邪神たちの生きる世界   作:紅鎌 神邪

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第122話 稀神家のバイト

家族で紅魔館に着いたのは良いが、

 

美鈴「zzz…zzz…」

 

門番である美鈴が立ったまま壁に持たれて寝ていた。

確かに今日は暖かくて眠くなるが、流石に仕事中は寝ないな。

 

サグメ「美鈴さん、起きて下さい?」

 

美鈴「……う~ん、おはようございます。」

 

サグメが美鈴の体を揺すって起こす。30秒位揺らすとやっと起きた。

 

サグメ「門を開けて下さい、予定通り来ましたから。」

 

美鈴「……は!すみません!サグメさん!って、この三人の子供達は?」

 

零愛「妹の稀神 零愛です!」

 

苅亜「零愛の兄の苅亜。」

 

神司「そして、二人の親の神司だ。」

 

美鈴「零愛ちゃんと苅亜くんはわかりましたけど、何で背が縮んだんですか!?神司さん!」

 

それはこっちが聞きたい。朝起きたら背が縮んでましたー、なんて誰が信じるんだ。

とりあえず誤魔化す。

 

神司「知らね☆」

 

星花「うわっ…」

 

神司「何で姉ちゃんが退くんだよ!」

 

 

 

 

神司「──まぁ、そんなこんなでやっと入れた訳よ。」

 

亜無「あはは、お疲れ様です。」

 

やっと美鈴となぜか姉ちゃんを説得させてやっと紅魔館内に入れた。

 

苅亜「それにしても、何で父さんの背が縮んだのだろう。」

 

神司「多分、クロムが俺の精神内に夢を封印したからだと思う。」

 

この部屋に居る皆は誰だそれはと首を傾げる。なので夢について皆に話す。

 

星花「それだと、その夢のせいだと言えるかもね。」

 

神司「だろ?」

 

星花「夢司は命儚と神司の血が混ざって出来た生命体なんでしょ?」

 

神司「そうクロムからは聞いてる。」

 

星花「ならその副作用みたいな代償みたいな事が神司の身に起きているね。」

 

そうか、夢を俺の中に封印することで俺の背まで一緒に封印されたのか。何か、納得いかねー……

そんな話の中、この部屋にレミリアお嬢様が咲夜さんを連れて入って来た。

 

レミィ「あら、皆御揃いね。なら話が早いわ。」

 

咲夜「サグメさんと星花さんは宴会があるまでここで働いてもらうことになりました。」

 

サグメ「何で!?」

 

星花「……神司、お前だね…?」

 

神司「さぁね~、でも二人のメイド姿見てみたい!」

 

サグメ「しんじぃ~!」

 

神司「あはは…ごめん。」

 

あの二人を指名したのは俺だ。

館に入ってからすぐに俺だけ別行動してレミリアお嬢様のところへ行った。それでこの身体のことも話して二人を指名させてもらった。

 

神司「まぁ、この身体じゃ、台所にも立てないし、出来ることなら部屋の掃除することしか出来ないから。」

 

レミィ「んじゃその部屋掃除を神司にやって貰うわ。」

 

神司「承知しました、お嬢様。」

 

零愛「ねえねえ!私は!」

 

零愛は仕事をしたいらしい。レミリアお嬢様が考えていると、苅亜がレミリアお嬢様に提案した。

 

苅亜「なら、俺らは窓拭きで良くないか?」

 

咲夜「窓拭きですか…でもそれは妖精メイドたちがしてくれてますし…」

皆が悩んでいると、フランと黒フラが走って来た。

 

フラン「お姉様!暇だから遊ぼっ!」

 

黒フラ「遊ぼー!」

 

神・レミ「「それだ!!」」

 

黒・フラ「「え?」」

 

神司「零愛、フランたちと遊び行きなよ。」

 

零愛「えっ、でも仕事…」

 

サグメ「今は遊ぶ時間にしてみたら?」

 

嫌そうな顔しながら頬を膨らませる。そこで苅亜も零愛を説得する。

 

苅亜「要するに俺らが出来ることは無いの。仕事が満席なのさ。」

 

零愛「むぅ…分かったよ…お父さん!仕事が空いたらすぐに言ってね!」

 

苅亜「そんじゃ、フランとクーちゃんで良かったっけ?」

 

黒フラ「それで良いよ~!」

 

フラン「右に同じく~!」

 

同時に右手を上げるフランと黒フラ。

 

苅亜「それではお遊戯に出掛けてきます、お嬢様。」 

 

