基本的に戦闘シーンは三人称でお送りします。
希望の音が鳴り渡る。
———
数千のノイズの出現、及びその直後に発生した複数の巨大なエネルギー反応に、ドタバタと二課の司令部ではオペレーターたちが忙しなく動き回る。
そして、オペレーターたちの手により類似する波形を照合、二課の大画面にそのうちの一つが明かされる。
「アウフヴァッヘン波形照合開始!」
「データベースに類似反応無し!未知の聖遺物です!」
「さらにそれに重なるように別の聖遺物反応!・・・類似反応有り!モニター出ます!」
そして誰もが目を見開き、二課の司令、風鳴弦十郎が大きな声を出す。
大画面に映し出された反応の正体、それは——
[Gungnir]
「ガングニールだとぉ!?」
今は亡き天羽奏が使っていた聖遺物の反応に、少なからずの動揺が二課全体に走る。
「それと同時にノイズの数が加速度的に減少!」
「全てのノイズの動きが先程の反応に向かって進行中!」
「これは、誰かがこの聖遺物を使って戦っている・・・と見て間違いないか。了子くん、どう思う?」
弦十郎は顎髭をさすり、眉間にしわ寄せながら、隣の櫻井了子に相談する。
「今現在、ノイズを倒せるのは私が開発したシンフォギアだけよ。これ自体は国のトップシークレットだからそうそう知ってる人は居ないでしょうし。残る線は完全聖遺物だけでしょうけど・・・」
んー?と了子は頭を捻って考えてるのを横目に、弦十郎もまた考える。
彼が頭を悩ますのはノイズの出現地帯だ。
よりにもよって出てきたのが休日の街中、しかも数千のノイズの大量に出現したと言うそれだけの事でも、国が揺るがす大事件になりかねない。
ノイズの数=死者数になりかねないのが、ノイズという災害だ。
今は翼1人がどうにかしてるが、このままではノイズが四方八方に広がっていき、それによる2次被害も考えられる。
・・・現状出る結論は最悪の一途を辿る。
「エネルギー反応を見る限り、アレは完全聖遺物に相当するわね。・・・でも、あの反応が本当にノイズだけ倒すとは限らないわよ」
「完全聖遺物か・・・。とりあえずは、翼に接敵する時は気を付けろとしか言っておくしかないのか・・・」
そうして弦十郎は二課の大画面に映し出された聖遺物の反応を見る。
それはノイズを消し飛ばして尚且つ建物にはあまり被害が出ないように動いている。
・・・明らかにそれはノイズと敵対し、街に被害が出ないように動き回っている聖遺物反応に、弦十郎の感が、なにかを確信する様に囁いた。
「もしかしたら、本当に味方かも知れんな・・・」
ちょっと希望的観測かも知れんがな、と続けて小さく呟いた。
—————
竜騎士のような姿が変わった誠が先ず初めにしたのは、勢い良くダン!と踏み込み、迫りくるノイズに向かって、ボッ!と赤黒い炎を復活した左腕に纏わせ勢いよく横薙ぎに振るう。
本来なら位相差障壁により擦り抜ける筈の炎を纏った拳はノイズに当たり、そのまま燃え尽き灰になる。
「未来、ここで待っててくれよ」
「う、うん。あっ、でもその姿って一体・・・?」
その問いかけに彼は少し言葉を濁しながら答える。
「あー・・・うん、多分コレかな?って物があるだけどさ。だけど先ずはコイツらを片付けてからかな。——大丈夫、必ず帰ってくるから」
「——うん」
そしてそのまま変身した誠は未来を置いて背部についてるブースターを吹かせ、タン、と地面を蹴り込んで空に上がる。
今やここに居る全てのノイズが自分に向かってきている。
だからこそ自分が離れれば未来の安全は約束されるし、仮にノイズが未来を襲おうとも今の自分になら直ぐに駆けつける事ができる、という根拠に満ちた自信があった。
勢いよく下降し、そこにいたナメクジ型ノイズを両足で踏み潰す。
またしてもノイズが誇る最強の盾が矛によって壊される。
(この姿、まるでライブの時に見た奏さん達の姿見たいだ。・・・体は軽いし、頭も痛くない。何もかもが軽快で、しかも体の内側から力が無限に溢れてくるみたいだ!)
