数刻前-
七色ヶ丘市-上空
バッサバッサバッサバッサッ
ギルティ「あぁぁ~っん♪」
≪早朝だというのにも関わらず太陽は暗い雲に覆われ、七色ヶ丘市の町はどこか陰鬱な雰囲気に飲み込まれていた。そしてそんな暗雲の中に、まるで巨大な蝙蝠かと思わせるほどの怪異的な羽をはばたかせている異形の少女の姿が・・・≫
ギルティ「はぐっはぐ・・・あっぐ・・・」ブチブチブチッ
ギルティ「んっく・・・んん・・・」クチャクチャ
ギルティ「あいつの“腕”まぁまぁイケんな。もう一本取っときゃよかった・・・プッ」
ギルティ「はぐっあぐ、んっく・・・ぷは、にしてもぉ・・・」
ギルティ「んふふ♪」
ギルティ「いい天気だにゃー♪」
ギルティ「まるでわたしの帰還をお祝いしてくれてるようじゃないかー♪あはははは♪」
ギルティ「んじゃまぁせっかくだしー?凱旋パレードでもして盛り上げなくっちゃねぇ?」
≪ギルティはまだ静寂さの残る早朝の七色ヶ丘市を上空から見下ろし≫
ギルティ「そいじゃあ・・・まっ」
ギルティ「まずは手始めに・・・」
ギルティ「世界征服でもしてみっか」
≪そしてキュアギルティが両腕を左右に広げた瞬間、まるで世界を作り変えるかのよう彼女の手から放たれた闇のエネルギーが町全体を侵食していった≫
ギルティ「“プリキュア・・・”」
ギルティ「“パラダイスロスト”」
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・・・・・・・・・・・・・・・
・・・
ふしぎ図書館-
みゆき「なおちゃんとれいかちゃんも・・・」
やよい「わたしたちと、同じ目に・・・」
サニー「ああ、合っとるかもしれへん」
サニー「うちだけやと思っとったけど、やよいの・・・その、おばちゃんも・・・ってことは」
やよい「・・・」
みゆき「そんな・・・」
サニー「まぁ・・・なおとれいかも、うちらみたいになっとるとは限らへんけど・・・」
みゆき「・・・」
サニー「覚悟は、しといたほうがええかもしれへんな・・・」
みゆき「・・・」
やよい「・・・そんな」
やよい「そんなの・・・ひどすぎるよ・・・」
みゆき「やよい、ちゃん・・・」
やよい「そんなの・・・どうして、そんな・・・っ」
やよい「みゆきちゃんや・・・あかねちゃんだけじゃなくて、なおちゃんたちまでなんて・・・っ!」
やよい「そんな・・・そんなのひどすぎるよ・・・っ!!」
サニー「・・・」
みゆき「・・・迷ってても、仕方ないよ」
サニー「みゆき・・・」
みゆき「いこう、なおちゃんとれいかちゃんの所へっ!」
やよい「みゆきちゃん・・・」
みゆき「もし・・・もし、なおちゃんとれいかちゃんも・・・わたしみたいな・・・ううん、わたしたちみたいなツライ目に合ってるんだとしたら、絶対にほっとけないよ・・・っ」
サニー「・・・」
みゆき「それに、キャンディとポップもいないってことは・・・ふたりのところに行ってるのかもっ」
みゆき「グズグズしてられない・・・っ」
やよい「う・・・うんっ」
サニー「せやな・・・。でも、わかっとるんか、みゆき」
みゆき「え?」
サニー「あっちの・・・やのぉて、うちら人間の世界には、確実に“アイツ”がおる」
やよい「・・・っ」キュッ
みゆき「・・・うん」
サニー「正味、いつ戦いになってもおかしくないで。それこそ、なおやれいかの家でやり合うことにもなりかねん・・・」
みゆき「ぁ・・・」
サニー「・・・あっ」
やおい「あ、あかねちゃんっ」
サニー「ご、ごめんみゆき!うち、そんなつもりやないねんっ!」
みゆき「う、ううん・・・いい、よ」
サニー「ごめんな・・・いやなこと思いださせてしもて・・・」
みゆき「ううん、でも・・・たしかにあかねちゃんの言うとおりだよね」
やよい「みゆきちゃん・・・」
みゆき「わたしたち、いつでもすぐに戦えるようにしとかなくっちゃ」グッ
