この素晴らしい世界に爆裂を!! ~バニルのターン!! 作:ケンイチロウ
「……ふむ、なる程理解したぞ。」
我輩は見通す力を使い現在おかれた状況についてある程度把握する事が出来た。
どうやらここは約2年前のネタ種属の里の学校。そこで我輩はぼっち娘や頭のおかしい娘のクラスの担任になったようだ。
だが厄介な事にそれ以上の事は非常に見えずらくなっている。魔法も使えぬちんちくりんとはいえ仮にも優秀なウィザードの卵が集まっているせいだろうか。
それとも我輩が過去に介入したせいで未来が定まっていないのか。
……まあ我輩からすればさして問題では無い。そのような事よりまずやらねばなるまい事があろうに。
「ふははは!!失敬失敬、自己紹介が遅れてしまったな。我輩の名はバニル。元しがない魔道具店のバイトであり汝らの教鞭をとるものである!!」
『……か、かっこいい……。』
ちょろい。このネタ種属共の感性は理解出来ぬが相手取る分には難しい部類では無い。
元の時間に戻る方法が解らない以上此奴らからおいしいご飯を食べさせて貰うとしよう。
「……ちょ、ちょっと皆落ち着いて!あの邪悪な気配、あれは高位の悪魔だよ!!」
ほう、もう我輩の正体を見破るとは。……ふむ誰かと思えばチンピラにこき使われていたぼっち娘か。
……丁度良い、腹も減ってきた事だ朝ご飯にさせて貰うとしよう。
「汝こそ落ち着くが良い昨日から友達が出来るか不安で夜も眠れなかった娘よ。心配せずとも我輩のかっこいい仮面の下には汝らと同じ紅い瞳がある故。」
「な…なななな何言ってるんですか!!そそそそそんな事ある訳無いじゃないですか!!」
そうわめき散らしながら悪感情をばらまいてくれる。
ふむ……少しばかり驚いたがこれだけの食材と暮らすのであれば悪い条件でも無いのかも知れんな。
何故この様な事になったのかは後ほど調べなくてはならんが。
「……先生質問してもよろしいですか?」
「どうかしたのか、そこで騒いでいるぼっち娘にややうんざりしている物書き娘よ。生徒の疑問快く答えてやろうではないか。」
「……あるえ?先生の言ってる事は冗談だよね?……ねぇ何で目を逸らすの?というか何で先生は私ばっかり集中放火なんですか!!」
「騒々しいぞ未来永劫ぼっちが約束された娘よ。汝も淑女ならば学友の言葉を遮る用な真似は感心できんぞ。」
「……………もうやだこの人…。」
ふむ…少し遊び過ぎてしまったか。これでは悪感情にしては絶望の味が濃すぎて好みで無い。後でフォローしておくとしよう。
「先生は何で仮面を被っているんですか?」
ほう、中々センスの良い質問をするでは無いか。ふむ…正直な事を言ってしまえば我輩はこれが本体なのだが、ネタ種属に合わせるならば……。
「かっこいいからだ。」
『おぉ…………。』
ちょろい。これが人類最高戦力の卵だと思うと寒気が走る。
「さて、我輩ばかり話しても面白く無いだろう。汝にも自己紹介をして貰おうか。おいそこで鳴り止まない腹を必死に抑えている飢え死に娘よ。最初は汝から頼もうか。」
「……ほう、売られた喧嘩は買いますよ?」
「ちょ、ちょっとめぐみん落ち着いて!あんなのでも先生だから!」
初対面だというのに中々の言われようだ。あのぼっち娘は過去でもさして変わらないらしい。
ぼっち娘に抑えられて落ち着いたのか、元爆裂娘は息を吐いたかと思うとかっこいいポーズと共に名乗りを上げた。
「我が名はめぐみん!里随一のアークウィザードにして、爆裂魔法を極める物!!」
「次のブラコン娘よ汝のばんだぞ。」
「無視は無視で頭にきますね!!一発食らわせますよ!!」
「ねぇブラコンって私の事ですか?ねぇ!!」
ここでなら我輩は退屈の無い日々を送れるだろう。そう襲いかかってきた頭のおかしい娘の顔を掴みながら思うのだった。