背後に円を描くようにオレンジ色の炎が1つ1つ剣や槍の形に変形していき、その数は約50本と言った所か。
右腕を振るい、それを一気に前方のノイズ達に向かって射出する。
そしてそれは知っている人が見れば、天羽奏が使っていた技の一つ——
——STARDUST∞FOTON!
射出された炎の剣と槍は容易くノイズたちを貫き燃やし尽くす。
そしてそのまま背中の翼で加速させ、地上にいるノイズの視線を置き去りにし、その無防備な体に拳と蹴りを叩きつけていく。
ワンテンポ遅れて人型ノイズが刃を振るうが——
「遅い!」
体をズラし最小限の動きで避けると同時に炎剣でノイズを貫き、そのまま剣先に炎を形成、そのまま射出し、背後のノイズを貫き燃やす。
その姿は明らかに戦い慣れしてる様子だが、誠自身には、それに対しての疑問は無い。何故ならば——
(——攻撃に対して、どういう風に動けば良いのかが分かる。そういう風に体が勝手に動く!)
ドリルの形に変形した鳥型ノイズが挟み撃ちで飛んでくる。
戦車の装甲を容易く貫く破壊力を持つ体当たりだ。
だが誠はそれを両手で左右から来たノイズをガシッと掴み取る。
ギュルギュルと回転していたノイズだが、そのうち止まり、そのままグシャッと握力だけで握り潰し、残った残骸は踏み潰す。
ナメクジ型も鳥型も人型すら、平然と触れる彼に対して炭素転換が意味を成さない。
辺りにはノイズの残骸が舞い、その中心にいる誠はひたすらに向かってくるノイズを迎撃する。
「きゃぁぁぁぁ!」
誰かの叫び声が聞こえる。
背中の翼を羽ばたかせ、声の聞こえた方に向かえば、女の子が1人、ノイズから逃げているのが見えた。
上空から炎槍を何発か放って壁を作り、女の子の前に降り立つ。
「大丈夫か?」
「へっ!?あ、はい、大丈夫です!」
「良かった。なら、そのまま真っ直ぐに走れば大丈夫。さっき避難誘導してる人が見えたから、その人たちに保護して貰って」
それじゃ、と早口に言い彼女——板場弓美が瞬きすると同時に一瞬の速度で向かってくるノイズを蹴り飛ばす。
辺りを静寂が支配し、後に残されたのは彼女が逃げれる道だけだ。
だが、彼女はそこで暫く足を止める。
脳裏に過ぎるは先程の黒騎士の後ろ姿。
それを思い出し、高鳴る胸を抑えつつ、少し赤くなった呆けた顔でこう呟いた。
「ヒーローって、本当にいたんだ・・・」
———
光が天に登るのを風鳴翼も視認し、アレは?と驚いていると、繋がっている通信機からは、驚いた司令の声が聞こえる。
『ガングニールだとぉ!?』
「なッ!?」
向かってくるノイズを切り伏せていると、通信から聞き捨てならない言葉が、聞こえる。
ガツン!と思い切り頭を殴られたかのような衝撃に冷静であった翼の心を揺さぶるには十分過ぎる程の衝撃を与えた。
「くっ!?」
ズバッ!と背後にいたノイズを切り伏せ、いったん横合に飛んで距離を取る。
そうして、乱れた呼吸を落ち着かせ——そして、ギアによって強化された視力には、ソレが上空から真下に向けて炎の槍を放つのが見える。
その人影はまるで黒いドラゴンのように見え、アレからは奏の使っているガングニールと同じものを感じる。
無意識のうちに刀を持つ手に力を込め、二課に聞く。
「どうしてアレからガングニールの反応が!?」
『それについては目下調査中だが、もし接敵するなら気を付けろよ翼。了子くんによればそれは完全聖遺物級らしいからな』
「完全聖遺物級・・・!?・・・了解です」
上空から剣の雨を降らして、周りの残ったノイズを蹴散らし、オートで寄ってきたバイクに乗り込み、上空を飛んでたガングニールの反応を追いかける。
心臓は煩く鳴り、不安か、はたまた無意識の内にか分からないが、気づけば胸のペンダントを握っていた。
——握るペンダントはとても熱い。
風鳴翼がソレと出会うまで残り約10分。
—————
前方から大量のノイズが襲いかかる。
その背後には小型を吐き出す大型のノイズも数体見える。
両の拳だけでは倒せない、炎だけでは倒すには僅かに届かない。なら——
「すぅ——」
一呼吸し、息を整え拳を構える。
脳裏を過ぎるはあの日、ライブ会場で見た奏の技。
両手に炎を纏わせ、それを左右同時に回転させ、両手を引き絞り構える。
その手に槍はなく、少し不格好に見える構えから繰り出す渾身の一撃——
「——らぁ!」
——LAST∞METEOR!
