邪神たちの生きる世界   作:紅鎌 神邪

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第112話  吸血竜人(ドラゴニュートヴァンパイア)との死闘

神司「神剣『千本刃』!」

 

神剣『千本刃』(こんなの)では全て軽々と避けられる。当たり前だ。

すぐに接近戦に持ち掛ける。相手の武器は長く尖った爪だ。こんな単純な攻撃方法ではない気もするが。ただし相手は吸血鬼でもある、竜人でもある吸血竜人だ。ごり押しでは勝てないだろう。ましてや、アイツは嫉妬の血族ということにもなっている。なかなかの強敵だと考える。

 

神司「邪刀『鬼神斬』ッ!」

 

刀身を赤く光らせ命儚に横一文字に斬りかかった。すると命儚に俺の後ろに廻ると俺の肩にかぶりついた。

 

神司「ッ!やめろ…」

 

三秒ほど血を飲まれた時に命儚が飛ばされたのがわかった。それで俺は地に膝をついて呼吸を一回整えた。多分、これはちょっとした貧血だろう。

 

苅亜「大丈夫?お父さん!」

 

どうやら苅亜が俺を助けてくれたらしい。

 

神司「ありがとう、苅亜。あのままだったら死んでたかも…」

 

でも零愛は俺の数十倍の時間を吸血されたんだろう。頑張ったなぁ、零愛……でもアレ(・・)はガチでヤバい。

物音とともに命儚が足の力だけでゆらりと立った。

 

命儚「痛いじゃないかァ、苅亜くん。君もまた俺の食事のメニューになりたいのかい。」

 

苅亜「なる気もねぇーしお前の仲間に戻る気もねぇーよ。お前に絶対復讐果たしてやる。」

 

命儚「そうかい……ならどうして復讐なんてするんだい??」

 

いつの間にか苅亜の真ん前に立っており、目を合わせて見つめる命儚。

 

神司「苅亜!」

 

命儚「動くな君は。」

 

神司「ッ─!?」

 

近くにいる苅亜のところへ行こうと立とうとしたら命儚の圧によって指一本も動かせなくなった。口も唇が震えて上手く喋れない。

 

神司「あっ()、いっ、あっ…!」

 

命儚「君は苅亜くんの父親だから助けたいのはわかる。しかし今は家族には無縁の話なんです。口出ししないでいただきたい。」

 

圧だけが俺に向けられる。言葉の重みだろうか。それよりも、この重力操作の能力、最近どこかで見た気がする。いや今は関係無い話だ。どうにかこの場から脱出しなければ。

 

命儚「さて、外野は黙りました。それでは本題に入りましょう。なぜ私に対して復讐などと思い込みで?」

 

苅亜「……なぜも何もあると思うか…?」

 

命儚「はい?」

 

苅亜「聞こえなかったか?なぜも何もあると思うか、って言ってんだよ!俺はてめぇおかげで人生めちゃくちゃなんだよ。だから復讐すんのさ。わーったかァ?!」

 

命儚「ッッ!?」

 

命儚は怒りで苅亜の首を両手で力強く絞め始めた。

 

苅亜「がっ…!」

 

命儚「黙れ黙れ!私の目的に邪魔なんですよ!私に絞め殺される、それに感謝して逝きなさいッ!!」

 

苅亜の首を揺らしながら叫ぶ命儚。首が振られたことによって苅亜の眼鏡が地面に落ちた。

苅亜はニヤリと笑うと、

 

命儚「何が可笑しい!?」

 

苅亜「……俺の父さんの、仲間たちを…嘗めんなよ…?」

 

命儚「まさか─ッ!?」

 

命儚の左に雷と炎の黄と赤が素早く通る。すると命儚の左横腹から血が吹き出す。

 

ドラ「苅亜から離れてくれませんか?吸血竜人。」

 

シロ「マスター!天叢雲剣借りるよ!」

 

圧に潰されている俺から天叢雲剣だけを鞘から抜き取って命儚に構えるシロ。

 

