朝になった。今はオーディンとドラとシロは準備運動を始めていた。
オー「そんじゃあ、始めるか。」
ドラシロ「「お願いします!」」
ドラとシロが気合いを入れてあいさつする。
俺とクロムは手合わせしながらオーディンからの特訓を見ていた。
オー「さて、確かお二人は不死と神司から聞いたが…。」
ドラ「はい、そうです。」
シロ「そうだね~。」
オー「了解…あと、ドラくん、刀はどうした?」
ドラ「現在、強欲さんのところで修理してもらってます。」
オー「大丈夫なのか?死闘は明日だぞ?」
ドラ「強欲さんが今日までに直すと言ってました。俺は強欲さんを信じていますから。」
オー「そうか…なら俺をどうやって倒す?」
ドラは左手の上に雷、右手の上に炎を出して、
ドラ「
オー「ほう、それはなぜ?」
ドラ「なぜ…?」
へぇ、オー、ドラに難しい質問するよな。あの質問の答えは『いつも使う武器が無いから』とか『他の闘い方に挑戦したいから』などというのが簡単な答えだ。
さて、ドラは何と答える…。
ドラ「……このままじゃ、皆を助けれないからです。」
オー「……」
ドラ「すみません、言葉を変えます…。このままの俺の力では大事な時に助けれないからです。」
オー「良い答えだな。オッケー。ごめんな!シロちゃん、ドラくん、特訓を始めようか!」
シロ「あっ、はい!」
ドラ「はい!」
見てわかった。オーディンは子供には優しいタイプだ。もしオーディンが学校の先生なら社会とかしてそうだ。
オー「さて…『戦乱の乱れ大槍』。」
オーディンは槍を空に投げて分散させて乱れて落ちていく。
ごめん、前言撤回だ。オーは特訓のときはガチだったらしい。
ドラ「『雷速』!」
シロ「『ハリケーン』!」
ドラは足に雷を付けて素早く避けて、シロは体の周りに風を張って攻撃を受けないようにした。それで二人は槍の雨を上手に避けていく。
オー「まだまだ行くぞ…第二陣!」
ドラシロ「「ッ!」」
オーディンは槍を分散してもっと増やして降らす。
ドラ「シロ!避けまくれ!」
シロ「わかってるよ!」
…鬼畜だな。でもオーディンの目は本気だ。本気でドラとシロを強化させる気だ。
するとドラはオーディンに攻撃を仕掛けた。
ドラ「炎符『ハイ・フレイズ』!」
『ハイ・フレイム』の応用技だ。通常の『ハイ・フレイム』だと大きな炎を一発放つだけだが、今回のはその炎を数十個放っていた。オーディンの真下でドラは放つ。オーディンはギリギリのところを避ける。
オー「ッ…!だが、そこからどう避ける!?死戦『
オーディンは分散していた槍の全てをドラに向けて攻撃した。これならドラも避けれる。しかしドラは避けなかった。いや、
ドラ「があ”ッ!?」
オーディンの重力によって体を潰されていたからである。
オー「早く動けよ!」
ドラ「ぐぎぎぎっ…!」
オーディンがドラを囃し立てる。するとシロが兄の代わりに攻撃を受けた。
ドラ「シロ…!?」
シロ「痛いよ……っていうか、お兄ちゃんだけ狙うとかウザイよ?あんたがマスターの親友かは知らないけどね、お兄ちゃんを虐める奴は誰であろうと許さない。殺風『慈悲無き風神の槍』…!」
風の槍を飛ばしてオーディンの体を貫通させる。そこから血が流れる。
オー「あ”、がっ…?!!」
するとシロは拳銃を取り出すとオーディンに構えた。
シロ「安心して?
そうだ、その拳銃には弾は入っていない。しかしこの拳銃は能力を使用して放たれる武器なのだ。
シロはオーディンに向かって水弾を数十発放った。右肩に二発、左肩に一発そして右足に二発当たった。
シロ「……」
すると弾切れを起こした。するとシロは水で作った大きな槍をオーディンに構えた。
シロ「『アクア・グングニル』…!」
ドラ「『雷剣』!」
シロがオーディンに水の槍を投げてからドラが雷で作った剣で一刀両断した。なのでオーディンに当たることはなかった。そして水で雷剣は分解されて消えた。
シロ「何でお兄ちゃん止めちゃうの!?」
ドラ「殺す気か!お前は!!」
シロ「ッ…!」
この場の皆が驚いた。なんとあのドラがシロに対して『お前』と呼んだのだから。
俺は今までドラがシロのことを、いや誰のことも『お前』と呼ぶのは聞いたことがない。
ドラ「これでもオーディンさんは俺らを成長させるために厳しくしてくれているんだ!これでシロが暴走してどうすんだ!?」
俺の心にもズキッと何かが刺さった。俺もオーの口車にまんまと乗せられて一度暴走してしまったからだ。
ドラは優しくシロを抱いた。
ドラ「お前が怒りたい気持ちも判る、もし俺がお前の立場であれば俺も暴走していたのかもしれない…ごめんな、怒鳴ってしまって。」
シロ「良いよ…私も悪かったよぉ…!」
泣きながら謝り合う兄妹。そこに傷を癒したオーディンがその兄妹にゆっくり近づいて声を掛ける。
オー「良いのか?今は敵の目の前だってのにか?」
そう言って二人の体に槍を貫通させる。
二人「アガッ…!?」
オー「『SOUL:END』。」
『SOUL:END』…!?ヤバい、直訳は『魂の終わり』…!!