拳から押し出された炎は渦となり、進路上にいた小型及び大型ノイズを呑み込み、空へと舞い上がり、霧散する。
よし!と内心ガッツポーズをし、次に向かおうと飛び立とうとしたその時、
「ぁっ、ッ・・・あ、あぁぁぁぁぁ!?」
大技の代償か、制御できない程の黒い炎が内側から誠の体を燃やし、さらに翼からも黒い炎が噴出。
その様は一度も躾けていない狂犬のように、黒い炎は体の中で暴れ回る。
膝をつき、両肩を抱いて蹲り、誠に呼吸すら困難な程の激痛を与える。
(熱い・・・!熱い、熱い熱い熱い熱い熱い熱い———!!)
ぽたりぽたりと汗が垂れる。
だが、お構い無しに周りからはノイズが襲い掛かる。
ギリッと歯を食いしばり、無理矢理ブースターを吹かせ、勢いそのまま顔面に膝蹴りを喰らわせる。
「あぁ・・・あぁ、そうだよな。この力がこんな簡単に操れるわけ無いよな・・・!」
炎の剣と槍を作り、それをノイズに向かって射出。
「この痛みも、この姿も、全部・・・全部、俺が手に入れた力だッ!」
感情は昂り、振るう炎は勢いを増す。
ダン!と強く踏み込んで、勢いそのままに、中型ノイズに向かってかかと落とし。
地面にクレーターが出来るほどの威力を誇るそれは、容易くノイズを粉砕、その衝撃で周りの小型も吹き飛ばす。
空へと舞い上がり、数を数えれば残りは後1/3と言ったところか。
人が居て、尚且つノイズが固まっている場所に向かって飛び、そこからグルンと縦回転を加え、先ほどより威力の高いかかと落としを、真下にいた大型にぶつける。
ノイズが消えるのを確認する前に、別の所で大型が尻尾を振るうのが見えた。
人々の悲鳴が飛び交う中、ふざけんなと内心怒りつつブースターを吹かせ、ノイズの真っ正面に立ち、尻尾を受け止める。
その巨体から放たれる尻尾の叩きつけは受け止めた彼の下にクレーターを作る程の威力だが、彼はそれを受けきり、
「ッ!うっ、らぁぁぁぁ!!」
それをなんと真上にぶん投げたのだ。
そして真上に向かって先程の倍の数の剣と槍を形成、それを大型ノイズに向けて一斉に射出。
数十発は耐えたが、次第に耐えきれなくなり、そのまま細切れに、パラパラと残骸が降ってくる。
「はぁ、はぁ、はぁ・・・っぅ、あっつ・・・!」
どさりと、耐えきれずに思わず息が上がり片膝をつく。
内側からドロリとした黒い何かが込み上げてきて、それを糧に黒い炎は燃え上がる。
——まるで先程の怒りを糧にしたかのように、内側の炎はさらに燃え上がる。
「ぐっ、うぐ・・・止ま、れ・・・!止まれよ・・・!」
そして次第に彼の体を通して、黒い炎は精神までも燃やそうとし、いずれこの炎に呑まれてしまうだろう。
「ぁ、ぐっ、がぁぁぁ!」
そうして彼の視界と意識が黒くなる直前、
