ある荒野に三人の人影があった。一人は十代半ばの男『ミハイロ』で肩に『モシン・ナガン』を背負い、バラライカでカリンカを弾いている。そしてその隣にいる戦術人形の『PPSH41』と三人が乗っている馬車を馬で引くように手綱を動かしている『SVT38』が男の鳴らしている音を聞いていた。
「…そう言えば食料はどれぐらいあるんですか?」
そうPPSH41が聞き、ミハイロが弾く手を止める。
「んー、後二日持つか持たないかかな…」
ミハイロが食料を見ると黒パンが五切れ程度と僅かな肉しか無かった。
「じゃあそろそろ麦を収穫出来る場所を探さない?」
とSVT38がミハイロに言う。
「そうだね。そうしようか…ん?」
「どうしたのですかお兄ちゃん?」
「いや、ちょっとなんかこっちに走って来てる気が…」
と単眼鏡で覗くと何十体もの鉄血兵がこちらに走ってきていた。
「SVT!馬車を右旋回してくれ!」
「どうかしたのか!?」
「鉄血兵を見つけた!数は二十!急いで銃撃の用意をするんだ!」
そう言うとミハイロは馬車が全力疾走した状態で立ち上がり、モシン・ナガンを構えて鉄血兵の後方にいるライフル兵に向けて狙撃し、銃弾が鉄血兵の額に当たり、崩れる様にして倒れた。
「相変わらずの狙撃能力ね…!私も負けてられないわ!」
「わっ、私もですぅ!」
ミハイロに続く様にSVT38は手綱を片手に持ちながらもう片方で銃を射ち、PPSH41はミハイロの隣りで連射する。しかし、残り五体になった時、鉄血兵の銃弾が馬車の車輪に当たり、馬車が傾いた。その事によって馬車の中にあった食料が全部ぶちまけられ、三人は外に放りだされた。
「チッ、クソッタレが…!」
とSVT38は舌打ちをする。
しかし、ミハイロが銃剣を付けて鉄血兵に向けて突撃しながら銃弾を放つと、四人、三人と数が減った時、一気に加速して銃剣を鉄血兵の首元に「グサッ」と一突きし、全部の鉄血兵を掃討した。しかし、馬車は走れなくなり、食料は無くなり、2匹いる馬の中にはいつの間にか銃弾を受けている個体がいた。
「しまったなぁ、これからどうするか…」
「暫くはここら辺で生活して馬車を修理するしかないわね。」
「と、とりあえず、麦を探しますね!」
「じゃあそうするか。」
そして夜を迎えた。ミハイロの両隣りで寝ていたSVTが話し掛けてくる。
「…ねえ…お兄」
「…どうしたの?SVT38」
「この近くに『グリフィン』って呼ぶ民間組織があるらしいからそこに行ってみない?」
ミハイロは『グリフィン』と言う単語に反応した。自分が前世にやっていたゲームと全く同じだったのだ。そしてそこに行ってみようと思ったのだ。
「ならとりあえず馬車の修理と食料の確保が出来たら行こうか。それで良いかな?」
「でも私はちょっと怖いです…」
「まあ、わからなくは無いけどもう三人しかいないんだ昔みたいに家族はもう居ないんだよ…」
そう言うとミハイロは首元にある五つの銃弾のペンダントを強く握り締めた。
最後のペンダントはおいおい話していきます