邪神たちの生きる世界   作:紅鎌 神邪

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第121話 【後日談】邪神王の実家での話

~邪壊邸~

 

キラティナイド家が住んでいる邪壊邸(やかいてい)

そこに今、ドラとシロが滞在していた。

 

ドラ「……」

 

むすっとして椅子に座るドラに気づいたクロムはゆっくりと隣に座る。

 

クロム「よっと…どした?ドラくん。」

 

ドラ「……んー、母さんの事が…ねぇ?」

 

あれか?アドラがドラ達の母親だという急なカミングアウトにまだ馴れないと言うことか。

まぁ、あの操られていた時のアドラの闇を見てしまったと言うのもあるのだろう。

しかし、シロちゃんは馴れてもうアドラと楽しくじゃれ合っているが…そうだよな、ドラくんも男の子だ。

 

クロム「馴れないのか?」

 

一応聞いてみる。

 

ドラ「いや…まだ信じれないんです、よ…母さんを…」

 

クロム「つまりはアドラをまだ敵なのか疑っていると。」

 

ドラ「はい…」

 

なるほど、ならまだ俺がアシストできることだな。

ゆっくりと(ついでに優しく)ドラくんに話しかけた。

 

クロム「ならアドラ、じゃなくて母さんのことを観察するといい。」

 

ドラ「観察…?」

 

クロム「そっ、人間観察さ。相手を信じれないのなら相手の動作を観て、相手を覚えれば怖くねぇーよ。」

 

ドラ「……」

 

クロム「そっからだ、相手を敵と判断するのはな。」

 

ドラ「…でも…」

 

クロム「でも何だ?敵は敵だとでも?」

 

ドラ「違います。」

 

この言葉だけハッキリと答える。なら大丈夫そうだな。

 

クロム「んじゃ、馴れてこいよ。ドラくんはドラくんのやることをやってこい。」

 

ドラ「はい!」

 

元気よく返事してアドラの方に駆けていくドラ。俺はベランダで一人紅茶でも…

 

スカル「よぉ、邪神王様ァ。」

 

後ろからアドラの武器のスカルが人形で来た。

 

クロム「ん?お前はケルベロスと一緒に門番していたんじゃ…」

 

スカル「居たッスよ?でも門番つまんねーッスもん。」

 

クロム「あぁ、そう…」( ̄▽ ̄;)

 

だからケルベロスと一緒に門番させたんだろーがよ。戻って来たならしょうがない。とりあえず、ケルベロスに謝って来よう。

 

クロム「……ケルベロスんとこ行くぞ。」

 

スカル「何でッスか。」

 

クロム「あとな、一様俺、ここの王子だぞ?」

 

スカル「キラティナ様の長男なだけでしょ?」

 

クロム「だから敬語を使わない?」

 

スカル「素で宜しいのですか?」

 

クロム「どっちでも良いよ。」

 

呆れたんだよな、正直のところ。話をスルーしたことに気づいていない。本当に邪壊邸の後先はどうなるのか…でも最悪、俺の妹たち(・・)が何とかしてくれるだろ。あー、でもなぁ、アイツだけがな~!

 

クロム「スカル、ちょっと久々にアイツに会ってくるよ。」

 

スカル「妹様ですか?了解です。」

 

何か敬語だったな、アイツ(スカル)

俺は無言でこのベランダから出て、地下まで行って大きな扉の前まで来た。

最初に言っておく。アイツと言うのは俺の妹、そしてアドラの姉さんだ。能力は『破壊と殺戮を繰り返す程度の能力』、名は“リングロイド・キラティナイド„、通称 “紅魔の殺戮(ルージュ)„。ルージュ…リングの性格は俺やアドラよりも似て似つかない性格だ。ただただ破壊衝動が止まらない性格なんだ。

扉を三回ノックする。ここで死ぬかは俺次第だ。

 

リング「はーい。」

 

反応があった。

『お兄ちゃんだ、開けて良いか?』

聞いたところ、許可が出た。

大きな扉をゆっくりと開いて中に入る。まだリングに背を向けたままゆっくりと扉を閉める。

 

クロム「リング、久しぶり。」

 

リング「あははっ!お兄様久しぶり!」

 

黒髪ロングに紫色のフリフリを付けてドレスを着たリングが紫色の羽根を使って俺の方に飛びつく。

こんなに無邪気な性格だが、過去に神五体を相手にして五体とも殺って勝った程だ。神殺しは重罪。だからこの部屋に幽閉しているのだ。

 

リング「ねぇねぇ!お兄様、遊ぼう!」

 

クロム「良いよ、何して遊ぶ?」

 

リング「外行きたい!」

 

それは無理だ。外に出したらどんだけの人が犠牲に…

 

クロム「それはダメだ。」

 

リング「あっそ、なら自分から出るもん。」

 

クロム「 ? 」

 

リングは立ち上がるとすぐに羽根を羽ばたかせて飛んで外に出ていった。

 

クロム「しまった!鍵を閉めるのを忘れていた!」

 

マズイことになる。この邪壊邸にはドラくんとシロちゃんが滞在中なのに…!!