シロ「反応してよね!私の能力と!風刃『テンペストブレイド』!!」

 

天叢雲剣の旋風を+(プラス)にして自身の能力と合わせた風で斬撃を命儚に放った。ついでに銃で水弾を何発も打った。

 

命儚「ガアァァ!!」

 

クロム「大丈夫か、神司。」

 

オー「『gravity解除』。」

 

神司「ありがとう、二人とも。」

 

オーが俺に掛けられた重力を解除してクロムとオーの二人が俺に手を差しのべてくれた。

そうか、この重力操作に見覚えがあったのはオーがドラに掛けていた時だ。だから違和感が感じたのか。

二人の手を繋いで立ち上がる。

しかしなぜ命儚がオーの能力を使えたのかはわからない。

 

苅亜「だから言ったろ?父さんの仲間たちを嘗めんなよ、って。」

 

命儚「ならば貴方を先に殺すまで!」

 

苅亜「バカだな、お前は。この場にいる者たちはお前の輩下に堕ちた仲間たちを撃破した者たちだ。分かってるよな、『洗脳された者は気絶すれば解ける』、と!」

 

スカル「死装『スカル』。」

 

アドラ「OK、氷戒『フリーザ・デビルブレイク』!!」

 

スカルが槍のような武器になり、アドラがスカルを持つとスカルは翡翠の氷に纏われた。それを命儚に攻撃する。

 

命儚「このォ、捨てゴミ娘がアァァ!!」

 

クロム「何だとテメェ!邪神炎『メガ・ソウルフレア』!」

 

黒炎を放つと命儚は左手で防ぐ。

 

クロム「なっ!?」

 

命儚「いい加減にしろ?貴方たち……嗚呼、もういい。まっ、稀神家を滅ぼせばこっちの勝ちだから良いでしょう。もう皆さんお集まりですからね。」

 

神司「ッ!?」

 

周りを見渡すと突入組、操られた人たちも集まっていたその中に怠惰もいた。やっぱり操られたのだろう。

しかし、稀神家を滅ぼすとは大胆なことを。

 

怠惰「ちょっと待て貴様!」

 

命儚「はい?」

 

急に怠惰が命儚に呼び掛ける。

 

怠惰「テメーらのボスはザキレウスじゃねーのかよ!しかも…目的は魔神を幻想郷にバラ撒くのが目的じゃないのかよ!?」

 

命儚「フフフッ、ハッハッハ!ベルフェゴールくん!貴方は相当な馬鹿なんですね!そんなの私の嘘ですよ、嘘。アハハハッ!」

 

怠惰「……ッ!貴様ー!!!」

 

魔術書から魔術書鎌を取り出して命儚に斬り掛かる怠惰。続いてタルウィも熱球を投げた。しかし命儚はその熱球を自分物にしたかのように俺らの方に押し返した。

俺の近くにサグメ、零愛、姉ちゃんがいる。しかもこの狭い洞窟だ。仲間全員が巻き込まれる。

急いで家族のもとに走るが誰かに首を捕まれて壁の押し付けられた。

熱球が地面に付いて大爆発を起こし、二、三秒この狭い洞窟内が光に包まれる。

 

神司「ガッ……ッ!!」

 

光が消えて俺が見た光景は仲間全員が火傷を負い、倒れている仲間たちの姿だった。

そして、俺の首を掴んでいる者は、針塊 命儚。その人だった。

 

命儚「お前が一番厄介だ、稀神 神司。」

 

神司「何で俺の名を…!」

 

命儚「会ったことあるだろ?神司。」

 

神司「何時だよ…!」

 

命儚「流弥、という月軍の一人に、ね。」

 

神司「ッ!?」

 

流弥…流弥と初めて会った時は、夜、輝夜と永琳を月に連れ戻そうとした奴らの仲間として来ていた男、そして…”サグメを守ると思ったきっかけの人„だ。でもあの時クロムが流弥は妖怪に食い殺されたと言っていたが……

 