みゆき「やよいちゃんっ」
やよい「・・・うんっ」
みゆき・やよい「「プリキュア・スマイルチャージッ!」」
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・・・
なおの家-
フワァァァァアン・・・
≪なおの部屋にある本棚が淡い光を放つと、ふしぎ図書館へとつながる道が開かれる。そしてその道を通ってハッピーたちがなおの部屋へと駆けつけると・・・≫
ハッピー「なおちゃんっ」スタッ
ピース「・・・しょっと」スタッ
サニー「なお・・・っ、おるかぁ~?」タタッ
ハッピー「なおちゃん!?なおちゃーん!?」
サニー「あっほ・・・!ハッピー!なおの家族もおねんで!?」
ハッピー「あ!そ、そうだった・・・ごめんなさぃ・・・」
サニー「ったく・・・」
ピース「でも・・・なおちゃん、部屋にはいないみたいだね・・・」
ハッピー「うん・・・」
サニー「なおのやつ、どこ行ったんや・・・」
ハッピー「出かけちゃったのかな・・・」
サニー「こんな朝からか?今は学校も休みやっちゅーのに・・・」
ピース「それに、昨日だってみんなとやくそくしてたし・・・」
ハッピー「あ、そっか。そうだよね・・・」
サニー「ともかく、このままここにおってもしゃぁないし、どっか探してみよか」
ハッピー「そうだね」
サニー「やったら、まずは家ん中にお邪魔して・・・」
ピース「あ、でもなおちゃんの家中探すなら、このままの格好じゃマズイかも・・・」
サニー「そか・・・せやな」
ハッピー「じゃあ一回変身を解いてか・・・」
?「きゃぁぁぁぁぁああああああああっ!!」
ハッピー「・・・え!?な、なに!?」
ピース「い、いまの!ひ、悲鳴っ!?」
サニー「あっちの部屋からやっ!!」タタッ
ピース「あ、サニー・・・ッ!」
ハッピー「待って!わたしも・・・っ!」
サニー「・・・っ」
ハッピー「・・・!」
ピース「・・・ッ」
ガラララッ
ハッピー「ぇ・・・っ」
サニー「な・・・」
ピース「・・・ぇ?」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・
・・・
れいかの家-
キャンディ「れいか!れいかぁぁ・・・っ!」
れいか「あ・・・あぁぁ・・・あぁぁあ・・・っ」
ポップ「れいかどの・・・これは・・・」
れいか「わたしは・・・わたしは・・・あぁああああっ!」
ポップ「どうしたということでござる・・・っ!!」
キャンディ「おにーちゃん、れいかどうしちゃったクル・・・っ」
ポップ「・・・っ」タッタッ
れいか「お母様・・・っ!お兄様ぁ・・・っ!!」
ポップ「れいかどの!れいかどの・・・っ!!」
れいか「わたしは・・・っ!!また・・・っ!!」
ポップ「いったい・・・」
ポップ「いったい・・・“なにを見ている”でござる!」
れいか「わ、わたしは・・・わたしはまた・・・また誰も救えずに・・・っ!!」
ポップ「れいかどの・・・っ!!」
れいか「お母様とお兄様まで・・・こんな・・・こんな・・・っ!!」
ポップ「目を醒ますでござるよ!れいかどの・・・っ!!」
れいか「あぁぁあぁぁぁあっぁぁ・・・っ」
ポップ「れい・・・っ」
キャンディ「クルぅぅぅうう!!」
ポップ「・・・!?」
キャンディ「ク、クル・・・み、みゆき・・・おにいちゃ・・・」
ポップ「キャンディ!!如何したでござる・・・っ!!」
キャンディ「おにーちゃぁぁん!み、みゆきぃぃいっ!」
ポップ「キャンディ・・・っ!!」
キャンディ「クル・・・クルぅぅぅうっ!!」
ポップ「(まさか・・・キャンディまでれいかどのと同じように・・・っ!?)」
ポップ「これは・・・いったい・・・」
ポップ「・・・っ!」
キャンディ「クルゥゥゥゥ!おにいちゃぁぁあん!!」
ポップ「まさか・・・っ」