俺はすぐさまオーディンに近づく。
するとクロムが俺を止めに入る。
神司「どけクロム!」
クロム「案ずるな、これもアイツのレッスンの一つなんだ。」
神司「それでもこれはやり過ぎだ!」
クロムが神司の腕を掴んで地面に叩きつける。
神司「ッ!」
クロム「いい加減にしろよ!オーディンもいてぇんだよ!家族が大事なのは俺も判る!今はお前だけの問題じゃねーんだよ!!まだ暴走すんなら明日の死闘に参加するな!」
そう言ってクロムは俺の身体から離れる。
分かっている、俺のダメなことは。暴走もそうだ。唯一の親友も信用できない、というか仲間が仲間にする行為そのものを信用していない。今は皆の家族救出、そして幻想郷を守る役割もしなければならない。それは俺らに懸かっている。
神司「くそっ…!」
地面に拳を打ち付ける。
悔しさしかない。こんな俺を直したい。人任せにはしたくない。そして後に決意する、全てを守るなら俺は『俺自身の力を隠さない・全て発揮する』……と。
◆
ドラシロ「「ありがとうございました!」」
オーディンの特訓が終わった。現在の時間は、午後の6時3分だ。まだ怠惰は帰って来ない…もう既に嫌なことが進んでいるのかもしれない。
~夜9時~
神司「レミリア。」
レミィ「何かしら…」
神司「ごめんだけど、霊夢と魔理沙を咲夜に呼んで来てもらえないか。」
レミィ「霊夢と魔理沙を?良いわよ。」
レミリアが手を二回叩くとすぐに咲夜が現れた。
咲夜「どのようなご用件で。」
レミィ「霊夢と魔理沙をすぐに呼んで来てくれる。」
咲夜「承知致しました。」
そしてこの場から消える咲夜。
俺はレミリアに咲夜の能力のことを聞く。
レミィ「あぁ、それは咲夜には『時を操る程度の能力』を持ってるのよ。だから消えたように見えた訳よ。」
神司「なるほど。」
咲夜「お呼びしました。」
霊夢「何、急用なのよね。」
神司「勿論だ。」
咲夜「それでは私はこれで──」
神司「いや、咲夜も残ってくれ。」
レミィ「咲夜、残りなさい。」
咲夜「承知致しました。」
神司「……今回の闘い、君たち四人は人里の救助を願いたい。」
霊夢「何でよ!」
神司「死んでほしくない!」
四人「 !!? 」
神司「それだけだ…今回の闘いは『異変解決』という柔なもんじゃない。アイツらも殺しに掛かって来ている。勿論お前らを信用してない訳じゃない。ただ、この死闘は俺らの問題なんだ。霊夢、レミリア。そして魔理沙と咲夜…こんな闘いに巻き込んですまない。」
レミィ「…判ったわ。」
霊夢「レミリア!」
神司「レミリア…」
レミィ「私たちを信用しているのよね、それならその期待に答えるまでよ。霊夢、魔理沙、貴女たちは幻想郷を守る『
霧雨「……レミリアの言う通りだ。あの魔神たちに私たちは勝てない。それなら大人しく人里を守った方が良いだろう。死なないよりもマシだ。」
霊夢「……」
神司「……良いのか…?」
霊夢「…くないわよ…」
神司「えっ?」
霊夢「良くないわよって言ってるの。私らも嘗められたものね。いいわ、人里を守るのは『博麗の巫女』の仕事ですもの。その戦略、ノってやるわよ。ねっ、咲夜。」
咲夜「そうね、あとお嬢様がそうするのならお嬢様に着いていくのが私の使命。」
神司「……ごめん皆…ありがとう…!」
本当ならレミリアも家族の復讐で敵のアジトに乗り込みたい筈だ。それを俺が止めたんだ。本当に申し訳ないと思っている。ただし、あとは明日の死闘あるのみだ。気合い入れていこう。そして、クロムと仲直りしてから今日は休もう。
次回からは敵のアジトに乗り込みですね。VS は次回の次にあるかな。
守りたいから敵のアジトに乗り込みさせない。何か違うんだよな…神司。