命儚「だよね、そう思いますよね?普通だったら有り得ない。しかし私はあの死んだ夜の日に、その場で『あの方』に拾われました。そしてこの日を待ち続けた。」

 

神司「フッ…まるで自分が流弥みたいな言い方だな…そうなのだろうけど…ぐっ!!」

 

命儚「もう分かっているでしょう?貴方はこの場で死ぬんですよ。永遠にね…♪」

 

 

捕まれた首をより強く握られる。首の骨がギギギ…と音を出している。ピシッとも数回、音を出していた。首が折れても…コイツに致命傷は当てれる。

 

神司「 !! ぐぁッ…あ゛ァ゛……」

 

命儚「はははっ、苦しいか!?息できないか?死ぬのは怖いんじゃないか?」

 

神司「くっ、そ…!!」

 

また強く潰される。もうダメだと思った瞬間、

 

サグメ「もう止めて!流弥!」

 

サグメの声がした。その声の方には服はボロボロで腕と脚に酷い火傷を負ったサグメの姿だった。近くには零愛と苅亜を守るように背中が火傷で酷くなっており、血塗れで倒れている姉ちゃんの姿があった。

 

神司「あぁっ…姉ちゃん…」

 

サグメ「流弥!いい加減止めなさいよ!こんなこと!」

 

命儚「こんなこと、ですか…?はあ?一応聞きますが、私の話を全て聞いていたのならば理解できていますよね。貴女も私の目的(ターゲット)なんですよ?なのに止めろと仰いますか。しかし安心して下さい。この男の娘の首をボキッと折ってから貴女も私の手で殺してあげますから。あなたの旦那さんが殺されるこの左手でね♪」

 

サグメに向けた殺気を直に受ける。このまま本当に死んでしまうのだろうか…そうだ、この死闘の場には、死なない人がいるのを忘れていた。

 

ドラ「『雷剣』!雷符『雷二十斬り』!!」

 

シロ「水槍『アクア・グングニル』!」

 

命儚「くっ…!?」

 

ドラが命儚の手首を斬って俺は解放される。同時にシロも水槍で命儚の背中に突き刺した。

 

神司「ゴホッ、ガッ、ア゛ァ゛ッ!…はぁ…ハァ…」

 

命儚「この…!クソガキどもがァー!!!」

 

怠惰「落ち着けよ、吸血鬼(ヴァンパイア)。」

 

スカル「そうだぜ、ハハハハッ!」

 

アドラ「二人とも、決めるよ。」

 

命儚はドラとシロに殺気を向ける。しかし、既に命儚の後ろを取った、スカルを持ったアドラと魔術書鎌を背中に構えた怠惰の二人の姿があった。

 

命儚「黙れゴミどもが!!」

 

アドラ「翡翠『氷牙』。」

 

命儚「ハァ!?」

 

命儚の下から氷で出来た大きな牙のような棘がが数本飛び出してきた。咄嗟に避けるが、一本の棘が腕に貫通した。

 

命儚「チッ!」

 

怠惰「吸血鬼でも首を切れば死ぬだろ!?死鎌『飛鎌』!」

 

魔術書鎌を投げて命儚の首を飛ばした。それで地面に体が倒れて頭は地面に落ちた。 

やった…のか?こんなにもあっさりとか?それなら今まで皆が死ぬのも狂いで戦っていたのが無駄じゃないか?

 

命儚「誰が死んだと言った?」

 

皆「「「!?!?」」」

 

やっぱりだ、あんなので流弥(吸血鬼)を殺せるわけがない。

命儚は自分の頭を持つと両手で握り潰した。そこから色々と出てきたがあえて言わない。ただし、グロい。

 

命儚「なぁ、シロちゃん。」

 

シロ「 !? 何…?」

 

命儚「その剣、貸してもらえないかな?」

 

シロ「嫌だよ、絶ッ対!」

 

命儚「だよな~、それなら力ずく…!!」

 

シロ「ッ!?」

 