ポップ「(さきほどこちらに来たときに感じた妖気・・・その正体は・・・っ)」
?「おに・・・ちゃ・・・」
ポップ「キャン・・・」
ポップ「・・・っ!!!!」
≪ポップの目の前にはボロボロになっている瀕死の状態のキャンディの姿が映りだし・・・≫
ポップ「キャ、キャンディ・・・」
キャンディ?「お、おにぃちゃぁ・・・ん・・・」
ポップ「・・・な、く・・・ぁ・・・っ」
キャンディ?「おにいちゃぁぁ・・・た、す、け・・・」
ポップ「はぁっ・・・はぁっはぁ・・・っ!!」
ポップ「(お、落ち着くでござる・・・精神を乱してはならぬ・・・!!落ち着くでござるよ・・・!!)」
キャンディ?「お・・・に・・・ちゃ・・・こふっ」
ポップ「(これはまやかし・・・!!信じてはいかんでござる・・・!!くっ・・・!!)」
ポップ「はぁっはぁっはぁ・・・」
ポップ「こんなことができるのは・・・っ」
ポップ「知らせねば・・・」
ポップ「みゆきどのに・・・これを・・・はぁっはぁ・・・っ」
キャンディ「おにぃちゃぁあん・・・!!たすけてクルぅぅぅ・・・!!」
ポップ「くっ・・・キャンディ・・・済まぬでござる・・・っ」
ポップ「必ず・・・必ず助けにくるでござる・・・っ」
キャンディ「みゆきぃぃぃ!おにいちゃぁぁん・・・っ!」
ポップ「それまでは・・・ご免っ」ダダッ
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・・・・・・・・・・・・・・
・・・
なおの家-
ひな「うえぇぇぇぇえええええ!!!」
はる「おねぇちゃぁぁあああん!!!」
ゆうた「ふえぇぇぇええええん!!!」
こうた「びえぇぇぇぇえええん!!!」
≪緑川家の居間ではなおの弟たちが泣きじゃくりながら必死に家族の名前を呼んでいる異様な光景が広がっていた≫
サニー「な、なんやねん・・・これ・・・っ」
ピース「みんな・・・どうしちゃったの・・・!?」
ハッピー「ねぇ!けいたくん!はるちゃん!しっかりして!ねぇっ!」
けいた「おれ・・・おれのせいだ・・・俺が言うこときかなかったから・・・父ちゃぁん!!」
ゆうた「お、おかあさぁぁん・・・っ」
ハッピー「おとうさん!?おかあさん!?ね、ねぇ!なにがあったの!?」
こうた「ふえぇぇぇええ!!お、おかーさぁぁあん!!」
ピース「こうたくん・・・!えっと、いいこだから泣かないで!ね!?だいじょうぶ、だいじょうぶ・・・っ」
サニー「いったい・・・なにがあったんや・・・っ」
はる「おねえちゃぁぁああんっ!!」
ひな「なおおねえちゃんがぁぁ・・・っ!!」
ピース「え・・・な、なおちゃん!?」
ハッピー「なおちゃんがどうしたの!?ねぇ!はるちゃん!ひなちゃん・・・っ!」
「「「「うわぁぁぁああああああああんっ!!」」」」
ハッピー「ダメだよ・・・みんななんにも言ってくれない・・・っ」
ピース「な、なおちゃんやおじさんたちに・・・なにかあったのかな・・・っ」
ハッピー「・・・っ」
サニー「いや・・・そもそもおかしいで・・・っ」
ハッピー「えっ?」
ピース「おかしいって・・・」
サニー「・・・」
≪サニーは部屋の隅っこで縮こまっているなおの弟、けいたの元へと歩み寄って≫
サニー「けいた!けいた・・・っ!」
けいた「ごめん・・・ごめんよ父ちゃん・・・ごめんっ」
サニー「・・・っ」
サニー「こらぁぁ!!けいたぁあ!!」グイッ
ハッピー「サ、サニー!?」
ピース「やめて・・・っ」
サニー「けいた!!けいた・・・!!聞いとるんか・・・っ!?」
けいた「父ちゃん・・・父ちゃぁぁんっ」
サニー「・・・」
サニー「やっぱりや・・・」
ハッピー「え・・・」
ピース「どういうこと・・・?」
サニー「けいたも・・・はるも、ひなも、ゆうたもこうたも・・・」
サニー「うちらのこと、見えとらんで・・・」
ピース「え!」
ハッピー「そんな・・・っ」
