憑依先は顔芸おじさん。   作:恐怖こそが神なのだ

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神の島と心優しき巨人族

「ようこそ、オハラの諸君。私の島ビルカへ」

 

移動小型神島ウェザリアから降り立ったクローバー博士達は初めて降り立った空島が珍しいのか、キョロキョロとしている。

 

ロビンも同じように辺りを物珍しそうに見回していたのだが、ある人物を見つけた途端、走り出した。

 

「サウロ!」

 

そう、そこには大将青雉に氷漬けにされたはずの巨人族の元海軍中将ハグワール・D・サウロが五体満足で座っていたのだ。

 

「おお、ロビンか。皆んな無事だったようで何よりだで」

「サウロもエネルさんに助けて貰ったの?」

「そうらしいんだで。氷漬けにされてからは記憶がなかったんだが……再び目を覚ましたら氷が溶かされてたんでよ。有難いことだで」

 

氷漬けにされたサウロはバスターコールの最中のあの島、オハラに置き去りにされそのまま海の藻屑となるところだったが、エネルとオーム達の移動小型神島ウェザリアとは別に海軍の監視に動いていた移動小型神島が氷漬けになったサウロを偶然にも発見した為に助けられたのだ。

 

加えて、都合が良いことにその小型神島にはエネルの配下の賞金稼ぎファミリーのボス、ドン・アッチーノが乗っていたのだ。ドン・アッチーノは超人系の悪魔の実、アツアツの実の高温人間。自分の体温を操作し、体から最高一万度もの熱を発生させることができる。その発生した熱により周りの空気を温め、気温も上がり上手く青雉の氷が溶けたのだ。

 

大将の氷と言っても、アツアツの実の最高温度は一万度。同じ大将のマグマグの実のようにマグマを無から大量に生成したり、自然系の悪魔の実ではないので体をマグマに変えたりなどはできないが、アツアツの実は一万度が最高温度であり、温度においてはマグマグの実の上位互換と言ってもいいだろう。加えて、マグマに浸かってもなんの影響もない位の耐熱性も持つ。その力ならば芯まで冷えるような大将の氷も問題なく溶かせる。

 

「サウロが生きてて、良かった……!! 」

 

感極まってサウロに飛びつくロビンの頭をサウロはその巨人族の大きな手で優しく撫でた。

 

 

☆☆☆

 

 

「さて。今日から君たちはこの島に住んでもらうことになる。青海──地上にも住居や研究施設は用意できるが、君たちは追われる身だ。慣れない空島だろうが、そこは許してくれ」

「態々用意して頂いたのです、空島が嫌だなどとんでもないこと申しません。寧ろ、生まれて初めての空島で興奮してるくらいで……」

 

クローバー博士の言葉にエネルは安心したような表情を見せた。彼は命以外全て、何もかもを失ったオハラの人たちにはこれ以上不幸な思いはさせたくなかったから。

 

「ヤハ、それは良かった。では、オーム。クローバー博士達を研究施設や住居の方に案内してくれ」

「了解した。では、皆さま方。おれについて来てください」

 

クローバー博士や、オリビア、ロビン達は歩き出したオームについて行く。サウロも彼らに続こうと立ち上がろうとするが、エネルに呼び止められた。

 

「なんだで? エネルさん」

「君に私から頼みたいことがある」

 

真剣な顔をするエネルは元海軍中将サウロに己の仲間となってくれと、頼み込んだ。己の理想、弱き民を救うための戦力の一人となってくれと。

 

本部所属の海軍中将は海軍の最高戦力である大将に次ぐ地位で、全員が「覇気」を身につけている実力者で、戦力としては申し分ない。加えて、サウロは巨人族だ。味方にできれば特大の戦力と言っても過言ではない。

 

それ故、来るべき時の為にエネルはサウロに味方になって欲しいのだ。

 

エネルは心優しい穏やかな巨人に対して、己の理想を語り出した。大航海時代の終焉と、世界の変革について。

 




炎熱系の悪魔の実って、マグマグの実、メラメラの実、アツアツの実、ネツネツの実、カチカチの実、グツグツの実、ネパネパの実って沢山ありますけど、いまいち実同士の優劣がわからないですよね……

マグマグの実>メラメラの実ってことしか原作では出てないですし。

まあカチカチの実とかネパネパの実は弱そう(小並感)

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