紅風嘘無剣だけでは、あの数は防ぎきれない。だから、守りのスペルを発動する。
亜無「嘘符『紅き魔竜陣』!」
地面から紅い壁が出てきて俺の周りを囲む。分散された槍はどうにか防げたが、大槍だけは防げなかった。なので紅風嘘無剣で受け止める。するとオーディンがその槍を掴み一度紅風嘘無剣から離すと、グングニルに大槍は戻り再度ぶつけた。
紅風嘘無剣とオーディンのグングニルが、ぶつかり合う。その衝撃で後ろの家がガタガタと揺れ、苅亜と正邪が必死に零愛を守っているのがわかった。この場は危険なので瞬間移動を使用して先ほどまで命儚と死闘を起こしていた場所まで来た。
オー「 !! 成る程、他の仲間たちを守ったか。」
亜無「そうさ、お前を倒してからあっちに参戦する。その方が人里のためでもあるし、仲間たちのためになるから、なッ!」
オー「ッ!」
グングニルを押し返し、体制を整える。
亜無「あんたには色々と教えてもらったよな、オーディン。」
オー「あぁ、そうだな。でもそれがどうした。」
亜無「あの特訓も演技だったと言うのですか?!」
オーディンに問う。俺らをわざわざ強化させたのは今回の異変を解決させるような力まで上げるためなのじゃないのか。事実、俺は格段に強くなった。
亜無「あの時間が無駄だと言わさねぇぞ。」
……もしだ。今回の異変は命儚と苅亜によった洗脳・精神操作の異変だ。そして、オーディンは心の奥底まで洗脳されているとしたら──
亜無「──ッ!」
オーディンのグングニルが勢いよく飛んできた。ギリギリのところで紅風嘘無剣で防ぐ。すぐにグングニルはオーディンの手の元に戻る。表情は無表情だった。少し奇妙だ。
オー「……お前の力はここまでか?特訓したんじゃないか、
元々ひび割れて崩れそうな洞窟がオーディンの気で揺れ始めた。流石は北欧神話の主神だ。もうこの洞窟は保たないかもしれない。洞窟が崩壊する前にこの死闘を決着をつかなければ。
亜無「そうだな…!紅神『scarlet:devil』!」
頭から狼の耳を生やし、本来の耳は消した。背中から悪魔のような羽根を生やした。剣を持っていない片手には大剣 ブラッドグングニルを構える。
亜無「二刀流は久しぶりだ。オーディンさん、存分に暴れさせてもらいますよ。」
オー「来い。」
亜無「合技『スカーレット・シャスティホル』!」
紅風嘘無剣を弓のようにしてブラッドグングニルを矢のように見立てる。そしてブラッドグングニルをオーディンに放つ。
オー「『合技』か…必殺技は奥の奥の手で使うものだぞ!!爆槍『バーニングジャッジメント』!」
グングニルの矛先を爆散させて、俺の方向に突き刺そうと突進してきた。
亜無「なっ!?ッ!」
防げずに肩に突き刺しされる。すぐにわかった。肩から何か変なのが流れ込んできた。
ヤバイと思いオーディンを蹴り飛ばそうとしても足がギリギリ届かなかった。
オー「俺は戦争と死の神だ。気づいたと思うが亜無の身体に直接『死』を送っているんだ。しかも足が届かないと見た。そのまま死に行け。」
亜無「ッ……!」
もう死ぬかもしれないと、思っていると──
?「貴方は死なないわ、私が守るもの。」
亜無「ッ!?」
天は見えないが上から声がした。
上を見るとそこから見覚えのある妖怪と天使がスキマを開けて出てきた。
亜無「紫さん…サユリ!?」
オー「……サリエル…!!」
サユリ「ハアァァァァ!!!」
オー「ッッ!!」
サユリのキックでオーディンが蹴飛ばされる。
二人は着地するが、サユリだけはオーディンを睨んでいる。
紫「待たせたわね。」
肩に刺さっているグングニルを抜いて投げ捨てる紫さん。とても痛いが、我慢する。
亜無「ッ──!!」
紫「男でしょ?我慢しなきゃ!」
亜無「めっちゃ我慢、して…ますよっ!」
くそ痛ぇー!!心が叫びたがってるんだ、ってかもう叫んでる!!!