はる「うえぇぇぇん!おねえちゃん死んじゃやだぁぁあ!」
ゆうた「死んじゃやだよぉぉ!おかあさぁぁあん!」
ハッピー「じゃ、じゃあ・・・」
ハッピー「じゃあ・・・みんな・・・」
ハッピー「みんないったい・・・なにを見てるの・・・!?」
サニー「まるで・・・みんながみんな、悪夢でも見とるみたいや・・・」
ピース「あく、む・・・」
?「うっぐ・・・ぅ・・・っ」
ハッピー「お、おじさん・・・っ」
サニー「無事やったんか?!」
源次「なお・・・けいた、はる・・・ひな・・・」
ハッピー「え・・・」
源次「ゆうた・・・こうた・・・すまねぇ・・・くそっ・・・!!」
サニー「おっちゃんまで・・・」
ピース「いったい・・・なにが起こってるの!?」
サニー「わからへん・・・とにかく、なんとかせな・・・っ」
ピース「う、うんっ」
サニー「とりあえず・・・みんなの目を醒まさせ・・・て・・・」
サニー「・・・っ!!」
ピース「え・・・サニー?」
サニー「お、おかあちゃん・・・?」
ハッピー「え・・・?」
サニー「お母ちゃん・・・な、なんで・・・」
≪サニーの目にはこの場所にいるはずのない母の姿が・・・≫
ハッピー「サニー・・・?」
サニー「お母ちゃん・・・っ!!」
ゴトリ
サニー「え」
サニー「う・・・」
サニー「うわぁぁぁああああああああああああああ!!」
ハッピー「サニー!?」
サニー「い、いやぁ!!いややぁ!!いやぁぁあ!!」
ハッピー「サニー!?どうしたの!?サニー!!」
サニー「いやぁぁ!!そんな・・・そんなんいややぁぁああ!!」
ハッピー「サニー!!」
?「きゃぁぁああああ!!」
ハッピー「!?」
ピース「パ、パパ・・・パパ、だよね・・・?これ・・・」
ハッピー「ピース・・・!?」
ピース「な、なんで・・・なんでパパが・・・」
ピース「やだ・・・やだやだ・・・やだ・・・」
ピース「パパぁぁぁ!!」
ハッピー「ピース!しっかりして!!ピース!!」
サニー「あ、あぁぁぁ・・・っ」
ピース「パパぁ!パパぁぁ!!」
けいた「か、母ちゃぁぁん!!」
はる「おねえちゃぁぁぁん!!」
ひな「うあぁぁああああああん!!!」
ハッピー「な・・・なんなの、これ・・・」
ハッピー「どうしよう・・・どうしようどうしよう・・・」
ハッピー「どうにかしなくちゃ・・・どうにか・・・っ」
ハッピー「・・・っ」
ハッピー「あぁぁ!ど、どうすればいいのぉ~!?」
?「みゆきどのっ!!」
ハッピー「え・・・」
ポップ「く・・・みゆきどの、はぁ・・・はぁっ」
ハッピー「ポップ・・・!!」
ポップ「よかった・・・そこにいるでござるな・・・」
ハッピー「え・・・そ、そこにいるって・・・ポップ、目の前にいるよ!?」
ポップ「はぁ・・・はぁ・・・すまぬ。視界がボヤけて・・・」
ハッピー「それよりポップ!たいへんなの!みんなが・・・みんなが・・・っ」
ポップ「はぁっは・・・やはり、こちらでも・・・っ!!く・・・いや、今は説明しているヒマはないでござるよ・・・と、とにかく・・・みゆきどの・・・!!」
ハッピー「えっ?」
ポップ「キュアハッピーの力で・・・っ!!ハッピーシャワーを拙者たちに向かって撃つでござるよ!!」
ハッピー「え・・・えぇぇ!?」
ポップ「たのむでござる・・・!!はぁ、はぁ・・・いかに拙者といえど、これ以上のものを見せられるのは・・・ご免被るでござる・・・っ」
ハッピー「み、見せられる・・・?」
ポップ「みゆきどの・・・たのむでござる・・・っ」
ハッピー「いったいどうゆうこ・・・」
ポップ「はやくっ!!」
ハッピー「う、うん!!なにがなんだかわかんないけど・・・いくよ!?」
ポップ「・・・っ」
ハッピー「・・・っ!」
ハッピー「“プリキュア”」
ハッピー「“ハッピーシャワァー!!”」
シュワァァアアアアアアアアアアアアンッ!!