レミィ「行きなさい。」

 

苅亜「は!」

 

四人は廊下をキャッキャッと走って数秒で声が聞こえなくなった。

 

レミィ「では各自、仕事をしに行きなさい。」

 

神司「皆、行ってらっしゃーい。」

 

レミリアお嬢様と亜無以外の皆がこの部屋から出ていった。

さて、二人には構わずはたきでも取りに行きますか。

入ってすぐ左の棚からはたきを取り出して、まずはこの部屋を掃除し始めた。

 

亜無「レミリア、ちょっと席を外してくれない…?」

 

レミィ「ん?良いけど…」

 

バタンと閉まるドア。これで亜無との二人きりになった。

一体どんなことを俺に話すのか。亜無が俺に話し掛けるまで掃除しながら待つ。

 

神司「……」

 

亜無「…神司さん…」

 

神司「ん?どうした?」

 

亜無「…あの裏切り者の件なんですけど…」

 

神司「……」

 

確か、あの仲間の中に裏切り者が居るって俺が亜無に伝えたんだった。

黙って何も言わずに佇んでいる。

 

亜無「……裏切り者だった人は…オー──」

 

レミィ「あっ、そうだ神司。」

 

亜無「~~!」

 

話したかった事がお嬢様によって遮られて話せなくなってしまった。それに先程、部屋から出ていったレミリアお嬢様が十分もせずに入って来た。しかも俺に用があると来た。

 

神司「はい、どうしました?」

 

レミィ「ちょっと着いてきてくれる?」

 

神司「良いですけど…」

 

亜無を見ると、椅子に座って机に倒れていた。

亜無にはちょっとすまないが、レミリアお嬢様の用を済ましてくるよ。

廊下に出てそのまま外を歩く。

 

レミィ「貴方に見せたい人?が居るのよ。」

 

神司「見せたい?」

 

レミィ「そっ、見せたいのよ。」

 

まだ人に会わすなら判るが、見せたいなんて表現は普通使わない筈だ。

さらに人のあとに疑問文になっていることから、人じゃない種族と考えられる。

歩いていくと、地下に繋がる階段の着いた。

地下?囚われているのか。

どんどん下りていくと、薄暗い地下牢まで来た。

死臭もして気持ち悪くなって思わず鼻を摘まむ。

 

レミィ「ここは昔私の両親が使っていた。捕らえた人間をここに連れてきて閉じ込める。最後は血を全て吸い取られて貧血で死亡する。そしてそのまま腐っていくのよ。」

 

神司「まさかレミリアも…!」

 

レミィ「そうだとしたら、抗う…?」

 

神司「…家族に手を出さないっていう約束なら俺は抗わない。」

 

シリアスな空気になると、レミリアは微笑んだ。

 

レミィ「ふふふっ、嘘よ嘘。貴方は私の大事な仲間だもの。殺したりするのは私のプライドが許さないわ。」

 

神司「それじゃあ…あの話も…」

 

レミィ「あれは本当。でも貴方に見せたいのは別なの。」

 

そう言ってから数十分位歩くと一つの大きな牢屋があった。

そこに居たのは、体の大きい見覚えのある悪魔が鎖に繋がれながら倒れていた。

 

神司「ちょっと待て、あれはザキか…!?」

 

見覚えのある悪魔というのはあの異変で暴れていたザキが地下牢で囚われていた。

 

レミィ「私と妹たちで倒したは良かったけど、あのままじゃ人里の人たちにも邪魔じゃない?だからここに閉じ込めたのだけど…後処理をどうするってなってね…」

 

神司「最初から相談するって言ってよ…」

 

レミィ「あら、言ってなかったっけ?」

 

神司「相談の『そ』の文字も言ってないよ…」

 

ザキの後処理って…えげつない相談だな。

そう、だな…俺のスキマにポイ捨てするか、もしくは霊夢と紫のどっちかに封印してもらうかの二択だよなぁ。

マジでどうしよう…

とにかく案が思いつかない。レミリアは考える俺を黙って見ている。っていうか、私らの案は尽きて助けてほしい目で見てくるのは止めてくれ。

選択肢は決めたが一つの質問が思い付いた。

 

神司「ザキの後処理は俺のスキマで何とかするとして、レミリアに一つ質問良いか?」

 

レミィ「何かしら。」

 

神司「命儚の死体はどこにあるんだ?」

 