——心に守りたいものを描け。そうすれば、男というものは幾らでも強くなれるもんさ。
父さんの言葉を思い出した。
そして、痛みに塗れた心に思い描くのは、陽だまり——小日向未来の姿だ。
「———」
振り返れば、そこには温かい陽だまりの
それが暗闇に落ちかけた精神をひっぱりあげる
「・・・すぅ・・・はぁ・・・」
一つ深呼吸をし、乱れた精神を落ち着かせれば、視界は先ほどよりクリアでよく見える。
そうして、よく見えるようになった視界の先にはノイズの群れ。
「ちょっ!?アイツら、そんな事も出来んのかよ!?」
驚くには訳がある。
街に蔓延るノイズたちは彼の前に一箇所に集まり、大きくなっていく。
不定形だった形は次第に変わっていき、その姿はさながらハリネズミのようだ。
身長は50メートル程で体重はそれ相応に重いだろう。
「————!!」
そして声にならない鳴き声を上げると、その巨体に見合わない速度で彼の前に移動し、勢いよく爪が振るわれる。
「うおおおぉ!?」
それを彼は横合に飛んで回避。
振るわれた爪は地面を切り裂き、背後に合った建物を吹き飛ばす。
「くっ・・・!らぁ!」
お返しとばかりに炎を飛ばすが、ノイズが何百何千と集まってできているのか硬く、全く燃えない。
ならばとSTARDUST∞FOTONをぶつけるが、少しばかり装甲を削ったに過ぎず、チッと舌打ちをし、念のために一旦距離を取る。
(さっきは油断したけど、次は大丈夫。あの速さならなんとか避け——)
ここで彼の思考が遮られる。
ドドドドド!と言う音と共にノイズの背中に生えてた針を、まるでミサイルのように何十発と彼目掛けて飛ばしてきた。
「っ!はぁ!」
炎の剣と槍を形成し、ミサイルを迎撃していくが、ミサイルの数が多すぎて迎撃が間に合わず、溢れた1発が彼の眼前で爆破する。
「ぐあぁぁぁぁ!?」
そのまま勢いよく吹き飛ばされる。
何度もバウンドし、ゴロゴロと転がり、電柱にぶつかって漸く止まる。
ゲホッと彼が咳き込み、動けない所を狙い撃ちするぐらいの知性があるのか、動けない彼に向かってミサイルを集中して放つ。
(まず、避けられ——)
ズドーン!と爆発が巻き起こる。
数秒後、土煙は晴れ、その中心には倒れ伏す誠の姿が見える。
「っ、コレが、頑丈で、助かった・・・」
ヨロヨロとした動作で立ち上がり、超大型ノイズを見据える。
ここで倒せなければあのノイズは破壊の限りをつくし、彼の大切な物を奪うのは火を見るより明らかだ。
だが、あの巨体が暴れれば街の被害は更に増していく。
故に——
(一撃だ。一撃でアイツをすっ飛ばす)
だが炎では燃えず、炎剣と炎槍では貫けない。
(だけど、俺にそんな事出来るのか?)