≪ハッピーの両手から放たれた聖なる光が緑川家の今を包み込み・・・≫
ポップ「う・・・っ」
サニー「ぁ・・・ぁあ・・・っ」
ピース「あ・・・」
ハッピー「みんな・・・っ」
フワァァアンッ
≪ハッピーシャワーの残滓が残る居間は先ほどまでとはうってかわり、阿鼻叫喚は消えうせて安穏な静寂の中に包まれていた≫
ポップ「はぁ・・・はぁ・・・」
ポップ「はぁー・・・はぁー・・・やはり・・・」
ハッピー「ポップ・・・っ」
ポップ「あぁ・・・みゆ、いや・・・ハッピーどの・・・」
ハッピー「ポップ!だいじょうぶっ!?」
ポップ「あぁ・・・助かったでござるよ・・・」
ハッピー「はぁぁ・・・よかったぁ・・・」
ポップ「ふっ」
ハッピー「それで、これってどういう・・・」
サニー「ぅ・・・あ・・・」
ピース「う、うぅん・・・」
ハッピー「あ・・・っ!サニー!ピース!」
サニー「あ・・・あれ・・・う、うち・・・」
ピース「え、わ、わたし・・・」
ハッピー「サニー!ピース・・・!だいじょうぶ!?」
サニー「え・・・ハッピー?あ、あれ・・・いま、うちのお母ちゃんが・・・っ」
ピース「い、いまここに・・・パパが・・・っ」
ハッピー「わたしのこと見える!?見えてるよね!?」
サニー「な、なんやねん・・・ち、ちかいで・・・」
ピース「わたし・・・えっと、どうしちゃったん・・・」
ハッピー「ふぇぇぇん!ふたりともぉぉ!」ガバッ
サニー「うわっ!ちょ、ハッピー!?」
ピース「ど、どうしちゃったの!?」
ハッピー「もぉぉ~心配させないでよぉ~っ」
サニー「わ、わかった!わかったから離してっ」
ピース「くるしいよぉっ」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・
・・・
ハッピー「幻覚!?」
ポップ「左様。拙者たちが見ていたのは紛れもない幻覚。悪質な夢でござるよ」
ピース「そう、だったんだ・・・」
ハッピー「でも、どうしてわたしだけ・・・」
ポップ「おそらく、ハッピーどのの持つ『光』の力によるものでござろうな」
ピース「そっか!ハッピーには浄化の力があるから・・・っ」
ポップ「うむ」
ハッピー「でも、いったい誰がそんなこと・・・っ」
ポップ「・・・それは」
サニー「決まっとるやろ・・・」
ピース「サニー・・・」
ハッピー「けいたくんたちは?」
サニー「大丈夫や。もううなされてへん、みんなぐっすり眠っとるわ」
ハッピー「そっか・・・よかった・・・」
サニー「おばちゃんも隣の部屋で倒れてたみたいやから、担いだったわ」
ピース「あはは・・・」
ハッピー「そういえば、なおちゃんは・・・?」
サニー「あかん。一通り家ん中探してみたけど、どっこにもおらへん・・・」
ハッピー「そっか・・・」
サニー「んで、話戻すけど・・・」
サニー「こんなことしよんのは、間違いなく“アイツ”や」
ハッピー「・・・」
ピース「キュア・・・ギルティ・・・」
サニー「・・・」コクッ
ポップ「ハッピーどのには通用しなかった、という点から見ても間違いないでござろうな。まさかバッドエンド王国を崩壊させていたとは・・・驚いたでござる」
ピース「そっか・・・もうバッドエンド王国にはマジョリーナしかいないんだもんね・・・」
サニー「こんなことできんのは、もうギルティのやつしかおらへんっちゅーこっちゃ」
ハッピー「じゃ、じゃあけいたくんたちが苦しんでたのも・・・っ」
ポップ「拙者同様、ギルティの術によって誰かの無残な姿を見せつけられていたのかもしれんでござるな・・・」
ピース「そんな・・・」
ハッピー「あ・・・でも、じゃあ・・・!本物のなおちゃんは無事ってことだよね!?」
ポップ「そう、でござるな・・・。ここにおられないのが心配ではござるが・・・」
ピース「ほっ・・・」
ハッピー「そっかぁぁ・・・よかったぁぁ・・・」
サニー「はぁぁぁぁ・・・」
ハッピー「サニー?」
サニー「そっか・・・幻覚やったんやもんな・・・はぁ・・・」
サニー「いきなりお母ちゃんが・・・その、んと・・・あぁ。驚かせよって・・・」
ハッピー「あはは・・・よかったね、サニー」
サニー「あぁ・・・あ・・・え?」
ハッピー「うん?」
ピース「どうかしたの?サニー?」
サニー「ちょ、ちょっとまって!ポップ!」
