いきなりだが、こんな言葉を聞いたことはないだろうか?
『吸血鬼』『ドラキュラ』『ヴァンパイア』『バンパイア』etc...
そう、いわゆる「人の血を吸い屍肉を喰らうとされる悪魔の様なおぞましい者」と現代世界では認識されているあの吸血鬼だ。偏に吸血鬼と言ってもさまざまな存在が謳われているのだが...そこは今は割愛しよう。
これほどまでに世界にその存在が認知され、未だにその認識が揺らぐことなくあり続ける彼らには、現代世界ではいないものの、もし、もしもだ。その伝承が歌われたせいで、破滅を迎えようとしている者たちが居ようとしたらどうだろうか?その、呪いと言われてもおかしくない様な怨讐の渦中にいる彼らを破壊しようとした者がいたら、
貴方はどうする、、?
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むかーしむかし、ある所に、地球という星がありました。その星は緑が多く生え青という源に潤された星でした。その星では人という生物がしあわせな営みを創り、時には人同士が殺し合い、時には人同士が協力し合って地球を助けるというとても愚かで残忍で傲慢で勤勉で幸せな生き物が生きていました。その生き物たちはとても栄えており、文化という形なき概念を作り、そこに文明という形ある意味を作りました。
しかしある日、人たちが営む地球という大地と言われるものの上に突如『黒』が現れました。『黒』は現れた瞬間に人々をなぎ倒し、怨嗟の炎を上げ、1日にして星の半分を燃やし尽くしてしまいました。『黒』に恐れをなした人たちは『黒』のことを恐怖と軽蔑をこめて、様々な呪いを掛けました。ですが、『黒』には一向に聞く気配がありません。『黒』は呪いを掛けた人たちを手につかんでは潰し、手につかんでは潰しを繰り返し、ケーキの一角程の人を殺してしまいました。人々は呪いをかけてもダメだと思い、『黒』のことを魔王と呼ぶことにしました。誰が言い始めたのはわかりませんが、魔王は人々を串刺しにしている、魔王は人の血肉を喰らう、魔王は殺しを生業としている、などと、意味のわからない虚偽の発言が出始めました。そうすると、それは瞬く間に大衆の意識に刻まれ、『黒』は世界中のみんなから嫌われてしまいました。
そんな中、『黒』を倒すことができるという勇者が突然現れました。人々は勇者の登場に歓喜の声をあげました。早く魔王を殺せ。あれをやっつけて。勇者には期待の声が沢山届きました。しかし、勇者は『黒』を殺しませんでした。殺すどころか、『黒』を『黒』たらしめるものから解放し、『黒』を娶ってしまったのです。そのことに人々は勇者の事をこう言いました。『黒の勇者』と。『黒』と『黒の勇者』はその世界から逃げるようにいつの日か二人だけしか知らない星の果てで、静かに眠りにつきました........。おしまい。
パタンと本を閉じる音が響く。今読んでいたのは実話を基にされたというお伽話で題名が『黒の勇者とお姫様』という題名だ。薄暗い大きな木の下で少年の肩に寄りかかる少女を見ながら少年は静かに呟く。
「この話って、まるで僕たちみたいだなぁ...。」
白髪の少年は金髪の少女の頭を撫でながら先程言った言葉を噛みしめる。もう二度と、この少女に悲劇が起きないようにと何度数えたかわからない覚悟を覚えながら。
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此処は箱庭という場所である。修羅神仏悪鬼羅刹たちが集う、まるで空想のような世界。そんな世界に数ヶ月前、4人の少年少女たちがとある目的を持って箱庭に召喚された。召喚された少年少女たちは、
白髪の少年のいる所は、外門と言われる門が設置されている場所の二七七三一五外門の森の中にいる。ここは数ある外門の中でも比較的交通量が少なく、あまり生物も生息していないため、白髪の少年のお気に入りの場所になっていたのだ。で、一緒にいる金髪の少女はというと...
(ガッツリ寝てる。仕方ないか、白雪さんと色々揉めてた(笑)みたいだし)
正しく言うと白雪姫というメイドが掃除がめんどくさいと称してとある館の中を盛大に濡らしてしまったのが事の発端だった。それの後始末に彼女は追われていて今現在に至るというわけだ。
金髪の少女が寝ているの方の肩を少し上下に揺らしても何も反応はない。むしろ、いい夢を見ているのかとても笑顔になっている。
「レティシアそろそろ起きて。早く帰らないと長に怒られちゃうから。それに、メイドの仕事もしないといけないでしょ?」
「...んぁ?」
少年の呼びかけに少しだけ瞼を開ける。だが、薄暗い所に差し込む光が彼女にとっては心地よいのかまたすぐに瞼を落として寝てしまった。少年はやれやれと思いながらもレティシアと呼ばれている少女の顔を見やる。
「まぁ、たまにはいいよね。十六夜達は多分...まだ飲んでるだろうし。」
そう思いながら少年は目を閉じる。目を閉じてかつて思い浮かべていた情景を想像する。いつか自分にもこんな日がくれば良いと思いながら。そして、少年も少女と同じように、
「...zzz」
少しだけ眠りにつくことにした。
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ここはまだ晴れて間もない空。久しぶりに浴びる陽の光に少年は喜びを覚え何か起こらないかと期待を込めて外へと飛び出す。その姿はまるで幼い子供のようなものだ。いつでも童心をわすれずに変わる事のないこの夢は終わることのない幻想へと堕ちていく。
少年が陽の光を浴びるのを楽しみながら歩いていると、突如空から一通の手紙が現れた。それは何の前触れもなく急に自分の手元にやってきた。少年は訝しげにその封筒を見る。たが、その封筒に書かれているのは自分の宛名のみ。住所や差出人などは一切書いておらず、この手紙がどのようにして自分の手元に来たのかもわからない。だが、少年はその手紙の封を開けることなく太陽の光が照りつける大地を歩んでいく。この
文化が花開き、文明が栄え、人が沢山いる広くて窮屈で醜い面白い世界。
それがたった一夜にして、たった一つの
さて、そんな不遇な少年はいざ知らず。突如として空からやってきたこの封書に興味津々になっていた。先程まであんなに興味がなかったのにだ。それも致し方のないことなのだろう。歩くことしか娯楽がなくなってしまった世界だ。毎日永遠と同じことをしていれば、新しいことに目移りするのは確かなのだろう。それ故に少年はその封書になにかの気配を感じていた。まるで、これから何か新しいことが起きるのではないかと、自分では知り得ない何かを知ることができるのではないかと。そんな期待感を込めて封を切った手紙には、こんな事が書かれていた。
『』
と。
これは、比類なき才能を持った少年少女たちと共に箱庭を駆けていく。
そんな