一度は諦めたかと思うと、あの一瞬にしてシロの目の前に立っていた。そういや、苅亜の時もそうだ。今までそこにいたかと思うと瞬間に苅亜の目の前に来ていた。それは俺も同じだった。それで一瞬にして近付き俺の首を握っていた。

シロは恐ろしくてブルブルと震えながらこの場から逃げることができなくなっており、命儚はシロの両肩を掴むと首を噛んで吸血し始めた。

 

シロ「あっ…っ!」

 

命儚「……」

 

ドラ「シロー!!雷獣『迅雷獣牙』!」

 

雷剣と雷炎でシロの首に吸血している命儚の腹部に目掛けて横に斬ろうとするが、服は斬れたが皮膚は硬くて斬れなかった。

 

ドラ「何、で…?」

 

命儚がシロの首から離れるとシロは貧血で倒れ、命儚は満足そうに息を吐く。

 

命儚「はぁ…♪どうですか?ドラくん。今まで斬れた敵が斬れなかった悔しさは。残念でしたね~♪それにしても良いのですか?シロちゃんのこと…。」

 

ドラ「ッ!シロ…!!」

 

ドラがシロを抱えて足に雷を付けてすぐにそこから離れるが同時に命儚も着いてきていた。

 

神司「ドラ!後ろだ!!」

 

ドラ「えっ──ゴフッ……」

 

命儚が持った天叢雲剣によってドラの胸部に貫通するさせていた。幸い、シロには刺さっていなかった。

 

神司「ドラ、伏せろ!神撃『一撃一閃』!」

 

無茶だ。ドラの体には天叢雲剣が刺さっている。伏せろなんて無理だ。そんなことはわかっているのでドラには当てないように命儚の首を斬ろうとした。しかし硬くて斬れない。

 

命儚「もう、良いでしょう、稀神家は私の手で殺させて下さいよ。」

 

神司「ヤだね。」

 

命儚「はぁ、そうですか。それなら増援(・・)しますか。」

 

命儚は指を鳴らすと俺の後ろから魔方陣が現れてそこから見覚えのある悪魔が現れた。

 

?「お前ら、殺す。主の、命令、だから…!」

 

怠惰「ザキレウス!?」

 

そう、あの見覚えがある悪魔は一度苅亜の手によって首を殴り飛ばされて死んだ筈のザキだった。

 

命儚「待ちなさい、ザキレウス。あなた、私の血を少し飲みなさい。」

 

ザキに左腕を差し出す命儚。その時、予知が頭に流れた。

 

神司「まさか…!」

 

『血を飲みなさい』。それはつまりザキは悪魔ではなく吸血鬼。しかも”レウス„とは竜などに使われる事が多い。つまり…ザキレウスとは悪魔ではなく吸血鬼ではなくて、吸血竜人だということになる。しかももっと考えれば命儚の皮膚が硬くなったのはシロの血を吸ってからだ。その状態の命儚の血をザキレウスが飲めば──ッ!

 

神司「動ける者は今すぐザキレウスを止めろ!ザキレウスが覚醒する前にザキレウスだけでも殺せェ!!」

 

命儚「気づくのはもう遅い!このザキレウスには私を越えてもらう!いや、越えたのだ!!」

 

ザキレウスはもう既に命儚の腕に噛みついていた。




吸血竜人とは、
竜人と吸血鬼のハーフ。そのため竜人から(ドラゴン)にも変化する、そして吸血鬼独特の吸血機能も持っている。
【追加】不死に関係する血液を飲食すると吸血竜人は何かしらの新能力(NEWアビリティ)を獲得する。

針塊 命儚 《吸血竜人》
嫉妬 レヴィアタンの血盟…ではなく、古代の悪魔が生きていた頃(アベル=サタナキアがまだ生きていた頃)に何度か吸血竜人(ハーフ)は生まれていた。その中の一人。

ザキレウス 《吸血竜人》
針塊 命儚の説明と同じな為省略。




次回、第113話 地獄化する幻想郷
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