ポップ「?・・・如何なされた、サニーどの」
サニー「幻覚って、ゆーたな?・・・そ、それって・・・いつから・・・?」
ポップ「さぁ、そこまでは知りえぬでござるが。拙者がれいかどのの家を訪ねたときにはもう・・・」
サニー「・・・っ」
サニー「まさか・・・」
サニー「まさか・・・っ!!」タタッ
ピース「サニー!?」
ハッピー「ど、どうしたの!?」タタッ
サニー「今までのことが幻覚やったっちゅーんなら・・・ピース!」
ピース「え・・・!?」
サニー「げんきも・・・やよいのおばちゃんも!生きとるかもしれへん!!」
ピース「え・・・っ!!」
ハッピー「あ・・・!!そ、そっか・・・!!」
サニー「うちらみんなが同じギルティの技にハマってしもーたっちゅーんなら・・・きっと!!」
ピース「・・・っ!!」
ハッピー「あはは・・・うん!そうだよ!きっとそう!!やよいちゃん!!おばさん生きてるよ!!」
ピース「ぁ・・・」ドサッ
ハッピー「ピ、ピース・・・!?」
サニー「なんや、ピース・・・どないした!?」クルッ
ピース「あ・・・あは・・・あはは・・・ご、ごめんなさい、力が抜けちゃった・・・」
ピース「あは・・・あはは・・・う、ぐずっ・・・あはは・・・」
ピース「う・・・うぇ・・・うぇぇぇぇん・・・っ!」
ハッピー「ピー・・・やよい、ちゃん・・・」
ピース「よかった・・・よかったよぉぉぉ・・・ふぇぇぇぇえっ」
ハッピー「やよいちゃん・・・よかった、ね・・・」
ピース「みゆ、きちゃ・・・」
ハッピー「よかったね・・・よかったぁぁ・・・」
ピース「う、うえ・・・」
ピース「うぇえぇぇぇえんんっ」
ピース「ごめんね・・・ごめんね、みゆきちゃぁぁん・・・っ」
ハッピー「いいよ・・・気にしなくって」
ピース「ふぇぇぇぇぇぇん・・・っ」
サニー「ほら、泣いとる場合やないで?まずは安否確認せな!安心するんはそれからやっ」
ピース「う、うん・・・ひっく・・・そ、そうだよ、ね・・・っ」
ポップ「はぁっはぁ・・・みなのしゅう~っ」タッタッ
ハッピー「あ、ポップ・・・っ」
ポップ「はぁっはぁ・・・やっと追いついたでござる・・・」
ピース「あは・・・あはは・・・」
サニー「あはは・・・夢中で飛び出してしもた。かんにんかんにん」
ハッピー「ほんとだよぉ。いきなり走りだすんだもん」
ピース「サニーったら、ふしぎ図書館から行けば近いのに」
サニー「あ、ほんまやっ」
ハッピー「あはは♪」
ポップ「いや、飛び出してきたのは正解だったかもしれぬでござる・・・」
ピース「え・・・?」
ポップ「よく聞くでござるよ・・・」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・
・・・
七色ヶ丘市-住宅地
?『うわぁぁぁあああああ!!』
?『い、いやぁああ!いやぁぁああああ!!』
?『かあさん!かあさぁぁん!!』
?『死んじゃやだぁ!死んじゃやだよぉぉ!!』
≪早朝の住宅街に響き渡るのは四方八方から聞こえる人々の泣き叫ぶ悲惨な声。道行く人はうずくまり、まるでそこに人がいるかのように誰かに向かって泣き叫んでいる。穏やかなはずの朝の住宅地は家中から聞こえる阿鼻叫喚と暗雲立ち込める天気も相まって、まるで地獄のような光景に変貌していた≫
ハッピー「なに、これ・・・」
ピース「そ、そこらじゅうから・・・聞こえるよ・・・っ!?」
サニー「みんな・・・みんなうちらと同じや・・・っ」
ポップ「街中がこの有様とは・・・この世のものとは思えんでござる・・・っ」
ピース「こんな・・・こんなの、ひ、ひどい・・・」
サニー「・・・っ」
ハッピー「ま、まってて!みんな!すぐに目を醒まさせて・・・っ」タタッ
ピース「わ、わたしも・・・っ」
ポップ「待つでござる!!」
ハッピー「え!?」
ピース「どうしてとめるの?ポップ・・・っ」
ポップ「この分では!ここだけではなく、おそらく町全体の人間が幻覚を見ているでござる!」
ポップ「その一人一人の目を醒まさせていてはキリがないでござるよ・・・!!」
ハッピー「で、でも・・・っ」
ポップ「今は・・・っ!特にハッピーどのの能力を下手に消耗させるのは得策ではござらん・・・キュアギルティを倒すことに専念したほうがよいでござる・・・っ!」
