つの紐リボン―

 

 

 

あかね「・・・ッ!!!!!」

 

 

 

だらしなく着崩した制服に―

 

 

 

れいか「・・・ッ」

 

なお「・・・ッ」

 

やよい「・・・?」

 

 

 

黒タイプのネクタイ―

 

 

 

?「今日からこの学校に転入してきました・・・♪」

 

 

 

あかね「う・・・」

 

 

 

?「“黒咲かなた”です♪」

 

 

 

あかね「うそやろ・・・」

 

 

 

 

 

 

 

かなた「みーんな仲良くしてくださいねー♪」

 

 

 

 

 

 

 

 

To be continued...

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