ザキがここに捕らえているのだから、あの場に命儚の死体を放置するわけがない。俺も人里に吸血竜人が転がっていたら流石に何か起こすから、俺だったらの話だけど。

 

レミィ「……あるにはあるけど、死んではいないわよ。」

 

神司「なら話が早い。案内をお願い。」

 

レミィ「着いてきて。」

 

牢屋がまだいくつもあった。その五個隣の牢屋に命儚が座っていた。

 

レミィ「針壊 命儚、起きれるか?」

 

命儚「……神司、か。」

 

神司「なあ流弥、あのお方ってのは誰だ?」

 

命儚「唐突ですね、でもその答えはNOです。」

 

神司「俺は誰だと聞いているんだ。」

 

命儚「すまない神司…ならば奴のあだ名だけ、教える。」

 

暗い顔で答える命儚。名前は言えない様子だけど、あだ名だけなら何か掴める…!

 

命儚「……神司は聞いたことあるかもな、“大悪魔邪神王„を。」

 

神司「は?」

 

ちょっと待て、大悪魔邪神王は知っている。何せ、俺が聖戦の時に名乗った名前なのだから。でもあれはクロムが──

 

神司「あっ!」

 

そうだ、“大悪魔邪神王„はクロムの親父のあだ名だ。少ししか聞いたことがないけど、間違いない。

まさか……ラストは大悪魔邪神王を倒さないと、全ては解決しないってのか。

流弥が命儚になった元凶はそうだとしたら、神ノの力がいる。

 

命儚「……て言うか、今更なんだが…神司の背、縮んだ?」

 

神司「黙れ!」

 

 

 

 

とりあえず、ザキにトドメを指して、命儚は回復するまで紅魔館の地下牢で生活することになった。

今俺は、仕事…ではなく亜無を探している。亜無の話をまだ聞けていないからだ。

あんな中途半端なところで終わったら最後まで聞きたくなる。

探しているとまず見つけたのは咲夜さんとサグメと姉ちゃんの三人だった。

 

神司「あっ、サグ──え、かわいい。」

 

メイド姿をしているサグメを見つけた瞬間、何かグッと心にきた。

正直凄く可愛いという単語の組み合わせしか出てこない。

 

サグメ「神司…///」

 

俺を見つけるとサグメは頬を赤らめた。メイド姿が恥ずかしいのかもしれない。でもまた、そこが可愛い。

 

【挿絵表示】

 

 

星花「いひひっ、どうだ弟よ!」

 

姉ちゃんもメイド姿で現れた。

それに眼鏡をかけている。

 

神司「何、イメチェン?」

 

星花「あっ、気づいた?えへへ、似合うでしょ♪」

 

 

【挿絵表示】

 

腕を後ろにして自慢気に俺を見てくる。

確かに似合ってはいる。またニヤニヤしているので何か言ってほしい様子だ。

 

神司「似合ってはいるけど、その眼鏡、度あるの?」

 

咲夜「そこについては安心して下さい。だてなので。」

 

なら安心だ。正直姉ちゃんは目が良すぎるから眼鏡なんてつけていたら目が壊れるだろうからな。

 

神司「それで?皆は今から仕事?」

 

咲夜「ええ、この六日間手伝ってもらいます。」

 

星花「さっ、さすがに休息は、あるよね…?」

 

青い顔で咲夜さんに聞く姉ちゃん。少し怯えている感じもある。

 

咲夜「では、星花さんだけ休みは無しで。」

 

星花「酷い嘘は止めてよ!!」

 

 

 

 

一方、地下部屋はというと──

 

零愛「カードゲーム飽きたね…」

 

フラン「そーだねー。」

 

黒フラ「苅亜ー、何かない?」

 

苅亜「んー、寝る?」

 

三人「賛成!!」

 

現在昼2時、暇をもて余した子供四人は昼寝を始めた。

さて、視点を戻して神司は、亜無の捜索を再開していた。先程の部屋には居なかったので違う部屋に居ると思っていた。でも違った、この館内には居ないのだから。

亜無は紅魔館の屋根に座っていた。泣きながら自分を責めながら、ただただ座るだけ。

そんな光景を俺は眺めることしか出来なかった。何があったのか、聞くことは出来ずに今日という日が過ぎてしまった。




神ノ「亜無の話はカットして、次回宴会。」

暴食「宴会の話では久しぶりに全員集合!」

神ノ「次回、“世の神社では宴会中„!」

暴食「それではまたここでお会いしましょう!」

神ノ「んじゃな。」
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