胸の内に、一つの不安が浮かび上がる。
だが、自分の背後に誰が居るかを思い出した瞬間、その不安は吹き飛んだ。
(いや、やる)
そして、胸の内に一握りの勇気が灯る。
カシャンと背中の翼が取れ——否、翼に見えてたそれは本来の形に戻ったのだ。
数秒とかからずに彼の手には自身の身長と同じ大きさの
(やるんだ)
チャキリと、音を立て両手剣を肩に担ぐ。
するとキュイン!とジェット機音めいた音を立てて、刀身を赤黒いエネルギーが包み込んだ。
小日向未来は祈った、彼の無事を。
(カッコ悪くてもいい・・・凄くなくたっていい・・・だから——)
ただひたすらに、両手を握って彼の勝利を祈る。
「無事に帰ってきて・・・!」
ギュルンギュルンと赤黒いエネルギーが刀身の周りを覆う。
このエネルギー量ならそのままぶっ放しても倒せるが——ダメだ、ここで打ったら街の被害は甚大な物になる、狙うならアイツの真下だ。
(——それに)
彼の大切な人を狙ったのだ、ただ倒すのは己が許さない。
だから——
「Gatrandis babel ziggurat edenal」
全力全壊で、歌を——絶唱を歌う。
赤黒いエネルギーに重なるように、オレンジ色のエネルギーが流出する。
「Emustolronzen fine el baral zizzl」
ノイズが気付いて、こちらに迫る。
アイツの体格なら二歩程でいる距離だ。
だが、二歩程の距離さえあれば十分だ。
「Gatrandis babel ziggurat edenal」
刀身に三色の光が幾重にも重なり合い、最終的には全てを呑み込む黒一色にまで圧縮される。
「Emustolronzen fine el zizzl」
そして、絶唱を歌い切ると同時にダン!と踏み込み、迫って来た超大型ノイズが振り下ろした爪を避け、真下に潜り込む。
チャキンと刃を真上に向ける。
収束し、臨界まで達する黒色の光。
そして彼の
絶唱——GRAM∞ZAMBA!
ゴパッ!と空間を抉る音と共に、黒色の光が打ち上げられる。
それをモロにくらった超大型ノイズの装甲を溶かし、空に打ち上げられると同時にジュッ、と言う音が聞こえ超大型ノイズは霧散し———辺りには静寂が訪れた。
「・・・」
ブン!と両手剣を振るい、背中に戻せば、両手剣は自動でカシャンと音を立てて、一対の赤い翼に変形する。
トンと地面を軽く蹴って空を飛び、未来の元へ戻る。
そうして、彼は彼女の前に降り立った。
「もう、大丈夫だ。・・・えっと、俺がいない間に怪我とかしてないか?」
「・・・うん。私は平気だよ」
「そっか・・・良かったー」
ふー、と息を吐いて、気が緩まる。
瞬間、鎧は解け、光の粒子になると、彼の姿が元に戻る。
未来はそっと彼の両手を優しく握る。
突然手を握られ、驚いた彼の顔は、戦う者の顔から年相応の少年の顔に戻る。
(良かった・・・ちゃんと温かい)
手の温度を確かめると、次はそのまま優しく手を引っ張り、彼を引き寄せ、そのまま抱きしめる。
「み、未来?」
抱きしめられていると自覚すると顔が暑くなり、ついでに心臓と高鳴って、とても煩い。
(しかも、少しいい匂いががが)
「・・・ありがとう、助けてくれて」
ポツリと、今まで言ってなかったお礼の言葉を言う。
「どういたしまして。・・・無事で良かったよ、本当に」
ぽんぽんと軽く頭を撫で、離れる。
「あっそうだ。誠くんの姿が変わってたけど、アレって結局なんだったの?」
「えーと、それは・・・」
口籠る。
(あの時は後で教えるって言っちゃったけど、アレって教えちゃダメって了姉が言ってたし、けど見ちゃったし、これは——)
言っても良いのでは?と思っていると、背後からバイク音。
後ろを向こうとしたその瞬間、首元に、青い刀が当てられる。
「せ、誠くん!?」
「・・・いきなり首元にコレとか、物騒じゃあないんですかね?」
嫌な意味で心臓が鳴りつつ、降参の意味を込めて静かに両手を上げ、彼は当ててきた人を静かに見る。
そこには、青い戦装束に身を包み、今にもこちらを切り伏せて来そうな程に彼を睨む、風鳴翼の姿がそこに合った。
一難去ってまた一難。
次回は説明回、の予定。
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