ハッピー「・・・っ」
ポップ「力を温存しておかなくては・・・っ」
ハッピー「・・・でも、わたしなら・・・助けられるのに・・・!!」グッ
ピース「ハッピー・・・」
ポップ「ハッピーどのの言いたいことも・・・重々承知しているでござるよ・・・」
ハッピー「・・・」
サニー「・・・ポップの言うとおりや。ここで力を使い果たして、身動きとれんくなったら意味ないで」
ハッピー「・・・」
サニー「ハッピー・・・ツライやろけど・・・」
ハッピー「ううん・・・そうだね。2人の言うとおりだよ・・・」
ピース「でも、じゃあこれから・・・どうするの?」
サニー「ともかく、なおとれいかや!キャンディはれいかの家におるんやったな、ポップ!」
ポップ「間違いないでござるよ。キャンディも・・・今は術にかかって・・・くっ」
ピース「そんな・・・」
サニー「こうしちゃおれへんで!ハッピー!ピース!」
ピース「それじゃあ、はやく行かなくっちゃ!」
ハッピー「う、うんっ!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・
七色ヶ丘市-高層ビル屋上
≪七色ヶ丘市の中でもひと際高いその高層ビルの屋上、フェンスの上で翼を広げまるで下界の人間を見下ろす神の如くたたずむ漆黒の少女は、溢れ出るバッドエナジーを吸収し続けながら下層から聞こえてくる心地よい悲鳴をBGMに愉快そうに口元を歪ませていた≫
ギルティ「ぷっ」
ギルティ「くく・・・っ」
ギルティ「くひひ」
ギルティ「いひひ・・・あはは・・・」
ギルティ「いいねいいねー♪いいねこれぇー♪」
男A「う、うわぁぁああああ!!」
女A「きゃぁあああああああ!!」
ギルティ「まーだ今のわたしじゃ街ひとつ飲み込むぐらいで限界か・・・」
ギルティ「いやいやにしても皆々様。みぃ~んなそろって“イイ笑顔”ですこと♪」
男B「お、おい!目を・・・目をあけてくれよぉおおお!!」
女B「こんな・・・なんで・・・こんなのいやぁあああ!!」
ギルティ「きっと素敵な世界を見ているんだろーねぇー?」
男C「た、たのむ!死なないでくれ・・・死なないでくれよぉぉお!!」
女C「お父さん!!死ぬなんて言わないでよぉ!!死んじゃやだよぉぉ!!」
ギルティ「嬉しいことがあって悲しいことがある。だから人間って落ち込んじゃう。希望をもっちゃう。希望をもって裏切られる。そしてまた希望をもつ。これの繰り返し・・・」
男D「なんで・・・なんでこんなことに・・・っ!!」
女D「びょ、びょうい・・・病院にいかなくちゃ・・・あ・・・ぁぁ・・・っ」
ギルティ「でも、ここにはそんなものはないよ。辛いことと苦しいことしかない。それしかない。希望なんて持たせない。絶望しかない。ラクでしょ?悲しみしかないんだから。みんながみんな絶望してる。まんべんなく差別なく。誰もがみんな死にとりつかれる・・・」
男E「うわぁぁああああああああああ!!!」
女E「いやぁあぁあああああああああ!!!」
ギルティ「まさに“楽園”だ♪」
ギルティ「あははっハハハハハハハ八はひひはははっひあひあはははははひひひはははははははははひひはははははははははははあはっはははははははははヒヒヒヒヒひはあはははあはあはヒヒははあはあはははハハハハハハハはっはあははははははははははひひひひははははははははははははっは♪」
ギルティ「おやぁぁ~~?」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・
・・・
七色ヶ丘市-住宅街
≪ハッピーはピースに抱きかかえられたポップとともに、いまだギルティによる幻覚の罠にかけられているであろうれいかとキャンディを救うため青木家へと全速力で住宅地を跳躍しながら駆け抜けていた≫
ポップ「今になって思えば・・・れいかどのの部屋を訪ねた時から、もうすでにギルティの術にかけられていたでござるな・・・未熟でござるっ」
ピース「ポップ・・・」タタタッ
サニー「気にすることないでポップ・・・うちらかてわからへんかってんから・・・っ」タタッ
ハッピー「でも、いったいどうしてこんなこと・・・」タッタッタッ
ポップ「それは・・・」
ピース「・・・」
ハッピー「こんなことして・・・なにが楽しいの・・・っ」