すぐに上に戻って見た光景は、アドラと楽しそうに会話していた。

 

クロム「えぇ…」

 

リング「アドラ久しぶり!」

 

アドラ「姉様…!お身体の方は大丈夫なのですか?」

 

リング「うん、大丈夫だよ。」

 

クロム「リング…破壊衝動は落ち着いたのか…?」

 

リング「あっ、お兄様…今は安心だよ、誰も殺したくないよ。」

 

そう言うとリングはドラとシロを見つけた。

 

リング「アドラの子供?」

 

アドラ「えぇ、そうですよ。二人とも、挨拶を。」

 

シロが先に緊張しながらリングに挨拶をする。

 

シロ「えーっと、シロフォン・マレットです。シロって呼んで!」

 

続けてドラも挨拶する。

 

ドラ「シロの兄のドラ・マレットです。宜しくお願いします。」

 

リング「私は…ルージュ・キラティナイド!貴方らのお母さんのお姉さんだよ。宜しくね!」

 

クロアド「「 !? 」」

 

おいおいおい、リングぅ!何で紅魔の殺戮(ルージュ)を名乗ってんだよ!

俺もアドラも動揺している。

確かに、『リングロイド』っていう名前は珍しくて言う側も嫌なんだろう。俺もクロムは良いが、『ヴェージュ』はおかしいと思う。まぁ、そんなことは置いといおく。

 

アドラ「良いの?姉様の名前、勝手に変えちゃって。」

 

クロム「大丈夫だ、親父に何か言われたら俺が何とかする。リン…ルージュが外に出た事もな。」

 

ルージュが名前を変えたって誰も責めない筈だ。まぁ…親父がどうするかは別の話だがな。

 

クロム「あっ、そうだ。アドラ、六日後に博麗神社で宴会があるからドラくんとシロちゃんを連れて絶対に来いよ。」

 

アドラ「わかったよ…」

 

クロム「どした?」

 

アドラ「いや…ドラくんもシロちゃんも宴会の後は神司さんの方に戻っちゃうと想うと悲しくてね…」

 

クロム「それなら──」

 

ルー「そんなのシンジって奴を殺せば良いんだよ。」

 

クロム「殺させるかよ!」

 

急な破壊衝動が俺の相棒を殺すと言い始めた。

そんな事するならいくら実の妹でも俺は神司を死守する。

 

ルー「なぁに?お兄ちゃん(・・・)。」

 

クロム「ッ……なるほどな、長年リングと住んではいたが…幽閉してて分からなかったな…リングロイド、お前…二重人格なのか!」

 

そう、本来の性格(リングロイド)紅魔の殺戮(ルージュ)は違う人格だったんだ。だから今思えば、リングの大人しい性格と異なる驚異の殺戮は同一人物であり、おかしな性格だった。

 

ルー「や~っと、理解してくれたんだ!お兄ちゃん!」

 

クロム「いつものリングならお兄ちゃんとは言わないからな。」

 

そういうことだ。普通、リングなら俺のことはお兄()と、呼ぶんだが、先程のリングはお兄『ちゃん』とちゃん付けした。だから分かったんだ。

しかし、二重人格は思い付きで言ったつもりがまさかの当たりとは……

さらに俺はリングを見るとより分かりやすいヒントがあった。

 

クロム「(目が紅いな……)…紅いのがルージュでいつものエメラルドのような目がリングなんだな?」

 

ルー「よくぞお分かりで!」

 

人差し指をピンっと立ててウインクする。

なるほど、ホントに分かりやすいヒントだこと。

 

クロム「ルージュに忠告させてもらうぞ。」

 

ルー「どうぞ♪」

 

クロム「神司は俺の大事な相棒なんだ。殺そうしたら俺は許さないからな。」

 

ルー「むぅ、それなら仕方ないね。分かったよ、お兄ちゃん。」

 

クロム「ごめんな。」

 

ルー「大丈夫大丈夫!それじゃあ、リングに戻るね。」

 

ルージュが目を閉じて再び開けると元のエメラルド色の目をしたリングに戻った。

 

リング「どう?ルージュは良い子でしょ?」

 

クロム「あぁ…良い子だよ…」

 

暴走癖があるルージュ……まだまだ十分に残す理由がある。神ノが言う約束までもう少しだ。それまでルージュを扱えるようにしないと。

 

クロム「あっ、アドラは宴会行けるんだよな。」

 

アドラ「うん。」




神ノ「約束、ねぇ…」

暴食「邪王様との約束とは…」

神ノ「あの約束まであと何年だ。確か、先年の約束だった筈だ。そうなると、残り三、四年か…!」

暴食「本当にどういう事ですか!?」

神ノ「よく聞けよベルゼブブ、あと三、四年で日本に脅威が迫る。それはキラティナイド一家……ネタバレになるから止めておく。」

暴食「えぇ!?」 

神ノ「しゃーねーんだよ!メタくてネタバレに成りかねないから!だから閉めるぞ!」

暴食「もう、来るべき時に教えてくださいよ?」

神ノ「分かってる…それじゃあ、今回はここまで。」

暴食「次回は縮んだ神司様の紅魔館での一日です!それでは…」

神ノ「オ・ルヴォワール」
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