自分にツッコミを入れながらも羽根で体制を整える。まだ紫さんとサユリが来てくれたので助かる。
サユリ「オーディン…か、実際に話したのは初めてかな?」
オー「フフフッ、落ちこぼれでいらない存在のサリエル様が、今更俺に何の用だ。」
サユリ「お前、操られてるだろ。」
オー「さぁね、何の事やらッ!」
サユリ「はぁっ!」
オーディンはグングニルで攻撃を仕掛けるがサユリの拳がオーディンの頭を殴った。
オー「ごはっ!!?」
サユリ「私が体術をするとは意外でしたか?」
それは俺が意外だと思ったよ、サユリ。普通に弾幕や武器を使うかと思っていた。
オーディンは立ち上がるとしつこくサユリに向けて刃を立てた。
オー「落ちこぼれに用はねぇ!そこをどけ!そこの妖怪もどけぇ!」
目の色が紅黒くなるオーディン。はっきりと解った。オーディン
オーディンさんは真っ先に俺のところに一直線で走ってくる。紫さんが俺を守るように前に立つ。しかし今はごめんなさい。
紫さんを左に退かして前に進む。
紫「退かないわよ─って!」
亜無「…嘘符……『ダウトドロー』…ッッ!!!」
オー「ぐがッ──!!!」
拳を紅くさせて思いきり突進してきたオーディンさんの腹を殴った。いつもよりも何倍の力を込めてレフトを入れ込んだ。その衝撃でブッ飛んでいき、狭い洞窟中に飛んでいってぶつかり壁が少し崩れる。
亜無「ふぅ……」
サユリ「え…?え?殺しちゃったの??」
亜無「殺してないよ。でも手応えはあった。最悪気絶、もしくは…」
『まだ倒せていない』と言おうとしたが岩が落ちる音がした。
そこから血だらけのオーディンさんが現れた。
亜無「オーディンさん……」
オー「ハァ、ハァ、ハァ…
三人「 !!? 」
オーディンさんの様子がおかしい。精神操作の暴走か、または…!
紫「暴走!?」
オー「ガァァァァ!!!」
三人「ッ!!」
狭い洞窟内で雄叫びを出されて俺ら三人は耳を塞ぐ。
するとグングニルを分散させて全てをサユリ中心に放った。
亜無「サユリ!!」
間に合え俺!と心の内で叫ぶがサユリはシールドを張る。しかし分散されたグングニルの何本かがサユリ腕と脚に刺さった。
亜無「大丈夫サユリ!?」
サユリ「近づくな!」
亜無「え…?」
サユリ「私は死の神、サリエル。私が死にはしないけど、今の貴方は死ぬのよ?」
亜無「でもさっき死なないわって…」
サユリ「私たちが守るからね。でも現状が変わった。」
亜無「……」
サユリ「オーディンのことは私に任せて、亜無くんのことは紫さん…お願い…!」
紫「…!わかったわ…!」
呆然とただ立っている俺。サユリ近づくなとまで言われたら俺は何をすればいいのかわからなくなってしまった。すると紫さんがスキマを開けて俺を呼んでいた。まさか、この場から逃げろって言うのか?嫌だよ。
紫「亜無くん!」
はっと気づく。紫さんが俺を呼んでいる声が聞こえた。
紫「逃げるわよ!亜無くん!」
亜無「……神司さんたちが…サユリが…命を懸けて戦っているのに俺だけ逃げるの?絶ッ対に嫌だね!サユリ!俺も戦う!」
サユリ「帰りな!亜無!!」
亜無「だが断る!」
絶対に逃げない。頑固と言われても逃げてたまるか。
するとサユリは何を考えたのか守るのを止めて俺に攻撃しようと左手を向けた。
サユリ「へぇ…そうなの?なら力強くで帰ってもらうよ!」
亜無「 ! わーったよ!紅無『Disappear Lie Scarlet』ッ!!」
サユリ「天罰『die[死]』。」
オー「あ゛ぁ゛?」
俺は大きな紅い球を、サユリは小さいが禍々しい球を同時に放った。このまま行くとこの洞窟は崩れる。
するとオーディンが俺に向かって突進してきた。
亜無「これを待ってたのさ!『無効化』!」
右手を上から下に振って先ほどの二つの球を消した。俺とサユリは突進してくるオーディンに俺は右手、サユリは左手を向けた。
亜・サユ「「紅死『scarlet die impact』ッッッ!!!!」」
俺の能力、“無かったものを有りにする程度の能力„とさっきサユリがポロリと言った『死』の能力を合わせた融合スペルだ。色は紅と禍々しい黒白が混ざった色だ。それを魔理沙のマスパのように放つが一度引いてからオーディンさんを引き付けてから衝撃を与えてレーザーを放った。
オー「ウっ、うおぉぉぉお!!!」
オーディンさんはどうにか耐えようとするが、急にレーザーが途切れてオーディンさんの背中にレーザーが当たった。
オー「ッッッ!!?」
その答えはレーザーの間に紫さんがスキマを開けてオーディンさんの背中の方にスキマを開けた。それでレーザーを消えて移動したのだ。
紫「神隠し『イリュージョンレーザー』、ってね♪」
少しテンションが上がっている紫とは反対にまだ戦闘の形を解かない俺とサユリ。
サユリ「倒せたかなぁ…?」
亜無「流石に、な…」
殆どの力を使ってオーディンさんに攻撃した。まだ起き上がって来たら間違いなく負ける。そしてその考えは現実となった。
レーザーを食らい、少し爆発が起きた砂煙の中からからボロボロのオーディンさんの姿があった。
亜無「まだ…倒れないの……かよ…!」
オー「くっ…っ──」
バタリと倒れたオーディンさん。やっと勝てたのだ。俺はゆっくりとオーディンに近づく。
亜無「オーディン、さん…」
オー「……亜無、くん……命儚の目的は…覚えているか…?」
亜無「…稀神家潰しだった筈…」
オー「正解だ……はぁ、アイツは、亜無くんが考える中でも…最悪な計画を……立てている。」
亜無「それって…!」
オーディンさんはどうにか呼吸をして俺に命儚の真の目的をゆっくりとだが話続けた。