邪神たちの生きる世界   作:紅鎌 神邪

119 / 153
第117話 サグメの秘策

神司「キシャアァァァ!!!」

 

サグメ「麻痺矢!」

 

弓を引いて矢を放つ。神司の当たるが効果は発揮されなかった。続いて苅亜が神司に拳で攻撃するがしっかりと一つ一つ丁寧に払っていく。

 

苅亜「お父さん強え!」

 

神司「刃符『ブレードスパーク』。」

 

苅亜「ひいっ!?」

 

零愛「危ない!」

 

至近距離での刃が一直線に苅亜に向けて放たれる。苅亜は零愛によって助かった。

──って!?今零愛喋った!?

 

サグメ「零愛!」

 

零愛「何?お母さん……あっ!」

 

零愛はしまったと口を両手で塞ぐ。

零愛が普通に喋れたことに歓喜を受ける。我が娘が喋ってくれたのだから。でも場所と場合を考えて欲しかった…

苅亜を連れてゆっくりと私のところに降りてくる。

 

零愛「ごめんね!お母さん!」

 

サグメ「別に良いけど、そういう時はタイミングが大事でしよ?今度から気を付けてね。」

 

零愛「うん…」

 

サグメ「でもアレでしょ?苅亜も家に襲撃してきた時に普通に喋ってたから。そんなにショックじゃないかな。」

 

苅亜「うっ、ごめん。」

 

星花「サグちゃん、その事は後に回そうか。」

 

サグメ「家族問題だからね。零愛、また聞くからね。」

 

零愛「はいぃ…」

 

零愛への質問攻めはまた違う話になる。

でも、あの神司をどうやったら戻せるのか。いっそのこと、犬歯を抜きに突撃をするか…そんなことを考えている内に零愛と苅亜が神司と戦闘を開始していた。

 

苅亜「絶ッ対にお父さんを元に戻す!」

 

零愛「それは同じだよ!苅亜!!斬符『スプライト』!」

 

刃を使って綺麗な青色の斬撃を放つ。苅亜もそれに続いて超音波を神司に向けて放った。

私も何本も麻痺矢を放つが全然痺れている感じがしない。

 

神司「ぐぅ…!?」

 

サグメ(何で?何で倒れないの…?あんなに麻痺矢を放っているのに…)

 

すると咆哮を発すると右手に邪楼剣を持って構えた。

 

神司「ガアァァァア!!!刃砲『インパクトブレード』、桜符『神隠しレクイエム』。」

 

左手からは刃が三本ずつ乱射で飛んでいき、右手で持っている邪楼剣から紅黒い桜吹雪を散りばめていた。しかも風に乗ってこちらにもひらひらと飛んできた。

 

星花「キレイね…」

 

星花は神司のスペルに見とれていたが零愛の反応は全然違った。

 

零愛「このスペル…!みんな、あの花びらは触らないで!」

 

苅亜「何っ、でだっ!零愛!」

 

乱射されている刃を避けながら零愛に問う苅亜。それに応えるように零愛は首を振った。

 

零愛「分からない。でも当たったら絶対に駄目な気がするの。」

 

サグメ「ようするに当たってはいけないのよね。それなら……星花!植物で神司の動きを止めれる?!」

 

星花「……やってみる。」

 

星花の手の合図で神司の下の地面から蔦が十本程生えて拘束し始めた。

 

神司「刃符『刃球円陣』…!」

 

神司の周りに刃の陣が出て、神司の左手に小さい刃の球が上下左右に動いていた。

 

星花「それで切ろうっていうつもりかい?無駄だよ、強度をより追加したからね。」

 

神司「ガアァア!!」

 

もがくが余計にぐちゃぐちゃになり、蔦が絡まっていった。

 

星花「止めたよ!サグちゃん!」

 

サグメ「オッケー、任せてよ…!」

 

私は一本の特別な矢を弓に掛けて構えた。その特別な矢というのは、一週間前に、私と神司とで調合して作った毒付きの鎮静剤だ。今日はいざという時のために鎮静剤を細かく砕いて液状にして矢に塗った。その矢を今使おうとしている。

 

サグメ「軌道矢『毒の夜行』…!」

 

まだ昼だけど…!今はそんなのどうでもいい。これで神司が元に戻れば──

矢が神司の腕に刺さる。毒なので苦しみ出した。

 

 

~神司の精神内~

 

 

クロム「何だ、この息苦しさは…」

 

夢司「外から毒でも入ったのかもな。だが、そんなことが起きてもこの戦闘にはどうでもいいことなのだよ。」

 

酷い戦闘狂だ…いや、一昔前の俺もあんな感じに戦闘狂だったのかもな…。

動きにくい身体を無理矢理動かして夢司との死闘を再開した。

 

 

~人里~

 

 

星花「ああ!蔦が!」

 

苦しみながらも暴れる神司が蔦を力だけで引き千切った。これで自由になれた神司は空を飛んだ。

 

零愛「お父さん!」

 

苅亜「マジか…!」

 

星花「届かない~!」

 

サグメ「私が行く……!」

 

片方の羽根しかないにも関わらず、飛んでいった神司の後を着いていった。

 

サグメ「待って神司!」

 

暴走して聞く耳が持てていないのでそのまま暴れる。

早くどうにかしないと…!あの毒でクロムさんも汚染され始めているかもだから急がなきゃ。でもどうやったらあの暴走状態の神司を止めれば……確か、外の世界の本で──

 

サグメ「ええい!こうなったらやけだ!」

 

私は神司を呼んで此方を振り向かせた。一瞬振り向いたので今しかないと思い、私は神司に口付けをした。

 

神司「 !? うぅうん!!」

 

私を引き剥がそうとするので後ろに腕を回して退かさないようにした。

 

サグメ「っ…!」

 

神司「ううう!!」

 

一分ぐらいしてからゆっくりと離す。

 

サグメ「はぁ…はぁ…」

 

神司「……サグメ…」

 

サグメ「 ! 神司…わかる?私のこと…」

 

神司「…うん。ごめん、サグメ…あと、ありがとう。」

 

神司が優しく私のことを抱きしめた。神司が元に元に戻ってくれて思わず涙が出てきた。

 

サグメ「お帰り、神司ぃ…!」

 

神司「ほんとごめん。ただいま、サグメ。」

 

本当に本当に神司が元に戻ってくれて嬉しい。今が一番の幸せだと感じる時間だった。




暴食「神司が我に帰った!」

神ノ「最終戦と来たね、やっと…!」

暴食「ってことは次回は宴会?」

神ノ「その前に、ザキはどうなったかだよね。次回はそこの話にするよ。」

暴食「成る程、分かりました。では?」

神ノ「そうだな。では、今回はここまで!」

暴食「また次回にお会いしましょう!それじゃあ…」

神ノ「じゃーねー。」
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。