ピース「・・・くやしいんだと思う」
ハッピー「え・・・?」
サニー「ピース?」
ピース「わたし、前にあの子と一緒に学校から帰ったことがあるんだけど・・・」
ハッピー「・・・」
サニー「それって、アイツにパシらされてた頃のこと・・・っ?」
ピース「うん・・・それで、ね。帰りに・・・親子の猫さんを見つけたんだ」
ピース「ボロボロで、いっぱい汚れてた猫さんだったけど・・・親猫は子猫のこと大事そうに身体を舐めてて・・・」
ポップ「・・・」
ピース「それを見てたら、あの子は笑いながら猫さんのこと蹴ったり、ひどいことしだして・・・」
かなた『あははははー♪クソ汚ねードブ猫親子がそろって人間さまの通り道で捨てられてんじゃねーよボケー♪』ガスッ
ハッピー「・・・」
サニー「ほんま・・・最低なやつや・・・っ」
ピース「その後にね・・・あの子がぽそっと言ってたんだけど・・・」
かなた『・・・ドブ猫以下か』
ハッピー「・・・」
ピース「だから・・・その、あの子はたぶん・・・そういう、親子とか、幸せとか・・・そういうこと、よく知らないんだと思う・・・」
サニー「・・・」
ピース「だから、みんなが笑ってたり・・・幸せそうなところを見るのが・・・悔しいんじゃないかな・・・」
ポップ「ピースどの・・・」
ピース「だ、だからって!こんなこと許せないよ!?みゆきちゃんや、みんなに・・・散々ひどいことして・・・ぜったい許せない!!」
ハッピー「・・・」
サニー「・・・」
ピース「ご、ごめんね・・・わたし・・・変なこと言っちゃって・・・」
ハッピー「う、ううん!いいの!そうだよね、うん・・・でも・・・っ」
サニー「ああ、とにかく今は・・・そんなん考えるんは後や・・・っ!」
ハッピー「うん、急ごうっ!」
ピース「うん・・・っ」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・
・・・
七色ヶ丘市-路地裏
なお「ごめんなさい・・・ごめんなさいごめんなさい・・・」
≪人気の少ない路地裏でまるでなにかから追われているかのように怯えて縮こまっているなお。頭を抱えて目に涙を溜めながら必死に誰かに向かって許しを請うように「ごめんなさい」という言葉を口にし続けて・・・≫
なお「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい・・・」
なお「ゆるして・・・ゆるしてゆるしてゆるして・・・っ」
なお「もう・・・お願いだから・・・っ」
なお「お姉ちゃんをゆるして・・・っ」
?「ねぇぇちゃぁぁ・・・ん」
なお「ひっ・・・」
?「たすけ・・・ねぇちゃ・・・」
?「おねえちゃぁ・・・なお・・・」
?「なおおねえちゃぁぁん・・・」
?「た、たすけてよぉぉ・・・」
なお「い、いや・・・もうやだ・・・こんなの・・・っ!!」
なお「こんなのいやぁぁああ!!」ダッ
バッサバッサバッサバッサバッサッ
?「あっははっはっはははははははー♪」
なお「みんな・・・みんな・・・たすけて・・・っ!!」
?「おやおやこれはこれは緑川ちゃん♪」
ギルティ「こんなところでどーしたのぉー?」
To be continued...
実はげんき君もちはるさんも源次さんも淳之介兄さんも死んでなんていません。
そもそもそれぞれ別の場所にいる家族を同時に殺す、なんてことができるわけがないのデス。
ギルティの技。「パラダイスロスト」による大規模な幻覚攻撃です。
でも幻覚だけって、それってギルティっぽくなくない?って思う人もいるでしょうが、よく考えてみましょう。
『幻覚』ということはつまり、自分の大切な人が“何度でも”死んでいく様が見せれるということです。
何度でも何度でも、生きている限り家族や友人の死に様を見せ付けられるわけです。
それって普通に死んでいくよりもツライことですよね。立ち直ることを許さないわけですから。
これらによって発生されるのは町中の人たちのバッドエナジー。そしてそのバッドエナジーを吸ってギルティは幻覚を見せつけ続ける。
最低で最悪な永久機関と化してます。
どう転んでもバッドエンドなんてそんなそんな。救いはあります。夢もキボーもあるんだよ!それでも世界は地獄絵図なうだけどネ!←
それではまた次回!